河野大臣「VRS数値悪い自治体は1クール飛ばしも」
VRS問題は一部自治体の事務処理能力の限界をあぶりだしたという側面も
当ウェブサイトで最近、力を入れているのが、『ワクチン接種記録システム(VRS)』の生データの分析です。現在のところ、日本全体で1日あたり接種回数は100万回を達成しているのではないかというのが当ウェブサイトなりの見解なのですが、ただ、やはりVRSのデータがおかしいと思わざるを得ません。こうしたなか、河野行革担当相は先週火曜日の会見で、「VRSの数値が極めて低い自治体へのワクチン配布を1回クールを飛ばすかもしれない」と警告しています。真っ当な見解でしょう。
ワクチン接種、1日100万回達成したのか?
昨日の『東京都で高齢者の新規陽性者数はこれからどうなるのか』を含め、最近、当ウェブサイトでは政府が公表するワクチン接種数について、いくつかの観点からさまざまな分析を試みて来ました。
当ウェブサイトの議論において、現時点までに作り上げている仮説は、だいたい次のようなものです。
- ①菅義偉政権が続ける、医療従事者等、次いで65歳以上の高齢者に対する優先接種の方針は、コロナ禍による医療崩壊リスクを著しく低減する
- ②日本は主要先進国と比べ、ワクチン接種の遅れが目立っていたが、こうした状況は6月以降、急速に解消されつつある
- ③現時点において1日当たりの接種回数は日本全体で100万回前後に達していると考えられ、これに新しく始まった職域接種などを加えれば、接種回数はさらに増える見込みである
- ④65歳以上で希望する人に対する接種は、自治体等によるバラツキはあるものの、7月末までにおおむね2回目接種まで完了し、64歳以下の若年層に対しても9月ないし10月にはおおむね2回目接種が完了する
①についてはこれまでも何度となく紹介してきたとおり、統計的事実に基づくものです。
たとえば、『新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識』の4ページに掲載されている図表によれば、「30歳代と比較した場合の各年代の重症化率」は、60歳代で25倍、70歳代で47倍、80歳代だと71倍にも達します。
30歳代と比較した場合の各年代の重症化率
- 10未満…0.5倍
- 10歳代…0.2倍
- 20歳代…0.3倍
- 30歳代…1倍
- 40歳代…4倍
- 50歳代…10倍
- 60歳代…25倍
- 70歳代…47倍
- 80歳代…71倍
- 90歳代…78倍
(【出所】『新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識』P4)
つまり、感染すれば重症化する確率が圧倒的に高いのは、若年層ではなく高齢層であり、高齢層の多くが重症化し、病床を占有し始めてしまうと、そこから医療崩壊につながる可能性も出てくるのです。だからこそ、まずは医療従事者等と高齢層へのワクチン接種を急がねばならなかったわけです。
そして、これらに対するワクチン接種が一巡し、免疫が出てくれば、コロナ危機はまったく違う局面を迎える、というわけです。ここまでの議論に、おおむね大きな問題はないでしょう。
ただし、これらのうち②、③の部分については、実際のデータを見ていると、どうも「何か変」なのです。
そもそも、ワクチン接種総回数に関するデータは、政府のウェブサイトのあちらこちらに散らばっているのですが、それらのデータのなかには、登録がかなり遅れているデータもあると思われるからです。
VRSの1日あたり接種数がやっぱり「おかしい」
これらのうち「医療従事者等」に対する接種データに関しては、少なくとも4月12日分以降については首相官邸のウェブサイト『新型コロナワクチンについて』のページにまとめられていて、エクセルファイルで簡単に確認することができます。
しかし、「医療従事者等」以外に対するデータについては、『ワクチン接種記録システム(VRS)』から提供されているのですが、そのデータを入手するためには政府CIOポータルからアクセスする必要があり、データのフォーマットも特殊なので、加工するにはある程度の技術が必要です。
元データは「https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson」をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと入手可能で、また、バックデートのデータに関しては、上記文字列のうちの「latest」以降の部分を「{dt}/prefecture.ndjson」(※)に変えれば入手できます。
(※なお、{dt}の部分には10ケタの文字列「yyyy-mm-dd」が入ります。たとえば「2021年6月21日時点のデータ」であれば、{dt}の部分を「2021-06-21」という10ケタの数値に変換していただければ取得可能です。)
そして、これについて昨日時点でデータを取得し、グラフ化したものが、図表1、というわけです。
図表1 1日当たり接種数(医療従事者等+一般人)
(【出所】VRS『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』オープンデータ、首相官邸『新型コロナワクチンについて』公表データより著者作成)
この図表1を見ていただくと、総接種回数は先週月曜日あたりをピークとして、その後は徐々に減っており、土曜日以降は急激に落ち込んでいることがわかります。
「医療従事者等」に対するデータについては、月曜日に接種数がピョコンと跳ね上がっている理由は、土・日・祝日分が翌営業日にまとめてカウントされるためです。しかし、VRSデータに関しては、どうも各自治体の入力が大変に遅れているのではないか、というのが当ウェブサイトなりの仮説でした。
ちゃんと検証してみた
いちおう、バックデートでの修正状況を見るにつけ、このVRSデータについては過去にさかのぼって修正される数値を考慮に入れたら、すでに1日100万回の接種を達成しているのではないか、というのが当ウェブサイトの暫定的な結論ではあります。
しかし、ちゃんと数字で確認できていないのに、「たぶん1日100万回を達成したに違いない!」とやるのは、やはりこれは議論として大変に気持ち悪いものです。
そこで、少し(というかかなり)面倒くさい作業ではありますが、こんな検証作業を実施してみました(図表2)。
図表2 VRSデータの過去分の再集計(6月18日分)
(【出所】過去分のVRS『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』オープンデータより著者作成)
これは、6月18日時点で取得したデータと、その前日、つまり6月17日時点で取得したデータの「差分」を、過去の日付にさかのぼって計算したデータです。
ちなみに6月18日と6月17日のデータの「差分」は1,101,420回ですが、このうち「6月17日の接種回数の差分」が562,203回、「6月16日の接種回数の差分」が130,543回、「6月15日の接種回数の差分」が48,167回でした。
このように展開してあげると、VRSのデータは過去にさかのぼってかなりの修正が入っている、ということがわかるでしょう。酷い場合で、1日あたり30~40万回分は、バックデートで加算されている、というわけです。ためしに、他の日でも同じようなグラフを作ってみましょう(図表3)。
図表3 VRSデータの過去分の再集計(6月16日分)
(【出所】過去分のVRS『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』オープンデータより著者作成)
6月16日時点で取得したデータにも同じような傾向が見られます。
たとえば、6月16日と6月15日のデータの「差分」は1,222,552回ですが、このうち「6月15日の接種回数の差分」は567,185回、「6月14日の接種回数の差分」は102,102回、「6月13日の接種回数の差分」は84,959回です。
種明かししてしまえば、何らかの理由でVRSへのデータの反映が非常に遅い、という実情が出て来ているのでしょう。
同じ要領で、6月15日以前のデータと、それ以降、毎日の差分を取ったデータをグラフ化してみたものが、図表4です。
図表4 VRSデータの過去分の再集計(6月15日~21日分)
(【出所】過去分のVRS『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』オープンデータより著者作成)
河野行革担当相「遅い自治体には1回クール飛ばす」
さて、このVRSへの入力漏れについては、河野太郎行政改革担当大臣も認識しているようです。
河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月15日
―――2021/06/15付 内閣府ウェブサイトより
河野行革相は、「VRSの数値が極めて低い自治体がある」としたうえで、次のように述べました。
「VRSの数値が極めて低い自治体がありますが、そのような自治体に在庫を積み増しても仕方ないという考え方もあると思いますので、今後、あまりに接種が遅い自治体は、1回クールを飛ばさせていただくこともあり得ると思います」。
至極、真っ当な考え方でしょう。
ワクチン接種が順調に進んでいる自治体で「弾切れ」となる一方、ワクチン接種が無駄に遅れている自治体に貴重なワクチンを送ってしまいっては、効率が悪すぎます。接種のスピードと考えていくならば、VRSにちゃんと入力している自治体を優先するのは当然の話でしょう。
さらに、河野氏はこうも述べています。
「今までも何度もお願いをしておりますが、非常に貴重なワクチンですので、余剰が起きた際には廃棄することなく接種をお願いしておりますが、一部自治体で不適切な対応が見られて、廃棄されるということがまだ続いております。自治体から適切に対応するように指示が出ていても、それが途中で消えてしまったりということもあるようでございますので、改めて適切な管理、接種の徹底をお願いしたいと思います」。
政府がワクチン配布を適切に判断するうえで、VRSの入力はその基礎となるものです。
現状のVRSデータの遅延は、図らずも、日本全体で事務能力自体が疑わしい自治体が存在していることを強く示唆したとも言えるでしょうし、ワクチン接種が遅延している自治体においては、次回首長選挙で有権者が適切に判断することも必要ではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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間違っているときほど高圧的な態度を取るのは官僚の宿痾でしょう。
自治体側は恐喝に乗り出したと発言しているそうです。
内閣府のメンツをつぶさないだけならいいのですが、離陸前にデジタル庁がとん挫するようなことになれば(狙っている勢力が居そう)選挙前まずいことに。
どなたか1月25日に開催されたZoom会議の録音を公開していただけないものでしょうか。
河野大臣、ナイスです。
徒競走で仲良くお手てつないで同時にゴールインさせられた世代には理解できないでしょう。
今まではそんな輩からの批判を恐れて出来なかったが、ここは評価できます。
もっと言えば民間企業のように自治体同士で競争を煽ってもよいのではないかとは思います、競争はブラックにならないようにすれば問題なし。。
>酷い場合で、1日あたり30~40万回分は、、、、
>6月18日と6月17日のデータの「差分」は1,101,420回ですが、このうち「6月17日の接種回数の差分」が562,203回、
なので、1,101,420-562,203=539,217 となり、この日は約54万回分バックデートされています。調べてみると多い日は70万回もバックデートされています。
なお、やはり土日の登録数は少なく、その分を翌日以降登録している様子が覗えます。
>事務能力自体が疑わしい自治体
そう言えば未だに「検査ガー」を連呼してワクチン接種に回すべきリソースを浪費してる自治体がありましたっけ。
済んでいる市は民主・共産・社民(の生き残り)が勢力を持っているのですが、ワクチン接種の手続きが郵送・電話でネットを使ってません。高齢者へのクーポン券の郵送も今月になってからで他の市町村より遅かった。当方は運よく19日に第一回目接種できたのですが、今日になってまた郵送で中間F/upの依頼(接種状況、または予約状況)の郵送返信依頼が来ました。
それで、仕事を増やして雇用を守るのが第一義のお役所、と考えてしまいます。
VRS登録について意図的に遅らせている、とは思いませんが、いろいろな事務を手仕事・郵送・システムの統合性が無くてあちこちで再入力の繰り返し、などで人手ばかり使っていて結局データ作成が遅れるのではないかと思います。それで逆恨みで「恐喝に乗り出した」になることの方が実態に近い場合が多いのではないか、と邪推します。
ZOOm録音が公開されるというのは、守秘義務のある情報の駄々洩れのような気がして、それの方が中身より問題がイヤらしいと思います。いろいろな企業で共産党に情報が洩れるのは、過去、よく目にしたと思っています。
河野大臣の”警告”は良いとしても、それぞれの自治体に事情はあるでしょうから、実施は問題があると思います。多分実施はしないでしょう。
其れより河野大臣は、補正予算で、接種状況をVRSと接種台帳へ一気に反映する様システムを改修する予算を、総務省が確保し各自治体に配分する様、総務大臣を指導すべきと思います。
その前に、業務フローを全体最適(ディジタル庁、総務省、厚労省で)に整理する必要があると思いますが。
接種⇒(手動)接種台帳⇒(多分手動)VRS を 接種⇒(半自動)VRS⇒(自動)接種台帳 とか。
今回の動きは平井大臣の「失言」が関係していると当方は思います。
彼は民間出身であると聞いていますが、力欲しくなると、どうして一様に周近〇化していくのか理解に苦しみます。自治体首長どのあっては職員から聞き取りをして実態把握を急ぐと同時に事業主体の立場を死守されることを提案します。
更新ありがとうございます。
河野太郎大臣「一部自治体でワクチンの不適切な対応が見られて、廃棄されるということがまだ続いております。」信じられない。そんな事してる自治体、自治体首長名、幹部職、すべて明らかにするべきです。
消費期限が迫っているのに、何をグズグズしてるのか?余りそう(接種率低いのは言いにくいだろうが)なら、上級機関に報告するべきだろう。
不適切事例の中身の検討が必要だと思います。
ささいなミスなら、次回はという事でカバーされますが、
廃棄と偽って他に横流しの事例が隠れている事が想像できます。
特に隣の国でワクチン騒動が起きている事から、その国に横流しする為
廃棄したとしているのではないかという事です。
又、ワクチン目的の外国ツアーも聞く事から、闇ワクチンとして高額でも
受けたい人も多くいるでしょうから。
反政府集団が「ワクチン接種が難しい自治体のことも考えずにこんなことを言うなんて庶民感覚ガー上級ガー」と噛みつくのが容易に予想できます。少し前なら支持しつつも「言わなければ良いのに」と思ったところですが、ここ最近はそんなノイズに乗せられる人もだいぶ減ったので、事実は事実として最善手を尽くすというアピールをしていくべきだと安心して思えるようになりました。乱暴に言えば「バカは無視して問題なし」です。
考えなしに1億2千万人分(2億4千万回分)あれば良いと思っていましたが、ロス率があるとなると余剰は結構な数量必要なのでしょうか。種類が異なるとは言え、なおさらアストラゼネカ製の用意を進めていたのが妥当性を増しますね。
くどいようだが、接種券なんか使ってるのがそもそもおかしい。
市井の内科医様
前々から接種券の代わりにマイナンバーを使えばよいとご主張なされているようですが、残念ながら現行法ではマイナンバーを接種券代わりに活用することできません。詳細は、以下の記事における私と墺を見倣え様とのやり取りをご覧いただきたいのですが、ここに簡単に説明します。
マイナンバー(マイナンバーを変換した番号、記号等を含む。以下同じ。)は個人を特定できる重要な個人情報であることから、一部の例外を除き、第3者が同意なく記載することは禁じられています。また、予防接種法に関する事務において、マイナンバーを含む情報を収集できるのは、都道府県知事及び市町村長に限られています。したがって、仮に接種券としてマイナンバーを使った場合、防衛省及び民間病院は接種券の収集が法律上できないか、あるいは著しく事務が煩雑となる恐れが高いです。
当HP:「岸信夫防衛相が朝日新聞出版と毎日新聞に抗議した理由」
https://shinjukuacc.com/20210519-04/#comment-162058
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(通称:マイナンバー法)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000027
余談ですが、そもそもこれまで医療分野でのマイナンバーの活用に否定的・消極的だったのは医師会の側という認識だったのですが、これは違うのでしょうか。行政としていくら推進したくても、カウンターパートが積極的でなければ物事はうまく進みません。そこまでマイナンバーの活用に強いご不満があるようでしたら、まずは自ら所属されている医師会のほうに主張されるのが筋ではないでしょうか。
ん~、と、たぶん勘違いしてると思うんですが、私が言いたいのは接種券そのものをなくせ、ということです。カードなり、マイナンバーと本人証明書類なりを医療機関成り、集団接種場なりに持参すれば接種可能とすべきだ、ということです。「第3者が同意なく記載する」ではありません。また、現行法では出来ない、というのは、少なくとも立法府で安定多数を保持している政権が言える言訳ではないと思いますが。ワクチン開発開始から少なくとも半年は時間的な猶予はあったわけですし。
なお、医師会は医療者の意見代表団体ではなく、開業医の利益代表団体です。
少なくとも私は入会しようと思ったことは一回もないですし、出来れば一生かかわらずにいたいと思ってます。ま、そうはいっても開業医に多少の迷惑をこうむっていない勤務医は多分いませんが。
ただ言えるのは、開業の生命線の診療報酬を平気で削れる官僚が、本気なら、その程度のことやるのは訳ない、ということです。私有財産に手を突っ込むコロナ診療の話とは訳が違います。今回の接種券を含め、厚生官僚がマイナンバー利用に消極的なのは、それが彼らにとっても都合がいいからにすぎないと私は思ってます。
市井の内科医 様
マイナンバーの詳細のことはよくわかりませんが、ここでおっしゃっていることよくわかります。
外からみていると与野党すべての国会議員と厚労省の無能ぶりが際立ってみえて残念です。(こちらの同僚にも指摘されたりするのですがその場合はお前らが言うんじゃないと別の意味で無性に腹もたちます)こちらでは国会議員はlawmaker(法律を作る人)と呼ばれていますが、現行法ではうまくいかないのであればうまくいくように時限立法でも作れないんですかね?法律を作れるのは国会議員しかいないのだから。こちらではくやしいけれどその意味で国会議員はなかなか優秀です。また日医などの顔色をうかがうばかりでワクチン接種以外でも動きが全般的ににぶい厚労省に菅総理はよくアタマにこないなあ~と別の意味で感心してます。
市井の内科医 様
横から失礼します。
結局は ”法律を変えろ” と言うことになると思いますが、
マイナンバーで本人確認した場合、(注射作業だけでなく、)接種管理の視点で見れば、接種完了他の情報を管理するためには、接種した人のマイナンバーを収集(又は管理)する必要があるのですが
通りすがりの地方公務員様の認識では
>一部の例外を除き、第3者が同意なく記載することは禁じられています。また、予防接種法に関する事務において、マイナンバーを含む情報を収集できるのは、都道府県知事及び市町村長に限られています。
なので、
民間病院などに接種を依頼した場合、市町村と病院がマイナンバー取り扱い契約を結び、被接種者から同意書を取る等の必要があり、同意を取る時にトラブルが発生しやすく、管理が出来なくなる恐れがある。
という事だと思います。
また、蛇足ですが、予防接種台帳という既存のシステムに新たなシステム(VRS)をどう繋ぐかの考え方が整理浸透していないので混乱しているだけだと思います。
プライムニュースなどで出演していた自治体の方の頭の中は、
・予防接種台帳ありきで、VRSは余分な仕事を増やすもの
という認識だったと思います。
農家の三男坊様
コメントありがとうございます。市井の内科医様の返信の内容を拝見する限り、私が趣旨をはき違えておりました。返信で書きましたとおり、法令上接種券の発行は必須ではないと思います。なんらかの理由で、今回の接種に限り、接種券の発行が必要だと厚労省が判断したということになるでしょう。
> また、蛇足ですが、予防接種台帳という既存のシステムに新たなシステム(VRS)をどう繋ぐかの考え方が整理浸透していないので混乱しているだけだと思います。
法令上において市町村が記入を義務付けられているのは、予防接種台帳だけなので、なんか変なシステムにも入力させられているとの自治体側の認識は誤っていないと思います。
ただ、この予防接種台帳とそれの報告システムが全然ダメダメなので、デジタル庁が出てきて急遽VRSを導入したのですが、今度はVRSが法令上求められる予防接種台帳のフォーマットや報告手続きと異なるので、自治体としてはなぜか2重に入力をさせられているわけです。
この予防接種台帳については、法律でなく、政令及び省令に規定されているので、国会を通さずに改正できるはずなのですが、厚労省としては限られた時間で政省令を改正することはできないということなんだと思います。(意外と知られていないけど、法令制定の手続きって時間がかかるものなのです。早くて3か月、普通にやったら1~2年くらいかかります。)
通りすがりの地方公務員 様、市井の内科医様
差し出がましいコメント失礼しました。
ただ、 接種券無し、マイナンバー提示だけで接種管理を進めようとしても、マイナンバーの使用&管理制限、接種管理システムの準備状況から見て、ほぼ不可能だったと思います。
厚労省が、実績のある予防接種台帳をベースとしたのは、限られた時間内に実際のオペレーションを隅々まで混乱なく進める上で、誤りではなかったと思います。
接種券ももう少し考慮してほしいところはあるにせよ、無償、3週間間隔、二回接種を管理する上では、母子手帳に相当するものとして必要で、VRSから各市町村に情報をプッシュする上では、市町村コードも(完全ではないにしろ)役に立っていると思います。
VRSと接種券があったので、大規模集団接種や職域接種が可能になったと思います。加えて引っ越しやワクチンパスポートにもVRSのお蔭でスムーズに対応できると期待しています。
前例のない、国民一斉接種にむけて、厚労省、自治体、医療機関が一丸となってスムーズ(敢えて言います)に進めることが出来ているのは皆様の頑張りのお蔭と感謝しています。
単なるペーパーレスの為のエクセル化と堕さない様に、今回の教訓を活かし、システムを整理・再構想し、法律や政令にどう反映していくか忘れずに注視していきましょう。
市井の内科医様
完全に勘違いしておりました。失礼しました。現行の予防接種法及び同法の下位法令を拝見しましたが、手続き上接種券の発行は必須ではないですね。なお、費用精算の関係で健康保険証の提示は必要な気はしますが、健康保険証に記載されている事項で十分と思います。
ということは、法令上要求されているからではなく、実務上接種券の発行が必要だったということになるのでしょうか。通常のインフルの注射で接種券を発行していないので、厚労省が何も考えていなければ、普通は接種券発行の指示を市町村にすることに行きつかないはずなのです。
考えられる理由として、個人として思いつくものとしては、以下が挙げられるでしょうか。
1.接種券発行のタイミングをコントロールすることで、高齢者接種と一般接種のタイミングを分けようとした。
2.接種券発行によって、市町村の予約の一元管理を図ろうとした。
2の考えで接種券発行したならば、その目論見は完全に破綻していると言わざるを得ませんが、1の考えであれば一般年齢層の割込予約をほぼ抑え込めているので、一定の効果があったということになるのではないでしょうか。
通りすがりの地方公務員 様
接種券は 無償で、3週間あけて、二回接種を管理するために必要だったのでは?
通りすがりの地方公務員さま
現場的には、接種券は現場の作業が煩雑になるだけです。
マイナンバーと1回目か2回目かの確認と入力、接種ワクチンの種類とロットナンバーのバーコード読み取り、ができればいいんで、スマホのアプリレベルだと思うんですが。セキュリティの問題はありますが、他のデータとの紐付は後日検討にして、とりあえず接種に関するデータだけを独立して扱えば、当面は問題ない気がするんですが。
接種のタイミングに関しても、接種券方式では、自治体によって配布時期が異なるため、大手町の集団接種場が、墨田区など配布の早い自治体の若年者の予約で充足してしまい、他の地域との不公平感が出るなど、かえって問題が多い。接種券をなくせば、毎日これだけマスゴミがコロナ報道を繰り広ているのですから「〇月〇日から65歳以下も受け付け開始」を周知させるのは簡単だと思いますし、接種状況をみて機動的に動けます。また、推測ですが、現状では、地方自治体での接種、自衛隊の接種、さらにこれで職域接種が加わると、最終的な集計は、元データが紙である以上、大量の人手を介さざるを得ず、混乱を極めると思います。実際、私は医療者枠で接種を終えましたが、昨日、きっちり地方自治体から接種券が送られてきました。細かい話ですが、接種券の印刷代と送料だけでも、結構な金額なはずです。
無駄の極みです。
素人考えで申し訳ないのですが、現状の制度では、接種券がない状態では大規模接種会場以外での接種が困難にはなりませんか?
接種会場が遠いので地元の協力医院での接種を望む人いますが、確実な予約ができないと時間とワクチンの確保が難しいと思います。予約のために身分証明書をもって外出するのも大変だと思いますし。
個人的には(うちの自治体ですが)、多数の人にとって身分証明をしなくても電話やネットで予約でき、接種の待ちを防げて、接種後には証明書代わりにもなり、運営側でも問診票の記入を事前にしてもらえ身分証明の確認や住所氏名の再入力のない、多人数を迅速にこなすには良い方法だな、と思いましたが。
>ま、そうはいっても開業医に多少の迷惑をこうむっていない勤務医は多分いませんが。
ええ、
「子供叱るな来た道じゃ、老人笑うな行く道じゃ」
という言葉がありますw
研修医のころイケイケの急性期病院にいたころ、不満たらたらだったのですが、医局に入局して、場末の小病院にバイトに行くようになると、大病院の医者の尊大さがわかるようになりました。
りょうちんさま
半分同意、です、が、いくら何でも、あんた医者としてそりゃあねえだろう、という方も結構な割合でいるので、半分は不同意です(笑)。
大病院の医者の尊大さも、イケてない開業医も、いずれも他山の石としなければいけませんね。自省を忘れぬよう、肝に銘じます。
「先生・・・こんな古い治療を・・・学会欠乏症にかかって・・・」
というのは、しょうがないと思いますw
人格的問題は死んでも治りませんね。
病院の能力を自分の能力だと思ってる若(馬鹿)者は、いずれ現実を知ることになります。
もしかしたら、の事ですが、「自治体の集計」には大規模接種や職域集団接種の様な集計が比較的簡単な部分が無いか少なく、既存の開業医を含むかかりつけ医療機関での接種に関する集計があり、医師自身は何もしない、看護師も大して書類処理なんてしない。医療事務の人は保険点数や請求などの通常業務に埋没していて(それはそれでギリギリの人員なので手一杯で)残業までしてせっせと数値を役所に送れない、送る気もない、残業しても残業代も出せないからさっさと帰す、というような感じである種の記帳報告のサボタージュ(抵抗)する部分があるのではないでしょうか。
どこで見たか、地方紙のウェブ版かどこかで、集計報告を行政が手伝うみたいなのが記事になっていたのを読んだ記憶があります。
まあ、自治体の首長の中には、「こいつトップにしたらあかんやろ…」と思うような政治家も確かにいるのですが(東○都知事の小○とか、静○県知事の川○とか)、一方でそもそも体質的にトップの思うように物事を進められるような機動力のない自治体があるのも事実であって、一概にトップを挿げ替えれば解決する問題でもなかったりするのんじゃないかと思います。(わが社も人のことは言えないのですが。)
特に、札幌、横浜、大阪、神戸といった政令市においては、接種体制の混乱などによって、今なお大きく出遅れているところが多い一方、我が国最大の都市である東京23区は接種体制が比較的スムーズに進んでいます。去年大阪都構想が否決されたばかりですが、こういう状況を見ると、やはり政令市(特に横浜市や大阪市)というのは基礎自治体として巨大すぎて物事を機動的に対応できないのではないかと思います。トップだけの問題ではなく、地方自治体がどうあるべきなのかも論じる人がもっと出てくる人が増えるとうれしいですね。
送られてきた接種券には接種を受ける場所の優先順序として、先ず「かかりつけ医」→ 集団接種会場→大規模接種会場の順でした。この「かかりつけ医」のリストを見ると大部分が個人病院でした。 集団接種会場や大規模接種会場が近くにない過疎といわれる自治体に住んでいたなら、これは大変だなと思いました。かかりつけ医どころか、医院が近くにない村のじいちゃん、ばあちゃんが個人で大都市の大規模接種会場まで行くのはほぼ不可能です(観光バスが遊んでいるのだから、接種ツアーバスくらい出してあげればよいのに。温泉付きなら尚ええぞい。接種バスが既に巡回している?)
ともあれ、一概に自治体の非効率を責める前に、遅れているところはどこにネックがあるのかをもう少し丁寧にトレースしたほうがよいのではないでしょうか。
勿論、河野大臣がハッパをかけるのは立場上当然のことと思います。
名無しの7 さま
地元で接種を受ける場合、基本、診察券で本人確認を取る先生が多いようですので、予約時に接種券番号はは必須ではありません。それに今回の接種はワクチンが廃棄になっても(多少文句は言われるとしても)医療機関側の腹は傷みませんので、そこまで「確実な予約」を行う動機はそうはないはずです。
正直な話、問診票を書かせたところで、有害事象の予測には何の役にも立ちませんので、あれはいらないです。高齢者の大部分はかかりつけ医がいるでしょうから、かかりつけ医に事前の確認を取る、かかりつけ医がいない方は、アレルギーの有無を聞く、それで十分です。
所謂「ワクチンパスポート」は河野大臣はそんなもの欧米で許されるはずはないと言ってましたが、事態は反対の方向に進んでますね。ただ、そうなると、あんな紙出せって話には絶対にならないでしょう。欧米ではQRコードを表示する形式?のものが普及してきてるそうですが、日本も結局は追従せざるを得ないでしょう。いずれにしても紙は不要ですし、むしろ、管理すべき番号が増えるだけ、不便で、だからこそのマイナンバーだったはずなんですがね。
数年以内にはマイナンバーカードと保険証は統合可能になるそうで、マイナンバーを医療機関に登録することに不都合はないはずなんですが。
ま、例によって国益より省益なんでしょう。