すでに国内外のメディアが大きく報じているとおり、安倍総理は昨日、東京五輪の1年延期を表明しました。これが吉と出るのか、凶と出るのか。結論から言えば、延期は止むを得ないと思うものの、延期したからといって最善の効果をもたらすとは限らない、というのが当ウェブサイトなりの見解です。もっとも、経済波及効果という点、都市イメージという点、さらには小池東京都知事のせいで遅れた環状2号線の開通など、さまざまな点で見て、今回の決定については「災い転じて福となす」となる可能性も十分に残されています。
東京五輪の1年延期
すでに大きく報じられていますが、安倍晋三総理大臣は昨日、総理大臣公邸で会見を行い、東京五輪をおおむね1年延期する方針を明らかにしました。
国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長との電話会談についての会見(令和2年3月24日)
先ほど、森会長、小池都知事、橋本大臣同席の下に、バッハIOC会長と電話会談を行いました。(※中略)開催国日本として、東京五輪について、現下の状況を踏まえ、世界のアスリートの皆さんが、最高のコンディションでプレーでき、そして、観客の皆さんにとって、安全で安心な大会とするために、おおむね一年程度、延期することを軸として、検討していただけないか(※と提案)し、バッハ会長から、100パーセント同意する、という答えをいただきました。そして、遅くとも2021年の夏までに東京オリンピック・パラリンピックを開催するということで合意いたしました。今後、人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝ったあかしとして、完全な形で東京オリンピック・パラリンピックを開催するために、IOCバッハ会長と緊密に連携していくということで、一致したところであります。(※後略)
―――2020/03/24付 首相官邸HPより(引用文中、「※」で示した部分は引用者による加工)
戦争中などの特殊事例を除けば、五輪が予定どおり開催されないという事例は、おそらく初めてでしょう。
かつて、夏季五輪では3大会、冬季五輪では2大会が中止されていますが、いずれも戦時下などの特殊事例によるものです。
過去の五輪中止事例
- 1916年のベルリン五輪(第一次世界大戦)
- 1940年の東京五輪(日中戦争などの戦局)
- 1940年の札幌冬季五輪(同上)
- 1944年のロンドン五輪(第二次世界大戦)
- 1944年のコルチナ・ダンペッツォ冬季五輪(第二次世界大戦)
また、調べた限り「延期」という事例はありません。
東京五輪は1940年大会から80年ぶりに、再び前例のない試練に直面することになった、という言い方をしても良いでしょう。
経済効果はどうなのか
さて、今回は「五輪中止」ではなく、「五輪延期」ですが、万が一五輪が中止された場合、まっさきに懸念されるのは、経済効果です。
これについては時事通信に五輪延期表明直前の3月23日付で掲載された次の記事によれば、「経済損失3兆円」という恐ろしいことが書かれています。
五輪延期なら経済損失3兆円の試算も スポンサー企業は失望(2020年03月23日13時19分付 時事通信より)
しかし、これは果たして本当でしょうか。
少し古いデータで恐縮ですが、観光庁が作成する『過去のオリンピック・パラリンピックにおける観光の状況』という資料によれば、「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」が2012年6月に試算した経済波及効果は約2兆9600億円、雇用誘発効果は15.2万人だそうです。
(※ちなみに「森記念財団 都市戦略研究所」が2014年1月に示した経済波及効果は約19.4兆円、雇用誘発効果は約121万人のことですが、この試算はやや強気過ぎる気がしますね。)
もっとも、招致委員会が2012年6月に示したとされる「2兆9600億円の経済波及効果」について、リンク先の資料では詳細な試算根拠は示されていませんが、過去の五輪の事例などからして、一般に経済波及効果としては、
- 五輪施設の建設
- 大会期間前後におけるインバウンド観光の誘発
- 大会終了後に続くイメージ
という、3つが見込まれます。
しかし、このうち五輪関連のさまざまな施設については、現時点においてほぼ竣工、あるいはそれに近い状態にあると考えられます(たとえば新規恒久施設等の整備状況については、東京都オリンピック・パラリンピック準備局『東京都が整備する競技会場等の整備スケジュール』等参照)。
つまり、「五輪施設の建設」については、現時点ですでにほぼ整備が終わってしまっているため、いまさら中止したところで、経済波及効果がなくなるというものではありません。
したがって、経済的に懸念しなければならないのは「大会期間前後におけるインバウンド観光の誘発」、「大会終了後に続くイメージ」の部分でしょう。
中止じゃなくて延期ですから…
もっとも、今回の決定は、「中止」ではなく、「延期」です。
もし本当に1年後に開催されるならば、「インバウンド観光の誘発」については、「1年後倒しになっただけ」、ということでもあります。
いや、すでに『数字ありきの訪日観光客目標、コロナで実績ガタガタに』などでも報告したとおり、「訪日外国人目標2020年4000万人」については、その達成はほぼ絶望的と考えて良いでしょう。
このように考えると、五輪が1年後倒しになることは、むしろ好ましい、という言い方ができるかもしれません。なぜなら、コロナ騒動がある程度は落ち着いたほうが、国際的な観光旅行需要が戻ってくるはずだからです(もっとも、「元どおり」、というわけにはいかないかもしれませんが…)。
というよりも、WHOのウェブサイトからリンクしているページで、国際的な新型武漢コロナウィルス(SARS-CoV-2)の感染者や新型武漢肺炎(COVID-19)による死者数を確認しておくと、いつのまにか欧州や米国で、この武漢感染症が猛威を振るっています(図表)。
図表 感染者数、死亡者数(感染者数の上位10位まで)
国 | 感染者数 | 死亡者数 |
---|---|---|
中国 | 81,767 | 3,283 |
イタリア | 63,927 | 6,077 |
米国 | 42,164 | 471 |
スペイン | 33,089 | 2,182 |
ドイツ | 29,212 | 126 |
イラン | 24,811 | 1,934 |
フランス | 19,615 | 860 |
韓国 | 9,037 | 120 |
スイス | 8,015 | 66 |
英国 | 6,654 | 335 |
(【出所】WHOウェブサイトからリンクしている “Novel Coronavirus (COVID-19) Situation” 、欧州時間2020年3月24日 18:00時点のデータ)
ちなみに日本は、死亡者数では42人で世界13位ですが、感染者数では1128人で世界25位に留まっているという状況にあります(※日本がこのまま「抑え込み」に成功するかどうかについては、依然として予断を許さない状況ではありますが…)。
ということは、東京五輪が開催されたならば日本にこぞって来てくれるであろう欧米諸国で、この武漢ウィルスが猛威を振るっている状態にある、ということです。早い話が、「現在、世界主要国は『観光』どころではない!」という状況にあるのです。
マイナスイメージがつくのか、それとも…?
さて、先ほども紹介した、観光庁が作成する『過去のオリンピック・パラリンピックにおける観光の状況』という資料によれば、五輪招致によるもうひとつの経済波及効果が、「その都市・国のイメージが改善することによる観光需要の継続的な喚起」にあります。
その具体例として、1992年のバルセロナ五輪が行われたスペイン、2000年のシドニー五輪が行われたオーストラリア、2004年のアテネ五輪が行われたギリシャ、2008年の北京五輪が行われた中国など、いずれの国でもインバウンド観光需要が増加傾向にある、とされています。
(※もっとも、これについては「五輪効果」なのか、その国の経済発展などに伴う効果なのか、世界的なアウトバウンド観光需要の伸張に基づくものなのかどうか、などについて、厳密な考察がなされているわけではありませんが…。)
また、ブラジルといえば地球の反対側であり、日系移民社会が存在しているとはいえ、近隣諸国と比べると、日本人にはなじみがない国です。しかし、2016年のリオデジャネイロ五輪を受けて、わが国でも「リオデジャネイロ」という都市名を知っている人は増えたのではないでしょうか。
したがって、こうした考察が正しいなら、今年、東京五輪が開催されていたならば、「日本」、「東京」という単語を知っている人は全世界でかなり増えたはずであり、五輪の開催が延期されることで、この「知名度」、あるいは「国家イメージ」、「都市イメージ」がどう変わるのかは未知数です。
「1年延期された、前代未聞の五輪だ」というマイナスイメージが定着してしまうのか、それとも安倍総理がいうように「国境を越えた人類の活動が活発化するなか、コロナという新たな災厄を人類が克服した象徴の大会」となるのかは、現時点ではよくわかりません。
というよりも、これをどう盛り上げていくかについては、結局、私たち日本国民が日常生活レベルで政府の呼び掛けている感染症対策を講じ、ウィルスを抑え込めるかどうかにかかっているのではないかと思えてならないのです。
延期はむしろ好都合?
さて、多くの皆さんが忘れていると思いますが、東京といえば、築地市場の豊洲市場問題により、環状2号線の工事が大きく遅延しています。
これは、築地市場の豊洲への移転を巡って、日本共産党を含めた反社会的勢力や特定メディアが、ベンゼンだのヒ素だのが発見されたなどと非科学的に大騒ぎし、これに小池百合子東京都知事が乗っかって築地市場移転を延期したことで、結果的に工事が大きく遅れたものです。
その意味で、小池百合子東京都知事の罪は重いと言わざるを得ないのですが、今回、安倍総理が1年の延期を決断したことで、もしかすると遅延していた工事が遅れを取り戻せるのではないか、という可能性が出て来たのではないでしょうか。
もちろん、環状2号線の完成予定時期は現在のところ2022年であるとされ、また、大規模工事には資材繰り、人材繰りなども複雑に関わってくるため、これを現段階で「1年前倒しして東京五輪の2021年に間に合わせられる」、と断言できるものではありませんが…。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
それよりももっと注目すべきことといえば、小池百合子東京都知事が今年の夏、任期満了を迎えることです。残念ながら東京では「知名度」だけで選挙に勝ってしまうという土壌がありますが、自民党東京都連がまともに機能していれば、少なくとも小池氏に勝てるだけの候補を立てるべきでしょう。
もっとも、この点に関しては、東京五輪とはやや論点がずれて来ますので、どこか別の機会で議論したいと考えております。
View Comments (53)
小池都知事の対抗馬がいない模様です。
あれだけ酷い目に遭わされた自民党も、
小池都知事を推すとか
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20200324/k00/00m/010/303000c.amp
なんだかなぁ
納得いかないのですが
災い転じてという観点では、様々な嫌がらせを仕掛けてくる隣国が破綻し、参加できない可能性も見逃せないでしょう。
彼の国が参加しないスポーツイベントが爽やかであることは、既に経験済です。
オリンピックの1年延期はセカンドベスト(次善)と考えます。今の新コロナウィルスの発生状況と治療状況を見るに各国で治療情報が共有されればワクチンが出来なくても半年後まは発生状況が落ち着くものと推測します。各国で様々な治療方法・投薬方法で一部効果が出ているようなので期待しています。
観光については元々観光客が多かった訳では無く中国・韓国・台湾・香港が激増したため訪日外国人が増えた物です。2020年は2000万人以下になると推測します。
2019年 3190万人
2018年 3120万人
2017年 2870万人
2016年 2400万人
2015年以前は 2000人以下でした。
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_visitor_arrivals.pdf
訂正
半年後まは(誤)→半年後までは(正)
2015年以前は 2000人以下でした。(誤)→2015年以前は 2000万人以下でした。(正)
NHKも時々良い番組を作っています。
NHKは毎週ゴールデンタイムで放送してほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=nUpUGMA2eDE
埼玉の暇人様
リンクを貼って頂いたNスペの内容は非常に重要なので、定期放送どころか無料でWeb公開すべきと考えています。
現場で防疫対応をされている先生の一次情報満載なので、民放にはびこる自称専門家を駆逐するためにも今回のNスペは拡散が必要です。
余談ですが、ワシントンポストなんかはコロナ関連記事を無料公開しています。
(↓は無料公開記事の例です。話が逸れますが、この記事自体も活動自粛と感染ピーク抑制の関係をシミュレーションした非常に興味深いものです。)
https://www.washingtonpost.com/graphics/2020/health/corona-simulation-japanese/
この非常時に、公益性においてNHKが民間企業のワシントンポストに負けてる場合じゃ無いと思うのですが。
シェアしていただいた動画は非公式のようであり、すぐに消されるかも知れませんので、蛇足ながら以下に要点をまとめておきました。
●厚労省の専門家チームが全国のクラスタの監視を行っている
●クラスタが複数発生しても、監視できている内はオーバーシュートは起こらない
●都心部で感染経路不明の感染者が出てきており、これが増えた場合は監視できていないクラスタの存在が疑われるので、オーバーシュートの恐れがある
●国内の病床数は潤沢にあるわけでは無いので、オーバーシュートが起きると医療崩壊は避けられない
●国民一人一人が引き続き感染を広げない行動を取ることがオーバーシュート防止のために必要であり、まだ警戒を緩めるべきではない
●空気感染はせず(してたら日本で既にオーバーシュートが起きているはず)、接触感染、飛沫感染が起きている
●密閉空間でマスクをせずにくしゃみ、咳、大声での会話をするとミクロスケールの飛沫が長時間空中に滞留して感染を引き起こす可能性がある(換気することで感染リスクを下げられる)
●既存の薬のうち、新型コロナに聞く可能性のあるものを四種類まで絞り込めており、臨床試験が行われている
●臨床試験の結果が出るのは3月末~4月頭
●既存薬に効果が認められた場合は、新型コロナの抑え込みに期待が持てる
●一般の患者に処方出来るようになるまでは半年ほどかかる
冒頭から、いきなり入院する必要のまったく無かった患者さんの症例の紹介で脱力・・・。
あんなCT所見で入院させた医者もどうかと思いましたが、入院対応が現状では原則でしたね。
こういう人を入院させないコンセンサスができないと医療崩壊は確実に起きます。
「あなたは新型コロナウィルスに確実に感染しているので、家で隔離してください。特に治療法は無いので、呼吸困難を感じたら再来してください」
と言える空気にならないと・・・。
あとの内容は良かったですね。
対策本部の丁髷やスキンヘッドの人の存在感w
どういう立場の人なんだろう。医療系というよりIT系の人なのかな。
しかし、東北大とか北大とか、やっぱり東大系の臨床系の人の存在感がゼロですな。
高山義浩先生はそういえば東大だったかと確認したら、なんと
冒頭から、いきなり入院する必要のまったく無かった患者さんの症例の紹介で脱力・・・。
あんなCT所見で入院させた医者もどうかと思いましたが、入院対応が現状では原則でしたね。
こういう人を入院させないコンセンサスができないと医療崩壊は確実に起きます。
「あなたは新型コロナウィルスに確実に感染しているので、家で隔離してください。特に治療法は無いので、呼吸困難を感じたら再来してください」
と言える空気にならないと・・・。
あとの内容は良かったですね。
対策本部の丁髷やスキンヘッドの人の存在感w
どういう立場の人なんだろう。医療系というよりIT系の人なのかな。
しかし、東北大とか北大とか、やっぱり東大系の臨床の人の存在感がゼロですな。
東大医学部卒の社長が不快感を抱くわけですw。
高山義浩先生はそういえば東大だったかと確認したら、なんと
>東京大学医学部保健学科卒業後、フリーライターとして世界の貧困と紛争をテーマに取材を重ねる。山口大学医学部医学科卒業
異色の経歴でした。
すみません。エラーで二重投稿に。
りょうちんさま
医療関係者の目から見ても冒頭以外の内容は妥当だったのですね。
安心いたしました。
今週からまたグッとフェーズが変わっている様なので、引き続き情報収集と取捨選択には気を付けたいです。
対策本部のカオス感は、不謹慎ながらシン・ゴジラを彷彿とさせると思いました。
内閣総辞職ビームが出なければ良いですが・・・。
だいごろう様
要点まとめありがとうございます。自分のメモに加えさせてもらいます。
ワシントン・ポストの記事はとても勉強になりました。指数曲線の感染数増加にはアメリカでさえ耐えられないようで特に時期的にインフルエンザで入院治療を受けている方が大勢いるのがネックと見ています。
見た感じ高齢者っぽいですし、奥さんも感染されたのなら入院も妥当かなとは思うのですが、これでも医療崩壊になってしまうのか。
>よき様
一般病院で、「ふつうに」診療して良いとなったら、許容される範囲だと思いますが、問題はそうではないことにあります。
現在は、一般病院で「特別な」診療を強いられたり、特殊な病院で一般的な治療をするミスマッチの状態にあります。
ここをなんとかするのは政治・行政のお仕事です。
2年延期を予想していましたが1年延期でほぼ決定ですかね
来年夏の世界陸上(米国)を五輪と被らないよう延期する案も
でているとか、さすが金儲けで米国にはかないません
準備してきた選手や関係者にとっては災いでしかないですが
世界的に見れば延期は妥当な判断ですし、五輪まであと1年間の
ビジネスチャンスがやってきたと考えれば福の部分もありかな
ここだけの話、わたくし8月4日のサッカー準決勝チケットを
持っておりました、旭日旗背負って行ってやるつもりだったのに、
くそ~!
せっかく当たったチケットがどうなるかなど色々な問題が
しばらくは出てきそうです
>もし本当に1年後に開催されるならば、「インバウンド観光の誘発」については、「1年後倒しになっただけ」
この度の武漢肺炎被害でしぼんでしまったインバウンド観光の今後について,もっと楽観的なシナリオもひょっとしたら可能かも知れませんよ.
・ 世界の主要国の中で早期に武漢肺炎の流行を収束させる国があるとしたら,それは日本しかないと思われる,
・ 医療現場がある程度の余裕をもって精力的に薬剤治療の効果を検討中.4月になれば有望な治療薬,治療法の発表がなされるとも言われている.高水準の日本の創薬研究にも期待.
・ そうなれば,例え入国後2週間のホテル待機を求められたとしても,母国より日本にいる方がはるかに安全.たとえウイルスに感染しても良質な治療が受けられるという安心感もある,ということで,観光ビザ(免除)期間一杯,日本観光を楽しもうなんてブームが欧米の富裕層の中に起きるかも.
・ こういう人達の日本滞在記的SNSは影響力が大きい.日本観光の魅力がさらに広く知られることも期待される.
・ 他国の不幸を望む気はなくとも,仏伊独米英など世界の観光上位国は当分総崩れ,しばらくは立ち直れそうにない.ホモ・ルーデンスたる人間,危機が去ればそういつまでもおとなしくなんかはしておれない.そのとき遊びに行っても危なくなさそうな国はといえば…
・ こうした日本の魅力は2021東京オリンピックを目ざす各国アスリートにとってはより切実なはず.半年くらい前から日本でキャンプを張って,そのまま大会本番に臨む国が続出してもおかしくない?
山のピークを低くして、裾野を拡げる....
これが上手く行けば医療崩壊を防げるのですが、しかし
「感染拡大の期間」はより長く続きます。
つまり他国がピークアウトし感染者数が減る段階に来ても
本邦では(絶対数は少ないとしても)感染拡大が続いているかもしれません。
ピークを医療限度以下に保つことは必須ですし、
時間を稼げばワクチンや治療方法も開発されるでしょう。
そもそも医療崩壊したら、その後ピークアウトしても幸せな訳ではありませんが
「我が国だけ遅れている」と無駄に煩い人達が出てくると想像しています。
「やっぱり感染を隠していたんだ」と謂れなき非難を受ける事も可能性があります。
昨日の東京五輪延期報道があっても今日は日経平均もTOPIXも上昇しましたね。昨日の時点で株価はオリンピックの延期を織り込んだ上での価格になってたという事でしょう。
「オリンピック延期で日本経済は深刻な打撃を受ける。日本の方から通貨スワップを懇願してくるニダ」と雑音が聞こえてましたが、放っておきましょう。
景気対策の現金給付見送りの方が影響が大きいかな、と思いましたけど杞憂に終わりました。昨日は前場で買った銘柄が後場で下がってしまい、さらに現金給付見送り報道が出たので、「勇み足だった。もうちょっと待てばよかったかな」と後悔しましたが、今日は無事に上がってくれほっとしました。
コロナショックによるバーゲンセールは終わったようです。欲しかった銘柄が昨日までに買えて良かったです。
株を仕込めてよかったですね。今日の上げが大きすぎたので,明日は少し反落するかも。1~3週間くらいはもみあいながら上昇する予感がありますが,その先はまた大暴落も覚悟しておく必要があります。現金給付の件が決着することには,底値を更新する展開になる可能性も。現金給付は,最初からもらえないと思っていました。膨大な財源が必要な割には,雀の涙みたいで。減税案もありますが,喜ぶのは我々だけかも。本当に困っている人だけを助けるのがいいと思いますが,事務的に「本当に困っている人」を選別する方法が難しくで,時間がかかるでしょう。例えば,コロナの影響をもろに受けている経営者の場合,固定資産はあっても,運転資金が枯渇しているという場合が多いと思います。去年の所得を見ても,判断できないでしょう。その前に,倒産・廃業が沢山出るかも。
安部総理に不満があります。なぜ大相撲春場所の千秋楽に出なかった、ビデオ出演で十分、「武漢コロナが流行する中、日頃から体を鍛え精進を積み重ねている力士の皆さんが、日本国民に対し病に打ち克つにはどうするべきか、力強い土俵上の取組を通して模範を示してくれたことに、大変明るい喜ばしい思いで一杯です。八角理事長以下、大相撲関係者のご努力に深く感謝するとともに、日本国民一丸となって武漢コロナとの戦いに打ち勝って参りたいと存じます」、、オリンピックの話に続く。
東京五輪の延期そのものは現状において最も妥当な処置だと思いますが、1年後までに世界的なパンデミックが終息するのでしょうか、そこが少し心配ですね。
特に日本の場合、医療崩壊を防ぐために無症状や症状の軽い人に対しては検査をしないという方策を採っていますが、その代償として実際にどの程度の感染者がいて(つまり日本に定住している人間の何割程度が既に感染していて)集団免疫が機能する段階にどの程度近づいているのかという点に関しては、誰も知り得ない状況になっているのではありませんか?
少なくとも日本は今までの対応によって感染の拡大は欧米諸国に比べて格段に緩やかに制御できているのでしょうが、逆に言えば集団免疫に必要と言われている国民の6~7割が感染済みという段階に至るのには、急激に感染を拡大させてしまった国々に比べてより長い時間を要するということになります。
だとすると、1年後に欧米諸国では感染拡大が終息していたとしても、東京あるいは日本全体では集団免疫の段階に未到達という可能性は十二分にあるのではないでしょうか?
そして集団免疫が未だ確立されていない日本では日々新たな感染者が報告され続けたり、あるいは日本でも見掛け上は新たな感染者は少なくなっていたとしても、五輪での来日観光客が欧米から大挙して押し寄せて来ることで、五輪の直後から日本でアウトブレイクが起こるといった危険性は十分にあるのではないでしょうか?
ということで、1年で本当に安心して五輪を東京で開催できるのか疑問が残ります。どうせ延期するのであれば、2年間にすれば良かったと個人的には思っています。
ともかく4月になり新年度になれば、授業自粛モードから春休みに入って2ヶ月間の冬眠状態だった小中高だけでなく2月から入試シーズンモードに入って講義がなくなっていた大学も含めて全ての学校が今までの冬眠から脱して授業を再開せざるを得ませんし、大衆向けのコンサートやイベント等は自粛が続くとしても大半の企業の活動は従来の自粛モードから通常モードへと戻さざるを得ません。そして大都市圏では今までの冬眠のお蔭で少し緩和されていた朝夕ラッシュ時の車内の状況が再び従来の非人道的な状況に戻るのは確実です(それでなくても新年度になると朝のラッシュ時の乗車率がひときわ高くなる…そして5月連休明けになると大学生でドロップアウトが少なからず出るのか乗車率が少し下がる…のは毎年経験することです)。
年度が改まり日本社会の様々な分野において従来の自粛モードがリセットされることが日本国内での武漢肺炎の流行にどのような影響を及ぼすかは、遅くともゴールデンウィーク明けごろには明確に数字として出てくる筈ですし、その数字によって日本での今後の感染拡大がどうなりそうかもある程度は予測がつくようになるでしょう。それによって延期が1年で良さそうか否かについても多少の推測が可能になるのではないか、個人的にはそのように思っています。
冥王星様
集団免疫に関して、ご指摘の観点については、否定できません。
ただ、集団免疫は、理屈は通っていると思うものの、
現実と合うのかどうかには、疑念を抱いています。
山を低くして、長期化する。
その時、高い山の時と、低い山の時と、感染者の数は変わらない。
理屈は通っているとは思うのですが、実際にそうなるかどうなのか???
経済政策の議論というか、討論と似ているような。
全く反対な人達がいて、どちらが正しいのかよくわからない。
どちらかが間違っているはずなのですが、よくわからない。
自然科学領域での議論と、非自然科学領域での議論は、だいぶ違うような。
冥王星様の論理には頷けるところが多いものの、半分、眉唾。
これには、否定的な意味はありません。
政策論については、いつも、????
集団免疫って、基本的にワクチンがある場合に「取れる政策」であって、現象としてそうなってしまうのとは話が違いますね。
https://www.ted.com/talks/romina_libster_the_power_of_herd_immunity/transcript?share=1b47e86532&language=ja
http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/331/dj331e.html
集団免疫:すべての地区(district)の各年齢コホートにおいて、麻疹に対する集団免疫が95%以上に維持されていることが、以下の指標により証明されていること。
a)麻疹を含むワクチンによる2回の予防接種率が95%以上であること
b)輸入症例による集団発生が小規模なものであること(症例数100未満、持続期間3カ月未満)
疫学者が想定している「集団免疫」なんて、このコロナに関しては無理でしょう。
もちろん、感染して重症化するような人間がすべて死に絶えてしまえば可能だとは思いますが、何億人の死亡者を想定しているのやら。
「高齢化社会へのソリューションだな!」とか黒い人がいるのか。
ああ、でも英国こそ日和ってしまいましたが、日和らずに開き直った国がありましたねw>中国
中国では「感染が封じ込められた」ということになっているので、今後発生する死亡者は見えず、流行することは政治的にあり得ません。
中国も一人っ子政策で、人口ピラミッドの高齢者の数が悩みの種でしたから。
中国は本当の意味で「集団免疫」を獲得できるかもしれません。
ただし、交流のある全ての国に莫大な迷惑をかけながらですが。
その場合、今度こそ、China banはずっと続きます。
りょうちん様、レス有難うございます。教えて頂きたいことがあるので、もう少しお付き合い頂けませんか。
少なくとも今回のイギリスの政策に関しては感染率95%などというレベルでなく6~7割のレベルを目指しているような報道や解説のされ方をしています。私個人は、それらの報道や解説に関しては、「感染で免疫をつけた比率がその程度になれば、感染者が居ても感染が爆発的に広がる確率が十分に下がるということなのか」(つまり山で木が燃えても木が十分に間引かれた場所だと燃え広がり難い、とか燃料棒のウラン235の比率を下げれば制御棒を完全に抜いても指数関数的な連鎖反応が起こらなくなる、の類)そしてそれによって急激かつ大量に患者が発生して医療崩壊が起こるリスクを避けられる、という意味だろうと理解したのですが、そのゴール設定は間違い(つまり6~7割程度の感染率では防火帯のような効果は期待できない)だということでしょうか、それとも私の理解が間違いなのでしょうか。
>もちろん、感染して重症化するような人間がすべて死に絶えてしまえば可能だとは思いますが、何億人の死亡者を想定しているのやら。
イギリスのジョンソン首相は現時点ではどうか知りませんが、少なくとも集団感染戦略の政策を発表した時には何十万人もが死ぬ事態を覚悟しろと堂々と(苦笑)国民に告げていましたよね。
ところで、今回の武漢コロナウィルスの抗体検査キットが既に市販されているそうですね。抗体検査ならばサンプル採取時の危険性が極めて高く手間も時間も要するPCR検査と違って安全かつ迅速に感染の有無を検査できるのではありませんか?
だとすれば、日本における感染の広がりの現状を当局が正しく把握して状況に対して最も適切な政策を立案・推進するためにも、日本国内で抗体検査を広く行うべきだと思うのです。現状のままでは、政策の最終責任者である安倍首相や加藤厚労相はおろか、専門家委員会のメンバーにとっても今現在の日本において感染がどこまで広がり感染者の比率がどのように推移しているのかという現状把握に不可欠な基礎データを全く知る術はなく、そういう目隠し・耳栓をして現状を知らない状況で正しい政策を打ち出せるとは思えないのですよ。
というわけで医療関係者としてのりょうちん様のお考えをお聞かせ頂ければと思う次第です。。
ところで、
>「高齢化社会へのソリューションだな!」とか黒い人がいるのか。
これは私も「そういう意図があるのかも」と思っていました。もちろん9割は冗談ですが。
人口過多に対する最良の策は疾病の大流行というのは昔から言われていますからね。人口を削減するためのもう一つの策である戦争は勤労世代が大幅に死ぬので望ましくないのに対して、疾病の流行では高齢者と幼児が犠牲者の中心になりますから経済的痛手は最小限にできますから。
もっとも現代の先進国はどこも出生率低下&高齢化に悩んでいるので幼児が死亡するのは困るでしょうが、今回の武漢コロナは年少者は重篤化し難いという特性があるようなので、厚労省や財務省主計局の年金関連の担当官らは高齢化コスト削減には願ったり叶ったりのウィルスだと気付いたかも知れません。
りょうちん様、
集団免疫の成立条件としての免疫獲得者比率が95%以上というのは、感染力の強い麻疹のだからなのですね。
ナショナルジオグラフィックのオンライン版に掲載されている次の記事によれば、今回の武漢コロナウィルスの感染力は麻疹ウィルスよりは弱く、従って感染者から伝染して生ずる新たな感染者の期待値が1を切るという意味での集団免疫の成立条件は麻疹の場合の成立条件よりも緩くなり60%程度の免疫獲得者率で集団免疫が成立すると見積もられているようです。
人類が新型コロナを克服する日、「集団免疫」獲得の可能性は
英国は早々と撤退、だが流行が終息する状況の1つ
2020.03.25
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/032400186/?P=2
公共投資はもう終わってるし 「インバウンド効果」はもうこりごりです。延期に伴う調整は役人がやればいい話。私たちには関係ない。できれば延期ではなく中止にしてほしい。暑苦しい夏はたくさんだ。
結果的には、日本だけの事情ではなく世界も含めた事情となったことでの延期なのでしょうね。
もしも早々に感染爆発していたら「日本の事情」とされて五輪は開催中止となっていたのでは?
まさに"難を転じて福と為す"諦めない気持ちの現われが最善の結果となったのだと思います。