ワクチン総接種回数の「増分」が1日150万回を記録
医療従事者等への接種回数を加えると170万回も!?
1日当たり接種回数は、ついに150万回に達したのでしょうか。昨日の『プラグを抜いたとしてもワクチン接種の妨害はできない』を含め、ここ数週間、当ウェブサイトでわりと頻繁に取り上げている「ワクチン接種記録システム(VRS)」のデータを分析していくと、昨日の「増分」が約150万回を記録していたのです。おそらく本日中に公表される「医療従事者等」への接種回数を加算すれば、1日の増分は170万回に達するかもしれません。
データ分析の前提と「医療従事者」の定義
昨日の『プラグを抜いたとしてもワクチン接種の妨害はできない』では、「正確な回数はよくわからないにせよ、1日あたりの接種数は少なくともすでに100万回を達成しており、『医療従事者等』への接種回数を含めれば、最大で1日150万回の接種が行われているのかもしれない」と申し上げました。
前提条件ですが、当ウェブサイトにおいてそう判断する理由は、一般向けの接種回数に関し、政府の「ワクチン接種記録システム(VRS)」から提供されるデータ(※)を分析していくと、バックデートでの修正があまりにも多いからです。
※元データのダウンロード方法
- 「https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson」をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと、その時点の最新データが取得可能
- 上記文字列のうちの「latest」以降の部分を「{dt}/prefecture.ndjson」(※)に変えると過去データの入手が可能(※なお、{dt}は「yyyy-mm-dd」形式で日付を入力。たとえば「2021年6月21日時点のデータ」なら、{dt}の部分を「2021-06-21」に変換)
そもそも論ですが、政府が提供するデータは、あちらこちらにバラバラに点在しています。
4月9日以前の接種実績については厚生労働省『新型コロナワクチンの接種実績(4月9日まで)』、それ以降のデータについては、「医療従事者等」については首相官邸『新型コロナワクチンについて』、それ以外の一般向けは政府CIOウェブサイトに所在しています。
医療従事者等の定義とデータの欠点
ところで、ときどき当ウェブサイトにコメントなどでご質問をいただくのが、「医療従事者等」の範囲ですが、厚生労働省による「医療従事者等」の定義は、次のとおりです(詳細は『医療従事者等の範囲について』【※PDFファイル】にも掲載されているようです)。
※「医療従事者等」とは?
- 病院・診療所・薬局・訪問看護ステーションに従事し、新型コロナウイルス感染症患者・疑い患者に頻繁に接する業務を行う職員
- 自治体等の新型コロナウイルス感染症対策業務で、新型コロナウイルス感染症患者・疑い患者に頻繁に接する業務を行う職員
- 新型コロナウイルス感染症患者・疑い患者を搬送する救急隊員等・海上保安庁職員・自衛隊職員
(【出所】厚生労働省『対象となる医療従事者等』)
つまり、厚生労働省の要領を得ない説明を何とか解釈すると、「医療従事者等」とは、いわゆる「医療従事者」(医師、看護師、医療機関勤務者など)よりも範囲が広いと考えて良いでしょう。
この医療従事者等に対する接種実績データは基本的にはバックデートで修正されることはないようですが、ただ、データ自体、休日の接種回数が休日明けの接種回数とあわせてカウントされてしまう、という欠点があります。
たとえば、本日、すなわち火曜日に公表される予定のデータで、土曜日、日曜日、月曜日の3日分がカウントされてしまう、というわけです。火曜日に発表される接種回数がほかの曜日と比べて多いのは、そういう理由に基づいています。
基本的な状況の理解
一方で、一般人向けのVRSデータに関しては、「休日分が翌日にまとめてカウントされる」ということはありませんが、バックデートでどんどんと数字が書き替えられてしまうという問題があります。
まずは、接種実績です(図表1)。
図表1 VRSから取得した一般向け総接種回数データ(1回目と2回目)
(【出所】VRS『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』から6月29日(火)に取得したオープンデータより著者作成)
これで見ると、ワクチン接種が最大だったのは6月16日(水)の976,124回をピークにどんどんと減っていますが、これが一種の「まやかし」です。というのも、後日、バックデートでデータがどんどんと書き替えられるからです。
たとえば、6月27日(日)の接種実績は、昨日提供されたデータでは527,786回でしたが、本日提供されたデータでは717,734回で、なんと189,948回も上方修正されているのです。
同じく、6月28日(月)の接種実績は、本日提供されたデータでは638,269回ですが、これもおそらく、後日、さらに上方修正されることでしょう。
その証拠が、次の図表2です。
図表2 VRSから取得した一般向け総接種回数データ(バックデートでの修正状況)
(【出所】VRS『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』で提供される6月7日(月)~6月29日(火)分のオープンデータより著者作成)
グラフ中の青い領域は、当日分(データ提供日の前日)の接種数を示したもので、赤い領域がバックデートで上方修正された数値を意味しています。酷いケースだと、6/13(日)のように、当初公表されたデータは360,310回だったのに、バックデートで480,986回も加算されたという事例もあります。
そして、この加算はダラダラと続いている、というわけです。
ついに「増分」が150万回を記録
以上、前提条件の説明が長くなってしまいましたが、本日の注目点です。
昨日も紹介したのが、「総接種回数の差分(公表日ベース)」というグラフです。これは、「データの公表日」に着目し、データ公表日ごとにその前日の接種回数と、前々日以前の接種回数に分けてグラフ化したものですが、ここで重要な「気付き」があったのです。
「増分」が昨日、1,498,548回を記録しました。150万回まであとわずか、です(図表3)。
図表3 総接種回数の増分(公表日ベース)
(【出所】VRS『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』で提供される6月7日(月)~6月29日(火)分のオープンデータより著者作成)
これは、なかなか驚異的です。
オープンデータの過去の推移を眺めていると、火曜日に公表されるもの(月曜日までの実績値)と、土曜日に公表されるもの(金曜日までの実績値)の接種回数がとくに増えるという傾向があるのですが、それにしてもすごい増加です。
しかも、この図表3は、医療従事者等に対する接種分を含めないベースです。
医療従事者等に対する土・日・月3日分の接種回数を加算すれば、おそらく本日の「増分」は170万件前後に達するのではないでしょうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
もちろん、これまでに当ウェブサイトでくどいほど繰り返してきたとおり、「増分」は「1日あたりの接種回数」を示すものではありません。「データの増分」に過ぎません。
ただ、さまざまな状況などから判断するに、やはり、1日あたりの接種回数が(データでちゃんと確認できない日もあるにせよ)100万回は大きく超えていることは間違いありませんし、120~130万回、あるいは140~150万回程度を達成している可能性すらある、とだけ申し上げておきたいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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リーダーシップさえ取れば、やれば出来る子だったんですね。
で、今度は供給不足ガーってわかりやすいマスコミ。
それだけ入力といった事務能力が低いという証拠でもありますね。
「誰の」とは簡単には言いませんが。
その「データの増分」に協力してきました。問診係として。
時給も1〜1.5万円と、とてもいいので生活も助かります。一日だけですが、時給3万円というレアな会場にも行けました。
昨年は受診抑制による大幅減収(幸い私は無関係でしたが)に見舞われた医療機関ですが、今度は一転してバブルの様相を呈してます。もっとも、ワクチンバブルはせいぜい今年度末まででしょうけど。
(『笑点』の挨拶風に)
「新型コロナワクチン接種回数だけが問題ではない」と、後でマスゴミが言うと思います。
はい、引きこもり中年です。
(今回は、芸風を変えてみました)
さすが日本ですね、危機に際して最後は力を発揮する、このまま順調にいけば世界トップレベルのワクチン接種率、安全国になりそうですね。
ちなみに、大多数の国民はワクチン賛成はでしょうが、以下の記事のように「ワクチンは人類皆殺し作戦である」と信じる議員等も多数いるようです。
例によってスピリチャル系の人が多いようですが、こういった人達はワクチン冷蔵庫のプラグを抜く等の過激行動をとりかねませんので、公安は厳重に監視すべきでしょう。
https://news.infoseek.co.jp/article/spa_20210629_01763299/?tpgnr=poli-soci
すいません、訂正です。
(誤)
ちなみに、大多数の国民はワクチン賛成はでしょうが、
(正)
ちなみに、大多数の国民はワクチン接種は賛成でしょうが、
ワクチンに関しては確かに手放しで歓迎できない面(開発期間の短さ、治験の少なさ!有効な薬の未承認など)もありますが、それを盾に「ワクチン訴え奴は情弱」ならまだしも、「数年後に死ぬワクチンを打つのは馬鹿」「打つなら死ね」といった論調が保守の間でも増えているのはいかがなものかと思います。。。
様子を見ることは否定いたしませんが、訴え決断をした人を馬鹿にしたりモルモット呼ばわりして遊ぶ(真剣に心配している方もいらっしゃるでしょうが)風潮が怖いです。
効果があることと副作用を天秤にかけるところに至らないところがどうにもいただけないです。感想まですみません。
どうして「ワクチンを打つのは馬鹿」「打たない理由を陰謀論だと決めつける情弱」といった論調が受け付けられず、コメントしました。