今夏、社民党を待つ「2%の壁」
国内政治における今夏の注目材料は参院通常選挙ですが、社民党の得票率は2%を割り込むでしょうか。すでに「最大野党」である立憲民主党に対する支持率は減少傾向にあるのですが、新聞、テレビを中心とする古いメディアの社会的影響力が枯渇して行けば、昨年の衆院選に続き、「日本を支配してきた古い体制」が本格的に終焉する兆しとなるかもしれません。
立憲民主党の支持率は低下傾向
当ウェブサイトでは「数字」をテーマに、メディアが実施する6つの内閣支持率や政党支持率などのデータを「定点観測」しています(「定点観測」しているのは読売新聞、朝日新聞、時事通信、共同通信の4社のものに加え、産経・FNN、日経・テレ東の2つの合同調査、合計6つ)。
こうしたなか、現状で手に入る「政党支持率」の最新データによれば、図表のとおり、最近だと「最大野党」であるはずの立憲民主党が、支持率で日本維新の会に抜かれる、という事例が増えて来ました。
図表 政党支持率(2021年11月~12月、カッコ内は前回比)
メディアと調査日 | 自由民主党 | 立憲民主党 | 日本維新の会 |
---|---|---|---|
日経・テレ東(11/10~11) | 44.0% | 9.0% | 13.0% |
読売新聞(12/3~5) | 41.0%(+2.0) | 7.0%(▲4.0) | 8.0%(▲2.0) |
共同通信(12/18~19) | 43.8% | 11.6% | 12.5% |
産経・FNN(12/18~19) | 38.6%(▲1.6) | 7.2%(▲1.8) | 8.1%(▲3.6) |
時事通信(12/10~13) | 26.4%(▲0.8) | 5.0%(▲0.4) | 4.9%(+0.2) |
朝日新聞(12/18~19) | 36.0%(±0) | 8.0%(▲1.0) | 7.0%(▲2.0) |
(【出所】各社報道より著者作成)
図表に掲載した6つの調査のうち、時事通信と朝日新聞のものでは支持率で立憲民主党が日本維新の会を上回っていますが、それ以外の4つの調査では、いずれも支持率が逆転しているのです。
立憲民主党が有権者から支持されないのも当然?
もちろん、メディアが実施する支持率調査を全面的に信頼して良いか、という論点はあるのですが、ひとつの参考としては興味深いものです。当ウェブサイトではこれまで何度となく紹介して来たとおり、やはり、立憲民主党という政党は、有権者からの支持を失うような行動が非常に多かったと思われるからです。
強烈な話題はいくつもあるのですが、ほんの一部を挙げておくと、当時の枝野幸男代表が記者会見で、「菅義偉内閣が退陣し、『枝野幸男内閣』を組閣し、次期衆院選まで危機管理にあたるべきだ」と述べた、といったものがあります(『さすがに無理がある、民意を否定する「枝野内閣」構想』等参照)。
議会制民主主義というものを正面から否定するという点で、なかなか驚くべき話ですが、一事が万事、この調子です。
そして、昨年10月31日の衆院選に先立ち、立憲民主党が真っ先に公表したのが、「『枝野幸男内閣』が初閣議で直ちに決定する7項目」と称した、次の項目です。
「枝野幸男内閣」が初閣議で直ちに決定する7項目
- 2021年度補正予算の編成
- 新型コロナウイルス感染症対策司令塔の設置
- 2022年度予算編成の見直し
- 日本学術会議人事で任命拒否された6名の任命
- ウィシュマさん死亡事案における監視カメラ映像ならびに関係資料の公開
- 「赤木ファイル」関連文書の開示
- 森友・加計・『桜』問題真相解明チームの設置
(【出所】立憲民主党HP『枝野代表が「政権発足後、初閣議で直ちに決定する事項」7項目を発表 福山幹事長会見』)
正直、この「公約」っぽいもののうちの4番目以降について、国民の多数がそれを望んでいるとも思えませんが、当時の立憲民主党は、大真面目だったのでしょうか。
もちろん、立憲民主党はその後、政権公約っぽいものをいくつか出してきましたが、やはりこの初っ端に出してきた7項目の印象が強烈すぎたからでしょうか、もしかするとこれで立憲民主党は票数を減らしてしまったのかもしれません。
時代の変化は急速に進む
実際、衆院選では、事前予測では立憲民主党は公示前勢力から30議席前後も上積みする、といった報道もあったにも関わらず、蓋を開けてみれば、109議席から一気に13議席減らし、96議席と「100議席割れ」を起こしました。
もちろん、自民党も公示前勢力を276議席から261議席へと15議席減らしましたが、それでも自民党は絶対安定多数を維持していますし、連立相手である公明党(29議席→32議席)と合わせれば293議席で、政権運営にまったく不安はありません。
さらに、あまり世の中では議論されているフシはありませんが、日本維新の会が11議席から41議席へと躍進したほか、国民民主党も8議席から11議席へと勢力を増やしたことで、改憲に前向きな勢力が衆院側で3分の2を超えたことも間違いありません。
だからこそ、当ウェブサイトでは『衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ』などでも議論したとおり、新聞、テレビと言ったオールドメディアが全力で擁護した立憲民主党などの特定野党が事実上の敗北に終わったこと自体、時代が変化している証拠である、などと考えている次第です。
産経「社民、政党要件維持へ正念場」
さて、こうしたなかでもうひとつ、個人的には「興味深い」と思っているのが、立憲民主党以外の特定野党の動向です。
産経ニュースに1月3日付で、こんな記事が掲載されていました。
社民、政党維持へ正念場 参院選で2%得票なるか
―――2022/1/3 17:47付 産経ニュースより
産経ニュースは、社民党が今夏の参院選で「正念場を迎える」、と述べています。
その理由は、「政党要件の維持」にあります。
総務省の『政党交付金の交付の対象となる政党』というウェブページによれば、政党交付金の交付対象となる政党は、次の1、2のいずれかに該当するものとされています。
政党交付金の交付対象となる政党
- 所属国会議員が5人以上
- 所属国会議員が1人以上、かつ、次のいずれかの選挙における全国を通じた得票率が2%以上のもの
- 前回の衆議院議員総選挙(小選挙区選挙又は比例代表選挙)
- 前回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
- 前々回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
産経ニュースは、社民党が政党要件を維持するためには、今夏の参院選で「比例代表の『得票率2%以上』が現実的な目標となる」が、「党勢回復は見通せていない」、としています。
というのも、10月の衆院選では、沖縄2区で新人が小選挙区を勝ち抜いたものの、「毎回獲得してきた比例代表九州ブロックの議席を逃し、比例議席がゼロとなった」からです。
むしろ2%の壁を破れない可能性
こうしたなか、年初の『「ブログ化する新聞」を待つ未来』などでも議論しましたが、現在、特定野党を全力で擁護してきたオールドメディアのなかで、とくに新聞の社会的影響力が急速に失われている局面であると考えられます。
この点、今夏の参院選で2%を獲得しなかったとしても、前々回、つまり2019年7月の参院選では、辛うじて全国で2%の得票を得ていますので、いちおう2025年7月までは「政党」であり続けることができるはずではあります。
ただ、社民党が今夏の参院選で「2%の壁」を破ることができなかった場合には、たんに社民党の政党としての存続だけでなく、日本を支配してきた古い体制の打破という点からは、大変に注目に値する現象であると思います。
もし「『官僚-メディア-野党』という『腐敗のトライアングル』の一角であるメディアの支配力が崩れている」、とする当ウェブサイトなりの仮説が正しければ、その証拠として、社民党の得票率は、むしろ今度こそ本格的に2%を割り込むのではないか、などと考えている次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
現社民党、即ち旧日本社会党は1990年のあのマドンナブームが、社会党の内側から自壊させたものと考えています。
あの時「山が動いた」と言い放った土井たか子氏ですが、実は「山が崩壊する」前触れだったのではなかったかと。
お見立てに賛成です。
たしかに、
キーキー声のおばさんたちが
騒ぎ立ててたシーンがありましたねえ、
当時は私も、土井たか子氏のことを
朝日新聞などにまんまと騙されて
立派な人(?)なんだろうと
思ったました。
ところがところがそれ以前に・・・
拉致主犯は北朝鮮ですが
その共犯格は日本社会党といえるもので
拉致の事実が発覚したあとも
拉致は無い!と言いはったり、
国際指名手配で捕まった
拉致実行犯主犯格の辛光洙の
日本への取り調べ送致前の釈放に
慌てて署名までして手を染めたのは
しらばっくれて亡くなった土井たか子と
いまものうのうとしている菅直人氏たち
であることを知ってしまいました。
辻元さんはそれを世襲しているのですかね。 彼女は韓国ではなく北朝鮮プンプンなのです。
工作員なので、芝居で、反省したり・叫んだり・笑ったり・脅したり・国会でタメグチ発言だったりとか・・・、自身の選挙区(高槻市)が地震被害が相当出たのに、大阪・生コン事件が発覚し、東京に逃げ帰ったと記憶していますが・・・。
株式会社泉放送制作の5(6?)時台の「なんちゃってニュース番組」で辻元特集をやってましたね(苦笑) おかしな勢力は既に選挙対策活動再開です。
これとは全く関係ないことですが、岸田政権の写真で野田聖子さんが何故いつも隣にいるのでしょうかね? 「ヨゴレも大切にしてるよ!」というサインでしょうか(笑)
まあ、これが自民党ですね。(良くも悪くも) 自民党は連合に触手を伸ばしているという「読売新聞」の記事を最近みました。 野田より「トヨタ労組」系の候補の人がマシですね。
岐阜? 一区はどんな企業があるのでしょうか。
世相マンボウ 様
拉致主犯は北朝鮮ですが、その共犯格は日本社会党といえるもので >
まさしく仰る通りでした。
90年代後半、日本国内では北朝鮮が何らかの形で拉致に関わっていたのでは、という憶測が流れていたそのときに、真っ先にそれを否定していたのが、土井たか子と彼女が率いていた日本社会党でした。
日本社会党にも、かつては現実的な感覚のある真っ当な政治家がいたと記憶していましたが、土井たか子たち「マドンナ」旋風が吹き荒れた後、そうした人たちはいつの間にか姿を消していったように思えます。
その当時の土井たか子の第一の子分が福島瑞穂でしたね。
もはや、何をか言わんや、です。
「護憲」とやらを喚く前に「護日本と護日本人」を考えるべきでしょうに。
自民党が下野したり、社会党が政権党になったりしたのだから
充分泰山鳴動したと言えるのでは?
>「菅義偉内閣が退陣し、『枝野幸男内閣』を組閣し、次期衆院選まで危機管理にあたるべきだ」
寝言を聞かれたかな。
毎度、ばかばかしいお話を。
社民党は、次期参議院選挙で、マドンナブームの再来を期待して、(同姓同名の)土井たか子候補をたてて、「日本は非武装中立であるべけだ」を公約にするんだって。(もしかしたら、党首が土井たか子に改名するのかもしれません)
おあとが、よろしいようで。
社民党って、この方の政党でしたっけ。
【動画】福島みずほ議員が拉致問題質疑から逃亡?有本恵子さん母の死去を悼む青山議員をガン無視→ついには席を立つ
https://www.youtube.com/watch?v=hJQJp9unpAI&t=40s
社民党の人材…
コロナ禍の伊豆で移動の自由を主張して無理強いし
「電動車椅子運べやゴラァ!たかが100キロじゃい!」
な人しか思い浮かばない。
おかげさまで、全国津々浦々の駅をバリアフリー化するために公共交通機関全部の運賃値上げの話まで出ております。
弱者・少数の専横化がますます進むのかな?
オールドメディアの新聞やテレビは資本主義の終焉だので新年から沸き返ってるのにお気付きでしょうか?
本来の定義を離れ、昨今の「資本主義」攻撃は社会主義・共産主義以外の全ての制度や支持者を差す「ねとうよ」呼ばわりに近くなってきている気もします。
半島では売春婦が神格化されています。
日本でも、半島系の方と偽善者達は車いすに乗っている方を神格化しようとしているのでしょうね。
社会的弱者を自分の利益のために利用しようとする見下げ果てた行いです。
>社会的弱者を自分の利益のために利用しようとする見下げ果てた行い
成る程、この連中痛いところを突かれたねぇ。
私は、潰れかけの社民党も立憲民主党も
頑張って存続はしてほしいと応援しています。
どちらも日本政治の汚点を
忘れないためのショーケース
として必要ですし、
なにより表社会から消滅し地下に潜られたら
何をなさるかわからない
という恐れもありますから(笑)
日本など高度で自由な
民主主義が発達した国では
普通に真面目に働き納税し日本を支える
多数派国民良識層のひとたちと同じ一票を
等しく社民や立憲共産党の支持者さんたち
にも与えて上げています。
これは、
江戸幕府の時代でも山賊追い剥ぎと
話し合いを持っていたとの歴史研究もあるように
たとえそんなこんなの人たちでも
残念ながら実際にいてしまうのですから
むしろその人数分だけの意見は聞いてあげるために
民主主義の選挙はあるものです。
ただ、
そんな山賊追い剥ぎや
そんなこんなの人たちというのは
幸いいつの時代も数%に
とどまっていたので
日本社会は今日まで
歴史を紡いで来れたのです。
先の選挙で野党さんは、
与党VS野党の関ヶ原(?)に負けただのと
へんに落ち込んで見えるようですが
そもそも少数なのに、
偏向メディアとのコラボで
多数派国民良識層を騙そうとして
失敗したという当たり前のことですから
自信喪失する必要などはなく
少数でそんなこんなのご自身たちを
これからは正直に正々堂々と表現すれば
いいだけなのにと理解に苦しみます。
立憲民主党も猛スピードで社民党が歩んだ道を走り始めていると思います。
いわゆる団塊の世代と共に消滅する運命でしょう。