中露朝韓「無法国家クアッド」を「正しく」警戒すべき
ロシアがFOIPの批判に加わった!もし韓国が「無法国家」側に転落したら…?
昨日の『米欧が対中制裁で歩調合せる一方で、中露韓の接近も?』では、なかば冗談めかしつつも、「中露朝韓クアッド」という用語を当ウェブサイトに初登場させました(ただし、用語そのものを「開発」したのは、当ウェブサイトではありません)。ただ、この用語、自分自身で記載しておきながら、「とんでもない概念」だと改めて気付きます。現実にロシアのラブロフ外相が、FOIPについて「憂慮される」と述べたからです。
目次
クアッドよりもFOIP
あくまでも大事なのはFOIPです
これまで当ウェブサイトでなんども繰り返してきた論点で恐縮ですが、そもそも「日米豪印クアッド」と呼ばれている枠組みは、「クアッド(=4ヵ国)」ありきではありません。
あくまでも理念としての「自由で開かれたインド太平洋」、あるいは英語でいうところの “Free and Open Indo-Pacific” を略した「FOIP」という概念が存在し、それに賛同した国が4ヵ国である、というのが正しい言い方でしょう。
もちろん、クアッド自体が発足するきっかけとなったのが、もともとは2004年のインドネシア・スマトラ沖地震で発生した津波を支援するための4ヵ国協力だとされていますが、それはあくまでも「きっかけ」に過ぎず、現在はFOIPありきの価値同盟のようなものを目指していると考えた方が良いでしょう。
当然、このFOIPに含まれる “Open” 、つまり「開かれている」という形容詞にふさわしく、FOIP構想自体、「この理念に賛同してくれる国」であれば、どこの国でも参加するのは大歓迎、というのが日本政府の一貫した姿勢です。
クアッド・「プラス」?なぜ頑なにFOIPの用語を使わないのか
官民挙げて、この点を「最も理解していない国」のひとつが、韓国です。
韓国メディアは口を開けば「クアッド」、「クアッド」と繰り返しますし、また、「わが国がクアッドに参加すべきか」といった議論も、韓国の「保守系メディア」でも、ここのところ頻繁に目にします。その割にはFOIPという用語を見かけることは多くありません。
一方で左派メディアだと、「クアッド」という用語は、保守系メディアとは逆に「韓国はクアッドに参加すべきではない」という文脈で出てきます。しかし、頻繁に見かけるのは「クアッド」という用語であり、FOIPという用語をほとんど目にしない、という点では、左派メディアも保守系メディアと大差ありません。
さらに韓国メディアに多く見られる用語のひとつが、「クアッド・プラス」でしょう。
たとえば、『「米国は慰安婦合意歓迎」発言を無視する韓国メディア』のなかで、米国の現地時間3月12日付で行われたネッド・プライス米国務省報道官の記者会見で韓国メディア・聯合ニュースの記者がこの「クアッド・プラス」という用語を使っていることが確認できます。
Department Press Briefing – March 12, 2021
―――2021/03/12付 米国務省HPより
しかし、もともとFOIPの参加国は対等であり、「クアッド」はFOIPのたんなる初期メンバーのようなものに過ぎません。したがって、もしもFOIPに日米豪印以外の国が正式に参加する場合、その会議体の名前は、本来ならば参加している国の数に対応した名称に変えるべきでしょう。
逆に、この「クアッド・プラス」という考え方は、日本にとっては危険です。というのも、FOIPに中途半端にコミットしたふりをして、FOIPの結束を乱そうとする国が出てくる可能性があるからです。
クアッド・プラスの用語が危ない理由
逆に、韓国メディアが「FOIP」という用語を避け、「クアッドプラス」という用語を好んで使う理由は、クアッドが「FOIPに賛同している4ヵ国の事である」という実態から目を背けるからではないのかと疑わざるを得ません。
要するに、FOIPに強くコミットしている国がクアッドであり、その周辺に、FOIPに対して中途半端にコミットしている国(あるいは表面的にコミットしたふりをしている国)が集い、それらが「クアッド・プラス」を名乗る、という懸念があるのです。
たとえば、FOIPに強くコミットしている4ヵ国を「クアッド」と呼び続ける一方、そこに加わる国を「クアッド・プラス」などと呼び続けるのだと知れば、FOIP諸国のメンバーに軽重がついてしまいかねません。
とくに、「クアッド」と「クアッド・プラス」のあいだに権利・義務の違いが存在する、コミットの強さに濃淡がある、といったことになってしまえば、FOIP自体が弱体化してしまう可能性があります。やはり個人的には「クアッド・プラス」という用語は、ある意味で危険だと思うのです。
このように考えると、やはりFOIPにどこかの国(たとえば英国あたり)がコミットし、FOIP外相会談などの協議体にその国が正式メンバーとして加わるのであれば、これは「FOIPクアッド」ではなく「FOIPクインテット」、「FOIPファイブ」などと名称を変えるべきでしょう。
このあたりは事実上のFOIP事務局を買って出ている日本政府にも、しっかりと仕事をしてほしいと思う次第です。
クアッドはクアッドでも「中露朝韓クアッド」
それはさておき、本稿で重視したいのは、韓国が「FOIP」ではなく「クアッド」という名称をやたらと気にしている、という点です。
昨日の『米欧が対中制裁で歩調合せる一方で、中露韓の接近も?』では、先日の読者コメント欄にいただいたコメントなどを参考に、半ば冗談めかして、「中露朝韓クアッド」なる珍奇な用語を勝手にでっち上げてみました。クアッドはクアッドでも、とんでもないクアッドですね。
もちろん、これは「実現してほしい」だの、「実現したら面白い」だのと茶化すつもりで記載したものではありません。どちらかといえば、「万が一にそんなことが発生した場合に備えて、何らかのシミュレーションを行っておく必要はないだろうか」という危機意識の表れです。
というよりも、なぜこんな言葉を思いついたのかといえば、「日米豪印テレビ首脳会談」、「日米2+2」、「米・EU外相会談」、「EUと米国の対中露制裁」などの流れから、「日米豪印欧英加NZ」vs「中露朝」、という構図が、かなりハッキリと見えてきたからです。
いちおう韓国は西側の自由・民主主義諸国に所属しているフリをしていますが、その一方で、文在寅(ぶん・ざいいん)政権は頑なにFOIPにコミットしようとしていませんし、また、中国や北朝鮮などにおける人権侵害を批判しようともしません。
今から75年以上も前の、ありもしない自称元徴用工問題・自称元慰安婦問題で、舌鋒鋭く日本を批判するわりには、現在進行形の北朝鮮による日本人拉致事件、中国によるチベット・ウイグルにおける民族浄化、香港における民主主義の弾圧にはダンマリを決め込んでいる、というわけです。
韓国という国は、無責任かつ恥知らずにもほどがあります。
そんな韓国が、「FOIPクアッド」ではなく「一帯一路クアッド(?)」にコミットしたとしても、個人的にはあまり驚きません。
無法国家クアッド
ロシアがFOIPを批判
こうしたなか、韓国に関連し、ロシアとインドの動きが出てきました。
昨日の『米欧が対中制裁で歩調合せる一方で、中露韓の接近も?』でも触れたとおり、現在、ロシアのラブロフ外相が韓国を訪問中ですが、これに関連して昨日夜、こんな記事が出ていました。
ロシア外相がインド太平洋戦略を批判 韓国の参加を警戒
―――2021.03.23 20:08付 聯合ニュース日本語版より
この記事は、23日の韓国訪問を前に、モスクワで現地時間19日に、ラブロフ外相が韓国特派員とのオンラインインタビューに応じたというもので、ラブロフ氏はインタビューで次のように述べたのだそうです。
「アジア太平洋地域で、韓国はロシアの非常に重要で展望あるパートナーだ。アジア太平洋地域の問題も協議する」。
そのうえで、ラブロフ氏はFOIPに対し、次のように憂慮を述べたのだとか。
「現在、アジア太平洋地域を再編しようとする試みがあり、インド太平洋地域という用語が導入されたとしたが、この過程の意味は非常に憂慮される。東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とした構造に対峙する何かを作ろうとする試みが行われている」
要するに、FOIPが中国だけでなく、ロシアにとっても非常に都合が悪い構想だとして、(なぜか)ロシアが警戒しているというのです。
せっかくインドを訪れるというのに…
正直、「航行の自由」、「法の支配」といった概念は、べつに受け入れて損な考え方ではないと思うのですが、この点についてはラブロフ氏には理解していただけていないようなのです。それがわかるのが、次の発言でしょう。
「インド太平洋戦略の枠内で取られる措置を注意深くみると、それらはブロック化の思考に基づいており、ある肯定的な過程ではなく特定の国々に反対するためのブロックを構築しようとしている。特定国家の抑制が目標として宣言されている」。
要するに、FOIPが中国だけでなく、中国と戦略的協力関係にあるロシアをも狙っている、という警戒感ですね。
その一方で、このロシアに関する話題を確認する前に、もうひとつ、気になる動きについても紹介しておきましょう。
韓国の徐旭(じょ・きょく)国防部長官が25日から27日にかけてインドを訪問するそうですが、同じく『聯合ニュース』(日本語版)に昨日付で掲載された次の記事によれば、国防部報道官は23日の定例会見で、「クアッド」(※原文ママ)を巡る協議の予定はない、と述べたのだそうです。
韓国国防相 インドでクアッド巡る協議予定なし
―――2021.03.23 13:14付 聯合ニュース日本語版より
この報道官はまた、先週開かれた米韓国防相会談でも「クアッドに関する議論はなかった」としたうえで、「今回の(インド)訪問では純粋に国防協力に関連する部分を協議する」、などとしています。
せっかくFOIPクアッドの一角を占めているインドに赴くというのに、なんだかもったいない気がしますね。
朝鮮日報「米韓同盟に広がる溝、そこに中露が!」
それはともかく、先ほど申し上げた「中露朝韓」に関連し、韓国の「保守メディア」とされる『朝鮮日報』(日本語版)には昨日、こんな記事が掲載されていました。
韓米同盟に広がる溝、食い込む中ロ
―――2021/03/23 10:59付 朝鮮日報日本語版より
これは、「中露が米国のインド・太平洋連帯において韓国を『弱い環』と認識している」、としたうえで、ラブロフ外相の訪韓が先週の「米韓2+2」の直後に行われるという点に注目し、「外交関係者らが注目している」、などと指摘する記事です。
(※なお、朝鮮日報の場合、記事自体は公表されて数日経過すると読めなくなるそうですので、もし読みたいという方がいらっしゃれば、早めにどうぞ。)
そういえば、この「弱い環」という記述、『「韓国ざまみろ」では済まされない鈴置論考の「警告」』でも紹介した、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の最新稿(※以下参照)でも出てきました。
バイデンの最後通牒を蹴り飛ばした文在寅 いずれ米中双方から“タコ殴り”に
米韓の間の亀裂が天下に知れ渡った。中国は大喜びだ。韓国観察者の鈴置高史氏が展開を読む。<<…続きを読む>>
―――2021年3月22日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』
余談ですが、「韓国がFOIPにおける最も弱い環となり得る」という点こそ、当ウェブサイトとしてはむしろ韓国がFOIPに参加してくれたら困る理由と考えているのですが、この点については別稿にて、あらためてじっくりと議論したいと思いますので、本稿では先を読み進めてまいりましょう。
ドル基軸体制の脱却?
朝鮮日報の記事に戻ります。
注目に値するのは、ラブロフ外相が22日に中国メディアのインタビューで語ったとされる、次のような内容です。
- 米国は他国の発展を阻止するためのイデオロギーを広報している
- ロシアと中国は米国からの独立を強化する必要がある
- 中ロはドルの国際決済システムから抜け出す必要がある
これなどまさに昨日の「鈴置論考」そのままの発想ですね。
要するに、米国が基軸通貨・ドルを握っている限り、中国もロシアも米国に命運を握られてしまっているようなものだ、という指摘だと考えればよいでしょう。だからこそ、ドル決済システム(おそらくSWIFTなど)から抜け出す必要がある、というわけです。
また、「他国の発展祖阻止するためのイデオロギー」とは、朝鮮日報によれば、「人権のこと」なのだそうです。
ことに、ジョー・バイデン米大統領自身が(見た目は)人権を媒介に同盟諸国を糾合し、中露と対決しようとしていることを指しているのでしょう。
(※なお、実際にバイデン氏が人権を尊重するような人物であるかどうかについては敢えて議論しないことにします。)
要するに、ロシアから韓国に対するラブコールのようなものですね。
朝鮮日報はさらに、「北朝鮮も米国に対する交渉力強化のため、中露とさらに密着しつつある」と指摘します。
実際、駐ジュネーブ北朝鮮代表部の韓大成(かん・たいせい)大使は先週、国連人権理事会における演説で、米国による中国の人権問題の指摘を「内政干渉」「虚偽・捏造」と批判したそうですが、これなども「中露朝3ヵ国連携」の証拠でしょう。
ちなみに朝鮮日報の記事によると、北朝鮮の独裁者である金正恩(きん・しょうおん)(?)も習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席に対し、中朝関係を「世界がうらやむ関係」へと強化・発展させることが北朝鮮の変わらぬ立場だと述べたそうです。
また、習近平氏はこれに対し、「われわれは新たな形勢の下、北朝鮮の同志たちと手を取り合って努力したい」とする口頭親書を駐中北朝鮮大使に伝えた、としています。
無法国家クアッドを正しく警戒する
では、この中露朝3ヵ国連携、果たして日本にとっては有利なのでしょうか、それとも不利なのでしょうか。
当たり前の話ですが、古今東西を問わず、あくまでも一般論として、敵対国の数は少なければ少ないほど良いです。したがって、戦略的な立場からすれば、「まずは中国や北朝鮮を孤立化させ、個別撃破していくというのが正しい」、「それまで」、という指摘があり得るであろうことについては、そのとおりでしょう。
もしも「中国包囲網」を中国だけに絞り、ロシア、北朝鮮、韓国すらをFOIPの仲間に引き入れることができるならば、中国を完全に世界から孤立させ、干上がらせることも可能でしょう。
ただし、それと同時に、「無能な味方は有能な敵を上回る脅威」でもあります。
ロシアや北朝鮮は論外として、そもそも論として「約束を破るウソツキ国家」である韓国がFOIPに入ってきて良いのかどうかについては、じっくりと考えておく価値があるでしょう。
もっとも、「中露朝韓『無法国家』クアッド」が成立するかどうかについては、そこは微妙です。
我が国の日本共産党や立憲民主党などを観察してもわかるとおり、そもそも「内ゲバ」は左派や社会主義者、共産主義者らの専売特許のようなものであり、無法国家同士がお互いに深い信頼で結ばれるとも思えません。
実際、ロシアの前身であるソビエト連邦と共産主義中国は、1969年に国境紛争を発生させています。俗に「民主主義国家同士では軍事衝突はほとんど発生しない」と言われていますが、共産主義国家同士だと大規模軍事衝突が発生した事例がある、というのも興味深い事例ですね。
(※なぜ共産主義国家同士や左派同士が内ゲバを繰り返すのかについては諸説あると思いますし、これについて突き詰めていくと何かと興味深い考察もできるのですが、この点についてはまた別稿でのお楽しみとさせていただきます。)
いずれにせよ、FOIPクアッドに対抗して無法国家クアッドが誕生するのかどうかについては警戒が必要ですし、そのようなものが発足してしまうと、何かと厄介であることはたしかですが、それと同時に、無法国家クアッドを過度に恐れるのもまた正しい態度ではありません。
ことに、極論するならば、日本の立場からは、ロシアは日本領を不法占拠したまま返さない無法国家だ、という言い方もできるでしょう。その意味では、いっそのこと、日本に対して不法行為を仕掛けてきている4ヵ国がひとつにまとまってくれるのも、ある意味ではわかりやすいのかもしれなせん。
そして、わが国が取らねばならない態度とは、まさに「無法国家クアッド」を決して見くびらず、さりとて卑屈にならず、「正しく警戒する」ことではないかと思う次第です。
オマケ:日本が認識するFOIP
オマケです。
じつは、日本の防衛省は、わりと露骨に、中露朝韓4ヵ国を抜いています。防衛省が作成した資料からは、そのことがハッキリと確認できます。
参考図表 日本政府政府が認識する連携相手国
(【出所】防衛省ウェブサイト “Mapping the “Free and Open Indo-Pacific” Vision” )
これによると、FOIPにおいて日本が(潜在的に)連携すべきと認識している相手国は、米国とカナダ、豪州、ニュージーランド、インド、そして英仏です。
また、地域としてはラテンアメリカ、太平洋諸国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、南アジア、中東などが明示され、大きく太平洋とインド洋に印がつけられていることが確認できるでしょう。
欲を言えば台湾を明示してほしいという気はしますが、さすがに現時点において、日本政府公式発表で台湾をFOIPに加えるのは、中国を刺激し過ぎているのかもしれません。
ただ、いずれにせよ、少なくともこのFOIPの概念図においては、中国、ロシア、北朝鮮、韓国については存在してないということが確認できる、という事実を指摘しておきたいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
もし米中対立の決着が付かずにズルズルとお互い何十年も張り合って行くとしたら、
南朝鮮の戦略はもしかしたら成功するかもしれない。
おはようございます。
「左派が内ゲバを…」のところ、引用で恐縮ですが「溜池通信」というサイトを運営しておられる「かんべえ」さんが「保守は政局で対立し、リベラルは政策や理念で対立する」というようなことを書いておられました。「左派イコールリベラルか」とか「なぜそうなるのか」についてはともかく、政治家として結果を出す前に内ゲバを繰り返すのはそういうところなのかなと思いました。
ところで、ニュースでG7でウイグル人問題などで日本が批判に加わらなかったというのが気になってます。こういうところで足並みを揃えないことが続くと後々効いてこないか心配です。(細かいところまで読み込んでないので間違ってたら多謝です)
更新ありがとうございます。
とくに、「クアッド」ではなく、盛んに「クアッド・プラス」と韓国がいい回るのは、正式に名を連ねているのではなく、中国にも顔を立てるような、アヤフヤな立場を悪用してます。
加盟国の中に権利・義務の違いが存在する、コミットの強さに濃淡がある、といったことになれば、FOIP自体が弱体化してしまいます。「クアッド・プラス」は、危険な言い方と思うのです。
いつも韓国という国は、無責任かつ恥知らずです。
そんな韓国が、FOIPクアッドではなく「裏クアッド」にコミットして、中朝露韓の悪の枢軸裏クアッドに参加するなら、どうぞご自由に。正面敵は中国のみ、というのは事実ですが、取り巻きも煩いし、自由主義側に寄られても、甚だ迷惑です。どうせ韓は、裏クアッドでも一番下、タコ殴りです(笑)。
>もし韓国が「無法国家」側に転落したら…?
韓国が法治国家でない事は、何を今更と思います。
そう認識しないと、民主主義側に居座ろうとする韓国を助けるだけだと思います。
とっくに韓国は「無法国家」。
だんな様
>とっくに韓国は「無法国家」。
すべての道はファンタジーの世界に通ずる「夢法国家」でしょうか?
J.R.R.トールキン(「指輪物語」の作者です)のファンタジー論に依れば、ファンタジーとは、「準創造」によって構築された世界上で、厳格に論理的一貫性を保った作品世界であることを要求されます。
従って、およそ論理的一貫性とは無縁である韓国人の「世界」は、ファンタジーには程遠く、「妄想」と呼ぶのが一番適切だと思われますが、あえて横文字を使うのであれば、(論理性を要求されない)「メルヘン」と呼ぶべきでしょう。
そう、韓国人の頭の中は一年中メルヘンに満たされた、(彼らにとってだけ)幸せな世界なのです。
だんな様
おっしゃるように、韓国が法に依る統治でなく民族感情に基づく人治統治を行っているという事実は今や誰しも知っているかと思います。
韓国は、近代法に依る統治を、あたかも古の韓非子等の法家の思想による覇道のように否定的に捉え、徳による統治は法を超越するものと考えています。
前近代的なこの思想のおそるべき点は、何をもって「徳」とするかにつき、自己に都合よく考えることができることであり、現在の韓国人にとって、その「徳」とは反日に他なりません。
その意味で「無法国家」の上を行く、「反日無罪法国家」でしょう。
Atlantic Council に掲載された THE LONGER TELEGRAM は、中国全体を敵にまわすのではなく、中共に内在する分裂を上手に利用するよう提言していますが、そこにロシアというプレイヤーを加えて考えればよいのではないでしょうか。
中共の分裂が、中共 vs ロシアの対立に発展するなら、それもよし。
# THE LONGER TELEGRAM で提起された戦略をベースに、「バイデン政権は、中共のどちら側と結託したいのか」を考えると、知的好奇心を刺激する論考になりそうですね。
バイデン氏は既にプーチン氏にも喧嘩売ってるみたいなので「バイデン政権」に“元”が付くまでは天秤の固定捍はロック状態から動かせないかもしれません…
2年過ぎたあたりかと思ってましたが、わりと早めに「ハリス政権」に移行する??
さて、ロシアに「旧満洲は君たちが取っても良いよ」とこっそり囁いたらどうなりますかねぇ。北方4島+樺太あたりと交換ということで手を打てないかな。
> 「FOIPクインテット」
しつこく申し上げます。
クアッドに対してクインテットは異質です。クィントを用いるべきです。
どうしてもクインテットを使いたいなら、クアッドではなくカルテットをご使用ください。
Quad, Quint, Sext, Sept, Oct…
Quartet, Quintet, Sextet, Septet, Octet….
—-
本題です。
> 韓国メディアが「FOIP」という用語を避け、「クアッドプラス」という用語を好んで使う理由
ですが、新宿会計士様のご懸念に加え、そもそも「自由で開かれたインド太平洋」という概念を、中華思想に基づく華夷秩序を世界観の基本とする韓国人が受け入れられない、というよりも理解できないため、認知を拒絶しているのだと思います。
また、「自由で開かれたインド太平洋」は海洋国家の視座に基づく構想です。大陸国家の盲腸である朝鮮は、海洋国家の発想を持つことができません。それもまた、中華を中心に世界が序列をなす華夷秩序に反します。
華夷秩序に反するFOIPという「反秩序」は識閾に入れたくない、ならばFOIPに集まる連中を何と呼べば良いか、QUADである。
こうして、韓国人は頑なにQUADと言い続けるのだと思います。
なんか単純に「インド」って入ってるからウリが格下みたいで嫌ニダ、みたいな気もするんですよね
インドは日本ともそこまで親密ではないにせよ、中国にとっては物理衝突している敵であるのでそちらの意向の可能性もある
中国の政府やマスコミはどちら呼びが主流なのかな
韓国人は、インド人を「日焼けした白人」ではなく黒人と見做しています。彼らは隣接概念を厳密に区分できないので、色が黒い人間=黒人としか認識できないのです。韓国人が、東南アジアの人々やポリネシア/ミクロネシアの人々を黒人と称するのを、NAVER掲示板で散々見てきました。
韓国人にとって黒人は人類の最下層に位置する存在なので、幾ら見下しても差別しても構わない存在です。だから仰るように、インドの後塵を拝する位置にはつきたくないでしょう。
それも私は、韓国人の序列的世界観の一つの表れだと考えています。
阿野煮鱒 様
前段ですが、根本的誤解でしょう。
数度に渡り提起されておりますので、無粋ながら意見します。
日米豪印戦略対話をQuadrilateral Security Dialogueとし、略称がQuadです。
見ての通り英語でラテン語云々は不要、数詞なら、ペンタ、ヘキサで充分です。
では、仮にクアッドが増えるとして、ペンタが至当かと言えばそうでもなく。
Quadは四角形、セキュリティダイアモンド構想に端を発した名付けです。
たまたま地理的に五角形になり得る国の加盟でペンタと名乗るならいざ知らず、当初四角形から発した同盟の発展形が5人組、すなわちクインテットで何か不都合が?
他に日本語的慣用性の論点もありますが、上で充分でしょう。
もとはクアッドを数詞とした勘違いから生じた誤解と思いますが、繰り返し意見される前に著者の意図を汲む方向で原意、文意を再考してみてはいかがでしょうか。
では、Quintetで何か不都合でしょうか?
コメントの通り、不都合はありません。
むしろ、記事中のFOIPクインテットに、「どうしてもクインテットを使いたいなら、クアッドではなくカルテットをご使用ください」と阿野煮鱒様が序数詞的整合性の観点でコメントされましたので、私は原意及び経緯を引いてこれの錯誤を指摘したものです。
もしアメリカが、本気で中国の脅威と戦い、世界の覇権を維持しようとするならば、アメリカはロシアと手を結ぶべきだと考えます。
現在のロシアは、アメリカにとって、軍事的、経済的に脅威にはなりえず、覇権を揺るがすものでは無けれども、それでもそこに持つ、軍事技術、資源等は、もし中国と手を組むと厄介な相手だと思います。
アメリカはいつまでも過去の冷戦を引きずらず、冷静に世界情勢を見て、どうすれば無法国家中国に必ず勝てるのか、に注力すべきです。それこそ、鈴置さんの「味方にならなくてもいいから、あちら側に行くなよ」でもいいように思います。
日本の果たす役割は、ロシアとのパイプを利用して、中ロを引きはがし、味方にしないまでも中国包囲網にロシアを加えるように、外交資源を全力投球すべきだと思います。
米ロ同盟の仲介に日本が役割を果たしたとしたら、すごい歴史的快挙ではないかと思う次第です。
中・露・南北朝の枢軸国ですね。頑張って下さい。
中は遅れて来た帝国主義者として、ww2前の日本を連想させます。人民解放関東軍暴走の可能性もありそうです。
露は一度(冷戦で)敗れて立ち上って来たナチスドイツ、は褒め過ぎかもしれませんが、プーチン総統の指導力は端倪すべからざるものがあります。
とすると、南北朝は伊の役回りでしょうか?一番先に屁垂れるんでしょうねえ。
FОIPには欧も同調してますから、どうやら枢軸国VS連合国の様相になって来ました。
まず、韓国の地政学的思考の基本が大陸国家のそれであって、海洋国家のものではないことに着目するべきです。FOIPは優れて海洋国家的発想に依るものなので、そもそも韓国はその概念自体が理解できないのです。QUADは4つの主権国家によって構成されているという点で、かろうじて理解が及んでいるようですが、まともに海軍を展開した経験を持たない韓国には、FOIPは完全に理解の外であると思われます。
また、中ロ朝韓のanother QUADについても、実質的に意味があるのは「中ロ」のみであって、朝や韓は北東アジアに限定された局所的な影響しか持たず、世界レベルの戦略ではほぼ無意味です。北東アジアに位置するわが国としては、完全に無視するというわけにはいきませんが、中ロ両国の巨大な影響力に較べれば、「小煩い」以上ではありません。中ロ両国への対応のついでというレベルで問題ないと思います。
このところ中ロ両国の接近が伝えられてますが、この両国が緊密な同盟関係を築けるとは到底思えません。今のところ、対米牽制という一点で歩調を合わせているように見えますが、両国の相互不信は根深く、せいぜい「敵の敵は敵じゃない(味方とも言い切れない)」レベルの関係であると思います。実際、仮に米中開戦という事態になっても、秘かに多少の物資の支援くらいは行うかもしれませんが、ロシアが表立って参戦することはまずないでしょう。むしろ、戦後の中国分割に一枚噛もうとしてくるくらいのことは、平然と行ってくるでしょう。
もちろん、過剰な楽観は禁物ですが、another QUADに限って言えば、「そんなことになっては大変だから、多少は譲歩してでも韓国を向こう側に追いやってはいけない」という転倒した主張が出てくることをむしろ懼れます。おそらくはそれこそが韓国の狙いと思われるからです。韓国が向こう側に行くそぶりを見せるのであれば行かせれば宜しい。ただし、無傷でとは言いません。軍事的にも経済的にも完全に完全に無力化した上でなければなりません。
「わたしとあなたは 友達じゃないけどわたしの友達と あなたは友達だいたいそんな感じ」
ってフレーズはもっと有名になっていいと思いますw。
タイムリーな話題ありがとうございます。
読売新聞 >中国やロシア、北朝鮮、イランなど17の国・地域が内政不干渉原則などを掲げる「国連憲章」の護持をうたい、有志グループを・・・
を先週見て、”人権弾圧グループ(悪の枢軸)”と”人権尊重グループ”の冷戦がはじまったと感じました。
まともな経営者なら米中デカップリング対応の準備を始めるはずです。
この”ならず者国家群”のなかで、国力でまともなのは中国のみ、ロシアのGDPは韓国以下、他は由って知るべし。結局、他は中国に集るだけのお荷物です。冷戦終結の最大の受益者が中国・韓国です。従って米国は自国が痛みに耐えられる速度で徐々に米中デカップリングを進め、中国の弱体化を進めると思います。 その時、二股をかけようとする怪しい国がドイツと韓国で、この2国は早期にお仕置きを受ける可能性が高い。
人権・対中政策が、法の不備と党内政治の影響を受けやすい日本も何時怪しい国に転落するか判りません。
そうならない様に自民党はマグニツキー法・サプライチェーン強靭化法・スパイ防止法・他の法整備をまじめにやってほしい。
これを妨害するであろう共産・立憲・公明党だけでなく、自民党内の親中朝韓議員も排除しなければならない。
今年は我々有権者の投票行動が国の盛衰を決める年になるかもしれません。
>クアッド自体が発足するきっかけとなったのが、もともとは2004年のインドネシア・スマトラ沖地震で発生した津波を支援するための4ヵ国協力
当時、地震発生直後には5000万ドルの救済支援を表明した韓国。関心が薄れるころには減額表明し支援金実納額は310万ドルでしたよね。たしか・・。
たぶん、+(プラス)の立場でクアッドに所属しても体裁だけのもの。
当事者意識もなく護られたいだけの彼らは役立たずを超えた厄介者。
*矜持(誇り)のない身を叩いても見栄(埃)しか出でこないのかな・・?
更新ありがとうございます。
いつも大変興味深く拝見しております。
新宿会計士さんの記事を読み、知的好奇心がとても刺激されてしまいました。
個人的な見解を書きたい衝動が抑えられず、ご批判を受けるのを承知で意見を述べさせていただきたいと思います。
無知のため、誤った認識もあるかと思いますがご了承ください。
中露朝韓の連携は、何があっても阻止しなければいけません。
韓国を味方に入れるために譲歩するという意味ではなく、連携を阻止する必要があるという話しです。
日本にとって最大の脅威は中国です。現時点では対中戦略を最優先させる必要があります。
はっきり言えば、今は韓国などどうでもよいのです。
新宿会計士さんの仰るように、最良の戦略は中国を孤立させることです。
その上で、日本、インドで圧力を加え、中国の戦力を東西に分散させる。出来ればモンゴルにも加わってもらい(同盟までいかないまでも、FOIP陣営に加わるかもしれないと中国に思わせるだけでも効果がある)、東西北の3方向から圧力を加えるのが最良です。
トランプ政権末期にポンペオ国務長官がモンゴルを訪問(事情により茂木外務大臣が代わりに訪問)しようとしたのも、ロシアを刺激しないように配慮していたのも、そのような戦略からだったと思います。(立案者は安倍元首相ですかね)
このような戦略でいけば、戦線は中国の東西北の3カ所になります。
実際に戦争に至らなかったとしても、戦争が始まれば3方向から攻められると思わせるだけで大変な圧力になります。侵略の意志を挫き、譲歩を迫ることもできます。
しかしながら、中露朝韓の連携が成立してしまうと状況が変わり、戦線は東シナ海から日本海を通り、オホーツク海までの海上となります。
つまり、日本が最前線に一国で立つような状況になってしまいます。
米国やオーストラリアのバックアップがあったとしても、その状況が日本にとってよいとは思えません。上述したような3方向からの圧力を日本が受けることになり、不利な譲歩を迫られる可能性もあります。
今の時点では、韓国は相手にしないのが一番ではないでしょうか。
下手な譲歩はいけませんが、韓国を煽るような行為も中露朝韓の連携を後押ししてしまうので適切ではありません。日本政府の丁寧な無視という韓国戦略は正しいように思います。
この状況がどこまでエスカレートするのかはわかりませんが、FOIPクアッド側の勝利になれば、その中心にいた日本は、新しい国際環境の中での発言力が確実に高まります。
(日本やインドが常任理事国に入るような状況になれば面白いけど)
裏切者の韓国は、それから好きなように料理するのがいいのではないでしょうか。
チャイナと戦うためのアメリカの戦略が最悪ですね。
チャイナのアメリカに次ぐ強大な経済力とロシアの(分野によってはアメリカすら凌ぎかねない)高度な軍事技術力とが手を組むのは世界にとって悪夢です。
しかも軍事技術に関しては、インドもロシアから最新装備を導入したり新しい対艦ミサイル(それは本来ならインド洋を我が物顔で跳梁跋扈しようとするチャイナの軍艦に向けられる筈)を共同開発したりしている。
アメリカがあくまでもロシアを敵として排除しようとすると、最悪の場合にはFOIPクァッドからインドを離脱させかねない。そうなればFOIPの理念を実現してチャイナ海軍をインド洋で封じ込めることは絶望的になる。我が国にとっては石油などの資源輸入航路の安全を確保することが不可能になるということだし、アメリカにとってもインド洋の安全を欠いては中東への軍事的コミットが困難になり、世界におけるアメリカの威信や発言力が大きく低下することになる。
中と露とを分断して対立させるために、露はアメリカ側に引き込むか少なくとも露は米中対立に関して中立を守るのが国益を最大化するとプーチンに信じさせる戦略をアメリカは採らねばならないのに、人権で騒いでロシアと対立するとは無能も甚だしい。
人権問題なんてダブルスタンダード、トリプルスタンダードで良いのですよ。どうぜ欧米諸国の多重スタンダードなんていつものことなのに、何故か最も大事な相手に対して馬鹿正直に人権問題を追及して敵に回すとはね。