防衛白書、「韓国との防衛協力と連携」をバッサリ削除
防衛省が本日、防衛白書の最新版を公表しています。これを読むと、「日本がどの国を重視しているのか」、「日本がどの国を仮想敵国と見ているのか」という点もよくわかるのですが、それだけではありません。昨年の防衛白書と比較して、インドや英国などの重要度がさらに高まっている、ということがわかるのです。個人的には、「日米豪」「日米印」「日米英」といった重層的な同盟・連携関係が日本の国防を強くする、という思いを新たにした格好です。
防衛省、防衛白書を発表
防衛省は本日、『令和2年版防衛白書』を発表しました。
防衛白書
防衛白書は、わが国の現状と課題およびその取組について広く内外への周知を図り、その理解を得ることを目的として毎年刊行されています。令和2年版防衛白書で刊行から50周年を迎えました。<<…続きを読む>>
―――2020/07/14付 防衛省HPより
防衛白書は資料編、巻末の索引などを含めて約600ページという大作であり、なかなか一度に読むのは困難です。ただ、中国公船が日本の領海を含めた尖閣周辺海域で不穏な動きを見せているなか、防衛という日本の極めて重要な分野について、現在の政権がどう考えているのかを知る上では有益です。
ハイレベル交流の相手が増えた!
こうしたなか、日本にとって最も重要な同盟相手が米国、最も深刻な仮想敵国が中国であるという点もさることながら、個人的にとくに注目しているのは、米中以外の国を、日本政府がどう考えているのか、という点です。
これについて、防衛白書を比較すると、なかなか興味深い現象が判明します。
それは、「ハイレベル交流実績」です。
防衛白書の「図表Ⅲ-3-1-2」を比較すると、この1年で日本が「ハイレベル交流」(つまり大臣、副大臣、政務官、事務次官、審議官、幕僚長が外国と交流した実績)は確実に増えていることがわかります(図表1、図表2)。
図表1 「ハイレベル交流実績」(2019年)
(【出所】2019年防衛白書の『図表Ⅲ-3-1-2』)
図表2 「ハイレベル交流実績」(2019年)
(【出所】2020年防衛白書の『図表Ⅲ-3-1-2』)
2019年版の防衛白書によると、岩屋毅前防衛相のもとでの2018年6月からの1年間におけるハイレベル交流実績が年5回以上だった国は、米国、豪州、フィリピン、ベトナム、インドの5ヵ国でした。
しかし、2020年版の防衛白書によると、2019年4月からの1年間において、ハイレベル交流実績が5回以上だった国は、先ほどの5ヵ国に加え、カナダ、英国、マレーシア、タイにも拡大しているのです。2019年8月に就任した河野太郎防衛相のもとで、積極的な外交が行われている証拠でしょうか。
(※ただし、昨年と今年の「ハイレベル交流」回数のカウント基準期間が微妙に重なっている点には注意が必要ですし、とくに今年は武漢コロナ禍の影響でテレビ会談が増えているため、却って昨年より気軽にハイレベル交流ができている、という可能性はありますが…)。
昨年よりもハイレベル交流の回数が減った国といえば、目立つところでは韓国くらいなものでしょう。
日米豪・日米印・日米英
こうしたなか、良い意味で注目すべき国が3ヵ国あります。
ひとつめは、豪州です。
豪州は日本から地理的に離れていますが、それにも関わらず、今年の防衛白書でも豪州は「米国以外の協力相手国」として真っ先に名前が挙がっており、このことからも、日本が豪州を重視している意図は明白です。また、豪州については具体的に、昨年に続いて次のように書かれています。
「オーストラリアは、ともに米国の同盟国として、普遍的価値のみならず安全保障上の戦略的利益を共有するわが国にとって、インド太平洋地域の『特別な戦略的パートナー』である。特に近年、両国はインド太平洋地域において責任ある国として、災害救援や人道支援活動などの分野を中心とした相互協力や、能力構築支援に関する協力を強化している。」
もちろん、現時点にといて日豪両国は軍事同盟を結んでいるわけではありませんが、しかし、日本にとって、いわゆる「2+2」会談の実施回数は米国に次いで多いなど、日本が豪州を非常に重視していることは明白です。
将来的には日豪同盟という形で、米国に準じて重要な国になる、いや、もっといえば、「日米豪3ヵ国同盟」に発展する、という可能性もあるでしょう。
ふたつめは、インドです。
昨年の防衛白書は表題に『インドなど』と記載され、スリランカと同じ節にまとめられていましたが、今年はスリランカが『南アジア諸国』のカテゴリーでパキスタンとともに取り上げられており、今回からはインドが単独で節を構成しています。
しかも、豪州とともにインドは日本から地理的に離れているにもかかわらず、そのインドが豪州の次に「協力すべき相手国」に位置付けられていることからも、日本がいかにインドを重視しているかという点は明白でしょう。そのうえで、
「インドは、世界第2位の人口と、高い経済成長や潜在的経済力を背景に影響力を増しており、わが国と中東、アフリカを結ぶシーレーン上のほぼ中央に位置するなど、極めて重要な国である。また、インドとわが国は、普遍的価値を共有するとともに、アジア及び世界の平和と安定、繁栄に共通の利益を有しており、特別な戦略的グローバル・パートナーシップを構築している。このため、日印両国は『2+2』などの枠組みも活用しつつ、海洋安全保障をはじめとする幅広い分野において協力を推進している。」
とする文言は基本的に踏襲された格好です。
さらに、個人的に注目したいのは、英国です。
英国は記載される順序こそ、豪州、インド、ASEAN、韓国に次ぐ5番目ですが、記載内容自体も非常に充実しているほか、「ハイレベル交流実績」の回数も増えており、このことも、日本が密かに英国を潜在的な同盟相手とみなしている証拠なのかもしれません。
いずれにせよ、日米同盟が日本にとって最も重要なものであることは間違いないのですが、これに豪州、インド、英国などとの重層的な連携が加わることで、たとえば、「日米豪三国同盟」、「日米印三国同盟」、「日米英三国同盟」、といった具合に、日米を基軸にした同盟が多数成立する余地があります。
中国という「共通の脅威」に対処するうえで、日本はやはり、一刻も早く「自主的に国防出来る体制」を整えるべきでしょう。
日本は韓国のランクをさらに落とした?
さて、個人的に「注目すべき」と考える国が、もう1つあります。
韓国です。
韓国は2018年まで、防衛白書上は豪州の直後、インドの直前に取り上げられていたのですが、昨年は順序が豪州、インド、ASEANの次の4番目に落とされました。しかし、それと同時に日本は韓国について、このようにも述べていました。
「日韓両国が直面している安全保障上の課題は、北朝鮮の核・ミサイル問題をはじめ、テロ対策や、大規模自然災害への対応、海賊対処、海洋安全保障、PKO協力など、広範かつ複雑なものとなってきている。こうした安全保障上の課題に両国が効果的に対応するため、防衛省・自衛隊としては、韓国との間で幅広い分野での防衛協力を進めるとともに、連携の基盤の確立に努める方針である。」
つまり、日本の防衛白書上の順序は豪州、インド、ASEANの次の4番目に落とされた格好ですが、それでも日本は韓国との協力を重要だと考えていた、ということです。
もっとも、昨年はこの記述に続き、
「他方、韓国側の否定的な対応などが、日韓の防衛協力・交流に影響を及ぼしている」
として、2018年秋の「旭日旗騒動」や同年12月の火器管制レーダー照射事件、2019年8月の日韓GSOMIA破棄騒動などを取り上げているのですが、それでも、いちおうは日本は韓国を幅広い防衛協力相手と位置付けていた、ということでしょう。
ところが、今年の防衛白書では、「韓国との間で幅広い分野での防衛協力を進めるとともに、連携の基盤の確立に努める」という記述が、バッサリと削除されてしまいました。この分だと、来年あたり、韓国の記載順序はスリランカのあとに持ってこられるのかもしれませんね。
しかも、先ほどの図表1・図表2でも触れたとおり、韓国は「ハイレベル交流実績」が昨年は1回に減ったというのも興味深いところです。
さらに、図表Ⅲ-3-1-3によれば、仮想敵国(?)である白字(中国、ロシア)、潜在的な同盟相手国である青字(米国、カナダ、豪州、NZ、英国、フランス、インド、その他欧州諸国)が明示されている一方、韓国は名前すら明示されていません(図表3)。
図表3 韓国は?
(【出所】2020年防衛白書『図表Ⅲ-3-1-3』)
旭日旗を侮辱したり、火器管制レーダーを照射したり、日韓GSOMIAを破棄しようとしたりする国の扱いとしては、残念ながらこの程度が妥当なのだと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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『「韓国との防衛協力と連携」をバッサリ削除』というのは、最近の韓国側の対日行動からして当然のことと思います。
レッドチーム入りを指向する文在寅政権の下、反日国是がいよいよ明確になる状況においては、もはや防衛協力は成り立たないと考えた方がよいでしょう。
彼らが力をつければ我が国に対して牙をむくのは明らか。
中国や北朝鮮だけではなく、韓国に対しても今後どう対峙、備えをしていくのかを考えなければならないと思います。
たいへん荷が重いですが、降りかかる火の粉は払わなければならないかと・・。
更新ありがとうございます。
日本の防衛白書でこうだと、米国の防衛白書がどうなるか気になります。
更新ありがとうございます。
下記ですが、防衛白書の件と無関係では無さそうですよね。
「イギリス海軍が空母を極東に常駐配備する可能性を示唆」
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20200714-00188083/
そもそもなぜ英国が鼻血を出しながら、空母を維持しているのかを考えると作戦展開する可能性のある地域に前進配備した方が、よいという考え方と、なんとなく日本に置いておくとお金出してくれるんじゃないかwとか、実は搭載する機体に困っていて、米軍とのクロスデッキ(米軍機を載せる)を進めるので、在日米軍と歩調を合わせているとか、いろいろ考えられますね。
りょうちん様
ありがとうございます。
こんなリンク貼るんじゃない!とお叱りを覚悟していましたが良かったです。
イギリスの良心?だけでは無く、下心?がありそうな内容なんですね。
新参者さま
時機を同じくして以下のような記事が台湾ステートメディア中央通訊社に出ています。偶然にしては出木杉のように思えます。
英國擬將伊麗莎白女王號航艦部署亞太 制衡中國
「Britain plans to deploy the Queen Elizabeth ship to Asia Pacific to check and balance China」
https://www.cna.com.tw/news/firstnews/202007140263.aspx
報道機関「香港01」サイトを探しましたが、当方には記事が参照している記事は見つけきれませんでした。
普通に考えれば、やはり配備先はシンガポールでしょうね。
イギリスとしては、太平洋への関与を強めることによって、TPPへのスムーズな加盟というのも目論んでいるのかもしれません。イギリスのような老獪な国が、単純な理由で虎の子の空母を遠くに送るとも思えませんし。
>図表1 「ハイレベル交流実績」(2019年)
図表1のかっこの中は、2019年じゃなくて、2018年ですね♪
国防に関する話題をありがとうございます。
>「韓国との間で幅広い分野での防衛協力を進めるとともに、連携の基盤の確立に努める」という記述が、バッサリと削除されてしまいました。
韓国のこれまでの言動を見れば当然のことと思います。
韓国の仮想敵国は日本とされているようですので、艦船や航空機などの装備は韓国に必要のないものを欲しがっているように見えます。
自分の国の置かれている状況を何も考えていないように思われます。
地政学など学んでいないのでしょうか。それとも理解できないのか。
国際社会は「なめるか なめられるか」だと言われているようです。
いまの日本のように自衛隊員の手足を縛ったまま国を守れというだけでは近隣になめられ続けると思います。
憲法を改正して自衛隊を国軍にすれば、隣国(複数)はもっと大人しくなるのではと思っています。
閑居小人 様
> 地政学など学んでいないのでしょうか。それとも理解できないのか。
それこそが、文大統領を初めとする韓国人の知性学的リスクなのです。
いつも楽しみに拝見しています。
韓国は、インド・太平洋構想にも一帯一路にも入らない位置なんですね。
少し可哀想?
図表3では、韓国は記載されていないというよりチャイナの一部になっているように見えますね。
防衛白書における韓国の位置づけの変化は、各国との積極的なハイレベル交流に伴う相対的なものかと思いきや、直接交流自体も減退してたんですね。ムリモナイデスケド・・。
防衛のレーダーマップに韓国がいないね。
ハイレベルで見つからないのは、期待(機体)が小さくなったからなの・・?
昨年は日韓の「協力の基盤がない」と声に出して言っていたのに、今年は何もなしですか。
つまり、「もはや関係ない」ということでしょうか。
ところで、さっそく駐韓大使がルーチンワークに駆り出されていますね。風物詩です。
韓国国防部、在韓日本大使館の武官を呼び抗議=防衛白書の「竹島領有権」記載受け
https://news.yahoo.co.jp/articles/898ebb7495820bb52c8696458c60510981eba1f3
>岩屋毅前防衛相のもとでのの2018年6月からの・・・
そういえば、そういう人もいましたね。とても懐かしい。(笑)
使う側からするとリスクが大きいので、もうしばらく入閣はないでしょうな。
武官=駐在武官、防衛省から外務省に出向し外務事務官として相手国の日本大使館に勤務する自衛官。相手国内で、他国の駐在武官や当該国の国防当局などから情報収集に当たるのが主な任務。
駐在武官は佐官クラスが派遣され、韓国には陸海空からそれぞれ1佐が派遣されている(3名体制は他に中露印豪)。
あ、失礼。
呼び出されたのは大使じゃなかったんですね。
タイトルのみで脳内補完していました。
戦後の日本では、「駐在武官」ではなく「防衛駐在官」と称しているようですよ
更新ありがとうございます。
防衛白書2020年度版、なかなか結構な内容で(笑)。
日本の属するインド洋・太平洋ダービー(笑)は同盟国の米国をトップに、①米国、②豪州、③インド、④ASEAN、⑤韓国(暫定)、⑥英国(実質4位(笑))、、、との表明ですね。
これで韓国が違反薬物摂取の為、出走取消しになるので、⑥カナダ、⑦台湾、⑧ニュージーランドがあるべき姿と思います。まだまだこれ以外にも特に欧州には友邦国はあります。来年の白書には韓国の記述は無くして戴いて結構ですヨ。
英国が空母をアジアに配置とか。香港を持ってる時は、堂々としてたもんなぁ。やはり世界を牛耳っていた大英帝国を思い出したか?そう、英国は極東とは切っても切れない縁です。
イギリス艦隊司令官のキッド中将は「イギリス空母の搭載しているF-35戦闘機は日本の整備拠点で面倒を見てもらう」という事なので、整備は三菱重工サン始め、あの東海地方ですネ~(韓国はわざわざ日本をとばして米国で点検してたネ)。母港はシンガポールか?まさか佐世保?(笑)無いわな。
「クイーン・エリザベス」でも「プリンス・オブ・ウェールズ」どちらでも良いです。日本海と東シナ海で日米英豪台加NZ印の合同演習をお願いします!
協力・連携すべき事項がなければ記述は削除される。アメリカの同盟国でありながら中国包囲網に加わることを拒否し、我が国に対しても敵対的行動を取り続け、韓国軍の装備も対日本戦を想定したものになっている。
今や友軍ですらなく立派な仮想敵国として位置付けてもいい。白書はファクトと政府の方針を記すものなので、そうした実態が反映されるだけ。これまで続けて来ている人事交流(防衛大学校等への韓国軍兵士の受入れなど)のレベルから韓国軍との関わりは全廃すべき。
面白い記事を見つけました。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70666
防衛大学校が「悪しき体育会系」の総本山になっているヤバい実態
りょうちん様
失礼します。ゲンダイの防衛大の記事、興味深く読ませていただきました。防衛大学校にわざわざ入学する(防衛医大は別ですが)のは、将来の幹部となる為、戦闘訓練やリーダーシップ、課外活動、海外留学、短期留学で人としての幅を広げる為に打ち込むのであろうと思ってました。
しかし専門職大学校なのに、上下関係やスポ根、陰湿なイジメみたいな事を寮でまでやらされる事実を知るであろう受験生は、敬遠するでしょう。それと、将来への不安。
つまり若いうちはいいが40歳代~50歳になる自分を想像すれば、昇進する者と3佐あたりで予備役退役になる者も事前に何となく分かるでしょう。それなら一般企業に就職した方が良い、つまりマトモな4年制大学を卒業した方が将来的にプラスと思うはずです。
私の甥っ子に首都圏の私立大学を卒業して陸自に入隊4年目、どうしてもなりたかった習志野の第一空挺団に入る事ができ、今小隊長を拝命しています。訓練はかなり厳しいそうです。パラシュート部隊ですから当然ですネ(笑)。
「降下する時恐くないか?」と聞くと「大丈夫です」と言って笑ってくれました。しかし防大出身者は周りに殆ど居ないとか(笑)。一般大学からの士官候補生入隊組や、高校卒で士で入隊した人の方が実戦部隊に多いというのは、いったい防衛大学校の存在意義は何ぞやとさえ思います。
あの記事の問題点は、防衛大学生徒の国際能力の低さと、体育会系のしごきシステムの問題はまったく別問題だという点でしょうか。
士官学校やbootcampで「理不尽さ」の負荷をかけるのは、どこの国の軍隊システムでも同じです。
個人的には、日本の医学部の学習上のイジメのようなモーレツな負荷はそれに近いと思っていました。
おっと忘れていました。U幹で第一空挺師団の士官とは実に優秀な甥御さんですね。
幹部レンジャーは、一般レンジャー課程よりある意味厳しいとも聞きますし。
このあたりはハゲ親父🐧殿に聞いてみたいところです。
イギリスの騎士は、戦闘になれば真っ先に自ら突き進んで行くと読んだ事がある、プライドなんでしょうね。
日本は近隣国と較べて兵力が少ない、国民としては防衛大学校生やその出身者は高度な専門職に徹して貰いたい。
体育会系システム。あれはいいものだ。
入学、入社日時が一年上なだけで部下が朝、自発的にコーヒーを届けに来てくれます。さらにある程度、こちらの意向を無言で察してくれるので連携がとりやすい。仕事上、向うで自動に考えて動いてくれることは本当に有り難いことだ。
さらに高校野球に代表されるように、相手の髪の毛の剃りこみ具合を見るだけで相手のチームの錬度、がある程度分かり大変、便利だ。(データはないですが髪の毛の量とチームの強さはある一定はまでは相関関係があると思う。)
高校や大学といった短期間で卓抜した成果を上げ尚且つ日本人の美意識に適ったシステムがこれ以外に
あるだろうか。日本人の神ががかった職人技や軍人の強さの源泉は昔から続く文化としての体育会系の現場力にあると思う。(最も私自身がそれをするのはまっぴらだが)
チームの個性を最大限、引き出しお互いに信頼しあう(ホモみたいですが)
海外の留学生からするとちょっと異色で気持ち悪い文化なのかも知れませんね。
なんだか井上成美が知ったら呆れかえりそうな感じですね。
たい 様
石原莞爾さんもあきれかえりそうですね。
石原莞爾さん、満州事変の首謀者で極悪人、のようなイメージを持たれていますが軍隊内の教育には力をいれていました。
この人は宿舎の衛生環境の向上に力をいれましたし、「なくなった備品を誤魔化すために他部隊の備品を盗む、という悪習を改善し、備品がなくなったら正直に申告させるように変えました。
りょうちん様
リンク内容拝見してなかなか興味深かったです。
防衛大学校学生の国際能力の低さと、体育会系のしごきシステムの問題はまったく別問題だというご指摘は同感です。国際能力の低さというのは今後喫緊にどうにかしないといけないと特に思いますね。英語力と度胸をつければ半分は解決かとは経験上思います。経験上というのは社会人経験もさることながら在校中の同級生や上級生にとんでもなく優秀な人がいましたからね。あの知識と素養があればあとは英語力と度胸かなと直感的に思った次第です。甥っ子が防大を受験したいと昨年末言ってきたのでウン十年前のハナシではあまり参考にならんぞと前置きをしながらも英語だけは狂ったように勉強せいと言っておきました(主に聞いてしゃべっての語学はバットの素振りのように体で覚えるもんですから)。また最初から陸海空はもとよりパイロットや艦長を目指すというように強すぎる志向は持ちすぎるなとも言っておきました。陸海空を云々する前に自衛官になることが必須で、それになれなければパイロットや艦長以前の話なので。
話がそれますが防大のHPで入試問題の過去問が拝見できるときいてたまたま数学をみましたが、結構、易しくなっていることに驚きました。今でいうところのセンター試験より易しいのではないかと(言い過ぎ?)。受験科目も小生のときより少ないし(小生の時は5科目受験)、確かに入学者のレベルが心配(苦笑)。少子化で受験生集めが大変なのかもしれませんね。(勝手な推測です)
一方、しごきの方は各個人の感じ方も多分にあると思うんですけどね。高校をでたばかりの学生が親元を離れて理不尽のルツボに放り込まれるわけですから、小生も1学年時は特にこの学校はどうかしてる、おかしい!と日々思ってました。なにしろ通常時からして上から怒られどうしで、変な上級生もいましたし(いまだに名前は忘れられん)1日24時間では足りないと途方にくれていたことを思い出します。(あ~オレってわがままばっかり言ってたんだなあと、親のありがたみを肌感覚で実感したことも思い出します(笑))とは言いながらも閉鎖空間の中の行き過ぎ感はないとはいいきれない感もあるのでそれをどう是正していくのかが今後の課題で肝なのかと。
小生の場合、結局自分のミスで大けがをして学校生活も将来の特別職公務員像もあきらめねばならなくなり、現在民間企業におりますが、あのあきらめなければならなくなったときを思い出すと今でも胸をかきむしられる感があります。これは仕方がないことと思いながらも若い時に感じたとてつもなく大きい「理不尽」でした。
ところで実戦部隊に防大卒がすくないと暗にほのめかして防大の存在意義を問う意見がありましたが、そもそも防大は実戦部隊の指揮官を優先的に育成する機関ではなく、自衛隊内の医療系、音楽系等を除くすべての組織に幹部人材を供給する学校ですのでいささか飛躍しすぎと感じます。防大の存在意義を問うのなら、もう少し違う視点で論ずるべきかと。
ちなみにコロナをふまえたこの問題↓も無視できませんねえ・・・。
https://www.news-postseven.com/archives/20200615_1570144.html?DETAIL
ここ20~30年で日本が没落している重要な原因の一つには、日本人がオワコン化している
(もう少し正確に言うと、日本人の、特に集団になった時の性質がこの時代に先進国を
務めるには難しくなっている)事なのかもしれないね。
明文化されたルールに基いて、リーダーに権力とそれに伴う責任を集中させる事の無い
組織文化は、リーダーの額面上の権力とさらには実体権力の貧弱さから、ありとあらゆる
変革、改革がやり辛い、やれても非常に遅く効率の悪い「グズ」の集団と化した。
状況の変化が早く、未知の事柄への対処が頻繁に求められる現代では、トライアル・
アンド・エラーを繰り返して軌道修正していく事が重要だが、日本人の集団はグズ過ぎて
それが苦手。
日本人は庶民教育には近世の時代から世界でも定評があったが、エリート教育に関しては
さほど優れていた訳でも無かった。
世科的な教育の底上げによって、日本の長所は相対的に目減りし、エリートの教育と
教養の貧弱さが、先進国としてやっていくには難しくなった。
あら、元々、米韓同盟に引きずられての、お付き合いですもの。米韓同盟が消滅するその日まで、名前だけは入れて置くのじゃありません?
アメリカにとっては、半島国家の動向なんて気に掛けるほどでもないのでしょうが、日本にとっては、どう転がっても半島国家は迷惑以外の存在ではありえない。
河野防衛相、着々とお仕事をされているようで、頼もしい限りです。
最後に新宿会計士が、残念ながらこの程度が妥当と書いてます。
日本に対して一番戦争を意識しているのは、韓国だと思います。翻訳サイトを見れば、日本と戦争したらどっちが勝つかみたいな話は、いっくらでも出て来ます。
外交面で見ても、日本に対してのみ強行な姿勢を貫いています。
今回の「韓国との防衛協力と連携」をバッサリというのは、アメリカとも話が、付いているのだと思います。
「韓国は、日本を敵視している」は、嫌韓でもなんでも無い、客観的な事実だと思います。
こっち側に居るように見せかけて、戦争して日本を植民地にしようとしている、一番始末の悪いリスクの有る国だと思います。
南シナ海で何もやるつもりがないところを取り上げても仕方ないですしね。
レーダー照射する、旭日旗を掲げての入港は禁止。
さらには対北朝鮮用とは思えない空母や原潜を欲しがる。
どこが味方なのかさっぱりわかりません。
ところでプリンスオブウェールズがアジアに来るんですか。
なんか因縁を感じますね。(因縁つけられた、みたいな悪い意味ではありません)
文在寅、トランプが大統領でいる
間のボーナスタイムに日本は打てる
手をうつ
太平洋、インド洋の連合は確固たる
形にしておくのは本当に重要
英国、豪国とはACSAよりもう一歩
踏み込んで準同盟のような条約
締結を結んでも良いと思う
どこかのレッド国の一部と解釈して全く記載しない。
韓国が望む様に北と一緒にして「朝鮮」という敵国扱いとする。
来年以降は、こんな扱いになるのではないか。
600ページに及ぶ資料をわかりやすく解説いただいてホントにありがたく思います。
日本は早く憲法9条を改正し、本当の意味で対等な同盟軍に昇格しないとですね。
韓国はもう、仮想敵国でいいんじゃないですかね。
韓国は本質的には日本にとって北朝鮮以上の潜在的な敵国ですからね。
本当に日本を攻撃したいと国民の多くが心底願っている国、それが韓国ですから。
何しろ小学校低学年の生徒が何人も日本に核ミサイルを撃ち込む絵や日本を爆撃する絵を描き、その絵を自慢気に鉄道の駅の掲示板に張って一般大衆にも見せて楽しませる、あるいは日本を核兵器で恫喝して日本のそばの海で核爆発させる映画が大ヒットする、こんな異常なことを平気で行い国民が楽しんでいる国、更には軍が導入する最新装備は対日戦でこそ役に立つものばかり、それが韓国の実態ですから。
シンシアリー氏が指摘している通り、北朝鮮が日本に対して核ミサイルを撃ち込む可能性よりも、何らかの形で核を持ったまま南北が統一すれば、その北の核を用いて南が日本に核攻撃を仕掛ける可能性のほうが遥かに大きい。
そういう意味では以上の日本にとっての韓国の危険性を明記していないのは防衛白書としてはまだまだ甘すぎる。
いい加減に「日本に対して軍事攻撃を実際に起こす危険性が最も高い」という表現を防衛白書の韓国の項には記載して日本国民に危険性を周知すべきです。
以前、コメント欄でもちらっと言及させていただきましたが、モンゴルは手つかずのレアアースがたくさん眠っており、小国でありながら近い将来、石油オンリーのモノカルチャー国と違った、影響力のある「資源国」として世界の表舞台に躍り出てくる可能性が期待されています。
チャイナの包囲網の一つとして、モンゴルとの関係も深めていってほしいと期待しております。モンゴル帝国=イスラム教を保護した国ですから、現代のモンゴル国の台頭で、世界の勢力図に少なからず影響を与えるものと思っております。
頼りないのが、フィリピン・インドネシアといった、いわゆる「ASEANの朝鮮」の存在ですね。英語Webを運営している身として、この2国の人たちが邪魔です。偏った(あるいは間違った)日本の情報を海外にばらまいている担い手の一つがフィリピン人です。敵は特亜三国だけとは限らないのです。
英語Web、日本の話題(特にアニメや漫画といったサブカルチャー)の喰いついてくるのもフィリピン人です。英語Webのコメント欄で、スペイン語風の名前を見たら、10中8、9フィリピン人かと思います。スペイン人絵も南米人でもありません。慰安婦問題の話題で、なんか反日発言をしているのも、立ち位置の定まらないこうしたフィリピン人が多く、迷惑しています。
海洋の国防上、どうしても無視できない存在であるものの、本音でいえばこうした「ASEANの朝鮮」と縁を切りたいものです。
私は個人的に「区切りをつけられるか付けられないか」という国民性で、国家全体を把握しようとします。
区切りというのは、会話を「ありがとう」「すみません」といった礼儀で会話を終わらせられるかどうかで判断します。区切りのある交流ができない典型が、このフィリピン・インドネシア人です。
アメリカ人軍事ジャーナリスト・マイケルヨン氏は、私のコメントに返信してくれて、「わがアメリカでは、反日プロパガンダ教育が行われているようだ。申し訳ない」と謝罪をくれました。はやりアメリカ人は筋を通せる人が多いので、しっかりとした関係を築くべきと感じます。氏を応援した甲斐があって、日本における慰安婦問題記事を書いてくれるようになりました。
全面アメリカ追従もまた良くないので、アメリカ人とは違う立ち位置に立ってくれる、英国やカナダとの関係も大事かと思いますが。
憲法改正は急を要するのは確かです。
ただ日本は基本外圧でしか変わらないイメージを持っております。
従って憲法改正→有事とはならずに、有事→憲法改正となるのではと危惧しています。
もし、先に尖閣、沖縄、他の島々に実力行使があった場合、日本の朝野は憤激するとは思いますので、憲法改正の可能性は高くなるかと思います。
ただ先に台湾に親中政権が成立し、共産党政権と合流を図った場合を9条のため手は出せないし、日本の南方を封じられる事になります。台湾海峡とバシー海峡を海上封鎖するかはわかりませんが。
できれば蔡英文ないしはその後継者が政権を維持している間に憲法改正を果たしたいところです。
残念ながら、有事→憲法改正となる可能性の方が高いと思います。
例えば、現在進行中の武漢ウィルス禍においても、強制力を持った封鎖措置実施を真っ先に主張したのは自称進歩派諸君だったと記憶しています。このような事態に至るまでは、そのようなことを可能とするような権限を政府に付与する法案など出ようものなら、ハチの巣を突いたような大騒ぎになり、絶対反対と絶叫していたであろう連中ですね。これ一つとっても、自称進歩派がどれほど愚劣で知的退廃を起こしているかわかりそうなもんです。
さて、30年来の改憲論者としては、改憲に関する議論を公にできるようになったというだけでも感慨深いです。かつては、改憲について議論しようとしただけで、軍国主義者だの、戦争愛好家だの、平和の敵だのと罵倒され、人間のクズ扱いされかねないような状況でしたから。その頃に較べれば、あまりにも遅々とし過ぎているとは言うものの、前進していることには違いありません。
なお、個人的には安倍首相の改憲論にはあまり賛成ではありません。せっかく憲法を改正するのであれば、変に小細工めいた文面ではなく、自衛のための武力の保持と内閣の責任とを正面から明記するべきだと考えるからです。
https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2020/impression/index.html
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優秀賞は総火演ご招待だそうです。