慰安婦団体の次は「光復会」会長も資金流用疑惑で辞意

韓国「光復会」の金元雄(きん・げんゆう)会長が会の資金を流用した疑惑の発覚を受け、辞意を表明したそうです。これを巡って、韓国の保守系野党は、「第2の尹美香(いん・びこう)だ」などと批判しているのだそうですが、正直、壮大な「歴史利権」そのものが自壊し始めているのかもしれません。

2022/02/17 15:00追記

本文の誤植等を一部修正しております。なお、サイトエラーにより読者コメントが消えてしまっていますが、これについては現在、原因の調査中です。

自称元慰安婦問題

当ウェブサイトではこれまでも何度となく指摘してきたとおり、そもそも韓国が主張する「慰安婦問題」、すなわち「戦時中、日本軍が組織として、朝鮮半島で少女20万人を誘拐し、戦場で性的奴隷として使役した」とされる問題には、客観的に立証できる物証というものがありません。

1993年に当時の官房長官だった河野洋平が出した『河野談話』は、「慰安婦問題が事実であると日本政府自身が認めた証拠」として悪用されていますが、こうした政治的な談話などを除くと、慰安婦問題を「証明」する手段は、自称元慰安婦らの証言くらいなものでしょう。

しかも、これらの証言も、途中でコロコロと変わってきています。

たとえば『「反日種族主義」著者、慰安婦強制連行説の崩壊を予想』などでも取り上げたとおり、自称元慰安婦のうちのひとりは、1993年ごろには「赤い靴とワンピースを見てついていった」と証言していたのに、2000年ごろには「日本の軍人に連れていかれた」と証言を変えているのだそうです。

すなわち、自称元慰安婦問題自体、もともと存在しないにも関わらず、朝日新聞の虚偽報道などを奇貨として、いまや日本に対して謝罪や賠償を引き出し、精神的優位を感じるための壮大な「利権の塊」であり、言ってみれば、韓国にとっては「権利もないのに債権者として振る舞うことができる手段」のひとつなのです。

その意味では、自称元徴用工問題に関しても、韓国側による自称元慰安婦問題の「二番煎じ」、あるいは「二匹目のどぜう」を狙った利権化の動きと理解するのが正確でしょう。

尹美香(いん・びこう)疑惑

もっとも、これらの虚偽の問題に対し、日本政府、あるいは私たち日本という国そのものが、毅然として対処し続けることが大切です。『相次ぐ韓国の自爆、日本が「エサ」与えなくなったから』などでも報告したとおり、日本が毅然とした姿勢を続けていれば、いずれ勝手にボロが出て来るからです。

その典型例が、「尹美香(いん・びこう)疑惑」でしょう。

韓国の自称元慰安婦らの支援団体である「(旧)挺対協」、あるいは現在の「正義連」などの組織といえば、現在の国会議員でもある尹美香(いん・びこう)前代表が、詐欺などいくつかの容疑で立件され、現在は刑事訴追されていることでも知られています。

韓国法務部が野党議員に提出資料した資料によると、尹美香前代表は募金や公的な補助金を横領し、「焼き肉店や菓子店、マッサージ店、自らの交通違反の罰金支払いや所得税の納付」などに流用していたことが疑われているそうです(『自称元慰安婦問題とは結局、韓国自身が解決すべき問題』等参照)。

そして、個人的にはこの「尹美香疑惑」を巡って、さまざまな意味で、自称元慰安婦問題を含めた「歴史問題」自体が、「壮大な利権の塊」である証拠に思えてなりません。その最たるものは、もともと存在しない問題に乗っかり、日本を糾弾することで韓国社会から注目を集める、という手法です。

こうした戦略は、2015年12月28日の「日韓慰安婦合意」によって、破綻の危機に瀕しているといえるでしょう。なぜなら、日本政府は自称元慰安婦問題を巡って、「解決済み」の一点張りで、日本政府からの追加謝罪・賠償など、期待できなくなったからです。

それだけではありません。

慰安婦合意自体を巡っては米国、欧州諸国などの国際社会が「歓迎する」との声明を出しましたし、さらには文在寅(ぶん・ざいいん)政権発足後に韓国政府が慰安婦合意を破ったことで、(韓国流に言えば)日本政府が「約束を破られた被害者」の地位を得てしまったからです。

今度は「金元雄疑惑」

こうしたなか、最近だと、尹美香疑惑以外にも、韓国国内では自称元慰安婦支援団体と「保守系」の団体が、日本大使館(跡地)前のデモ集会を巡って対決を深めている(『日本大使館前の水曜集会巡る韓国国内の対立深まるが…』等参照)、という話題もあります。

このような事象を眺めていくと、現在、韓国社会で発生し始めているのは、「慰安婦」だけでなく、もっと大きな混乱ではないかと思えてなりません。

こんなことを考えていた矢先に、昨日は「日本統治時代の抗日独立運動家の子孫」が作ったとされる韓国の団体「光復会」で、金元雄(きん・げんゆう)会長が辞意を表明する、という出来事が発生したそうです。

「反日」主導の韓国抗日団体トップ 横領容疑で辞意

―――2022/2/16 17:05付 産経ニュースより

産経ニュースによると、金元雄会長は16日、会の資金を横領した疑いが発覚したとして、辞意を表明したそうです。また、産経ニュースは金元雄氏を巡り、「極端な『反日』主張や保守派を『親日』と決め付けて糾弾する行き過ぎた言動で物議を醸し、以前から辞任を求める声が相次いでいた」、と評しています。

この点、本件についてはまだよくわからない点も多いのですが、あくまでも報道等に基づけば、「奨学金支給に充てるとの名目で国会で運営してきたカフェの収益金で裏金を作り、一部を自身の衣装、理髪代、マッサージ費に流用した」、「会の施設を親族の会社に勝手に使わせていた」などの疑いがもたれているそうです。

なんだか、「尹美香疑惑」と似たものを感じてしまいますね。

自壊するのは歴史利権だけなのか?

このあたり、当ウェブサイトでかなり以前から力説してきた、「利権の3つの特徴」という議論とも、非常に整合しています。

利権の3つの特徴
  • ①利権は得てして理不尽なものである。
  • ②利権はいったん確立すると、外からそれを壊すのが難しいという特徴を持つ。
  • ③ただし、利権を持っている者の怠惰や強欲で利権が自壊することもある。

(【出所】著者作成)

自称元徴用工・慰安婦問題を含めた歴史問題は、もともと存在しない問題をでっち上げて日本を国際社会で貶めるという意味では、明らかに「理不尽なもの」ですし、一種の聖域と化しており、議論すら許されないという雰囲気もある点から、「外から壊すのが難しい」という特徴を備えています。

しかし、正直、利権というものは結局、強欲、怠惰、腐敗などにより、利権そのものが自壊しそうになっているのかもしれません(いや、自壊するのは「利権」だけではないのかもしれませんが…)。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. りょうちん より:

    あまりのニュースの新しさ感の無さに、誰もコメントしないwww。

    1. 名無しの権兵衛 より:

      りょうちん様へ
       昨日、数件のコメントがあったのですが、何故か消えてしまったのです。

    2. とある福岡市民 より:

      そうですよ。なぜか消えてしまいました。

      金元雄は父親が二回も死んだ男ですから、是非映画にして欲しいとコメントしたのですけど。
      題名は「光復会会長の父は二度死ぬ」。

  2. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

    辞任しただけ立派かも

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