「韓国の次期大統領がクアッド会合参加を打診」=日経
韓国の尹錫悦・次期大統領が、来月の東京のクアッド首脳会合への参加を打診した、とする話題が出て来ました。ただし、正直、「韓国大統領のクアッドへのオブザーバー参加」という話は、新しい情報ではありません。そういえば、先月からこの手の話題がしばしば出ていることを思い起こしておくと、むしろ日韓関係を巡っては、尹錫悦政権発足後に大きな波乱を想定する必要もありそうです。
相次ぐ虚報?それとも…
尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権の発足を控え、日韓関係「改善」に向けた報道合戦が過熱してきた感があります(報道「合戦」というよりも、報道「工作」といった方が良いのかもしれませんが)。
たとえば、『日韓関係にも影響を及ぼす「社会のインターネット化」』では、朝日新聞が先月29日、「尹錫悦氏が対日政策に関する基本方針を伝えるために、日本に『政策協議団』を派遣する方針を固めた」と報じたとする話題を取り上げました。
これに関しては不思議なことに、現在までのところ、続報はいっさい見当たりません(例外といえば、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)にそれを否定する報道が掲載されたくらいでしょうか)。
また、先週の『「日韓が関係改善チーム立上げ方針」とTBSが報じる』では、岸田政権と尹錫悦・次期政権が「関係改善チーム」を発足させる方針だとするJNN/TBSによる「独自報道」記事に関する話題を取り上げました。
これに関しても、報じたのがJNNのみであるという点に加え、おそらくは3月の岸田文雄首相と尹錫悦氏の電話会談で岸田首相が言い出したという点も、大変に不自然な話です。
もちろん、「岸田首相ならそれを言いかねない」、「外務省がそのようなことを考えていても不思議ではない」、といった懸念があることはたしかですが、もし岸田首相が本当にそんな発言をしていたのであれば、韓国メディア、あるいはわが国のメディアなどが、こぞって報じていなければおかしい気がします。
今度は日経が「クアッド打診」と報じる
このように考えると、朝日新聞が報じた「政策協議団」にせよ、JNNが報じた「関係改善チーム」にせよ、関係者が世論の反応を伺うためにリークしたのか、はたまたこれらのメディアがでっち上げただけなのかは知りませんが、現時点では公式に決定されたものではないと考えておいて良いでしょう。
もっとも、この手の「日韓関係改善」を巡る報道は、今後も次々と出て来ると思っていたところ、日経新聞にちょうど本日、こんな記事が掲載されていました。
韓国次期政権、クアッド首脳会合へ出席打診 5月下旬に日本開催、日米との首脳会談探る
―――2022年4月14日 1:58付 日本経済新聞電子版より
記事タイトルにもありますが、尹錫悦次期政権が5月下旬に日本で開催される見通しの、日米豪印4ヵ国(クアッド)の首脳会合へオブザーバー参加を非公式に打診していた、などとする記事です(なんだか、「また出て来たな」、という印象を抱いてしまったのはここだけの話ですが…)。
日経によると、これは「クアッド参加国の政府高官が明らかにした」もので、尹錫悦氏の側が「米国や日本との連携強化を重視」したもので、「実現すれば韓国にとってクアッド会合への初参加となる」、「来日に合わせて米韓や日韓、日米韓などの首脳会談も模索する」、などとしています。
「クアッド参加論」は初めてではない
ただ、この手の「韓国がクアッド会合参加を模索している」とする報道が出てくるのは、これが初めてではありません。
先日の『鈴置論考「保守政権で米韓関係はむしろ構造的に悪化」』でも取り上げましたが日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の最新論考『「米国回帰」を掲げながら「従中」を続ける尹錫悦 日米韓の共同軍事訓練を拒否』(4ページ目)などでも、同じような話題が出て来るからです。
鈴置氏は論考のなかで、「5月に東京で開催予定のQuad首脳会議に尹錫悦大統領を『ゲスト』として招待させようと、次期政権は小陰謀をこらしていた」ものの、米国からは「Quadに参加するならちゃんと入れ」と叱られてしまった、と指摘しています。
今回の日経の記事にあった、「クアッド参加国の政府高官が明らかにした」とする部分が事実であれば、韓国・尹錫悦次期政権側がクアッド参加国に対して参加を打診しているというのは、こうした鈴置論考の記述とも整合するものでもあります。
なぜ日本が「資産現金化」で困るのですか?
もっとも、日経新聞の記事の続きは、何かと首をかしげてしまう記述が出て来るのもまた事実です。たとえば、こんな記述です。
「尹氏は対日関係の改善に前向きな発言を繰り返してきたが、両国間には世論が敏感に反応する歴史問題が横たわる。元徴用工訴訟で差し押さえられた日本企業資産の現金化の時期も迫る」。
そもそも論ですが、「歴史問題」を巡って「世論が敏感に反応」の意味がよくわかりません。国際法、約束、条約を守るのに世論の反応は関係ないからです。
もしも「韓国側の世論」が敏感に反応する、という意味であるならば、それは韓国側の問題であって、文在寅(ぶん・ざいいん)政権、尹錫悦・次期政権、あるいはさらにその次の政権などが何とかしなければならない話であり、我々日本の側が配慮しなければならない話ではありません。
また、「日本の世論」が敏感に反応する、という意味であるならば、その原因はそもそも「歴史問題」にあるのではなく、「韓国による法破り」という問題にあります。自称元徴用工訴訟で日本企業の資産が差し押さえられた件についても、日本政府のスタンスは「現金化するならしてみろ」、というものでしょう。
(※というよりも、非上場株式だの、特許権だの、商標権だのといった資産をどうやって換金するのか、その詳しい解説を日経新聞で読んだ記憶がありませんが、「経済新聞」を名乗るのなら、最低限、このあたりの事実関係を調べてからにした方が良いのではないかという皮肉のひとつも言いたくなります。)
記事は外務省関係者あたりが書かせた?
ところで、日経の記事ではいちおう、「日本側には首脳同士で会談するには韓国側の一定の歩み寄りが前提になるとの意見がある」、「大統領就任の直後という日程でもあり準備が整わない可能性はある」など、韓国大統領訪日が実現しなかった場合の「逃げ」も用意しているように見受けられます。
ただ、「民主主義などの価値観を共有する陣営の結束を国際社会に示す狙いがあり、韓国も加われば厚みは増す」、といった記述を読む限りにおいては、この日経の記事は、韓国の次期政権、あるいは日本の外務省の媚韓派あたりの意見を聞き入れて執筆されているように思えてなりません。
とくに、「韓国側の一定の歩み寄り」というくだりは、この記事を書かせたのが外務省関係者であり、「韓国が歩み寄れば日本も歩み寄る」という、日韓関係を「古き悪しき密室外交」に戻そうとしている、という可能性を示唆しているのではないでしょうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、この日経の記事についても、韓国側から反応が出て来ました。韓国メディア『中央日報』(日本語版)によると、政権引継委員会側はこの日経報道を「事実ではない」と否定したのだそうです。
日本メディア「尹政府、5月『クアッド』に出席打診」…引き継ぎ委「事実ではない」
―――2022.04.14 11:15付 中央日報日本語版より
ただし、この手の反応が出て来ること自体、日経の報道が本当に「事実ではない」という可能性だけでなく、「韓国側が打診したけれども断られた」という可能性があることも示唆しています。
いずれにせよ日韓関係を巡っては、むしろ次期政権発足後に大きな波乱を予想しておく必要がありそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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日米豪首脳 「ところで例の三不一限の約束。あれどうするつもりなの?」
尹新大統領 「ヤだなぁ、前の口約束なんて、政権が変わればチャラがウリナラの常識ですよ」
日米豪印首脳 「ふ~ん。じゃ、ここで聞いたはなしも、5年間限定ってことなのね」
続き:
尹新大統領 「ヤだなぁ、5年間も約束を守ったことがないのがウリナラの常識ですよ」
またかよ。
文のときも赤坂迎賓館で日韓会談するというようなガセ情報があったよね。
これはリークしてつぶす手口と読んだ。
日本メディア発の「韓国から打診があった・要請された」は、韓国側の「そんな事実は無い」を引き出すための誘い水のような気がします。
曖昧戦略の即時放棄も厭わないのですから、『だが(日本に)断られた!』は、どうしても晒されたくない(特に自国民に)屈辱なのかもですね。
韓国の次期大統領にはほんの少しだけ同情してしまいますね。ほんの少しだけ。
なにせあのムン・ジェインの後始末ですからね……
パク・クネがまだ(僅かに)マシに見えるあのムン・ジェインですから、ね。
でもまあ自ら望んで大統領選挙に立候補したんだから、ほんの少しだけ。
いいですねえ(笑) 私も、
日本側のリーク戦術説に一票です。
新政権とは言っても、
倒日と用日の違いだけの
韓流反日政権なのですから、
厚かましく奇襲をかける準備を
していたことでしょう。
しかし、
米国に予告されウクライナに準備させ
世界の耳目を集めたなかで失敗した
プーチンさんのように、
次期大統領がほんとに言ってきたときには
『やっぱりねえ~』と相手にされず
田原の爺さんや
ミスター民主党鳩ポッポさんたちが
もっともらしい応援で意地を張っても
鼻で笑われてしまうことでしょう。
最後の中央日報の記事、東京五輪に行こうとしまくって、日本側から痛烈な評価を喰らって萎れちゃって文在寅氏を思い出しますw
松野官房長官が公式に「報道されたような事実はない」と否定してますな。
まあ、勘ぐれば、韓国側が日経に巣食う親韓派に書かせたというあたりなんでしょう。
経済以外の記事は比較的マトモと言われていた日経ですが、今や見る影もないですね。
日本経済新聞社は韓国の走狗になり果てた感があります。
日韓関係改善というか日本の譲歩を期待していることが紙面からひしひしと伝わってきます。
多分半島系の方に乗っ取られたのではないかと思っていますが、それにしてもあからさまな日韓関係改善への拘りは日経の信用を著しく失墜させるものであります。
日経出身の方には鈴置さんという大変見識のある方もおられますが、鈴置さんの日経退職に至る経緯も大変気になっています。
日経に関しては、政治と経済に関する記事は事実に関する部分以外は全く信用していません。
芸術や文化関連の記事は結構評価できるのですが。
社名を変えたほうが良いかも知れませんね。
最近の日経の経済面は酷いものがあるね