口の悪い人は、マスメディアによる世論調査を世論「操作」と呼ぶようですが、実際、マスメディアの調査を眺めていると、その結果に違和感を覚えることもなきにしもあらず、です。こうしたなか、先日の『安倍総理の外国首脳との「ツイッター交流」が凄い』でも触れたとおり、一部メディアが実施した内閣支持率調査では、支持率が20ポイント以上上昇するという椿事が発生しているようです。これに加えて朝日新聞の調査で、安倍政権を「評価する」と答えた人が7割を超えたのだとか。いったいどういう風の吹き回しでしょうか。
政権支持率が急騰の怪
先日の『安倍総理の外国首脳との「ツイッター交流」が凄い』でも紹介したとおり、日本経済新聞社が8月29日から30日にかけて実施した世論調査では、内閣支持率が50%と、前月比12ポイントも上昇した、とする話題を掲載しました。
また、各種メディアなどを見ていると、やはり29日から30日にかけて共同通信社が実施した世論調査でも、やはり内閣支持率は56.9%と、前月比20.9ポイントも上昇しているというのです。
安倍晋三総理大臣が辞任すると発表した直後に支持率が急騰した理由について、当ウェブサイトとしては、だいたい次の2つの可能性があると考えています。
1つ目は、日本国民にありがちな、「判官贔屓(ほうがんびいき)」という感情です。これは、「安倍一強」のもとで、安倍政権に対して批判的だった人たちが、いざ安倍政権が辞任すると決まった瞬間、手のひらを返し、病気で退任する安倍総理に対する同情と感謝の気持ちが同時に出てきた、という可能性です。
2つ目は、マスメディアが世論「操作」をあわてて修正に走ったという可能性です。これは、安倍総理の「健康不安説」を野党・立憲民主党と国民民主党の合流という話題に絡め、近いうちに予想される衆院選で、あわよくばマスメディアが自民党の大敗を演じようと準備していた、という仮説です。
もちろん、どちらが正しいのか(あるいはどちらも間違っているのか)はわかりませんが、個人的には、このうちの2つ目の可能性が高いと考えています。
つまり、「近い将来、解散総選挙が見込まれるなかで、世論調査の結果が国民世論とあまりにも乖離しているとまずい」という判断が、メディアとして働いた、という可能性ですね。
マスメディアに踊らされる人たち
ここで、少しだけ脱線します。
それにしても、辞任する直前に支持率が50%台を回復するというのも、なかなか興味深い現象だと思う次第です。あるいは、「140字を超える文章を理解できない自称保守作家」の方を含め、マスメディアの虚報に踊らされていた人が、それだけ多かったということなのかもしれません。
というよりも、考えてみれば、武漢コロナ禍は、政府・安倍政権のコロナ対策という問題を越えて、マスメディアによる虚報との戦いでもあったと思います。
いまだに「PCR検査を希望者全員に実施せよ」などと述べているメディアもあるようですが、これについては『「PCR検査を全国民に実施せよ」を数学的に論破する』でも報告したとおり、ナンセンスというほかありません。
当ウェブサイトの場合は、現役の医師・医療機関従事者・研究者の方々からさまざまな読者投稿を頂きましたが(『コロナ関連読者投稿一覧』等参照)、これらの投稿を読む限り、専門的な見地からは、安倍政権の対策は「防疫」という点では非常にうまくやっている、というのが実情でしょう。
もちろん、なかには「安倍晋三という愚かな政治家がコロナを蔓延させた」などと述べている人もいるようなのですが、これらの人は、日本の人口当たりの死者数が欧米諸国などと比べて圧倒的に少ない、といった事実を完全に無視しています。
(ちなみに当ウェブサイトは安倍政権のことを100%無条件に支持するつもりはありませんが、100%無条件に「安倍が悪い」と決めつけるのも愚かだと考えています。こうしたなか、インターネット上では、「何でも安倍が悪い」「安倍は愚かだ」などと決めつける人を、「アベガー」「晋三病」などと揶揄する意見もあるようです。)
個人的にはむしろ、「安倍晋三政権だったからこそ、武漢コロナ禍という未曽有の災害をここまでの状況に抑えているのではないか」、という疑問を持ってしまうのですが、このあたりについては今後の研究を待ちたいと思う次第です。
朝日新聞の世論調査で意外な結果が…!?
さて、脱線はこのくらいにしておいて、本論に戻りましょう。
安倍総理は2014年2月に参議院予算委員会で、「安倍政権打倒は朝日新聞の社是だ」と答えたことがあります。
第186回国会 参議院 予算委員会 第2号 平成26年2月5日(国立国会図書館『国会会議録検索システム』より)
朝日新聞が「打倒安倍政権」の社是を掲げているのかどうかは定かではありませんが、少なくとも安倍総理自身は間違いなくそう認識しています。
この点、国会という場を使い、ただの民間企業に過ぎない朝日新聞社を名指しして、こんな答弁をする安倍総理は「大人げない人だ」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、この答弁から3年後の2017年2月以降、マスメディアが大々的に「もりかけ」問題などの虚報を展開し始めたことを思い起こすならば、メディアのなかには「確たる証拠もなしに犯罪を捏造し、政権打倒を目指している」と思われても仕方がないものも含まれていると言わざるを得ません。
ただ、安倍総理が舌鋒鋭く批判した朝日新聞に、昨日、こんな記事が掲載されています。
安倍政権を「評価する」が71% 朝日新聞世論調査
朝日新聞社が2、3日に実施した世論調査(電話)で、第2次安倍政権の7年8カ月の実績評価を聞くと、「大いに」17%、「ある程度」54%を合わせて、71%が「評価する」と答えた。<<…続きを読む>>
―――2020年9月3日 22時30分付 朝日新聞デジタル日本語版より
もともとは朝日新聞の内閣支持率調査を探していたのですが、残念ながら、今回の調査では「内閣支持率」という項目は含まれていないようです。
しかし、タイトルでもわかるとおり、2012年12月に第2次安倍政権が発足して以来の7年8月について、約7割が「評価する」と答えたのです。これに対し「評価しない」は28%(内訳は「あまり」19%、「全く」9%)だったそうです。これには正直、驚きました。
朝日新聞によると、第1次安倍政権当時、安倍総理が辞任を表明した直後の2007年9月調査でも同様の質問をした際に、当時は「評価する」が37%、「評価しない」が60%だったのだそうです。大きな変化ですね。
世論誘導が失敗に終わった?
朝日新聞の記事で、興味深いくだりはほかにもあります。
朝日新聞は「第2次安倍政権(※原文ママ)」で、「森友・加計学園問題や、『桜を見る会』などの疑惑が相次いだ」としつつも、安倍政権のもとで政治への信頼感が「高くなった」は18%、「低くなった」は21%、「変わらない」は59%です。
朝日新聞を含めたマスメディアが、普段から社説で「森友・加計学園問題で政治への信頼を損ねた」と舌鋒鋭く批判しているわりには、その朝日新聞の調査で「政治への信頼感が低くなった」と答えた人が2割に過ぎなかった、ということです。
それだけではありません。
次の記事によれば、同じ調査で4割弱が菅義偉内閣官房長官を「安倍総理の後継者としてふさわしい」と答えたのだそうです。
次期首相ふさわしいのは「菅氏」最多 朝日新聞世論調査
―――2020年9月3日 22時23分付 朝日新聞デジタル日本語版より
朝日新聞の調査方式は、菅氏のほか、自民党総裁選に立候補を表明した石破茂・自民党元幹事長、岸田文雄・自民党政調会長の3名のなかから選んでもらうというものであり、調査の結果、菅氏が38%、石破氏が25%、岸田氏が5%で、「この中にはいない」が28%だったのだそうです。
これも冒頭に紹介した日経の記事と同様、総選挙が近づくにつれ、「あまりにも世論調査が国民世論と乖離し過ぎているとマズイ」という、新聞社なりの判断が働いたという可能性があるといえるでしょう。
いずれにせよ、オールドメディアを代表する朝日新聞の調査でさえ、7割が安倍政権を「評価する」と答えたという事実、そして4割弱が、第2次安倍政権発足以来、一貫して官房長官を務めてきた菅義偉氏を「後継者としてふさわしい」と答えたという事実からは、次の想像が働きます。
「朝日新聞の世論調査に応じた人の7割は安倍政権を評価しており、また、その路線の継続を望んでいる人も4割に達する。」
なにより、朝日新聞がこの調査結果を公表したという事実自体が興味深いと思わざるを得ないのです。
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>1つ目は、日本国民にありがちな、「判官贔屓(ほうがんびいき)」(以下略)
>2つ目は、マスメディアが世論「操作」をあわてて修正に走った(以下略)
他の可能性も考えてみます。
3.最近のアベノマスクやGoToのグダグダぶりには落胆したが、全体としてみれば評価できる
4.なんでも「アベガー」と政府のせいにしていたが、もう言えなくなり責任転嫁に過ぎないことに気付いた
5.実はクラスの安倍さん(仮名)が大好きなのに気を惹きたくてついつい意地悪してしまう…でもそんな安倍さん(仮名)が転校してしまうなんて…最後ぐらいは素直な気持ちを言葉にしたい!
> 4.なんでも「アベガー」と政府のせいにしていたが、もう言えなくなり責任転嫁に過ぎないことに気付いた
そんなシオらしいものではなく、手頃なサンドバッグがいなくなるのを悲しんでいるだけだと思います。総理大臣になら何を言ってもイイと思っている「道徳的優位性」をお持ちの方々でしょう。反省の念は微塵もないと思いますよ。
自転車の修理ばかりしている様
>>5.実はクラスの安倍さん(仮名)が大好きなのに気を惹きたくてついつい意地悪してしまう…でもそんな安倍さん(仮名)が転校してしまうなんて…最後ぐらいは素直な気持ちを言葉にしたい!
予想の斜め上過ぎる!、めっちゃワロタ!!(((*≧艸≦)ブハッッ!!!
朝日新聞が自社報道と実体の乖離を埋めてきたということは、朝日は世の中が見えていないのではなく、何もかも承知の上で言論をねじ曲げたり捏造していることの証左ですね。
共同通信も、よく分かった上で、意地の悪い記事を配信しています。
毎日新聞や中日新聞(東京新聞)は、薄々は分かっているでしょうが、朝日に追従しているだけの可能性もあります。
有象無象の地方紙となると、お悔やみ欄とローカルニュース以外に需要はありませんので、適当に通信社の記事で紙面を埋めて、誰も読んでいないのをいいことに滅茶苦茶な社説を書き殴ったりと、考えなしにやっている節があります。
朝日新聞のアンケート集計担当者が、間違えて、本邦国内だけのアンケート調査の数字を発表してしまったのではないでしょうか?
朝日新聞にとって、大事な朝鮮国民様の数字を足し忘れてしまった。
今ごろ、朝日新聞社の担当者は、上層部に怒られ、親日罪で韓国裁判所に訴えられているのかもしれません。
平民 様
今迄の朝日の調査は、半島の住民も含んでいたのか、
そこには気がつきませんでした。
安倍総理の辞任で、半島の調査が間に合わなかったのでしょう。ガッテンがいきました。
これからは、これを参考にさせて頂きます。
私見ですが、朝日新聞は無作為に大阪の生野区、東京新大久保近辺や、川崎市の一部等の朝鮮料理屋付近の路上で無作為に調査をしているのでは?
匿名様へ
朝日新聞にとって、アンケート調査における一般市民とは、朝鮮人様のことです。
私は朝日新聞の、こと安倍さんに関する世論調査の数値を、私は全く信用していません。
支持率が低い時はウソだ、高い時はホントだ、と言うのもナンセンスだと思う次第です。
この7割が評価した、と言うのも嘘だと思ってて、実際は菅さん支持も含めてもう少しあるのではないかと思います。
なんで、こんな記事を出したか私も不思議に思いましたが、今朝がた新宿先生の記事に出されていた、解散総選挙と係わりがあるのではないかと愚考する次第です。
失礼しました。
安倍さん上げておいて、
菅さんを下げるため
それが目的ではないでしょうか
安倍首相の「総合評価」という意味もあったのでしょう.
朝日新聞に、「もり・かけ」蕎麦や、「桜」餅の「どう見ても食い物論議程度のレベル」の難癖によって、これまでの支持率調査は、目の前にマスコミによって意図的に狭小化して示された判断材料のみによって捻じ曲げられたものになっていました.
安倍首相の退陣にあたり、2012年末からの外交・防衛・(コロナ以前までの)経済政策や実績を振り返って、「マスコミが言うほど悪くねえよな」と立ち返ったものと思われます.
何しろ、2012年の時点まで(震災を別にしても)、与党議員訪中団による「朝貢外交」や先帝の「政治利用」をした見返りに、中共からは漁船に体当たり攻撃されるわ、尖閣海域まで侵略されるわ、在中日系企業はことごとく焼き討ち略奪されるという仕打ち、経済は「白川の清き流れに棲みかねる」日銀総裁による消極金融緩和と相まって円高への傍観で壊滅的打撃を受けてましたからね.外交にしても上記の対中はもちろん、グローバル外交でも影が薄く、オバマ(というよりは米民主党左派)に押しまくられ、対韓では皇室財産を供出してまでの卑屈さを見せても全く感謝されず、逆に竹島に上陸された上に陛下の土下座を要求される弱腰・・
あの時代の閉塞感を感じていれば、今はコロナを別にすれば随分風通しが良く感じます.
「実際のところ、安倍首相は最悪の首相だと言える。これまでに存在してきた歴代の首相を除けば、だが。」
上記のように評価された方がおり、私にはしっくりきました。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72732?page=4
政治に関心が無かった頃の過去の自分の心理・言動を思い出すにつけ、こんなメンタリティの人が多かったのではないかと想像しています。
30点くらいの成績から90点くらいの成績になれば、ああ凄いなぁ、と支持率が上がる。
これが、第二次安倍政権の初期状態。
そして、ずっと90点の成績が続くと、別にたいして凄くと感じなくなって、支持率は下がってくる。
これが、コロナ直前の状況。
そこにコロナがやってきて、成績が80点になってしまった。
普通なら十分な成果なのに、物足りなく感じて、支持率が低迷する。
ところが、いざその成績をたたき出していた人がいなくなると分かると、成績が30点の時代を思い出してしまった・・・ってことじゃないかなぁ。
更新ありがとうございます。
朝日新聞の「安倍総理消極的支持も含めて70%超え」は、信じられない(笑)。あと2週間、お辞めになる前に、地雷の1発でも踏まそうとしている気がします。
ここで気を緩めておいて何かをでっち上げる。菅氏も絡めたら、大スキャンダルになる、、、と悪だくみをしていると。私はそこまで意地が悪いです(笑)。朝日新聞なら、そこまで考えておいた方が良いです。
会計士さんの言われる「判官贔屓」も、どうかな〜。安倍総理に批判的だった方が、病気に対する同情と感謝の気持ちが出てきますかね?
例えば日本共産党の志位和夫氏や立憲民主党の謝や枝野幸男氏。架空の話ながら急逝されたから、と言って党の支持率は上がらないでしょう。3〜5%UP程度ならあり得ると思いますが。
ゆえに朝日はじめ共同やらマスコミの安倍総理大幅UPは、何かしらマユツバですし、本当にこの数字が本物なら、日本人は少し浅はかではないかと思います。
悪だくみ説に賛同です。
支持率アップ→解散→国民を蔑ろにしている!政局ありきだ!→支持率下落
といったストーリーでしょう。
ケロお 様
賛同ありがとうございます(^^)。
6.支持する17%、支持しない82%と書きたかったのに桁の上下を間違って書いてしまった
すみません、これ、一番最初の 自転車の修理ばかりしている 様へのレスのつもりでした。