「立憲民主党は日本に不要」?憲法議論を巡る不思議さ

日本維新の会の馬場伸幸幹事長が昨日の記者会見で、立憲民主党を「日本に必要のない政党だ」と発言したそうです。また、その立憲民主党が昨日、国民投票法を巡って自民に歩み寄ったことを受け、ツイッター上では一部の「左派論客(?)」の皆さんが立憲民主党を激しく非難しているようです。いずれにせよ、なぜ「護憲派」の皆さんは憲法を議論すること自体を封殺しようとしているのかは理解に苦しむところです。

時事通信「国民投票法改正案が今国会で成立へ」

時事通信に今朝掲載された記事によると、憲法改正を巡る国民投票法改正案が、今国会で成立する見通しとなったと記載されています。

国民投票法、今国会成立へ 自・立が歩み寄り―提出3年、衆院憲法審で可決

―――2021年05月07日07時08分付 時事通信より

時事通信によると、法案自体は憲法改正国民投票の利便性を高める目的で、①共通投票所制度の創設、②期日前投票の投票時間弾力化、などを柱に据えたものだそうです。与党や日本維新の会が2018年6月に提出し、いわば「3年越し」での実現、というわけです。

具体的には、自民党、立憲民主党の両幹事長が6日、国会内で会談し、立憲民主党側が主張していた国民投票のCM規制や外国人寄付規制などに関し、「改正法施行後3年をめどに検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」などと改正案の附則に明記する修正で合意。

改正案自体は6日の衆院憲法審査会で日本共産党は反対したものの、日本維新の会、国民民主党も賛成して可決されたものだそうです(※ただし、日本維新の会は「施行後3年」の修正部分については「3年間は改憲発議が制限されるとの誤解を招く」として反対)。

立憲民主党は「岩盤支持層」を失うのか?

ではなぜ、今国会で成立する見通しとなったのか。

時事通信はこれについて、立憲民主党側に「秋までに行われる衆院選を意識し、日本共産党と同一視されることを避ける狙い」があったと評しています。

いわば、国民投票法案に賛成したことで、中道的・保守的な性向を持つ有権者が立憲民主党を再評価することを期待してのものだったのだとすれば、それはそれで立憲民主党としてのひとつの判断なのでしょう。

ただ、その狙いが功を奏しているかどうかは別問題です。

昨日の国民投票法改正合意を巡っては、ツイッター上でも著名な「左派論客」(?)の皆さんが、こぞって立憲民主党を批判していたようであり、実際、ツイッターの「トレンド欄」でも一時、「立憲民主党」がトレンド上位に上がっていたほどです。

(※ただし、「左派論客」の皆さんのツイートの多くは、正直、中身に乏しかったり、あまり品性が良いとはいえなかったりするものも多いです。また、当ウェブサイトがそれらを引用したことを理由に、ツイートを削除される可能性もあります。このため、大変申し訳ないのですが、あえて当ウェブサイトでは具体的なツイートを引用するのを控えたいと思います。)

これらの「左派論客」の皆さんによる普段のツイートを読んでいると、「苦しみにあえぐ市民を無視して憲法典を破壊しようとする政治にはウンザリ」、「違法行為が朝飯前の自民党」といった(やや意味不明な)批判も多いのですが、それだけではありません。

普段のこの激しい自民党批判が、「立憲民主党の日和見主義には失望した」、といった具合に、立憲民主党の側に跳ね返っているようなのです(※一部にはもっと過激な罵詈雑言なども見られるようです)。

つまり、立憲民主党の今回の行動は、中道的・保守的な有権者からの再評価よりも、左派(かなり過激な左派を含む)からの強い反発を招いた、ということでしょう。これでますます、立憲民主党は日本共産党から離れられなくなったのかもしれませんね。

日本維新の会・馬場幹事長「立憲民主党は日本に必要ない政党」

ただ、そうした左派論客による立憲民主党に対する批判をかき消す話題が出て来ました。日本維新の会の馬場伸幸幹事長の発言が、ツイッター上で話題に上っているようです。

立憲民主党は「日本に必要ない政党」維新・馬場氏

―――2021.5.6 15:16付 産経ニュースより

産経ニュースによると、馬場幹事長は6日の記者会見で、立憲民主党を「日本には必要ない政党だ」と述べたそうです。

具体的には、先月投開票された衆参計3つの補選・再選挙を引き合いに、「野党統一候補などという選挙互助組合を作り、もたれ合い、なれ合い、談合組織で『与党を倒した、自民党に勝った』と言って喜んでいる」、などと批判したのだとか。

この「立憲民主党は日本に必要ない政党」という発言を受け、ツイッター上では同じような「左派論客」の人たちによる、立憲民主党に同情的な(あるいは日本維新の会に批判的な)ツイートが多く出て来たようです。

自分で立憲民主党を批判しておいて、じつに変わり身が早いものだと感心した次第です。

(※ただし、大変申し訳ないのですが、先ほど申し上げた理由から、「左派論客」の方々のツイートについては当ウェブサイトで個別具体的に紹介することはしません。)

「3選挙区」の事例は立憲民主党の弱体化の証拠?

さて、馬場幹事長が言及した「衆参3つの補選・再選挙」については、当ウェブサイトでは『立憲民主党が「実力以上の勝利」でも政権支持率は安定』や『菅おろし→解散総選挙、という流れで本当に良いのか?』でも取り上げたものです。

これらの3つの選挙では自民党が「全敗」しましたが、結論的に自民党側が過度に悲観すべき敗北ではありません。選挙区の個別性が強すぎるからです。

たとえば衆院北海道2区は二階派の𠮷川貴盛・前衆院議員が汚職(収賄罪で在宅起訴済み)で事実上の辞職に追い込まれたことによる補選であり、自民党は候補者すら立てられませんでした。

また、参院広島選挙区は同じく二階派の河井案里・前参議院議員の当選無効による再選挙であり、自民党はかなり厳しい戦いを余儀なくされました。

(※どうでも良いのですが、最近の自民党不祥事の多くは、たいていの場合、「二階派」との関連で説明がつくように思えるのは気のせいでしょうか?)

さらに参院長野選挙区は「羽田王国」であり、故・羽田孜元首相の二男で故・羽田雄一郎参議院議員の弟である羽田次郎氏が当選しました。

もちろん、仮に今すぐ衆院の解散総選挙が実施された場合、自民党は現在よりも議席数を減らすかもしれませんが、選挙区の個別事情を無視し、「3選挙区での自民党全敗は、菅義偉政権に対する不信任の証拠だ」と見るのはあまりにも短絡的でしょう。

個人的に気になっているのは、むしろ立憲民主党が日本共産党との選挙協力を重視するあまり、最近、どんどんと言動が日本共産党に寄って行っているのではないかという懸念です。

「審議拒否」が常套手段の立憲民主党にとって、今回の憲法審査会での妥協・歩み寄りは、むしろ「例外」ではないかと思う次第です。

国民投票法に反対する人たちの不思議さ

さて、『改憲賛成が多数に転じつつある、その本当の意味とは?』では、憲法改正に関する各社の世論調査などを紹介しました。

読売新聞の調査だと、改憲賛成が56%で反対の40%を圧倒していたほか、「あの」朝日新聞の調査でさえ、改憲への賛成意見が45%で、反対派の44%を初めて上回ったほどです。

それなのに、国民投票法改正案が3年間もたなざらしにされたのは、むしろ立憲民主党や日本共産党こそが「憲法改正の是非」を国民投票に諮る機会を国民から奪ってきた犯人である、という言い方をしても良いのではないでしょうか。

さきほど、「ツイッター上の『左派論客』(?)の人たちのツイートには理解に苦しむものが多い」と申し上げましたが、その理由は、「何がなんでも憲法改正を阻止する」という意見が多いからです。

ちなみに日本国憲法第96条には憲法改正の手続が明示されているのですが、憲法改正を議論させないという姿勢そのものが憲法違反であるという大勢の日本国民の疑問に対しては、彼らは一切答えることをしていないようです。

くどいようですが、日本国憲法を守るために日本国民が存在するのではありません。憲法というものは国民の健康と安全、平和と繁栄を実現するための手段に過ぎず、日本国憲法も「不磨の大典」ではなく、私たち日本国民のために役立つ存在でなければなりません。

そうした原則を忘れたところで「護憲」を議論したところで、説得力はついぞ感じられないのです。

読者コメント一覧

  1. G より:

    本来、国民投票の過半数による民意がすべてに優先されます。民主主義の根幹中の根幹です。こう書けば当たり前の話ですが、護憲派はあえてこの基本を無視して、憲法こそが最上位であると説くのです。要するに、自分たちの希望する国家体制は過半数の支持を得られるものでなく、どちらかというと現行憲法を字義通りに解釈した方がより理想に近い。だからこそ、理由なく憲法を守ることを説くわけです。まあ、これって「憲法原理主義」って表現がぴったり嵌まりますね。

    今回、立憲民主党が採決に同意したことには驚きました。彼らは主要支持層を失ってしまうかも知れません。ある種解散総選挙のチャンスにも思えるのですが、、、

    1. G より:

      すみません。訂正というほどでもないのですが。
      国民投票の過半数 じゃなく 国民の多数 に差し替えたいです。国民投票の技術的な問題を論じるつもりはないので。

    2. 農家の三男坊 より:

      G 様
      「憲法原理主義」の先にあるのは、権威主義であり、その先は朝鮮労働党か、中国共産党かいろいろあるのでしょうが、結局は国民を抑圧・搾取する専制国家に行き着く、ことに気が付いているのでしょうか。
       この方々に”人権派”弁護士を名乗っていた文大統領になってから韓国がどのようになったか、それをどう評価しているか聞いてみたいものです。

    3. 匿名 より:

      >今回、立憲民主党が採決に同意したことには驚きました。彼らは主要支持層を失ってしまうかも知れません。ある種解散総選挙のチャンスにも思えるのですが、、、

      ところがどっこい
      立憲民主党の修正案に入った
      「施行後3年を目処にCMや外資規制などの事項を検討し、必要な措置を講ずる」
      これが曲者らしいです。
      彼らは
      「3年間はこの検討事項を議論しなければならない。よって、憲法改正自体の議論に進むことは出来ないのだ」
      というロジックで憲法議論を停滞させる意図があるそうです。

    4. ラスタ より:

       「現行憲法を字義通りに解釈」するならば、憲法改正を妨害するのは国会議員による憲法違反行為であり、それを「護憲」とか「立憲」と自称するのはペテンだと思います。
       これは守れと言いつつ都合の悪いところは無視する。
       憲法のつまみ食いを許してはいけません。

  2. とある福岡市民 より:

     共産党とがん細胞は似てます。
     がん細胞は健康な組織や臓器にもぐりこみ、血液や栄養を奪って異常に増殖し、臓器を弱らせ、ついには臓器の大半を乗っ取ります。そしてがん細胞が肥え太り、別の組織や臓器に転移してまた乗っ取ろうとします。
     共産党と手を組んだ党はもぐりこんだスパイの離反工作によって党員と支持層をゆっくりと奪われ、ついには乗っ取られてます。そして共産党だけが肥え太り、海外を含む別の党や組織を乗っ取ろうとします。

     共産党の活動単位の最小を班とか細胞とかいいますが、言い得て妙です。

     東ドイツの社会民主党はドイツ共産党に、中国国民党は中国共産党に大半を乗っ取られて弱体化しました。立件民主党も同じようになるでしょう。

  3. だんな より:

    日本に不要なら、共産党の方が格上だと思います。

  4. めたぼーん より:

    どこかの、過去が好きな割には都合が悪いことはスルーする半島南側の地域と考えが似た方々が妨害しているんでしょうね。

  5. なんちゃってギター弾き より:

    プライベートな付き合いでバリバリの左翼の方が複数いるのですが、国民投票絶対反対ですね。
    理由は「与党側が金の数の力で有名人やら何やらを総動員して国民を賛成するように仕向けるから」だそうです。
    それって国民を馬鹿にしてないですかね?

    付き合いを切ったら?って言われそうですが、専門分野ではすごい中立的で知識と卓見があるんですよね。どうして政治の分野だけそんなに偏るのか、持ち味だと言ってしまえばそれまでですが。

    1. 某都民 より:

      僭越ながら、デメリットが無ければ付き合いを切っても良いかと存じます。

    2. HN忘れた より:

      なんちゃってギター弾き様
      政治的意見の相違で、友達と縁を切るって、世間には、あるいは歴史的にはあるようですが頭の悪いボクにはできません。(向こうから縁切りされることはあるかも)
      ところで日本共産党が憲法論議に加わらないというのが意味不明です。今の日本の政体や天皇制に対して最もモノ申したい政党は日本共産党だと、期待(?)してるのですが ... 機が熟するまで、国民、ではなくて人民の意識が熟するまで待とうということなのでしょうか。 時が来れば党の指導の下に政権を握ろうということなんですね。

    3. なんちゃってギター弾き より:

      某都民様、HN忘れた様
      コメントありがとうございます。
      メリットがなくて政治的な話、それも偏ったものばかりではうんざりですよね。いずれそうなって切らざるを得なくなったら嫌だなあと思いつつ、今のところはこのままでしょうか。
      自分はどういう結果になるにせよ国民投票を一回やってみればいい、と思っています。特定の煽動に引っかかる人が、結果を変えるほどいるとはとても思えない、自分を含めて日本国民はそんなヤワじゃないと信じているのですが。

  6. カズ より:

    立憲民主党は不要??・・(審議拒否政党は不要です。)
    せめて「アンチ自民だけではない!」との、独自の存在意義を示して欲しい。
    とは言っても、理念の反する共産党との共闘時点で論外なんですけどね・・。

    立憲民主党と書いてアンチジミントウと読みます。彼らに政権担当能力はありません。

  7. マスオ より:

    その政党が不要かどうかは国民が選挙で決めることであって、現職の国会議員がいう事でもないと思いますが、心情的には「よく言ってくれた!」と言いたい。

    ただ、先の衆参計3つの補選で、「談合組織」と批判した云々に関しては、選挙とはそういうものだし、決められたルールの中で、最大限の努力をすることは、批判されることでも何でもない(法律違反したわけでもない)と思うし、この選挙に関して言えば、候補者をまとめきれなかった2Fの責任を責めるべきだと思う。

    しかし、やっと国民投票ですね。
    本当は、ここまでの道のりを安倍さんにして欲しかったな。。。

    1. 匿名 より:

      >しかし、やっと国民投票ですね。

      彼らは何故すんなりと「改正法施行後3年をめどに検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」などと改正案の付則に明記する修正で合意したのでしょうね?

      当然、検討事項を議論し、解決してからでなければ改正法を施行することはまかりならんと審議拒否を続けることは想像に難くありません。

  8. 老害 より:

    雑談の方に書いてしまいました。
    ゴミみたいな記事ですけど、再投稿します。

    —————————————————————————————————-
    蓮舫様がお怒りのようですが、ご自分の議論のスタイルを考えれば、怒るほどのことではありませんよ。相手は、事実を述べただけですし。

    何様?でしょうか。
    https://twitter.com/renho_sha/status/1390420671260291077

    1. タナカ珈琲 より:

      老害様

      維新の馬場幹事長の立憲民主党は不要に反応します。
      大阪人はKYでして、腹にある事を損得を考えずに、しゃべってしまう事が有ります。ワタシのような年金生活者レベルは、何を言っても世間に波風は立ちません。弱小政党と言えども、幹事長の発言が波風を立てました。べつに…、(沢尻エリカ風に)です。
      馬場幹事長の顔はお〜さかのおじさん顔です。
      お〜さかのおじさんやから大した事言ってません。(キッパリ)

      1. 老害 より:

        タナカ珈琲 さま

        コメントありがとうございます。

        >弱小政党と言えども、幹事長の発言が波風を立てました。

        図体が大きくても、ただ反対だけを続けている政党よりはマトモであると認めます。
        今回は、本当のことをハッキリ言ってあげただけですから、問題ありませんよ。(棒)

  9. より:

    現在進行形でもありますが、歴史的に見ても、サヨクにとって最大の敵は「言論の自由」です。
    そして、議論することすら封殺したがるのは、自分たちの頭の悪さを取り繕うためです。なぜかサヨクは自分が「知識人」であるかのように装うのが好きですが、実態はそんなもんです。

  10. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    左巻きの論客や、考えが左傾の人って、立憲民主党をクソミソに非難してますネ。「裏切り者!」「次は政権を取ると信じていたのに」「日本には真の革新政党が生まれない」、、ああ、、うるさい。オタクら次の選挙は、何処に投票しますか?(笑)

    しかし、3年のシバリは長いな〜。そんなに待てる情勢ではありませんよ。ま、一歩はやっと前進したかなと思います。さ、これからが本番だ。なんとか改憲まで繋げたいです。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。