韓国大統領選候補者「積弊清算」発言に文在寅氏が反発

文在寅・現韓国大統領と、次期大統領の有力候補者である尹錫悦氏が、正面からぶつかっているようです。ことの発端は、尹錫悦氏が韓国紙のインタビューで、文在寅政権に対する「積弊清算捜査」を行うと述べたことで、これに対し文在寅氏側が謝罪を求めるなど、強く反発しているのだとか。ただ、尹錫悦氏が文在寅氏に「謝罪」したとして、文在寅氏が歴代大統領の「末路」を辿らないという保証はありません。

2022/02/16 10:15追記

本文中の誤植等を修正しております。

歴代韓国大統領の「末路」

当ウェブサイトでは以前からしばしば言及してきましたが、韓国の大統領は退任すると、たいていの場合、暗殺されるか、本人か親族が逮捕・投獄されるなどの「末路」を辿ります。

一番手っ取り早く確認していただくならば、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が1月28日付でウェブ評論サイト『デイリー新潮』に寄稿した『韓国は猿芝居外交のあげく四面楚歌に…「文在寅」退任でも日韓関係は修復せず』の2ページ目の図表などがわかりやすいと思います。

これによると、初代大統領である李承晩(り・しょうばん)からして、「不正選挙を批判され下野し、ハワイに亡命(いわゆる四月革命)」とありますが、それだけではありません。

第3代目の朴正煕(ぼく・せいき)は腹心のKCIA部長により射殺されていますし、最近だと盧武鉉(ろ・ぶげん)、李明博(り・めいはく)、朴槿恵(ぼく・きんけい)の各元・前大統領らも、検察から捜査されたり、逮捕されたりしていることが確認できるでしょう。

これだとまるで、大統領選のたびに「革命」が起こっているようなものではないでしょうか。

当然のことながら、現在の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領にしたって、5月に任期満了で退任すれば、あとから刑事訴追されるという可能性は十分にありそうです。

尹錫悦候補が「積弊清算捜査」に言及

こうしたなかで、昨日はちょっと興味深い話題がありました。

3月に行われる大統領選の有力候補のひとりで、野党「国民の力」の公認を得ている尹錫悦(いん・しゃくえつ)候補が、自身が大統領に当選したあかつきには「前政権の積弊を捜査する」、などと発言したのだそうです。

文大統領と最大野党候補が正面衝突 選挙に影響か=韓国

―――2022.02.10 15:38付 聯合ニュース日本語版より

韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の昨日付の記事によると、問題の発言は、9日に掲載された『中央日報』とのインタビューに掲載されたもので、具体的には次のような趣旨の発言がなされたのだとか。

「(文在寅)政権が検察を利用し、どれほど多くの犯罪を犯したのか。それ相応の責任を取らなければならない」。

ただ、この発言に対し、これまで「政治的中立性」を保つため、大統領選を巡って沈黙を続けてきた文在寅氏が「激怒」し、尹錫悦氏に対し謝罪を要求。さらに左派の与党「ともに民主党」側も尹錫悦氏への構成を強める構えだ、などとしています。

聯合ニュースは「現職大統領が野党の大統領候補に『強い怒り』を表し、謝罪を要求するのは異例」、などと指摘。文在寅政権自体が朴槿恵政権の「積弊清算」を掲げて発足した経緯に照らし、尹錫悦氏が同じ「積弊」の用語を使ったことが「文在寅政権の本質の否定」として強く反発した、などと分析しています。

一方で、野党「国民の力」側はこの謝罪要求に対し、「不当な選挙介入だ」などと反発しているそうです。

政権「大統領に謝罪すれば終わること」

また、同じ『聯合ニュース』には、こんな記事も掲載されていました。

最大野党候補発言に「選挙戦略なら低劣」 謝罪求める=韓国大統領府

―――2022.02.10 18:40付 聯合ニュース日本語版より

こちらの記事では、文在寅政権側の声明が、もう少し詳しく紹介されています。

具体的には、韓国大統領府高官が10日、記者団に対し、この尹錫悦氏の発言を「選挙戦略なら低劣であり、所信なら危険」として「強く批判した」のだとか。

さらには、「民主主義者ならそのような発言はしてはならないと思う」、「大統領に謝罪すれば終わること」などとしたうえで、「このような事案で大統領を選挙に巻き込んだことは実に遺憾」と強調した、とも記載されています。

ただ、単純な疑問ですが、かりに尹錫悦氏自身が文在寅氏に対し、発言を謝罪したとして、それで文在寅氏としては気が晴れるものなのでしょうか。

むしろ、尹錫悦氏が謝罪に応じ、そのことによってより多くの韓国の有権者が尹錫悦氏に投票し、結果的に尹錫悦氏が次期韓国大統領に就任するような事態になれば、どのみち尹錫悦氏は文在寅氏の「積弊清算捜査」に踏み切るような気がしてなりません。

その意味では、文在寅氏も5年間の在任期間中にこれといった成果もないなかで、任期末を迎え、ちょっと余裕をなくしているのかもしれませんね。

いずれにせよ、韓国大統領選まで、あと1ヵ月を切りました。

尹錫悦氏が当選するのか、李在明氏が当選するのか、はたまた違う候補者が当選するのか――。

このあたりは日韓関係という観点からも、ひとつの重要な注目点であることは間違いないと思う次第です。

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