大統領選を「異例ずくめ」にしたのはコロナとメディア
日本時間の昨日は米大統領選の開票が行われましたが、など一部の接戦州では郵送による期日前投票の集計などに時間を要していて、ペンシルベニア、ウィスコンシン両州では獲得選挙人数の確定が最長で数日間かかる、との見通しもあるなど、異例ずくめです。こうしたなか、今回の大統領選のポイントは、「事前の世論調査結果がまったくあてにならなかったのではないか」、という疑問にあるようです。
「確定まで数日」、「投票率100%超?」…米大統領選の迷走
当ウェブサイトではこれまであえてほとんど取り上げてこなかった話題のひとつが、米大統領選です。
昨日の当ウェブサイトでは「速報」的に次の3つの記事で開票速報について取り上げていますが、読者の皆さまには読み辛い文章を提供してしまったこと、お詫び申し上げる次第です。
- 『「フロリダを制した側」が大統領選を制する?』(2020/11/04 10:14)
- 『【米大統領選】トランプ氏優勢なのか、それとも…?』(2020/11/04 12:54)
- 『フォックス報道だけで見たら「トランプ氏が勝利」か?』(2020/11/04 14:03)
また、産経ニュースの報道によれば、米大統領選の投開票作業を巡っては、勝敗を決する「激戦州」であるペンシルベニア、ウィスコンシンの両州で、選挙人の確定が数日間を要する見通しが強まっているそうです。
米大統領選 投開票作業、一部の激戦州で数日かかる見通し
―――2020.11.4 15:12付 産経ニュースより
さらには、おもにインターネット上で、「ウィスコンシン州で投票率が100%を超えている」、「バイデン陣営の不正ではないか」、といったうわさも駆け回っているようですが、この点については当ウェブサイトとして事実関係の確認が取れていないため、詳細について触れるのは控えておきます。
いずれにせよ、なにからなにまで異例ずくめですね。
もちろん、この「異例ずくめ」の原因のひとつが、米国でも猛威を振るっている新型コロナウィルス感染症・武漢肺炎にあることは間違いありませんが、それだけではありません。
今回の選挙、「メディアの報道姿勢の問題点が凝縮されている」、という言い方もできると思います。
たとえば、読者コメント欄やツイッターのリプライなどでもご指摘をいただいたのですが、本件について、どうやらわが国の地上波テレビなどは、事前の世論調査をもとに、当初は「バイデン候補の圧勝」などと伝えていたそうです。
正直、メディアは4年前からなにも学んでいないように思えてなりません。それは、「隠れトランプ支持」の存在を見逃していたという点です。これについては日経電子版に昨日、こんな記事が出ていました。
米世論調査また不正確 「隠れトランプ支持」接戦の背景
3日の米大統領選をめぐり、事前の主要な世論調査では全米の平均支持率で民主党候補のバイデン前副大統領が大幅にリードしていた。
―――2020/11/4 16:47付 日本経済新聞電子版より
ワシントンの中村亮記者の署名入り記事ですが、これによると、主要な世論調査では、ジョー・バイデン氏の全米の平均支持率が3日時点でドナルド・J・トランプ氏のそれを上回っていたにも関わらず、実際には「異例の大接戦となっている」、と指摘した記事です。
中村記者によると、米政治サイト『リアル・クリア・ポリティクス(RCP)』の集計では、バイデン候補の全米支持率は51.2%で7.2ポイントリード。今回激戦となっているペンシルベニアや(接戦のすえにトランプ氏が制した)フロリダなどの激戦6州でもバイデン氏は2.3ポイント差でリードしていたとしています。
「バイデン氏が圧勝するとの見方もあったが、両候補は僅差で競り合う」。
記事配信時において、郵送票などの集計が一部終わっていない州もあるため、昨日夜時点でトランプ、バイデンの両候補のいずれが最終的に勝利したのかについては不明な状態で執筆されているという点には注意が必要ですが、「まさかここまでの接戦になるとは…」というメディア関係者の気持ちが見て取れます。
日経電子版「隠れトランプの存在を見落とした」
ではなぜ、「世論調査の結果が当てにならない」、などということになったのか。
中村記者の見立ては、こうです。
「世論調査が外れた背景には、トランプ氏の支持を公言しない『隠れトランプ支持者』の存在が考えられる。トランプ氏は人種差別と受け取られかねない言動も少なくないため、周囲の目を気にして世論調査で本音を打ち明けない人々だ。」
この「トランプ氏は人種差別と受け取られかねない言動も少なくない」のくだり、個人的には中村記者に異議があります。個人的には少なくとも彼が大統領に就任して以降、ツイッターをフォローしていますが、人種差別的なツイートを見かけたことはありません。
というよりも、トランプ氏は普段から「不法移民を排除せよ」、といった趣旨のことは主張していますが、「有色人種を排除せよ」、「ヒスパニックを排除せよ」、などと述べたという話を個人的には記憶していません(たんに読み飛ばしていただけでしょうか?)。
ただし、ここで重要な点は、「トランプ氏に人種差別的な言動が多いかどうか」、ではありません。
中村記者の指摘どおり、「周囲の目を気にして世論調査でホンネを打ち明けていない人たち」が、かなり多いのではないか、という仮説です。たとえば、前回(2016年)の大統領選でも、「隠れトランプ」の存在が大統領選の予測を外した原因だ、などと指摘されているそうです。
結局はアメリカ版「もりかけ問題」
ただ、「米国のメディアが『隠れトランプ』を見落としていた理由」を巡り、この「人種差別的なトランプを支持していると公言し辛い雰囲気がある」という説明は、一見すると合理的に見えなくもありませんが、なんだか不自然です。
一般論として、世論調査では基本的に「誰がどう答えたか」についての秘密は保たれるはずであり、また、世論調査を受ける側の人々も、このような点については理解しているはずです。だからこそ、メディアの世論調査に協力を求められた場合、人々はざっくばらんなホンネを語るように思えます。
やはり、本当の理由はメディア不信にあるのではないでしょうか。
その典型例が、「ロシアゲート」、つまり「2016年の米大統領選に、ロシア政府が介入していた」とされる疑惑でしょう。
個人的にはこの「ロシアゲート」、「アメリカ版もりかけ問題」と呼ぶべきものだと考えています。というのも、「疑惑」を追及する側が、その肝心の「疑惑」の核心をはぐらかしながら、次から次へと論点を変えて政権を追及した手法が、日本の「もりかけ問題」そのものだからです。
これについては福井県立大学の島田洋一教授が今から約2年前の産経ニュースに寄稿した次の記事が参考になるでしょう。
【正論】ロシアゲートは実体なき疑惑だ 福井県立大学教授・島田洋一
モリカケ問題とアメリカのロシアゲートは「争点隠し」という点でよく似ている。加計学園による獣医学部新設は岩盤規制の打破が真の争点だが、安倍晋三首相の「えこひいき疑惑」に話がそらされ政争化された。<<…続きを読む>>
―――2018.9.19 11:00付 産経ニュースより
そもそも論ですが、「もりかけ問題」を当ウェブサイトなりに定義すると、
「安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、個人的な友人が経営する学校法人に対し、何らかの便宜を提供していた疑い」
のことですが、島田氏が「『えこひいき疑惑』に話がそらされ政争化された」と指摘するとおり、朝日新聞などのメディアや旧民進党、立憲民主党、日本共産党などの特定野党が、具体的な問題点を明らかにせず、次々とゴールポストを動かしながら「安倍総理は怪しい」、「説明を尽くしていない」などと攻め立てました。
島田教授によると、ロシアゲートの核心は、「トランプ陣営がロシア情報機関による民主陣営のメールのハッキングに関与したのではないか」とする疑惑にあるのだそうですが、「今に至るも確たる証拠は出ていない」としています。これなど、「もりかけ問題」とそっくりですね。
島田氏は米メディアのロシアゲート追及について、こう述べます。
「実体なき『疑惑』の追及がなぜ終息しないのか。ここでもモリカケに似た構造がある。国会における野党の追及が誤答弁や官僚の資料操作につながり『疑惑をさらに深めた』のと同様、アメリカでは特別検察官がしばしば無から有を作り出す働きをする。」
このあたり、2年前の島田教授の指摘にハッとします。
実際、学校法人森友学園に対する国有地売却の担当者である近畿財務局の職員の方が自殺に追い込まれたのも、野党の厳しい追及に耐えかねたからではないか、という仮説があるほどです。
つまり、ロシアゲートは「アメリカ版もりかけ問題」、もりかけ問題は「日本版ロシアゲート問題」、と言い換えても良いのではないでしょうか。
秋田氏のツイートに多くの反応
さて、この日経の記事を巡っては、日経新聞のコメンテーターである秋田浩之氏(外交・安全保障問題担当)がこんなツイートを発信しています。
秋田浩之(日本経済新聞)
いま、米欧のシンクタンク会議を聞いていますが、「もう、誰も世論調査を信用しない」との声
―――2020/11/04 16:52付 ツイッターより
いま、米欧のシンクタンク会議を聞いていますが、「もう、誰も世論調査を信用しない」との声 https://t.co/mlvtoshHeC
— 秋田浩之(日本経済新聞) (@Hiroakitanikkei) November 4, 2020
このツイートに対し、「こっちはあなた方の報道も信用していません」、「財務省の言うことしか聞かない増税バンザイ、緊縮バンザイみたいな新聞社があるそうですね」、「日経も偏向していますよ」、「日経は中国進出を煽った責任を取っていない」、といった批判が殺到しているのです。
この点、秋田氏にかみつくのは少し筋違いな気もしますが、それでも「日経コメンテーター」という看板を背負ってツイートを発信している以上、どうしても日経の報道姿勢に対する批判の矢が向けられてしまうのは仕方がない話なのかもしれません。
いずれにせよ、秋田氏に寄せられた批判ツイートが日本国民の意見を正確に代弁しているというものではないかもしれませんが、これまでマスメディアが拾い上げてこなかった「声」の一部ではないか、という気がしてなりません。
マスメディアといえば、個人的に、「世論調査も視聴率もウソっぽいなぁ」、と思っているのですが、同じ思いを共有している人がいると知っただけでも儲けもの、といったところでしょうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、今回の米大統領選の隠れたテーマとは、「メディアの信頼性」ではないかと思います。メディアの政治的な公正中立性が疑われるというのは、なにも日本に限った話ではなく、米国でもまったく同じでしょう。
その意味では、日本経済新聞社の秋田氏のツイートは、なかなか時宜を得たものだったといえるのかもしれませんね。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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とはいえトランプ氏の旗色は悪いですねえ。
バイデンなら韓中は一息ついて露朝はてんやわんやかな。
俺「自民党…っと、投票箱ポイー」
A新聞「こんにちは出口調査です!”自民党に何かと問題が多く民主党に期待の集まった”今回の選挙ですが投票はどちらにされましたか!?」
俺「…民主党ですねー」
俺、A新聞「にっこり」
というようなのが結構前から常態化していたのであまり異例感は無いですね。
(TVには呼ばれない)複数のジャーナリストからも、「現職が型破りなのにバイデンが勝てる要素が無い」、「ブッシュ対ケリーの時も共和党支持のコメントをとりに奔走したがついにとれなかった」、「前回選挙と状況は同じ」といったような話が挙がっています。
例によって、メディアの信頼性が低下したのではなく、すでにアテになっていなかったものがまた露呈した、という恰好ですかね。
>中村記者の指摘どおり、「周囲の目を気にして世論調査でホンネを打ち明けていない人たち」が、かなり多いのではないか、という仮説です。
気にするとしたら「周囲の目」じゃなくて、「マスコミとか反トランプ氏の人からの攻撃」じゃないのかな??
というのはおいといて・・・・
中村氏の仮説が正しいとすると、
・世論調査で回答者の秘密が守られていない
って考える人が多いってことだから、マスコミ的には由々しい問題じゃないのかな?
一度、世論調査で個人情報の漏洩がないか、ちゃんと調査して、誤りがあれば改善しないと、世論調査自体の意味がなくなっちゃうと思うのです♪
根拠はないけど、あたしは単純に、世論調査での質問のしかたとか、世論調査から投票行動までの時間差の問題だと思うのです♪
注意してるのは目の前のお前だよ!と言いたいです
絶対権力者気取りのマスメディアが好む答えと反対を言えば何をされるか分からない。
今はまだ門を蹴ったり記事で陰口(陰?)叩いたりするぐらいで済んでいますが、
アメリカのようにタガが外れたら本当に生き死ににかかわりますからね
なんにせよ荒れそう。
米国は暫く混乱必至、そこを突いて中国が猛攻。
少しでも気を抜けば台湾落とされるかもね。
目的で手段を正当化するのはテロリストの思考回路なのに、日本も米国も韓国も自称リベラル主義者が其れをするので「危ない連中だなぁ」って感じています。
ついでに書くと、韓国の場合は反日で手段を正当化する事については自称保守も一緒なので、もれなく「危ない連中だなぁ」ってなります。
テロリストって一般人を巻き込むのが目的だし、自称リベラルの反差別デモとか反戦争デモとかを見てると「女子供を肉の盾にしてるだけだな」ってところ。
更新ありがとうございます。
マスコミは自分の主張に沿うように調査方法を意図的に捜査する一方、受ける方も面従腹背になっているのでしょう。
こうなったら、マスコミは自分の主張を堂々と言って、支持者(購読者)を集める競争に走った方が良いのでは無いかと考える次第。
情報編集業回送業の手による情報商品であり手に取って購入するかは買い手次第と正直に言えばお腹立ちも少ないはずなのですが、正確公正信頼などと騙るから口撃される。商品はまがいものでないかとの非難を受けるとと、神聖なる報道に対する挑戦、報道の自由を阻害排除する行為、右傾化、差別を助長、多様性の否定、ネトウヨなどと筋違いな言葉を並べ立てる。実際のところ火症と相性がよさそうなのは偶然でしょうか。
真のリベラルを潰しているのは、メディアや特定野党のような自称リベラル(似非リベラルとも言う)の連中ですので、火病とマッチングが良いのは必然かと。
フィクショナル服用上の諸注意
・本製品の品質はベストエフォートです
・本製品は生ものですのでお早めにお召し上がりください
・正確性には限りがあります
・公正性には限りがあります
・信頼性については服用者ご自身にてご判断ください
・服用効果には個人差があります
「従来品より10%の品質効果=当社比」「記事ひとつをリツイートするとオマケでもう一本」「当たりくじ付き記事に当選すればもう一本」
旗色は悪いですがトランプ大統領の支持も半分はあるわけで。支持の本当の理由から目を背ければわからないでしょうね。トランプ大統領の発言は過激ですが、それだけ国内の人種や宗教、文化の違いの葛藤が大きいということなのだろうと思います。良し悪しではなく。ただバイデン候補が就任するとすれば最長10年のスパンで考えた出馬なのか疑問を感じます。選択肢の厳しさを感じますね。
世の中に 絶えてコロナの なかりせば 選挙結果は 違ひしぞかし
中共が ばらまき招く コロナ禍で 償いもせで 笑ふは悔し
投票の最終集計に数日かかるのは通例のことで全く異例ではありません。ただし普通は一晩で勝ち負けが付いているので結果を出していない州がいくつかあっても話題にならないだけです、今年は時間のかかっている州に勝ち負けがかかっているという違いがあるだけです。
事前予想は完全にはまちがっていません。予想を外したのはフロリダ。同じく拮抗すると言われていたオハイオで惨敗。しかし共和党王国のアリゾナ、ジョージアで今年は民主党にチャンスありという予想はドンピシャ。共和党以外考えられないテキサスで善戦も予想どおり。中西部のラストベルトが民主党に回帰するという予想もピタリ。最終的に306票になるとおもうが、これは圧勝といわれた4年前のトランプとまったく一致。PVではバイデンが400万票以上の大差。順当勝ち。