「北朝鮮が金融商品を研究」、その本当の狙いとは?

本稿は、ちょっとしたショートメモです。

昨日、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、こんな記事を発見しました。

北朝鮮が為替・派生商品の研究を始めた…改革・開放の準備?(2020.02.19 10:39付 中央日報日本語版より)

中央日報によると、韓国銀行が19日に公表した『北の「経済研究」で分析した経済政策の変化:テキストマイニング接近法』という論考のなかで、金正恩(きん・しょうおん)体制以降、北朝鮮が為替や金融派生商品などに関する研究を行っているらしい、という点が指摘されたそうです。

なかなか興味深い分析です。

なんでも、韓国銀行は北朝鮮の『経済研究』という文献に掲載された1980年代から2018年までの論文を、「テキストマイニング技法」(題目とキーワードをコンピュータ・アルゴリズムで分析する技法)に基づき、「統治者別、時期別、経済環境の変化による経済戦略と政策の変化」を追跡したそうです。

その結果、金正恩時代(2012-18年)には資本主義体制を批判する論文が大幅に減り、生産・知識・技術・貨幣・貿易などの頻度が高まったそうで、「海外の銀行制度」「貨幣の流通と為替」「貿易理論」「国際化時代の競争力」などについてのテーマもあったとのことです。

では、北朝鮮がこのような研究をしている目的は、何でしょうか。

これについて中央日報は、

過去の閉鎖主義時代には海外書籍などに依存した論文は事大主義だと批判されたが、金正恩時代には派生商品リスク回避や為替レート予測のように具体的な知識や技法が要求されるテーマを扱っている

とする韓国開発研究院(KDI)国際政策大学院のソン・ウク教授の談話を紹介したうえで、金正恩政権が「改革と開放を準備しているとみられる」などと述べているのですが、果たしてそれは正しいのでしょうか。

正直、北朝鮮が経済、金融(とくに為替や金融派生商品、暗号通貨など)を分析しているらしいという話題については、何も不自然な点はありませんが、その「目的」が、中国のような「改革と開放」を準備しているなのかと問われれば、話は別でしょう。

個人的には北朝鮮といえば、おもにサイバー空間におけるハッキング技法をかなり研究しているのではないかと思っています。

とくに、2018年2月に発生した、推計約5億ドルにも達する仮想通貨「NEM」の窃盗事件については、北朝鮮が関わっていたという話題については、『仮想通貨5億ドル窃盗事件 人類の敵・北朝鮮の存続を許すな』などでも紹介したとおりです。

仮想通貨5億ドル窃盗事件 人類の敵・北朝鮮の存続を許すな

 

また、昨年の『最大の焦点は「北朝鮮がどれだけ困っているか」』などでも申し上げましたが、北朝鮮といえば、次のような行為を行っている国です。

  • 日本人拉致
  • 覚醒剤・麻薬などの製造
  • 強制収容所における北朝鮮人民の人権弾圧
  • 国際保険市場における保険金詐欺
  • 贋札の製造、使用
  • 北朝鮮出身派遣労働者の低賃金・長時間労働
  • 核兵器、生物・化学兵器、ミサイルの製造
  • 外国で毒ガスを使って要人を殺害

北朝鮮は、世界経済に対して一切の付加価値をもたらさないだけでなく、むしろ、強いマイナス影響を与えている国です(その北朝鮮を事実上、幇助する韓国も、共犯といえるかもしれませんが…)。

したがって、その北朝鮮が「金融商品について研究している」という話題を目にすると、どうしても「何らかのよこしまな狙いがあるのではないか」と疑うのが自然な発想ではないでしょうか。

読者コメント一覧

  1. カズ より:

    研究してるのは「金融商品の不備」ではないのでしょうか?

    1. 新宿会計士 より:

      カズ 様

      ご指摘のとおりでしょうね。金融商品の不備、金融規制の不備、そしてシステムの脆弱性。
      わが国はもっと、サイバー犯罪に備える必要がありそうです。

      1. カズ より:

        新宿会計士 様

        直々のお返事をいただき、ありがとうございました。

        北に限らず南もなのですが・・、

        なぜに彼らは、不正な搾取や誇大発言の取り繕いに費されるエネルギーをもっと違うベクトルの下で活用できないのでしょうね?
        他力本願による成就ではなく、自らの地道で建設的な言動こそが確かな近道なのだと思うんですけどね。

        やはり、日本も含めて世界が彼らに与え続けた成功体験が間違いのもとかと・・。

        彼らの独り立ちを応援し、彼らとの関係改善を真に望むのであれば、日本の責務としてゴネ得の連鎖は断ち切らなけばならないと考えます。

        *改善を望まなくても断ち切らなけばならないんですけどね・・。

        *****

        私事ですが、大した稼ぎでもないのですが今回の確定申告分から消費税納付が課されます。

        どうしたものかと思っていたのですが、今回に限り期首商品有高に対しての支払い済み消費税相当額を丸々控除できるとのこと。

        なんとか「確定深刻」から脱することができそうです。

        *きっと次回からが正念場なんでしょうけど・・。

  2. 豆鉄砲 より:

    北朝鮮のサイバー部隊はソフト開発などで荒稼ぎしているそうです。この日本で。公安等はこの手の制裁逃れなどを摘発してもらいたいですねぇ。

    1. 伊江太 より:

      豆鉄砲様

      サイバー犯罪を仕掛けられた側は当然システムの穴を塞ぐ.

      キタ「その程度の防御,すり抜ける手を考えたニダ」

      監視国「それにも対応済み」

      キタ「わが民族と首領様は無敵ニダ.また新しい手を思いついたニダ」

      監視国「それにも対応済み」

      (以下無限ループ)

      これって,うまくやってるみたいに見えて,キタにとっては壮大な時間とリソース(頭脳)の無駄遣い.いくらミサイルのバージョンアップを図っても,いっかな強盛大国が実現しないのと同じ.

  3. 福岡在住者 より:

    これはもう犯罪の匂いしかない。
    朝銀の栄光をもう一度!とか、、、。 金融派生商品? なんちゃってトリプルAのCDSとかですかね。それ既にデフォルトしてるだろっ(笑) 

  4. 農民 より:

    この一点においては、南(の保守勢)の言う「北は我が半島の北部を不法占拠している集団にすぎない」という主張も理解できますかねぇ。
    正統性はヘタすると北に理があったりしますが。

    健全に発生・成長した現代国家というよりは、豪族がうちたてた王朝という風情。粉飾現代国家の南とどっちが良いかは悩みますが。※フンショクの変換にミスは御座いません。

  5. 老害 より:

    〉したがって、その北朝鮮が「金融商品について研究している」という話題を目にすると、どうしても「何らかのよこしまな狙いがあるのではないか」と疑うのが自然な発想ではないでしょうか。

    タイトルを見ただけで、「犯罪の臭いしかしない」と思ってしまいました。

  6. 愛読者 より:

    ちょっと前の金正恩氏重病説もそうですが,このところ,北朝鮮に関する諸報道について,どこまで信用できるかわからなくなっているところです。金融派生商品の話も,分析できるだけの情報も能力もありません。ただ,資産をその種の商品で運用しようと思ったら,相当勉強してから始めないと危険ですが。でも,大半の口座は押さえられていて,運用すべき資産がないような気がします。

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