ワクチン接種「2500万回超え」、若年層にも拡大へ
総接種回数が、昨日までに2500万回を超えました。首相官邸ウェブサイトによると、総接種回数は25,038,536回で、前回公表値と比べ、+1,353,217回だったそうです。また、これらの元データが反映されるまで少し日数が必要であることを考えると、現状で1日100万回接種をすでに達成した可能性は濃厚です。そして、「早い自治体では64歳以下への接種も今月中に始まるのではないか」と個人的に睨んでいたのですが、やっぱり予想どおりの展開となっているようです。
祝・総接種回数2500万回超え
最近、当ウェブサイトで不定期的に眺めているのが、首相官邸ウェブサイトの『新型コロナワクチンについて』のページで公表されている、ワクチン接種者数に関するデータです。
このページに掲載されているワクチンの総接種回数が、本日、ついに2500万回を超えました。内訳は「医療従事者等」が9,322,862回で前回比+214,965回、「高齢者等」が15,715,674回で前回比+1,138,252回でした。どちらも昨日時点までの累計値です。
これをひとつにまとめておきましょう(図表1)。
図表1 2021年6月14日時点のワクチン総接種回数
区分 | 総接種回数 | 増分 |
---|---|---|
医療従事者等 | 9,322,862 | +214,965 |
高齢者等 | 15,715,674 | +1,138,252 |
合計 | 25,038,536 | +1,353,217 |
(【出所】2021年6月15日時点の首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』より著者作成)
とくに、前日比+135万回とは、大変な増え方です。
菅義偉政権が目標として掲げる「1日100万回接種」、すでに達成しているかに見えますね。
データにはかなりのクセがある
もっとも、『ワクチン接種が進むと「東京五輪中止論」はどうなる?』などでも報告したとおり、これらの元となるデータについては各所にバラバラに散らばっているのに加え、データはいずれも1日以上遅れており、かつ、それぞれのデータにも、かなりの「クセ」があります。
まず、図表1に示した数値のうち、「医療従事者等」については、休日(土日祝)のデータが翌営業日(たいていの場合は月曜日)にまとめて計上されます。したがって、通常、毎週火曜日に公表される数値は、土、日、月と3日分カウントされ、水膨れしている点には注意しなければなりません。
また、「ワクチン接種記録システム(VRS)」にて提供されるデータ(※)はリアルタイムで反映されたものではなく、かつ、データが過去にさかのぼって書き換えられているため、「現時点の数値」という意味ではかなり不正確です。数値が大幅に過少計上されているからです。
(※「https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson」という文字列をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと入手可能)
ただ、結論的にいえば、おそらく現在、1日当たり100万回に近い接種が行われる体制が出来上がったと考えて良いでしょう。というのも、この「VRS」の過去データとその他のデータを合算すると、1日あたり、100万回を超える速度で接種実績が積み上がっているからです。
遅れて計上される数値がかなりある
これについて、政府CIOポータルには「過去にさかのぼってデータを取得することができる」という機能がありますので、6月15日公表分から6月6日公表分までの10個のデータを使い、9日分の「前日比差分」を計算してみると、興味深いことがわかります(図表2)。
図表2 データ入手時点における合計接種回数と前日比差分
データ入手日 | 合計接種回数 | 前日比差分 |
---|---|---|
6/15(火)(6/14までのデータ) | 15,715,674 | 1,138,252 |
6/14(月)(6/13までのデータ) | 14,577,422 | 467,262 |
6/13(日)(6/12までのデータ) | 14,110,160 | 633,356 |
6/12(土)(6/11までのデータ) | 13,476,804 | 1,028,593 |
6/11(金)(6/10までのデータ) | 12,448,211 | 887,922 |
6/10(木)(6/9までのデータ) | 11,560,289 | 844,543 |
6/9(水)(6/8までのデータ) | 10,715,746 | 861,579 |
6/8(火)(6/7までのデータ) | 9,854,167 | 854,167 |
6/7(月)(6/6までのデータ) | 9,000,000 | 374,579 |
(【出所】VRSオープンデータより著者作成)
基本的には、VRSには4月12日から「データ入手時点」の前日までのデータが収録されています。たとえばデータ入手日が「6月15日(火)」のものは、4月12日から6月14日(月)までの合計接種回数が1571万5674回、というわけです。
そして、この「前日比差分」とは、1日の接種回数を意味するものではありません。
たとえば、データ入手日が「6月15日(火)」のものは、前日比差分が1,138,252回と表示されていますが、これは「6月14日の1日で1,138,252回接種が行われた」という意味ではなく、「6月14日の接種分」「4月12日から6月13日までの書き換えられたデータ」の合計、という意味です。
バックデート修正、最大で1日60万件超えも!
ただ、この理屈で行けば、現時点においてもすでに接種が終わっているのに、実際にはVRSへの登録が終わっていない、というデータもかなりあるはずです。
この図表2でいう「前日比差分」について、当日の接種分と過去データの書き換え分に分解して調べてみたものが、次の図表3です。
図表3 当日接種回数と過去の接種回数
データ入手日 | 当日接種数 | 過去の書換え分 |
---|---|---|
6/15(火)(6/14までのデータ) | 521,160 | 617,092 |
6/14(月)(6/13までのデータ) | 360,310 | 106,952 |
6/13(日)(6/12までのデータ) | 402,241 | 231,115 |
6/12(土)(6/11までのデータ) | 491,950 | 536,643 |
6/11(金)(6/10までのデータ) | 472,644 | 415,278 |
6/10(木)(6/9までのデータ) | 474,484 | 370,059 |
6/9(水)(6/8までのデータ) | 477,465 | 384,114 |
6/8(火)(6/7までのデータ) | 430,656 | 423,511 |
6/7(月)(6/6までのデータ) | 286,071 | 88,508 |
(【出所】VRSオープンデータより著者作成)
いかがでしょうか。
これで見ると、過去データの書き換えに伴って増えた接種回数が、先週は月曜日から金曜日までの平日(つまり火曜日から土曜日に取得したデータ)で見て、いずれも40万回前後、多い日で50万回以上、加算されていることが分かります。
本日、6月15日(火)で取得したデータ、すなわち6月14日(月)までの総接種回数に関しては、6月13日(日)までの接種回数が、じつに617,092回も積み上げられている、というわけです。
いずれにせよ、過去分の加算がどの程度続くのかはよくわかりませんが、現状ですでに1日100万回、いや、それ以上を達成しているのだとすれば、意外と早く、今月後半にも、65歳以上人口の過半数が1回目接種を終える可能性が出てきます。
本日時点のVRSオープンデータで見ると、昨日時点の「65歳以上接種率」は、1回目が35.32%、2回目が6.91%だそうですが(図表4)、先ほど申し上げた「バックデートでの数値の書換え」が正確に反映されてくれば、すでに40%を超えている可能性もあるでしょう。
図表4 累計接種数・接種率(65歳以上)
(『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』オープンデータより著者作成。なお、「接種率」とは累計接種数を『令和2年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の日本の65歳以上人口3548万6339人で割った数値)
自衛隊は64歳以下にも対象者を拡大へ
ということは、この接種ペースが続けば、下手をすれば今週中に高齢者の過半数が第1回目接種を終え、その20日後の7月中旬ごろには高齢者の過半数が2回目の接種を終え、さらにその2週間後の8月初旬ごろまでには、これらの高齢者に免疫が生じ始めることが期待できる、というわけです。
そう思っていたら、64歳以下の層に対する接種券を配布し始める自治体も出てきたようです。
64歳以下の方にワクチン接種のクーポン券(接種券)を発送します
―――2021年6月15日付 仙台市HPより
12歳から64歳までの方に新型コロナワクチン接種券を発送
―――2021年6月14日付 江東区HPより
さらに、時事通信などの報道によると、防衛省は本日、東京や大阪の大規模接種センターでのワクチン接種対象者を、17日から18歳以上にまで拡大すると発表したそうです。
17日から18歳以上に 自衛隊の大規模接種―新型コロナワクチン
―――2021年06月15日21時06分付 時事通信より
もちろん、対象となる人々のすべてが接種を希望するわけではないという事情に加え、自治体によっては接種体制が不十分で、対象者への接種が終わるまでに時間がかかる、という可能性はあるでしょう。
また、今回のワクチンは基本的に2回接種が必要とされ、ファイザー社のワクチンの場合、1回目と2回目に標準で20日程度の間隔をあけることが必要とされているそうですので、もし今すぐ第1回目の接種をしても、免疫が生じるまで1ヵ月以上の時間が必要でしょう。
しかし、わが国では国民のほぼ全員に対するワクチンが確保されているなか、あとは接種能力が問題とされ、かつ、早ければ今月中にも職域接種が始まると想定されるなか、意外と早く、秋口には希望者全員のワクチン接種が終わる可能性が出てきたことは間違いありません。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
こうしたなか、集団免疫などに関連し、専門家の方から、秀逸な読者投稿をいただきました。
これについては現在、編集作業を進めており、早ければ明日にでも公開できると思います。どうかご期待ください。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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河野大臣は入力の遅い自治体には1クール分ワクチン送らないとか言ってましたね。自治体の入力が明らかに追いついてないのが集計が遅れる原因みたいです。もちろん、単に1日の接種数が正確に把握できないことよりも、各自治体のワクチンの在庫情報が河野大臣側で確認できず適切な配分ができないということでしょうけど。
そういう効果も勘案すると、1日100万接種は数日前から余裕で確保できてる可能性高そうです。
致死率の高くなる高齢者に接種が行き渡れば、医療機関の負担も激減して「通常の生活」にぐんと近づくと思います。
厚労省が接種券なんてアホな方式に拘るからで、自治体に罪はないと思います。
何のためのマイナンバーだか。
市井の内科医さま
マイナンバー制度には本来の目的と副次的目的があります。
共産党及び立憲等の野党の方々の非常に強い行動力により、マイナンバー
カード配布率は25%程度と聞いております。
(折角、実施した電子マネー加算の効果も少なく)
その状況で厚労省がとか、マイナンバーがどうかというのは、話が異なると
思います、 先生自ら診療に来る患者に説明し、取得するよう働きかけてはと
思います。
私は、セカンドオピニオンの為再度検査するのではなく、電子カルテと
マイナンバーを合致させ、再度検査しないで診療を受けれる方向に向かわない
かといつも思っております。(何の為の電子カルテなんだとー導入理由が健保問題だと解っておりますが、非常にムダな使い方としか思えません。)
遅い時間に投稿ご苦労様です
体制が整ってスタートすると早いですね
医療従事者、自衛隊の皆さんへの負担だけが
心配です
野党やマスゴミは邪魔だけはするな
国会を見ながら強く思います
ワクチン接種すませました。
早くコロナ禍以前の日常に戻れるように切望しています。
文句ばっかり言っていたが普通の生活がいかにありがたい事だったか痛感しています。
あともう少しで集団免疫を得られると思うと待ち遠しいです。
そう言えばこのコロナ禍でインフルエンザウィルス2種類が絶滅した可能性があるとのニュースを見てコロナで良いこともあるんだなぁと思いました。
読者投稿を楽しみにしながら寝ます。
専門家の方の投稿を、楽しみにしています。私も寝ます。
全く関係ない話題で大変失礼いたします。
これから(午前1時45分より)参議院で土地利用規制法案を採決する本会議だそうです。
野党の不信任決議案って何だったのでしょうか。
httpsすhttps://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=2922
申し訳ありません。URL貼り付けミスしました。
青山繁晴議員のブログです。
https://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=2922
たびたびすみません。
上記青山議員のブログより。
https://shinjukuacc.com/20210615-05/
令和3年6月16日午前2時28分、中国、韓国の国土侵蝕を阻む最初の一歩、重要土地利用規制法はついに成立しました。
とのことです。
またURL入力ミスしました。お恥ずかしい限りです。
https://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=2923
もうお騒がせいたしません。
失礼いたしました。
先日も書いた通り、集計は当日に行われるとは限らず積み残しがあり、その集計積み残し数が曜日によってかなり変動するので、個々の日の接種数を積み残し数を様々な仮定を置いて推測し補っても良い議論のベースとして使えるだけの信頼性の高いデータになるとは期待できません。1週間空いた同じ曜日同士で比較して週単位での増分数を見た方が良いでしょう。
図表2で1週間空いた同一曜日のペアのデータがそろっているのは月曜日と火曜日との2組あるので、具体的に各々のペアを見てみましょう。
データ入手日 合計接種回数 前日比差分
――――――――――――――――――――――――――――――
6/14(月)(6/13までのデータ) 14,577,422 467,262
6/7(月)(6/6までのデータ) 9,000,000 374,579
――――――――――――――――――――――――――――――
累積数の週間差 5,577,422
――――――――――――――――――――――――――――――
6/15(火)(6/14までのデータ) 15,715,674 1,138,252
6/8(火)(6/7までのデータ) 9,854,167 854,167
――――――――――――――――――――――――――――――
累積数の週間差分 5,861,507
ということで、週間差分を7で割れば土日祝日も含めての1日当たりの平均接種数になりますが、どちらも80万前後の平均値になりますので、ワクチン接種は(曜日によって変動はあるだろうが)平均すると1日当たり80万前後のペースで行われていると結論できます。
以上から現段階では、菅首相が目標として掲げた100万接種/日を達成しているとは言えず、目標の8割程度の達成度に留まっています。
しかしながら、大手町の大規模接種会場が既にガラガラになってしまっている(つまり大手町まで出向けるだけの元気な高齢者は既に接種を受けてしまい、それ以外の高齢者達にとっては大手町まで出向くのが様々な理由で大変ということだろう)という話もあり、そうであれば折角の大規模接種会場とそこに詰めてくれている自衛隊医官の方々がその実力を存分に発揮できていないことになりますが、大規模接種会場での接種対象を非高齢な若年~中年にまで広げるという方針に切り換えるとのことで、大規模接種会場が文字通り大規模な接種力を遺憾なく発揮できるようになれば、1日100万接種の達成は十分に可能だと思われます。
しかし本当の意味で重要な問題は、1日100万接種のペースに速やかに到達するか否かではなく、我々国民の何割が根拠の乏しい危険性の噂に惑わされずワクチン接種を忌避せず、ちゃんと接種を受けるかです。
マスコミやネット等で流布されている余り科学的とは思えない(そして大袈裟に脚色された)「ワクチン副作用の危険性」に惑わされてワクチン接種を忌避する国民の比率が高いと、集団免疫による中華コロナ封じ込めの達成は不可能になってしまいます。
自分は副作用が心配だから接種を受けないがワクチン接種が進んで集団免疫で日本社会が安全になるのを期待している人々(今の日本社会ではこの手の身勝手が必ずしも少なくないだろうと私は危惧しています)は、集団免疫タダ乗りであり社会から厳しく批判・糾弾されるべきだ(社会全体での安全を享受したいならば各個人も応分のリスクを取って接種を受けよ)というのが私の考えです。(勿論、特別な病気等の理由があってワクチン接種を受けたくても受けられない人は別ですが)
>我々国民の何割が根拠の乏しい危険性の噂に惑わされずワクチン接種を忌避せず、ちゃんと接種を受けるかです。
HPVワクチンの例もありますしねえ。
困ったもんです。
迷王星さま
ネットの噂では、ワクチンを打つと新しい人格取得やら色々な事が可能との事ですが
私の希望として綺麗なお姉さんになり、〇〇46とかのセンターになって
ステージで歌って踊りたいのですが、どこまで可能なんでしょうか?
皆さまおはようございます。在日米軍の日本人へのワクチン接種も無事始まりました。
https://pbs.twimg.com/media/E359y94UcAAb4D8?format=jpg&name=4096×4096
私の地方では65歳未満の持病を持つ人の予約が来週から始まります。そしてその予約方法は、「来庁かFAX」。いやいやいや、もうFAXやめようよ。印鑑もやめようよ、お役人様。
どうでもよい数字なんですが
東洋経済オンラインの国内感染の状況
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
によると、
6月13日時点のPCR検査件数
累計 16,380,396 件
で、ワクチン接種回数を大いに下回ってるような気がします。あれだけがんばったのに。
結局PCR検査を増やす方針をしても、何も解決してないんじゃないかと、効果あるワクチン接種が一番の解決なんかと改めて妄想に励みたいと思います。
おじゃましました。