本稿は、ちょっとしたメモです。以前の『「発売記念」あらためてスワップについてまとめてみる』を執筆してから2ヵ月近くが経過しましたが、そろそろ「スワップの季節」が到来する予感がします。何の話をしているのかといえば、2017年10月に失効した、中国と韓国の間の「人民元スワップ」が、もしかすると3年ぶりに復活するかもしれない、という論点です。この視点は、意外と重要かもしれません。
目次
複雑なスワップの世界
一般に、国際金融協力の世界において「二国間通貨スワップ」(Bilateral Currency Swap Arrangement)とは、ある2つの国(たとえば中国と韓国)の通貨当局が、お互いに通貨を交換するという協定のことです。
なぜこんな協定を結ぶのかといえば、とくに通貨ポジションが脆弱な国の場合、外貨不足に陥ると、あっという間に国が破綻してしまうからです。だからこそ、「いざ」というときに備えて、通貨ポジションが脆弱な国ほど、外国と通貨スワップを結ぼうとします。
ただし、当ウェブサイトの整理で恐縮ですが、『「発売記念」あらためてスワップについてまとめてみる』などでも触れたとおり、「スワップ」という協定は、べつに国際的に共通のものではありません。
「スワップ」と呼ばれる協定を分類すると、だいたい次のとおり、大きく「通貨スワップ」と「為替スワップ」にわかれ、さらに「通貨スワップ」は「二国間通貨スワップ」と「多国間通貨スワップ」にわかれ、「二国間通貨スワップ」は「国際通貨建てのスワップ」と「自国通貨建てのスワップ」に分類されます。
便宜上、これらのうち「国際通貨建ての二国間通貨スワップ」、「自国通貨建ての二国間通貨スワップ」、「多国間通貨スワップ」、「為替スワップ」に数字①~④を付しましょう。
スワップ
├通貨スワップ
│ ├二国間通貨スワップ
│ │ ├①国際通貨建ての二国間通貨スワップ
│ ├ └②自国通貨建ての二国間通貨スワップ
│ └③多国間通貨スワップ
└④為替スワップ
スワップあれこれ
なかなか得難い「国際通貨建ての二国間通貨スワップ」
このなかで、一般に新興市場諸国(Emerging Markets, EMs)の通貨当局が最も必要とするスワップは、「国際通貨建ての二国間通貨スワップ」です。
まず、「①国際通貨建ての二国間通貨スワップ」は、国際的に広く通用する通貨(たとえば米ドル、ユーロ、日本円など)を相手国の通貨と交換してあげる、という協定のことであり、外貨不足に陥りがちなEM諸国にとっては、非常にありがたいスワップです。
ところが、この①のスワップを提供してくれる国というものは、世界でも非常に少ないのが現実です。
というのも、国際的に広く通用する通貨を発行している国や外貨準備を豊富に持っている国は限られていますし、それらの国も、決して無条件でそれらの通貨を外国に渡すことはしないからです。
その数少ない例外が、日本でしょう。日本はおもにアジア諸国とのあいだで、財務省が保有する巨額の外貨準備を裏付けとして、「いざというときには相手国に米ドルを渡す」という二国間通貨スワップを締結しています(図表1)。
図表1 日本が外国と締結している通貨スワップ
契約相手 | 交換上限 | 相手から見た交換条件 |
---|---|---|
インドネシア銀行(BI) | 227.6億ドル | 日本円または米ドルとインドネシアルピア |
フィリピン中央銀行(BSP) | 120億ドル | 日本円または米ドルとフィリピンペソ |
シンガポール通貨庁(MAS) | 30億ドル | 日本円または米ドルとシンガポールドル |
タイ中央銀行(BOT) | 30億ドル | 日本円または米ドルとタイバーツ |
インド準備銀行(RBI) | 750億ドル | 米ドルとインドルピー |
(【出所】日銀『海外中銀との協力』のプレスリリース、財務省『アジア諸国との二国間通貨スワップ取極』等より著者作成)
ちなみに図表1に示したスワップは、インドネシアとのスワップを除き、いずれも「相手国が通貨危機に陥った際、相手国の通貨と引き換えに日本が相手国に米ドルを渡す」だけでなく、「日本が通貨危機に陥った際、日本円と引き換えに相手国が日本に米ドルを渡す」という条項が入っています。
米ドル発行国でもない日本が相手国に米ドルを渡すことができる理由は、日本政府が140兆円という巨額の外貨準備を保有しているからです。逆に、そんな日本が外貨不足に陥るとはなかなか考え辛く、したがってこれらのスワップは事実上、日本が相手国を一方的に支援するためのものと考えて良いでしょう。
しかし、通常の国だと、米ドルを相手国に渡すことなどできません。なぜなら、米国以外の国は基本的に米ドル紙幣の印刷設備を持っていないからです(例外は北朝鮮くらいでしょうか?)。
使い物になるかどうか微妙な自国通貨建て通貨スワップ
したがって、米ドル建ての通貨スワップを外国に提供できるのは、米国と日本(と北朝鮮?)くらいなものであり、それら以外の国が通貨スワップを提供する場合、ほとんどのケースは上記「②自国通貨建ての二国間通貨スワップ」です。
たとえば、当ウェブサイトの調査に基づけば、中国人民銀行は現在、この「通貨スワップ外交」を積極化させており、明確なプレスリリース等で確認でき、かつ、2016年以降に締結したものに限っても、昨年末時点で30ヵ国近くとの間で人民元建て通貨スワップ協定を締結しているようです(図表2)。
図表2 人民元建ての二国間通貨スワップ(2019年12月末時点)
相手国と締結年月 | 上限額(人民元) | 上限額(相手通貨) |
---|---|---|
ブラジル(2013年3月) | 1900億元 | 600億レアル |
カナダ(2014年11月) | 2000億元 | 300億加ドル |
カタール(2014年11月) | 350億元 | リヤル(上限不明) |
カザフスタン(2014年12月) | 70億元 | 2000億テンゲ |
南アフリカ(2015年4月) | 300億元 | 570億ランド |
ベラルーシ(2015年5月) | 70億元 | 16兆Bルーブル |
ウクライナ(2015年5月) | 150億元 | 540億フリヴニャ |
チリ(2015年5月) | 220億元 | 2.2兆ペソ |
韓国(2015年6月) | 3600億元 | 64兆韓国ウォン |
トルコ(2015年11月) | 100億元 | 30億リラ |
ロシア(2016年3月) | 1500億元 | 8150億ルーブル |
アイスランド(2016年12月) | 35億元 | 570億クローナ |
モンゴル(2017年2月) | 150億元 | トゥグルク(上限不明) |
ニュージーランド(2017年5月) | 250億元 | 50億NZドル |
香港(2017年11月) | 4000億元 | 4700億香港ドル |
タイ(2018年1月) | 700億元 | 3700億バーツ |
オーストラリア(2018年4月) | 2000億元 | 400億豪ドル |
ナイジェリア(2018年5月) | 150億元 | 7200億ナイラ |
パキスタン(2018年5月) | 200億元 | 3510億Pルピー |
マレーシア(2018年8月) | 1800億元 | 1100億リンギット |
英国(2018年11月) | 3500億元 | ポンド(上限不明) |
スイス(2018年11月) | 1500億元 | 210億スイスフラン |
インドネシア(2018年11月) | 1000億元 | ルピア(上限不明) |
アルゼンチン(2018年12月) | 1300億元 | ペソ(上限不明) |
シンガポール(2019年5月) | 3000億元 | Sドル(上限不明) |
欧州連合(2019年10月) | 3500億元 | 450億ユーロ |
マカオ(2019年12月) | 300億元 | 350億パタカ |
(【出所】各国中央銀行のウェブサイト等を参考に著者作成。なお、一般に通貨スワップの期限は3年であるものの、この図表では契約締結年が古いものも多く、それらの通貨スワップが現在でも有効なのかどうかについては不明)。
人民元建てスワップの使い道は限られている
ただ、この人民元建ての通貨スワップ、大きな弱点があります。
それは、現時点において国際的な金融市場では人民元がほとんど使い物にならない、という点です。
この点、たしかに人民元は2016年10月に国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)の構成通貨に格上げされたのですが(『いったいなぜ、IMFは人民元をSDRに加えたのか』等参照)、人民元には資本規制も残っているため、残念ながらこれを国際通貨と呼ぶことはできません。
また、当ウェブサイトにて調べた限り、トルコが中国との通貨スワップを行使して人民元を引き出し、中国からの輸入品の代金決済に使った、などの報道はありました(『トルコが中国との通貨スワップを実行し人民元を引出す』等参照)が、逆に言えば、人民元のスワップにはそれくらいしか使い道がありません。
余談ですが、トルコといえばコロナショックで通貨が暴落していた際、利下げの直前に「日銀との円建ての通貨スワップやイングランド銀行とのポンド建ての通貨スワップを準備している」という飛ばし記事で通貨危機を防いだという国でもあります(『「飛ばし報道」だけでトルコリラの暴落を防いだ日本円』等参照)。
まさに「貧すれば鈍す」、ですね。
人民元スワップ
多国間通貨スワップと為替スワップ
その一方で、二国間ではなく多国間でも通貨スワップを設けようという動きがあります。
ただ、当ウェブサイトにて調べた限り、こうした「多国間の通貨スワップ」の事例は「チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定」(CMIM)くらいなものであり、それ以外の事例はなかなか見つかりません。
この「CMIM」は、日本が提唱して実現した「チェンマイ・イニシアティブに基づく国際通貨建ての二国間通貨スワップ」を多国化(マルチ化)したものですが、参加しているのはASEAN10ヵ国に日中韓+香港であり、少し参加国が多すぎるがために、なかなか引き出しづらいという側面があります。
また、上記スワップのなかでも少し毛色が異なるものが、為替スワップです。
この為替スワップは、「相手国の通貨当局に対して」通貨を渡す協定ではありません。「相手国の金融機関に対して」、直接、通貨を貸し出すという協定であり、一般に中央銀行による貸出オペと同等のものです。
ちなみに日本の場合は米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、加ドルの5通貨に関しては、事実上、無制限に入手することができますが(図表3)、当ウェブサイトにて調べた限り、米ドル以外の為替スワップについてはほとんど発動された実績はないようです。
図表3 日本が外国中央銀行等と締結する為替スワップ
契約相手 | 交換上限 | 相手から見た交換条件 |
---|---|---|
米連邦準備制度理事会(FRB) | 無制限 | 日本円と米ドル |
欧州中央銀行(ECB) | 無制限 | 日本円とユーロ |
英イングランド銀行(BOE) | 無制限 | 日本円と英ポンド |
スイス国民銀行(SNB) | 無制限 | 日本円とスイスフラン |
カナダ銀行(BOC) | 無制限 | 日本円と加ドル |
豪州準備銀行(RBA) | 1.6兆円/200億豪ドル | 日本円と豪ドル |
中国人民銀行(PBOC) | 3.4兆円/2000億元 | 日本円と人民元 |
シンガポール通貨庁(MAS) | 1.1兆円/150億シンガポールドル | 日本円とシンガポールドル |
タイ中央銀行(BOT) | 8000億円/2400億バーツ | 日本円とタイバーツ |
(【出所】日銀『海外中銀との協力』のプレスリリース、財務省『アジア諸国との二国間通貨スワップ取極』等より著者作成)
そろそろ中韓通貨スワップの季節ですね…
さて、このスワップに関連し、以前から少し気になっている話題があります。
それは、「中韓通貨スワップ」です。
じつは、韓国の通貨当局は、この「中韓通貨スワップ」についてはいまだに有効だと言い張っているのですが、今から約3年前の2017年10月10日をもって、いったん失効しているのです(『中韓スワップ延長報道の真偽と本当の狙い』等参照)。
当時、韓国は中国からさまざまな「THAAD制裁」を食らっていました。
この「THAAD」、つまり「高高度ミサイル終端防衛システム」とは、2016年7月に、在韓米軍が当時の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権とのあいだで取り交わした合意に基づき、在韓米軍に配備されているものですが、中国がTHAAD配備に猛反発したのです。
そして、2017年10月の中韓通貨スワップ期日満了の際、中国がわざと「延長した」とも「延長していない」とも明らかにしなかった理由は、韓国に対しTHAAD撤去を強く促すためであったのではないかと思います。
韓国にとって中国とのスワップは役立つのか?
ただ、百歩譲って中国とのスワップが生きていたとしても、ここで微妙なのは、中国との通貨スワップが韓国にとって役立つのか、という論点です。ここでは、韓国政府が「外国と締結している」とするスワップ(自称も含む)を列挙しておきましょう(図表4)。
図表4 韓国が保有しているとされるスワップ(※自称も含む)
相手国と失効日 | 金額とドル換算額 | 韓国ウォンとドル換算額 |
---|---|---|
中国(2020/10/13?) | 3600億元 ≒ 527億ドル | 64兆ウォン≒538.7億ドル |
スイス(2021/2/20) | 100億フラン ≒ 109.2億ドル | 11.2兆ウォン≒94.3億ドル |
UAE(2022/4/13) | 200億ディルハム ≒ 54.5億ドル | 6.1兆ウォン≒51.3億ドル |
マレーシア(2023/2/2) | 150億リンギット ≒ 36.1億ドル | 5兆ウォン≒42.1億ドル |
オーストラリア(2023/2/22) | 120億豪ドル ≒ 87.3億ドル | 9.6兆ウォン≒80.8億ドル |
インドネシア(2023/3/5) | 115兆ルピア ≒ 78億ドル | 10.7兆ウォン≒90.1億ドル |
二国間通貨スワップ 小計…① | 892.1億ドル | 106.6兆ウォン≒897.2億ドル |
多国間通貨スワップ(CMIM)…② | 384.0億ドル | ― |
通貨スワップ合計(①+②) | 1,276.1億ドル | |
カナダ(期間無期限)※ | 金額無制限 | ― |
米国(2021/03/31)※ | 600億ドル | ― |
(【出所】著者調べ。なお、ドル換算額は昨日深夜時点のWSJのデータを参照。)
これで見ると、たしかに「通貨スワップ」の合計額は1276億ドルに達していて、なかなか巨額です。
もっとも、韓国銀行がしきりに「外貨準備は4000億ドルを超えている」などと自慢していることを思い出すと、果たしてこの1276億ドルという金額に意味があるのか、という気がしなくもありません。
さらには、この1276億ドル、あくまでも「計算上の数値」です。
というのも、韓国が締結している「二国間通貨スワップ」は、いずれも「自国通貨建て二国間通貨スワップ」であり、米ドル建てのものは1ドルたりとも存在しないからです。さらには、これらのなかで国際的に通用する通貨といえば、120億豪ドルか、100億スイスフランくらいなものでしょう。
また、韓国銀行はカナダとの無制限の為替スワップや米FRBとの上限600億ドルの為替スワップを「通貨スワップ」だと偽っていますが、これらはあくまでも為替スワップであり、通貨当局である韓国銀行が直接、相手国から通貨を受け取れるという協定ではありません。
そして、通貨スワップ合計1276億ドルとやらのうち、半額近くを占めているのが、中国との人民元建てのスワップです。実在性すら疑わしく、また、百歩譲って現在でも有効だったとしても、韓国が外貨流出に際して依存できるスワップではありません。
このため、実は韓国の通貨ポジションは「張り子のトラ」なのかもしれませんね。
米中対立局面で中韓通貨スワップ更新は?
ただ、その後は国際環境が大きく変わりました。最大のものは、米中貿易戦争です。
おそらく、現在の中国にとっては、「味方」は1ヵ国でも多い方が良いでしょうから、この韓国との「3600億元通貨スワップ」については、中国が「武器」として使用してくるという可能性は十分に考えられます。
具体的には2020年10月の「契約満了」(?)の際には、中国人民銀行はこの通貨スワップを再び文書化して韓国と取り交わすのかどうか、という点には注目する価値があるでしょう。
もちろん、韓国はすでに米国との間で米ドル建ての為替スワップを保有しているのですが、それでも、中国が韓国を揺さぶるとしたら、「スワップ外交」は非常にお手頃な手段でもあります。
そうなると、韓国メディアには「米国が韓国と600億ドルの通貨スワップ(※為替スワップのこと)を結んでくれた」、「中国も3600億元の通貨スワップを結んでくれた」、「だから日本もインドと同額の750億ドルのスワップを韓国と結べ」、などとする寝言が出てくるかもしれません。
そして、日本の政権を担っているのが菅直人首相だったら、日本はそれに応じるに違いないでしょう。
もっとも、韓国にとっては残念な話ですが、これから日本の政権を担うのは、同じ「菅」でも「かん」ではなく「すが」総理であり、菅義偉「総理」であれば、さすがに韓国との通貨スワップを再開するという愚挙に出ないのではないかと思う次第です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、当ウェブサイトではかなり以前から、「人民元のスワップなど結んでも、あまり意味がない」と報告してきましたが、考え様によっては、必ずしもそうとは言い切れません。というのも、韓国が北朝鮮と同様、「人民元経済圏」に組み込まれていく、という可能性も、ないわけではないからです。
というよりも、わずか1世紀半前の朝鮮半島は、中国の属国だったわけですから、中国の通貨は韓国や北朝鮮にとっては、「外貨」というよりは「宗主国の銭」のようなものなのかもしれません。中国共産党政権はそこを巧みに突き、マネーという側面を使って韓国を米国から切り離そうとするのかもしれません。
その意味では、人民元スワップの動向については非常に気になるところであり、これから最長約1ヵ月間は、この話題に注目する価値があるのかもしれません。
View Comments (22)
更新ありがとうございます。
中国との通過スワップは、中国の支配下に置く武器としては便利なものかと考えております。
中韓で締結するのであれば、韓国は大陸国勢により近付くことになります。
そうなれば、海洋国勢からより警戒される状況となります。
武漢肺炎でわかったように、中国人にとってコウモリは食材に過ぎません。
日本は巻き添えにならないよう、撤退を急ぐべきです。
スガさんには、その流れを事務的に淡々と加速させていただきたいです。
イーシャ 様へ
>中国人にとってコウモリは食材に過ぎません
上手いなあww
>というよりも、わずか1世紀半前の朝鮮半島は、中国の属国だったわけですから、中国の通貨は韓国や北朝鮮にとっては、「外貨」というよりは「宗主国の銭」のようなものなのかもしれません。中国共産党政権はそこを巧みに突き、マネーという側面を使って韓国を米国から切り離そうとするのかもしれません。
当時の朝鮮人達の誇りは、清の筆頭属国である事でしょうし、現代なら、中華人民共和国に忠実な人民を中国人ではなく中共人と置けば、韓国は名誉中共人に成らんとしてしている感じです。
大国の緩衝地帯となる国家が大なり小なり覇権国に集るのは常ですが、「同盟」を結んでいるのに同盟国としての節度の無いコウモリ外交をする韓国は、見ていてホント危ういですね。
ちなみに、韓国の保守は用日用米従中反北、革新は反日反米親中親北、という理解で良い気がしてきました。
革新は中国や北朝鮮にシンパシー的な感情を抱いている感じですが、保守は日本だけでなく米国にすらシンパシー的な感情を抱いていない気がします。
通貨スワップを通貨防衛に使うのはスワップの本来の使い方ではありません。本来スワップは、自国内の企業が、信用力は十分にあるにもかかわらず、その国内で外貨が枯渇するがために決済不能、デフォルトになってしまうのを防ぐのが目的です。中央銀行間で通貨を融通しあって、自国企業に担保と引き換えに外貨を融通する。
通貨スワップで国家の通貨防衛が出来てしまうことについて、特にアメリカなどは凶悪な「副作用」であるとすら捉えているきらいがあります。アメリカは国家による通貨介入を認めませんからね。だからメキシコ向けにごく例外に認める以外には副作用のある通貨スワップは行わず、自国企業の外貨枯渇への対応にしか使えないよう監視付きの「為替スワップ」しか認めません。
日本はというとアメリカほどは通貨防衛の介入を嫌いません(いざとなったら日本自身も介入をする)。またアジアの金融先進国として、他のアジア諸国の通貨危機も防がなきゃいけないという意識があります。ですから通貨スワップをアメリカのようには嫌わず、むしろアメリカが副作用と嫌う部分をメインの効果と認め、他のアジア諸国と通貨スワップを締結します。またCMIのような多国間スワップの事実上の盟主としても振舞います。そもそも通貨防衛を認めるわけですから日本にとっても外貨であるドル供給も取極に入ります。日本くらいじゃないでしょうか、ドルを出すスワップを締結するの。
中国は金融に関しては明らかに発展途上です。スワップの経済効果も後追いで学んでいます。日銀とも結構以前から連携取り合っていて、本来の企業の外貨防止の目的で日中スワップも締結しています。
中国は人民元を国際通貨に引き上げたいという野望も持っています。国際通貨となると、やはり外国での人民元枯渇には対応が必要なので、中国は積極的に人民元為替スワップを他国と締結します。中国は他国を通貨危機から守りたいなんて日本みたいなことは考えないのでドル通貨スワップなんてやりません。
韓国は意図的か無意識か知りませんが、スワップの意味を曲解しています。スワップがまず本来の企業の外貨枯渇防止の為に使われ始め、しばらくして通貨防衛にも使える副作用が発覚。アメリカは通貨防衛機能を嫌って監視付きの為替スワップに移行、日本はあえて通貨防衛機能を認め事実上の援助スキームとして存続。そんな中で韓国は2つを混同することによって、他国のスワップをダシにして日本の援助スワップを引き出そうとする。それが韓国の画策のすべてです。
この記事のように中韓スワップが再開または継続としても韓国にはなんの意味もありません。彼らが本当に欲しいのは日本とのドル通貨スワップだけ。あえて言えば他のスワップは日本とのスワップのための呼び水。ただ、今時中韓スワップが日本とのスワップの呼び水になるかは疑問ですけどね。
中国は金融に関しては明らかに発展途上国です。じこk
最終行余計なものが入ってしまいました。無視してください。
訂正ついでに
今般のコロナ対応のアメリカの為替スワップも韓国にとっては「呼び水」でしかありません。本来のスワップ効果、外貨枯渇防止の観点ですがそもそも韓国の金融機関は国際業務はあまり活発ではなく、韓国の一般企業にドル供給できません。そもそも韓国の一般企業の方が外貨調達力は高いわけですから、外銀なり外国市場なりで勝手にドル調達してしまいます。
そんなんで、せっかくのアメリカから為替スワップのドル資金ですが、担保をたんまり吸い取られるだけの邪魔者に過ぎませんでした。だから最初無理矢理借りただけで、結局ロールオーバーはしませんでしたね。使い道がなかった証拠です。でも、アメリカとのスワップで通貨危機から守られた!と宣伝している手前、ある程度の残高は積み上げる必要あったのでしょう。
G 様へ
ご教示有難うございました。
韓国が、米とのスワップより日本とのスワップが欲しい(だろう)理由、為替スワップと通貨スワップにそれほど厳密な区分が無いことが、よく分かりました。
通貨スワップを通貨防衛に使うのはスワップの本来の使い方ではありません。本来スワップは、自国内の企業が、信用力は十分にあるにもかかわらず、その国内で外貨が枯渇するがために決済不能、デフォルトになってしまうのを防ぐのが目的です。中央銀行間で通貨を融通しあって、自国企業に担保と引き換えに外貨を融通する。
通貨スワップで国家の通貨防衛が出来てしまうことについて、特にアメリカなどは凶悪な「副作用」であるとすら捉えているきらいがあります。アメリカは国家による通貨介入を認めませんからね。だからメキシコ向けにごく例外に認める以外には副作用のある通貨スワップは行わず、自国企業の外貨枯渇への対応にしか使えないよう監視付きの「為替スワップ」しか認めません。
日本はというとアメリカほどは通貨防衛の介入を嫌いません(いざとなったら日本自身も介入をする)。またアジアの金融先進国として、他のアジア諸国の通貨危機も防がなきゃいけないという意識があります。ですから通貨スワップをアメリカのようには嫌わず、むしろアメリカが副作用と嫌う部分をメインの効果と認め、他のアジア諸国と通貨スワップを締結します。またCMIのような多国間スワップの事実上の盟主としても振舞います。そもそも通貨防衛を認めるわけですから日本にとっても外貨であるドル供給も取極に入ります。日本くらいじゃないでしょうか、ドルを出すスワップを締結するの。
中国は金融に関しては明らかに発展途上です。スワップの経済効果も後追いで学んでいます。日銀とも結構以前から連携取り合っていて、本来の企業の外貨防止の目的で日中スワップも締結しています。
中国は人民元を国際通貨に引き上げたいという野望も持っています。国際通貨となると、やはり外国での人民元枯渇には対応が必要なので、中国は積極的に人民元為替スワップを他国と締結します。中国は他国を通貨危機から守りたいなんて日本みたいなことは考えないのでドル通貨スワップなんてやりません。
韓国は意図的か無意識か知りませんが、スワップの意味を曲解しています。スワップがまず本来の企業の外貨枯渇防止の為に使われ始め、しばらくして通貨防衛にも使える副作用が発覚。アメリカは通貨防衛機能を嫌って監視付きの為替スワップに移行、日本はあえて通貨防衛機能を認め事実上の援助スキームとして存続。そんな中で韓国は2つを混同することによって、他国のスワップをダシにして日本の援助スワップを引き出そうとする。それが韓国の画策のすべてです。
この記事のように中韓スワップが再開または継続としても韓国にはなんの意味もありません。彼らが本当に欲しいのは日本とのドル通貨スワップだけ。あえて言えば他のスワップは日本とのスワップのための呼び水。ただ、今時中韓スワップが日本とのスワップの呼び水になるかは疑問ですけどね。
中国は金融に関しては明らかに発展途上国です。じこk
すみません。重複投稿になってしまいました。削除いただけますでしょうか。
更新ありがとうございます。
あまり中国元など、国際経済では役に立たないでしょうが、どうせ韓国は外貨準備高4,000億ドルが張子の虎、いえハッタリの数字でしょう。
しかし、米国と600億ドル結んで置きながら、中国との3,600億元も取極を渇望するとは、二股外交丸出しですね(日本も中国と2,000億元の為替スワップを締結しているが、意味合いが全然違う)。
THAADは米国も下朝鮮には中途半端なままだし、基数足らずで全方向守りきれない。なかば捨てつつあると思います。日本は日本で、秋田、山口県以外で陸上イージス又は海上イージスが必要と思います。
> 米国以外の国は基本的に米ドル紙幣の印刷設備を持っていないからです(例外は北朝鮮くらいでしょうか?)。
北朝鮮とカリオストロ公国くらいのもの、でしたよね?
もしかして飽きました?このネタ(笑)
とある福岡市民様
>カリオストロ公国
「ゴート札だよ。捨てちまおう」懐かしい。
ドルを印刷している主体が北朝鮮だと断定するのは早計かもしれません。中国の外部委託という線も考えられます。
そもそも今の北朝鮮には「スーパーノート」を作る技術が存在しないとも言われています。
自国紙幣も外国に発注しているそうで。
英国のDLAR.L社という専門の会社が全世界150カ国の紙幣を作っているそうです。国連加盟国の数を考えると、自国で印刷しているのはG20クラスだけではないでしょうか。
りょうちん様
「自国通貨を外国へ発注」で思い出しました。
去年の「独島記念コイン」の件はその後どうなったのでしょう?タンザニア銀行公認だとかいうふれこみでリヒテンシュタインの硬貨製造業者が作ったとされる記念コインです。菅官房長官が「タンザニア政府も銀行もそういった硬貨を発行した事実はないという報告を受けている」と発表しましたが、その後の経緯を知りません。
もしタンザニア政府あるいは銀行公認だったならば、韓国が「世界が独島を韓国領と認めた!」と鬼の首を取ったように騒ぐに違いありませんし、我が国の報道機関が「官房長官が虚偽の発表をした!」として糾弾に動いたことでしょう。そうならずに竜頭蛇尾に終わったという事は、そういう事なんだろうな、と推測しているのですが。
カリオストロ公国からどんどんずれてる……
自転車の修理ばかりしている 様
その話、楽韓さんが記事にしてます。
「タンザニア独島コイン」の正体とは? あー、要するにアレか……
http://rakukan.net/article/470303233.html
タンザニアによる独島コインの韓国販売店「あれは法定通貨だ! なんだったら契約書も公開してみせる!」と豪語……ただの販売店がタンザニアとの契約書を公開を云々できるの?
http://rakukan.net/article/470487576.html
とある福岡市民様
記事ご紹介、ありがとうございます。記事を読んできましたが、結局断定的な結果が出るところまでは至っていないわけですかね。1mmでも疑惑ネタがあれば1kmの事実として喧伝するのが韓国のお家芸ですから、日本人がコインの件を忘れた頃に「ヨーロッパ全域でもアフリカ全土でも独島は韓国領だと言っている」とか言い出しそうで気になります。
カリオストロ公国もゴート札を作るほどの技術力があるのなら、贋金でなく記念貨幣を作って稼げばよかったのに。(無理やりスタート地点に戻しました)
前回同様、韓国だけ騒ぐんだと思います。
今、中国が韓国を切る事は、無いと思いますので、更新されるでしょう。
米韓為替スワップの取引相手は韓国銀行ニダ!
2018年の実績ですと、韓国における貿易相手国は
(輸出) 1位中国 1,621億1,900万ドル シェア率26.8%
(輸入) 1位中国 1,064億4,900万ドル シェア率19.9%
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/01/49c3ff0b70e13a7f.html
人民元の国際化を図っている中国としては スワップの条件として人民元建て貿易を主張してしませんかね?