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消費税15%?いえいえ、「消費税ゼロ%」が正解です

小学館が運営するウェブ評論サイト『マネーポストWEB』に今朝、興味深い記事が掲載されていました。財務省が「コロナ増税」を目論んでいる、というのです。これが事実ならば、由々しき話です。財務論的に完全に誤っている増税プロパガンダを振りかざし、国民生活をぶっ壊して増税に邁進する財務省こそが、まさに国民の敵の総本山、というわけです。

日本の問題点は「国の借金」ではなく「デフレ」

以前から当ウェブサイトでしばしば言及しているとおり、日本経済の最大の問題点といえば、「国内にカネの行き先がないこと」です。

昨年の拙著『数字でみる「強い」日本経済』でも紹介したとおり、日本には家計や企業にカネが山ほど積み上がっていて、むしろ誰もカネを借りてくれないため、行き場を失ったマネーが海外に流出しているというのが現状でしょう。

【参考】『数字でみる「強い」日本経済

(【出所】アマゾンアフィリエイトリンク)

ちなみに、同著などでは「国債は400兆円まで増発しても大丈夫だ」、などと主張していたのですが、先日の『「国債386兆円を増発しても大丈夫」は間違いでした』でも報告したとおり、この点については若干の事実誤認がありましたことをお詫びし、訂正したいと思います。

正しくは、

国債は800兆円増発しても、日本はビクともしない

です。

いずれにせよ、財政再建は現在の日本にとって、真逆の処方箋なのです。

財政再建論のウソ

ただし、世間的には「日本は財政破綻直前の状態にある」という、財務省がばら撒いたウソが信じ込まれているフシがあります。これは、大雑把にいうと、次のようなストーリーです。

「国の借金と財政破綻論」
  • ①日本には「国の借金」が山ほどある。
  • ②このままでは日本はにっちもさっちもいかなくなり、財政破綻する。
  • ③財政破綻を避けるためには、財政再建が避けられない。
  • ④財政再建のためには、いま、増税と歳出削減が必要だ。

①からして間違っている詭弁です。

よく「ウソツキは数字を使う」といわれます。財政破綻論者も、「国の借金はいまや1000兆円を超えている」、「国民1人あたりに換算して1000万円近い」、といったレトリックで、私たち国民を騙そうとしているのでしょう。というのも、そもそも論として、「国の借金」なる概念は存在しないからです。

正しくは「政府部門の債務」であり、それが1000兆円を超えていることはたしかですが、これが増えたからといって直ちに「財政破綻」が生じるというものではありません。

いや、ここでいう「財政破綻」とやらが何を意味するのかはわかりませんが、もしも「おカネを借り過ぎたことが原因で国債などの債務を返済することができなくなること」を意味しているのだとしたら、それは大間違いだ、と申し上げておきましょう。

そもそも論として、自国通貨で発行された国債が「デフォルト」することはあり得ないからです。

そんなに財政再建したければNHKを解体しろ!

また、万歩譲って「日本は財政再建が必要だ」というのが事実なのだとしたら、ここで必要なのは「増税と歳出削減」ではありません。必要なのは、まずは政府資産の圧縮(とくに財務省が保有している外為特会の整理)でしょう。

こう述べると、「財務省が保有している外貨準備は円換算して140兆円ほどだが、あくまでも米ドルなどの外貨で構成されている」、「これを日本円に換金すれば、その過程でハイパー円高が進行する」、などと反論する人もいます。

しかし、べつに外為特会は円に両替しなくても解消可能です。

昨年の『日銀の外貨買入オペなら財政再建と物価目標で一石二鳥』でも解説したとおり、日銀は今年3月までに、財務省から60億ドル程度の外貨を買い入れる方針を示しています。

日銀が発表したPDFファイルによると、これは財務省が外為特会で保有しているドル資金を、市場の実勢為替レートを参考にして日銀に譲渡し、日銀がその対価として、円資金を日銀政府口座に振り込む、という形で行われます。

同じロジックを使えば、たとえば財務省が1兆ドルのドル資金を日銀に譲渡し、日銀が政府口座に100兆円振り込む、という形で、外為特会の実質的な換金処理が可能です。

では、日銀はその外貨準備をどうすれば良いのでしょうか。まさか、外貨準備を日銀が管理しろ、とでもいうのでしょうか。

この点、日本国内ではあまり知られていませんが、諸外国では外貨準備は中央銀行が保有しているケースが多いです。べつに日銀が外貨準備を管理しても、諸外国のスタンダードに照らしておかしな点は何もありません(※もっとも、外為法などの改正などの措置が必要になる部分もありますが…)。

さらには、民営でも国営でもない、ヌエのような存在の組織が、NHKでしょう。

NHKは国民から半強制的に集めた年間7000億円を超える受信料を原資に、職員1人あたり1550万円という異常に高額な人件費を負担していますし、また、NHKは連結ベースで、金融資産だけで1.1兆円(※年金資産を含む)を保有しています。

NHKという組織を解体し、巨額の金融資産、都心部の超一等地などを国庫に返納させれば、下手をすれば軽く数兆円の資金が浮きます。

さらには、NHKや民放各局にタダ同然の値段で使わせている電波利用権についても、電波オークション制度を使って、テレビ局だけでなく、さまざまな業者(携帯電話会社や通信会社など)に販売すれば、国庫が潤うはずです。

つまり、増税や緊縮財政よりも前に、やることはいくらでもあるのです。

それらを一切やらずにいきなり消費税等を10%に増税したり、レジ袋増税を適用したりするのは、まさに財務省が「増税利権」を追求する組織と化していることの証拠でしょう。

マネーポストWEB「財務省のために働く内閣」

さて、小学館が運営するウェブ評論サイト『マネーポストWEB』に今朝、こんな記事が出ていました。

財務省が目論む「コロナ復興税」 感染収束後に「消費税15%」計画

―――2021年2月12日 7:00付 マネーポストWEBより

詳細は、リンク先記事で確認していただきたいのですが、記事タイトルにあるとおり、財務省が「コロナ復興税」を目論んでいる、とするものです。

記事によると、「安倍内閣時代のブレーンの1人」が次のように明らかにしたそうです。

支持率低下で政権基盤が弱まった菅首相は財務省に頼り切り。首席秘書官を交代させて財務官僚を起用し、国民からの要望が強い2回目の特別定額給付金を『考えていない』と否定したのも、財務省の顔色を見ているから。財務省は内々に、感染収束後に消費税率を引き上げる“コロナ復興税”のプランを立てている」。

つまり、菅義偉総理大臣が施政方針演説で「少子高齢化と人口減少が進み、経済はデフレとなる」、「その中で国民に負担をお願いする政策も必要になる」などと述べたのも、「財務省に向けて『大増税の決意』を示した」、というのがマネーポストWEBの指摘、というわけです。

もちろん、同記事がいう「財務省のコロナ増税」説が正しいのかどうかは、現時点では何とも読めないところです。しかし、同記事では、埼玉学園大学経済経営学部の相澤幸悦教授による、「コロナ便乗増税」説が紹介されています。

もともと財務省は社会保障財源には『将来、消費税率を20%くらいにすること』が念頭にある。消費税率は安倍前首相が2019年に10%に引き上げた際、『今後10年は上げない』と約束したから当分増税はできないと見られていたが、そこにコロナ禍が起きて国の借金が増えた」。

いかにも財務省が考えていそうな話ですね。

マネーポストWEBは「これでは“財務省のために働く内閣”だ」と批判するのですが、もし菅政権が本気で消費税の増税を目論んでいるのだとしたら、同記事の指摘はまったくそのとおりでしょう。

コロナ増税?いやいや、逆でしょ!

ただし、ここで「ちょっと待ってくれ」と言いたいことがあります。

安倍晋三総理大臣は現職の総理時代、消費税の増税については「リーマン級のショックがないかぎり断行する」と表明していました。それでは、現在のコロナ禍は、「リーマン級のショック」ではないのでしょうか?

いずれにせよ、2019年10月に、さしたる必要性もないくせに増税した消費税については、税率を見直すことが必要です。

というよりも、当ウェブサイトの試算だと、少なくとも今後5~10年間は、消費税、所得税、法人税などの主要税目の税率を一時的にゼロ%にするくらいのことをやっても国家財政はビクともしません。

そして、今年4月になるのか、10月になるのかはわかりませんが、必ず衆議院議員の総選挙が実施されます。菅義偉政権がダッチロール状態とならないためには、やはり、「消費税ゼロ」を政権公約に掲げてはいかがでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (51)

  • 私は消費税20パーくらいでも良いと思ってます。腰だめの数字です(古いです)が。
    これ1本にします。名前は付加価値税として、輸出の際の戻し税みたいなことも止め、インボイス導入で取りはぐれないようにします。
    その代り、所得税から相続税・ナンチャラ税に至るまで全て撤廃し、低所得層対策は直接給付で。

    • >消費税20パーくらいでもよい
      >低所得層対策は直接給付で

      然りと思います。

      >これ1本にします
      >インボイス導入で取りはぐれないよう
      >所得税から相続税・ナンチャラ税に至るまで全て撤廃

      消費課税の弱点に、財やサービスを消費しなければ課税できない、という点があります。

      つまり、所得を稼得し、資産として蓄え、それから消費をしますので、課税にタイムラグがあるという事です。
      よって、消費税1本にすると、一時的に大減収になると思われます。

      また、課税実務上、デミニマス基準は付き物ですので、免税事業者を撤廃することはできません。
      そして、課税の原理上、インボイスを用いたとしても、課税事業者以外の取引には課税できない、という点もあります。

      これは、すなわち、免税事業者や非課税・免税取引など、
      インボイスに係らない取引による租税回避のインセンティブが高まるということです。

      さらに、消費税以外の税を撤廃してしまうと、消費税以外の資料を集めるのが難しくなります。
      所得すなわち、価値のフローの情報と、資産すなわち、価値のストックの情報が大きく損なわれます。
      (現行は、情報の提供の義務付けが、悪意のない過少申告も取締るレベルです)

      上記、インボイスに係らない取引による租税回避も横行するでしょうから、
      原理的にも、実務的にも、混乱は避けられないでしょう。

      >輸出の際の戻し税みたいなことも止め

      これを止めると、国内の仕入で消費税を負担している国内企業は、売値に仕入の消費税を上乗せしなければなりません。
      すると、国外の仕入で消費税がない国外企業に比べて、消費税の分だけ価格競争が不利になります。

    • 消費税一本でもいいが、それでは人頭税一本でもいいのでは?(平均消費額×20%程)
      ・計算が楽(税理士会計士は失業するが、良い頭脳の方々には成長分野に移って頂く)
      ・扶養者が多い人は給付で対応(子供等の生産年齢以外は全額給付+α)
      ・少子高齢化の解消(財務省は増税に知恵を絞るより、少子高齢化解消に知恵を出せ)
      ・稼ぐ人のやる気(稼ぐ人は可処分所得増)

      デメリットも沢山あるが。

      • >m 様
        >人頭税一本
        >デメリットも沢山ある

        然りです。
        「古代から封建制にかけての時代には多くの国で導入されていたが、所得に対して逆進性の強い税制であるため、現在では導入している国はほとんどない。」
        (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%A0%AD%E7%A8%8E)

        >門外漢 様

        消費税の弱点について、消費しきれない所得や資産に課税できない事もあります。

    • 単純に総事務コスト考えて消費税やめちゃうほうが全然有利です。
      表示がなければ支払もなし、申告もシステムもなし、昭和の頃のモノの価格だけで取引できる世がとれほど楽だったか。
      つまりはやめちゃえば消費税額以上に社会全体でお得です。
      低所得の手当にいずれにしろ所得を捕捉するなら、やっぱり所得課税だけでいい訳で。

      なにより間接税は直接税の累進性の補正にもある訳で、マイナンバーの超管理社会でそっちが適正にできるなら面倒な間接税はいらんと思うのです。
      将来少子高齢化で困るならいっそ年金に課税しちゃえ、と。結局税をとるなら直接間接どちらだってとられるほうに意味はないので。

      • 私も概ね同意見ですが、一つだけ。

        > いっそ年金に課税しちゃえ

         現時点でも国民年金、厚生年金は一定額を超えると所得税が課せられてます。障害年金、遺族年金は非課税です。

        • ご指摘ありがとうございます。
          年金の課税なしと思い込んでいた私の不明でした。末尾を訂正します。

          将来少子高齢化で困るならいっそ【消費税とりっぱぐれ分を】年金に課税しちゃえ、と。結局税をとるなら直接間接どちらだってとられるほうに意味はないので。

    • 牛人 様
      m 様
      へちまはたわしのみに非ず 様
      とある福岡市民 様
      名無しのPCパーツ 様

      皆さまよりご意見賜り有難うございました。
      勿論素人考えですので実現するなんて思っても居ないんです。
      でも日本のGDPを500兆とすると、付加価値税20パーで100兆になり財政健全化はたちどころに達成、捕捉率50パーでも50兆ですからプライマリーバランス達成で、こんな簡単なことに誰も気が付かないのかなあ・・・と思う次第です。

      税制は簡素な方が良いと思っているのでこんな妄想になりました。確定申告の時期ですから。

  • 走る!罪務省
    コロナ禍から支出が激増だ!
    今すぐコリャ増税始めよう!
    いつだってオレは正直サ
    財源は際限無く欲しいサァ
    増税ラン♪ラン♪消費税
    Hi! Hi! 楽じゃない?
    なんてことは全然国民は思ってない!!
    疲弊!疲弊!日本中怒ってるさァ

  • 安倍総理と黒田総裁で作って世界中が模倣したゼロ金利量的緩和スキームをもうちょっとちゃんと評価すべきです。
    わたし自身、消費税撤廃とか減税とかは財政規模に比較して自分が得する割合が少ないので反対で、もうちょっと自分が得する給付金やら社会保険料無料とかお願いしたいのですが、今消費税増税とかはあり得ないって点では一致です。

    量的緩和が通貨暴落を招くというのは教科書的には正しいのですが、通貨の価値は相対的なものですので、主だった国が国債出しまくってる現状で日本だけ真面目になる意味がわかりません。むしろ病的な円高で貿易にダメージを与えてしまうでしょう。

    量的緩和政策は他国比突出しないことだけを気をつけるべきです。今他国が緩めまくってるわけですから、まずは同レベルまで緩和してメリットを享受すべき。他国が引き締め出したらいろいろ考えなきゃですが、現在その傾向は全くありません。もう各国とも国債を減らそうとか一切考えないのではないかなと。

    • >G 様

      >社会保険料無料とかお願いしたいのですが、今消費税増税とかはあり得ない

      私も同意見ですが、社会保険料を減らし、消費税を増やすことで、負担を組み替えるのであれば、負担の適正化の観点から有りかなと思います。

      • こんばんは。
        現役ヒラサラリーマンの端くれとして、給料天引きの社会保険料のこれ以上の増加は勘弁してほしいですね。消費税率下げたはいいけど、減収分を埋め合わせるとか理屈つけて社会保険料上げられる方が現役世代は堪えます。特に若い世代は大ごとではないでしょうか。(それに、こういう関係ないこととかありえないこと、やりそうでしょ?)
        新宿会計士様の消費税率下げ提案に反対するものではないですが、他で埋め合わせさせない方策について、もう少し踏み込んでいただきたいです。今のままでは消費税率下げに拘るより、牛人さんが仰られるように負担を組み替えて、例えば「消費税率20%、社会保険料ゼロ」にする方が魅力的に見えるのも偽らざる気持ちなので。「消費税も社会保険料も数年間ダウン(あわよくば無料?)」っていうのは夢物語なんでしょうね(汗)

        • 同意です。
          社会保険料の被保険者負担分がだいたい30兆でそれって消費税の税収総額と同じくらいかなぁと考えます。1ヶ月の支払い消費税と1ヶ月の厚生年金保険料どっちが大きいって現役世代にとっては圧倒的に年金保険料なんですね。重税感半端ない。

        • 独身、年収600万、月給33万、賞与3か月×2(2年連続)で超ざっくり試算(雇用保険は面倒なので除外)しました。
          給与  6,000,000
          社保   900,864 県による 協会健保+厚生年金
          所得税  264,327
          住民税  240,000 市区町村によるのでざっくり
          手取り  4,594,809
          貯蓄   1,000,000
          可処分 3,594,809
          消費税  359,481

          仮に社保徴収なしで消費税20%にすると、その場合の税計算はともかくとして多分可処分所得が増える関係で社保より高くなるかもしれません。

          建前上、厚生年金は(おそらく)還ってくる(ことになっているらしい)んで、消費税と同列に扱うに微妙感はなくもないです。勿論取られる身は同じなんで気持ち自体は激しく同意。ただ、この場合、老年保障がないので死ぬほど貯蓄して投資しますが、それだと経済が回らない。

          なので、消費税減税が効くのは一定の合理性があるのと、その場合、会社も消費税分浮くので賞与が期待できる(といいな)

          あと、一応H16から上がり続けてた厚生年金は2年前に上げ止まっており、今のところ率改定はもうないっぽいです。知らんけど。

          • へちまはたわしのみに非ず様
            試算ありがとうございます。
            仰ることその通りだと思うんです。
            でも

            消費税率を下げて溜め込んでる分を放出
            ではなく
            消費税率を下げて、減収分を(どんな理屈をつけても)他から取って、溜め込んでる分はそのまま

            になりそうで。消費税と社会保険料は性質が違うって言われればそれまでですけど、財務省にとっては同じお金、そうなるとどんなに辻褄が合わなくてもいちばん取りやすいところからってなって、現役世代は負担増、みたいな結果にならないよう、明確な歯止めが必要だと思うのです。

          • お気持ちわかります。
            賞与からも社会保険がとられるようになり、住民税特別減税がなくなり、消費税が上がり、所得税があがり、社会保険料は爆上げされ、雇用保険もあがる。保険料控除は狭くなり、配偶者特別控除はややこしくなるのに基礎控除額はそのままで被扶養者の厚生年金加入幅は拡大。

            私も社会人になってこのかた深層心理レベルで”現役世代は負担増”が刷り込まれてます。
            そうなると、こんな絞って溜めた金どこやった?って話より先に、とにかく止めてくれ、になるのが自然です。
            某政党が埋蔵金とかやらかしたお陰で、嘘臭いうまい話より将来が見通せる堅い話を、と。

            厚生年金の率の件もそれ、高齢化社会に備えて元からH16からH29まで段階的に上げる計画でその通り、だからもう上げない、だったんですが、そこで止まるなんて誰も信じてないのが、まさにそんな感じですね。

            そんな世情なので、先に備えて必死に貯蓄すればするほど家計資産が増えて…が、やがて新宿会計士のお説にもつながると思うのです。

            ただ、人間、池から女神が出て国債増発化、死ぬまで給与徴収増額なし、どっちか選べって言われたら…

          • へちまはたわしのみに非ず 様

            概ね然りですが、企業負担分の社会保険料が試算に含まれておらず、実質的な社会保険料は倍弱(160万円ぐらい)になるかと思います。
            社会保険料の企業負担分は、使用者側では人件費として予算されており、実態としては給与です。

            参考URL
            社会保険料の事業主負担は本当に「事業主負担」なのか
            https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2004/04/pdf/010-013.pdf

          • 牛人 様

            ご意見ありがとうございます。ご指摘の通り労災も抜けていました。

            こちらはご意見の例証のため試算したものです。
            消費税率20%で社会保険料0で使用人のお金がどうなるかを考える場合、社会保険の会社負担分の考慮が適正かは判じかねるところです。
            使用人の給与明細から見るか、会社の損益計算書から見るか、見地によるのではないでしょうか。

            ちなみに書き漏らしたのですが、月額通勤費10,000を標準報酬に加算しています。これも使用者からすれば人件費の一部ですが、使用人からすれば定期代であり、近似の議論となると思います。

          • 牛人 様

            申し訳ありません。
            先の返信は的外れだったことに気がつきました。
            ご意見は消費税率20%では到底現行の社会保険料の代替足り得ないとのご指摘だった訳ですね。

            大変失礼しました。上の通りなら仰る通りです。
            この場合試算には要素が多くなるので一概には言えませんが、社会保険制度を維持するとすれば少なくとも消費税率が40%程度要するものと推定できます。

            早合点で見当違いの返信を差し上げたこと重ねてお詫びいたします。

          • へちまはたわしのみに非ず 様

            言葉足らずであったようで、申し訳ありません。

            >消費税率20%で社会保険料0で使用人のお金がどうなるかを考える場合、社会保険の会社負担分の考慮が適正かは判じかねる

            ここに、使用人のお金とは、手取りの給与であると解します。
            また、人件費とは、給与に会社負担社会保険料を加えたものとします。

            例えば、逆を考えて、現行の社会保険料率で、100%会社負担とした場合、手取り給与がその分増えるか考えます。
            手取りが増えるとすれば、人件費全体としては、15%前後の増加となります。
            このレベルのコスト増は、一般的には耐えにくいでしょうから、手取り給与を維持する(給与総額を下げる)動きになるはずです。

            つまり、社会保険料の会社負担率で、手取り給与は変わらないという事です。
            言い換えると、会社としての人件費総額は一定という事です。
            (根本的に言うと、会社は売上に対する人件費割合を一定にしたいのです)

            という事は、仮に、会社負担率0%の社会保険料を、他の税に転嫁して0にした場合、
            社会保険料分がそっくりそのまま(30%ぐらい)増えることとなります。

            他の税に転嫁する前提とはいえ、『手取り給与が3割程度増える』事のインパクトは大きいと思います。

            勿論、会社負担分を0%にしたからと言って、それが即時に反映され、手取りの給与が増えるとは限りません。
            しかしながら、会社の人件費に対する余力は増えているはずです。
            適正な労働市場であれば、需給バランスに従って、手取りの給与にも反映されていくはずです。
            (労働市場が適正かの議論は割愛します)

            >使用人の給与明細から見るか、会社の損益計算書から見るか、見地によるのではないでしょうか

            見地の違いではなく、使用人の給与明細の記載事項が不十分であるという話です。
            勿論、会社でお茶を飲む等、会社から使用人の受ける便益には把握する意義の小さいものもありますが、
            社会保険料の会社負担分のようなものは把握すべきと思います。

            記載事項の不十分な事例としては年金定期便があります。

            参考URL
            「現役リーマンの将来年金が月20万円、高齢者に食われて消える大問題」
            https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65830?imp=0

            >通勤費
            >使用者からすれば人件費

            然りであります。
            しかしながら、どちらかというと、社会保険料より住宅手当と比較すべきかと。
            通勤ラッシュの元凶ですし。

            >現行の社会保険料の代替

            蛇足ながら試算いたしました。
            現行の社会保険料を消費税のみで代替しますと、
            平成30年の社会保険料収入が725,890億円、消費税収入が17,680,881百万円ですので、
            ざっくり33%です。よって合計で消費税は41%にすれば良い事なります。
            同じ結果ですが参考までに。

            参考URL
            国税庁レポート
            https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/report/report2020/index.htm
            社会保障費用統計
            http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h30/fsss_h30.asp

          • 牛人様

            丁寧にご解説いただきありがとうございます。

            こちらも15時の返信でかなり言葉を省いてしまい申し訳ありません。
            社会保険料の会社負担分無しと仮定した場合、給与に与える影響については全く考慮しておりませんでした。

            また、私見ですが、結局のところ試算の消費税率は非現実的水準であり、当初の議論にあった仮定(消費税率20%社会保険料0)はかなり厳しい計算と判明したことにつき、改めて感謝申し上げます。

            …亜空間に消失する会社負担分まで考慮すれば更にエラいことに…

          • 気づいたらコメントが伸びていて、凄くハイレベルになっていてびっくりです(汗)
            試算の数字的なところはある程度議論が深まっていて、これ以上申し上げる力量はないので、単純なところで、消費税は節税可能…例えば物持ちを良くするとか、節電節水に使い捨てを極力減らし再利用を心がけるetc...できますが、社会保険料は天引きで持っていかれるのでどうしようもない、というところもあるのですよね。
            そう考えると「消費税増税かつ社会保険料ダウン」の方が試算より大きな効果が出そうな気がするのですが、小さな話でしょうか(汗)もちろん両方ダウンがいちばんに決まってるのですが。

          • 悩めるところです。

            消費税を上げれば、その一部は確かに年金に行く訳ですが、それって誰の年金なの?と。
            牛山様のご解説の通り本来は自分の金の筈の会社負担分は亜空間に消失していますが、少なくとも半額の厚生年金個人負担分は将来の自分の分ということになっている。
            こっちを減らして、今の誰かの年金を消費税で払う。で、自分が老後を迎えた時に消費税を払う人が少なくなっているとすると…。
            消失する厚生年金の不公平感はマシになりますが、このシナリオだとあんまり明るく見通せないです。
            なにより若い人の絶望が哀れで哀れで。

            ただ、今のシナリオでも駄目なので、必死に貯蓄する訳ですが、そこはご意見の通り、消費税はコントロールできる、社会保険料はできない、その通りだと思います。
            最近覚えた素敵な表現で言えば、然り、と。

            あと、効果に点についていえば、消費税導入の契機は直接税の累進性の補正にもあったと思います。
            つまり所得税は高収入は高税率、だから間接税はその逆、と。
            それからすると、消費税を高めると貧富差を促進してしまうのでは。
            実際、一億中流なんてもんで、みんなで貧しくなればバレませんけど。

  • >よく「ウソツキは数字を使う」といわれます・・・国債は800兆円増発しても、日本はビクともしない・・・

    法人会計のプロであろうブログ主が、法人税を語らないのは実に不思議だと常日頃思っている。上記引用部分が実現すると、何がどうかわるのだろう。
    平成の30年とは、改革と財政出動の連続だった。結果はどうか。人口も勤労所得も減り、貧富の差が拡大し、・・・もう、いいだろう。

    タックスヘイブン条約とのすり合わせを要するだろうが、以前に述べたことを繰り返すと、地域別法人税(国税部分)の導入を実現したいと思っている。
    具体的には、
    東京23区 25%
    政令市 20%
    政令市以外の人口50万人以上 17%
    人口30-50万 15%
    人口20-30万 12%
    人口10-20万 10%
    人口5-10万 7%
    人口5万人未満 5%
    というところか。
    施行時点での自治体区割りを固定化する(節税ねらいの自治体分割を無効化)
    デラウエア州のような「形だけ本社」は認めない

    ということを実施すると、世界中から事業所が押し寄せるのではないか。
    事業所がくれば雇用が生まれ住民税も増える。
    ふるさと納税といった、いかがわしい施策は無用になる。
    日本に帰化を望む人も増えるだろう。

    • これの主目的は地方に外資の誘致が出来れば良いという事でしょうか?
      であれば危険だと思います。
      地方自治体が外資に対して強い耐性、或いは弾性を持っていなければ飲み込まれるだけなので。
      外国企業の誘致>特定外国人・帰化人が増える>実質外国人が地方議会に進出
      という問題が起こり得るので。

      ちょうど南アフリカでもそんな問題がありました。

      • 失礼ながらちゃんとあなた記事読んでます?そして全く次元が異なる出来事を同列に比べてどうすんですか?ちょっとこのブログに撃ち込むコメントとしてはレベル低すぎやしませんかね?

        • 失礼、このコメントは下の匿名さんに対するものです。無視して下さい。

      • 問題は少なからず存在するがWTO体制になって、はや20年。人もカネも、純国産イズムは成り立たないと思いますよ。

        法の名前は失念したけど、外国人就労・永住権取得のハードルは下がっている。いろんな国の人、企業、ものごとの進め方など、刺激になり新たな発見があると思う。

        30年前の経済大国だった日本の幻影に浸るのはやめて、あらたな再出発をすべき時期だと思いますね。優れているものであれば、中国発であろうと、韓国・ロシアだろうと学ぶのがよいと思う。

        それとね、これは代議士たちに言うべきことなんだが、
        税制の議論が沈滞化しているね、最近。消費税のあげさげくらいしか話題がないような感がある。
        昔、「鉄は国家なり」といった人(稲山さんかな)がいたけど、「税こそ国家そのもの」だと思うわけですよ。
        主権者たる我々は、そういう意志をもつ人物を選びたいものです。

        ただ「減税やー、給付やー、財政出動やー」というのは、現実逃避なのではないか、と思うわけですね。

        • 「実質外国人が地方議会に進出」する可能性についてコメントしたものです。

          外資の流入そのものは否定しません。
          ただ、何もこんな無防備なやり方でなくても良いと思うんですよ。
          仮に大きな外資が入るにせよ、政令都市以上に入る方が日本の文化・地方政治的に問題は発生し難いのではないですかね?
          外資的にも大都市圏の方が販売や流通の面で優位なのは同様でしょうし。

          • おらが、東京23区に法人税25%、5万未満は5% という仮説(仮提案か)をする理由は、地方活性化が目的なのです。きちんと利益を計上できる企業であれば、法人税が20ポイントちがうのは、ものすごい立地選択動機になる。

            こう言っては何だけど、田舎の過疎地が過疎地であり続ける理由は、切磋琢磨の刺激が少ないからではありませんか。例えば、秋田県凸凹郡●×村にマイクロソフトの開発センターが来たとすると、驚天動地のインパクトになるでしょ。人口1万人の村が、数年で人口10万になる可能性は少なくない(すると法人税も上げられる^^)。

          • 問題発生をこわがっていては、前へ進めないと思いますよ。問題を認識して克服するところに、人としての知恵、可能性があると思いますね。

          • 「実質外国人が地方議会に進出」する可能性についてコメントしたものです。

            自分の意見で足りなかった部分だけ補填させて頂きます。

            ・この方法に対して、実質的に外国人参政権を与える様なリスクは看過出来ない事。
            仮にある地方が特定外国人で占められると、国政に打って出る事も出来ます。

            ・地方創生と外資流入による日本経済の向上は、わざわざセットで対応しなくても良いのではないか?
            少なくともこのやり方ではリスクを感じます。

            ・地方の活性化は本人達がやる気にならない限り、本質的には変わらないのでは?
            井戸を作って与えようが井戸の作り方を教えようが外圧があろうが、最後は本人達次第と考えます。(あくまで私見ですが)

  • 本文中に気になる記載があったのですが。
    「電波オークション」とはそんなにも有効なものでしょうか?
    個人の解釈が入りますが、電波法によって守ろうとしている"外国の利益に誘導されない公共性の高い放送局を構築"する事が実現出来るとは思えません。
    企業として表向きの国内法人が作られてしまえば、後は金額の過多で誰にでも免許が与えられてしまうからです。

    朝鮮総連本部売却の問題を見ても、最終的に富士見から朝鮮総連を叩き出す事は出来ませんでした。この時の様な手法が電波オークションでも起こり得る可能性はあります。

    • 失礼ながらちゃんとあなた記事読んでます?そして全く次元が異なる出来事を同列に比べてどうすんですか?ちょっとこのブログに撃ち込むコメントとしてはレベル低すぎやしませんかね?

      • この記事の主題ではない事は理解している上で「電波オークション」そのものには懐疑的だという意見です。

        "電波オークション"と"放送免許を外国に譲渡"させない事は「全く次元が異なる出来事」ではなく日本のメディアを守るために「無視できない要素」だとは考えられませんか?

        批判するにせよ内容は具体的にお願いします。

  • >国民に負担をお願いする政策も必要になる

    国民負担率は44.6%(https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a04.htm)

    企業の社会保障負担も加味した、負担率を考えたら、負担の組み換えはともかく、純増は考えられない。

    >消費税、所得税、法人税などの主要税目の税率を一時的にゼロ%にするくらいのことをやっても国家財政はビクともしません

    国家財政は良いのですが、「一時的」の期間に租税回避を行うインセンティブが激しく劇的に高まる事が予想されます。
    取り締まりの難しい(本来なら取り締まる必要のない)脱法行為も横行するでしょうから、賛成できません。

  • ここは思い切って消費税100%を目指しましょう。
    100円のジュースは200円に。
    1000円の昼食は2000円に。
    するとどうなるのでしょう?
    手取り20万円の人は今現在の価格で11万円(消費税込み)分の消費しか出来ません。
    つまり、今の手取り収入で貯金無く生活している人が9万円分の消費を減らすと言うことです。
    と言うことは、9万円分の需要が消失する結果になります。
    何故デフレ期に需要減の政策が必要なのでしょう?
    では、消費税は10%の時と比べて1万8千円が10万円と約5倍になります。
    財務省がおろかなのは、税率を上げても 消費がそのままだと思ってる事です。
    税金は民衆の行動をコントロールするためにあります。それ以外にありません。(ハードカレンシーの自国通貨建ての場合)
    昔、飲み食いが経費だったとき、会社は税金払うならと接待しまくりました。

    日本が財政黒字になったのはいつか?それはバブルの時で、民間が借金しまくった時です。
    財政黒字を目指すなら、民間が借金しやすいように 景気を良くすることです。
    しかし、財務省が財政黒字を目指して無いなら何を目指してるのか?
    もしかしたら、日本をデフレにして生産能力を海外に移動させることを目指してるのかも。
    ある国家の指令を受けて。

  • >主要税目の税率を一時的にゼロ%にするくらいのことをやっても国家財政はビクともしません。
    ここだけはちょっとどうでしょうか

    企業経営者には「どうせ税金にとられるなら」と支出を許容するマインドがあります
    赤字や繰越欠損が残っている企業はそも法人税が0ですし
    儲けてなお諸税金0なら人件費や設備投資せずに黒字化を図る企業もあるでしょう
    国と大資本は耐えられるかもしれませんがそれら経費で生きてる中小企業と労働者は耐えられませんし
    5~10年ともなるとその後の設備や開発の脆弱化を招く可能性も考えられます

    • 仮定の話ですが、法人税0の年があるとしたら、経営者は何がなんでもその期の売上に躍起になるのではないでしょうか。
      それこそ機会損失に目の色変えて薄利多売だろうが売って売って売りまくって無課税収益あげて内部留保がっぽり狙うと思います。
      損金算入期間の調整は巧くやる必要がありますが決算賞与や自社投資はその翌期にすればこれまた美味しい訳ですし。
      所得税0とか住民税0ならクタクタで給賞与同額でもウハウハ、ついでに決算賞与と。
      波を起こすことに問題は生じると思うのですが、趣旨としてはIT投資税制などに近い、というかその過激版かな、と思います。

      • 完全に理解できてないですが、やり手経営者の考え方って感じがします。じっくり検索しながら勉強させてもらいます。

  • 財務省が「増税利権」を追求する組織であることは疑いようがありませんが、マネーポストWEBの記事は菅政権も財務省にいいようにあしらわれている、ということでしょうか。

    多くの国民が「日本は財政破綻直前の状態にある」などという、財務省がばら撒いたウソを信じ込んでいるのは仕方ないとして、結局政府も無知な国民と同レベルってことでしょう?これまでずっとそうだったのですから。

    「消費税ゼロ」を政権公約に掲げるなど夢もいいところ、ムリでしょうね悲しいですが。

  • 技術的なことはともかくとして、消費税率をマイナス設定にできれば、個人の消費(企業の投資)が促されそうな気もするのですが・・。
    雇用条件や企業収支が改善すれば、所得・法人税で取り返せるのだし・・。

    ん!?
    最終消費までに便乗値上げされちゃって、体感的には企業だけが得する構造になってしまうのかな??

    • 政府からすると「どうせ貯金(企業なら内部保留)に回すんだろ」
      って不信感があるんじゃないかな。
      実際問題高齢者は消費が下がる傾向あるしね。

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