例の「コロナウィルス・シリーズ」に関する最新の読者投稿を掲載することが出来そうです。今回の論考は現役の医師である「りょうちん」様というコメント主から頂いた読者投稿で、以前からの投稿と少し視点を変え、行政の観点から見た初動体制や現在の日本の地方衛生研究所の根本的な問題点について触れていただいています(ただし、あらかじめお断り申し上げておきますと、今回の論考からは、私自身の判断で一部の記述を削除しています)。
2020/02/19 08:50追記
本文中、リンクがうまく張られていない箇所がありましたので修正しています。「ななしの」様、ご指摘大変ありがとうございました。
目次
読者投稿
『お知らせ:読者投稿を常設化します』などでお知らせしたとおり、当ウェブサイトでは昨年以来、「読者の皆さまからの記事投稿窓口」を常設化しており、読者投稿を歓迎しております。なお、その投稿要領、過去の読者投稿については、それぞれ次のページにまとめております。
こうしたなか、コロナウィルスに関連し、現役の医師の方や理系研究者、工学研究者の方から、相次いでコロナウィルス関連でのご投稿を頂いています。
ちなみに①と②が「りょうちん」様という現役のお医者様、③と④が「ケロお」様という理系研究者、⑤が「イーシャ」様という工学研究者の論考であり、いずれも客観的事実をもとに積み上げた、非常に良質な論考です。
こうしたなか、本日は有難いことに、①と②をご投稿いただいたりょうちん様から、少し趣向を変えた論考を頂戴しています。いったいどんなことが書かれているのでしょうか。
(ここから先がりょうちん様の投稿です。なお、適宜、中見出しや小見出しを付しているほか、文体については文意を変えない範囲で修正している箇所があります。また、後述するとおり、丸々一節を削除しています。)
初動体制を行政の観点から考察する
医学的な側面から見たエントリはすでにいくつか書かれているので、本稿では少し趣向を変え、初動体制について、行政の観点から考察してみることにします。
検疫や指定感染症の扱いは、行政の分野です。
といっても、本職の保健行政に関わっている人たちは、今は、死ぬほど忙しいと推測されます。そこで、本稿では外野が公開資料などを基に、勝手に考察してみます。
どうやって兆候を知るのか
まず、日本の保健行政に関わる人たちはどうやって、外国のアウトブレイクの兆候を知ることができるでしょうか。
これが西側の先進国相手であれば、普段からのお付き合いで、直接一報を貰うことも、WHOやCDCといった組織からの警報を受けることもできるでしょう。しかし、今回の相手は、中国です。
その中国は、初期段階での米国人医師団の派遣を拒絶しただけでなく、今に至っても、この分野の権威であるCDCの研究者の入国を拒否しています。
アフリカの小国などであれば、慈雨の如きCDCの支援チームを素直に受け入れ、新興感染症の自然史の情報を初期から知ることも、信頼できる統計的情報を収集することもできたでしょう。
しかし、相手は中国w。
2002年のSARSアウトブレイクにおいても、中国政府は当初発生を隠蔽し、WHOの調査団の受け入れを遅らせました。このことは今でも非難されています。
SARSは最終的には封じ込めに成功しましたが、なぜ成功したのか、どうして日本には感染者が出なかったのかは、未だにはっきりとした理由はわからないようです。
世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局SARS対策チームに参加 (平成15年4月)(長崎大学熱帯医学研究所HPより)
これについては、少なくとも、
- SARSのときには当時の行政がうまくやった
- 2009年の豚インフルエンザ-A(H1N1)pdm09では水際防御に失敗し、すっかり季節性インフルエンザの仲間入りを果たした
- おそらく全世界的なものになる今回のSARS-CoV-2の流行でも水際防衛に失敗した
といった話でもなさそうです。
そもそも、中国は、今回のSARS-CoV-2発見に関する経緯を明らかにしていません。原因ウィルスを分離同定し、塩基配列を発表した手際が良すぎるので、じつは相当前から、うすうす新興感染症の発生を覚知していながら、暖めていた疑惑すらあります。
今回ばかりは、中国にアウトブレイクにおける国際査察・調査団の無条件受け入れの義務化などを約束させるなどのペナルティを科すべきだと思います。
加藤厚労相の初動
まあ、その辺はさておき、日本の対応に移りましょう。
保健行政当局がいつごろ今回のSARS-CoV-2を覚知したのかという正確な情報については、「中の人」でないと知り得ませんが、それでも公開資料を漁ると、そのヒントが出て来ます。まずは令和2年1月7日の厚生労働相会見です。
加藤大臣会見概要(令和2年1月7日(火)11:53 ~ 12:05 省内会見室)(抄)
大臣:中国の湖北省武漢市の発表によりますと、同市内において原因不明の肺炎患者が発生しており、1月5日時点で、7人の重症者を含む59人の患者が確認されたということであります。(中略)入国の際に検疫のブースがありますが、そこにおいてこうした感染症があるということの周知を図るには、掲示をしようということで、今文章を詰めておりますが、早々にそうした掲示も掲げていきたいと思っております。(後略)
―――2020/01/07付 厚生労働省HPよりこの時点で59人の感染者などという数字を挙げていることから、あまり切迫感は感じられませんし、「検疫を指示しよう」「文章を詰めております」なんて言ってるところからすると、おそらく厚労省の担当者自身は既に動いて上程していたのではないかと推測します。
トップがトロいw。私が「1週間動きが遅い」と思ったのはこの発言からです。
そして1週間後の令和2年1月14日の厚生労働相会見です。
加藤大臣会見概要(令和2年1月14日(火)10:22 ~ 10:35 省内会見室)(抄)
現在まで、1月13日現在でありますが、我が国において、この肺炎に関連する患者の報告はございません。この肺炎については、現時点ではヒトからヒトへの感染が確認されていないこと等から、我が国でも、現在行っている検疫体制等に遺漏がないようにするとともに、1月11日から12日にかけて中国から公開された当該ウイルスの遺伝子配列情報に基づき、国立感染症研究所において、検査方法の確立に向けた作業をいま進めているところであります。
―――2020/01/14付 厚生労働省HPより
この時点では、SARS-CoV-2に対する検査方法が存在しなかったことがわかります。
その後の検査体制の整備
その後の検査体制の整備に関してはこちらの文書が詳しいです。
新型コロナウイルス感染症の現状の評価と国内のサーベイランス、医療体制整備について(※PDFファイル)
- 検査体制:当初、中国から開示されたゲノム情報に基づき、感染研においてコンベンショナル PCR検査を実施する準備を整え、検査に対応した。
- また、地方衛生研究所において、コンベンショナル PCR 検査が可能となるよう、1 月 23 日に国立感染症研究所から試薬が配布された。
- 1 月 24 日に、国立感染症研究所にて開発を進めていたリアルタイム PCR 法による検査系が完成し、所内で実施する検査はリアルタイム PCR
- 法に変更された。
- また、それに合わせて 1 月 30?31 日に地方衛生研究所、検疫所へリアルタイム PCR 用の試薬が配布された。
- 行政検査を実施する場合の検体採取と輸送の手引きは 1 月 21 日に国立感染症研究所のウエブサイト上で公開された。
当初、国立感染症研究所でしかできなかったSARS-CoV-2に対する検査が、試薬の配布により、1月23日以降は地方衛生研究所で行うことができるようになり、さらにその1週間後にはリアルタイムPCR法に変わったことで、それまで5時間もかかった検査がたったの3時間wで済むようになりました。
行政的手続の面では、1月28日には、このSARS-CoV-2による肺炎について、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する政令が閣議決定され、2月1日に施行されました。
これにより、疑い症例患者に対して、医療費の公費負担、地方自治体の長等が検査を受けることを命令できるようになりました(調べてから「武漢からの帰国便で検査を拒否した人がいた」という報道について疑問に思ったのですが、法理上、拒否できるたぐいの話ではなかったのではないでしょうか?)。
PCR法での検査
こうした感染疑い患者から採取した検体は、「ウィルス行政検査」という制度で、国立感染症研究所ないし、地方衛生研究所で「PCR法」での検査にかけられました。
さて、PCR法自体は、いまやコモディティ化した検査手技であり、ン十年前に医学部を卒業した私ですら、学生実験で行ったことがあるような代物です。実際、『Yahoo!ショッピング』のサイトを見ても、PCRを行う検査機器一式は1000万円もしないようです(ランニングコスト別)。
いくら予算不足に悩む地方衛生研究所(後述)でもおそらく数台ずつは持っていることでしょう。国立感染症研究所なら三桁とかあるのでは?(勝手な想像ですが)。
当初、検査できるのは1500検体/日だとかいう噂を聞きました。おそらく一度に96検体を処理できる機械で5時間かかるとしても、4列あればこなせてしまう数です。
このブログのコメント欄に、(※)「なんでできないんだ!」と吐き捨てるようなコメントがありましたが、「そりゃ試薬(プライマー)が足りなかったんじゃねーの」、と、素人でも推測ができます。
(※新宿会計士注:当ウェブサイト側の判断にて表現を一部修正しています。)
ウイルス検査の対象の拡大
そして、2020年2月18日のニュースでは、厚労省はウイルス検査の対象を拡大し、渡航歴などがなくても感染が疑われる場合には検査を行うよう、全国の自治体に通知したと報じられています。
新型ウイルス 検査体制拡充 最大一日3800人検査可能に(2020年2月18日 4時44分付 NHK NEWS WEBより)
この記事によれば、5つの企業で900人、2つの大学で150人のウィルス検査が新たに可能となるため、18日からは検査件数が1日最大3800人に増えるそうです。やったねたえちゃん!検査件数が倍以上に増えるよ!
おそらく、試薬の増産体制をこつこつと増やしたのだと思い、その作業に従事されている方々の苦労に思いを馳せます。しかるに3800人で、これから医療機関に押し寄せる
「私、新型肺炎じゃないかしら?!調べて!!!!」
というゾンビ映画の如き襲撃に耐えられるわけないじゃないですか!ヤダー!!!
省略節
(※新宿会計士注:今回のりょうちん様の論考でいちばんおもしろい箇所がこれに続くのですが、今回は私自身の判断により、この部分の掲載を見送ります。)
国立感染症研究所
とまあ、こんな感じで日本や各国の行政やが動いているようですが、ここで話を変えます。
米国のCDCと言えば疫学の最高権威と言って良いですが、その日本のカウンターパートは、国立感染症研究所になります。その傘下に各都道府県に支店のように地方衛生研究所という組織があり、指定伝染病のサーベイランスや発生した時の「ウィルス行政検査」を行う施設です。
こうしたネットワークにより、日本の保健衛生は守られているのです(イイハナシダナー)と思っていた時期が私にもありました。この辺の資料を読んであげてください。
終わっていますね。そもそも、地方衛生研究所には国の法的根拠が存在しないというのにはビックリしました。予算措置は地方自治体や民間の手弁当ですよ。
「研究所も含めて行政改革の影響を受けるため、平成30年度においては、対19年度総員の3割削減することになる。」
唖然とします。こんな冷遇をしておきながら、「まともに検査できないのか!」とか罵声を浴びせる人がいるのですよ。
余談
以下、余談です。
雑談スレで、「BSL4施設が稼働できなかった」状況が今回のような事態に影響が云々とか書いていた人がいましたが、ほぼ関係ありません。BSLとリスクグループ、NIMBY問題とかの関係を合理的に理解できていない類感呪術(似たような事象には何らかの関係がある)的思考です。
あえてムリクリ関連付けるなら合理的にはNMBY的には帰国者を受け入れたホテルに関連付けるべきでしょう。
病院船に至っては、現代では少人数なら大型艦の医療施設で間に合い、臨時には輸送艦に野外手術システムを搭載したりすることもできるのでふだん使い道がない専用船が作られることはないでしょう。
医官も全然足りません。
また、東日本大震災での「戦訓」ですが、少なくとも日本の激甚災害では、現地でどうにかしようとするより、インフラの損壊のない地域に速やかに搬送する方が良い結果になります。
まあ日本が外国に渡洋侵攻するようになったら、必要になるかもかもしれませんね。
あと、読者コメントの中には、
「多くの先進国では軍が関与する国防安全保障として対応したが、日本や韓国はそうでなかった。」
こういうのが、ありましたが、私の調べた限り、そんな事実はありませんでした。アメリカのバイオ関係のクライシスには、疾病だろうがテロだろうが、まずはCDCが動き、関連した組織を顎で使います。カッコいいですね。
炭疽菌テロではCDC+FBIで動いていました。バイオテロの場合、陸軍の生物兵器研究所であるフォート・デトリックが動きますが、いわゆるDEFCONに相当する、アメリカが生物学的脅威に曝されている状況を示す『HPCON』はゼロです。
こちらに解説されていますが、『HPCON 0』は「風邪を引かないように気をつけて!」というレベルです。福島のトモダチ作戦では活躍してくれた海兵隊のCBIRFもピクリとも動いている様子はありません。米国は少なくとも通常営業ですね。<了>
読後感
さて、いかがでしょうか。
じつは、本文中にも示したのですが、今回、りょうちん様の論考のなかで、いちばん過激な(あるいはいちばん興味深い)部分については、ギリギリの判断で丸ごと削除することにしました。
私自身、ここ数日間の当ウェブサイトの読者投稿をじっくり読んだ結果、「当ウェブサイトの読者層であれば、ギリギリ掲載しても大丈夫かな?」とも思ったのですが、ここ数日、ツイッターを通じて当ウェブサイトの知名度が上昇してしまっている、という事情を考慮しています。
せっかく執筆して下さったりょうちん様には大変申し訳ないのですが、現在はこれを公表できるタイミングではありません(あるいは読者コメント欄に投稿していただく分には問題ありません)。もっとも、機が熟せば、今回削除した記述について復活させられるかもしれませんが…。
また、削除した記載に含まれていたリンクについては、下記に再掲しておきます。
【毎日更新】新型コロナウイルス国別発生状況まとめ|世界感染者数の推移グラフも(『コミカルピース』より)
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ただ、今回削除した箇所以外についても、大変に参考になる論考です。とくに「公表されている資料のみ」を用いて、ここまでの論考を執筆する力量は、大変なものだと思います。りょうちん様、本当にありがとうございました。
引き続き、このような冷静な見地に基づく論考をお願い申し上げたいと思います(※もちろん、「お時間が許す限りは」、ですが…)。
View Comments (155)
りょうちんさま
読者投稿、ありがとうございました。
個人的には、地方の衛生研究所の件が、不安材料と思います。日頃予算を削っておいて、いざという時に、何で出来ないと言う人達が、多いですね。
保健所レベルでは、やはり対応が難しいんですかね。
久々に投稿するので場違いなコメントなら済みません。
スティーブン・ソダーバーグ監督のパンデミック映画「コンテイジョン」面白いですよ!
グィネス・パルトロウ、マット・デイモン、ケイト・ウィンスレット、マリオン・コティヤール、マトリックスのモーフィアス(名前忘れたw)と、地味にオールスターキャストです。
日本も出てきますよー!わりと早めに感染するのでw
あ、発生源はやっぱり中国ですw。
Amazonで安く観られますから是非!
りょうちん様
纏め上げた情報ありがとうございます。
普段から機能と能力及び予算に対してマージンを確保しておかないと、不味いということが今回の感染症の対応状況でも発生している事を確認致しました。
余力を無駄と誤解して削るという悪しき風習が蔓延しているのはとても悪い…
りょうちん様
投稿ありがとうございます
さすがにお医者様だと思いました
(引用)
「研究所も含めて行政改革の影響を受けるため、平成30年度においては、対19年度総員の3割削減することになる。」
(引用終わり)
すみません、この部分の元リンクはどれでしょうか?
「・地方衛生研究所に法的な位置付を」
のリンクが失敗しているようですが、文字検索で出てくるページにも出てこないようです。
PDFなので探しにくいですよね。しかし文章自体を検索しても引けます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000g3yx-att/2r9852000000g5sy.pdf
の中の一文です。最後のスライド。
ありがとうございます!
リンク切れてる方を必死に探しておりました(笑)
これで色々な人を説得する材料に使える元ネタ資料の一つになります。
ありがとうございました!!
りょうちん様の論考 大変勉強になります。
国内の検査体制では今のペースでの対応が限界だということもわかりました。
なればこそ、移動の制限をもっと早くにかけるべきだったのではと思います。武漢からの邦人引き上げは対応早かったと思いますが…
過去の渡航先を浙江と湖北に限定している合理的な理由も不明です。広東の方が浙江よりも感染者が多く、人口密度も人口も高いため、潜在的な感染者がより多数いると思われるにもかかわらずです。
春節で国内に滞在する中国人を追い返してからでないと難しいということなのか等、色々考えてみましたが、批判されるとしたら国内の状況よりもこっちなのではないでしょうか。
りょうちん先生、有難うございました。
「いちばん過激な(あるいはいちばん興味深い)部分」
は気長に待つことにします。
良識を持って、本文に掲載を止めた部分は私の責任で、書きますw
つまるところ、行政的にあるのは、いや、やらなくてはいけなかったのは、検査対象を最小化かつ高収率にするという悪魔的選択・・・ざわ・・ざわ・・。
それが、中国全土からの旅行者を調べるのではなくて、湖南省・湖北省だけを調べたり、局地的な渡航制限にした理由と考えられます。
はいここから妄想モードです。
なんと新型肺炎の患者を乗せ、70代、80代のお年寄りを大量に乗せた豪華客船が日本にやってきました!
素晴らしい、隔絶した環境で、重症化しやすいコホートで一所に集めてインキュベートできる(僕と契約してCOVID-2019になってよ!)・・・。
なんで感染症に詳しいとも思えない自衛隊の医官が派遣されたんです?ふつう感染症の専門家を派遣するのでは?
思惑通り、その船からは感染症患者がそれなりに得られ、中国の竹のカーテンの向こうでろくに得られなかった生データが日本でも得られるようになりました。
妄想モード終わり
現状、日本はおろか世界の町中には、中国人やら、汚染国に海外旅行をした人たちやら、既にキャリアになっている人たちがわんさかいると推測されています。
中国のCOVID-2019に対する統計は、医療関係者の端くれとして、私は、一切の信頼を持っていません。
バカッターやブログ界隈では、中国の数字を元に「危険だ」「それほど危険視する必要はない」とか発言している人が喧々諤々ですが、「徒労乙!」と思っています。
現状では、「まったくわかっていない」が正解でしょう。そしてまともな統計を取れるのは確定感染患者数を多数確保している日本を置いてほかにはありません。
こちらさんで最近の感染や数をまとめてくれています。
https://comical-piece.com/korona-virus-number/
この数字を見て、まず中国。捨てましょう。
まったく当てになりません。感染者数の定義がそもそもおかしいと思いますし、死亡者数も怪しいです。
いや具合の悪い人がそれだけいたとか、死んだ人がそれだけいるというのは信用しても良いですが、原因をCOVID-2019と厳密に定めるのには相当無理があり、信用のおける統計になりません。
医療資源の豊富な日本ですら確定診断の手続きにこれだけの制限があるのです。
日本は中国に続いて感染者数が多いですが、日本の感染者数は、上記の通り、実に厳密な検査によるものであり、確実に信用できます。
もちろん、検査を受けていないキャリアがこれ以上にたくさんいるのは確実なのですがその場合、「元気な」キャリアが増えた場合死亡率がどんどん減っていきます。
次に信用して良いのは中国に経済的にどっぷりつかっている韓国。武漢滞在の人数は日本より多く、脱出も遅かったので”期待”できます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200130-00161054/
検査態勢もなぜかはわかりませんが、日本より進んでいるんだそうです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200214-00163077/
米国でも、あれだけ中国人がいて、検査を行った母集団が現時点で数百人オーダーしかありません。
アメリカの医療資源でそれしか検査ができないはずはないのですが、「そもそもまったく治療法もない患者を確定診断したところで、意味がないのだから隔離した方が早い」という実に合理的な判断なんではないかと推測されます。
そしたら、今度は「あれ・・・、もしかして今年、やたらと多いインフルエンザ死亡例って、実はCOVID-2019だったり、インフルエンザとの合併だったりしたんじゃね・・・ヤバッ!」と検査し始めることになったそうです。結果が興味深いです。
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実は原稿を書いてから、辺真一氏の優れた記事を見つけたので、韓国周りは、かなり元原稿はヨレヨレな論旨でした。
ダイアモンドプリンスの下りは陰謀論ですので、格式を重んじるこのサイトに相応しくないと削られたことには、まったく文句を言うつもりもありません。
ありがとうございました。読めてほっとしています。
冒頭8行が「良識を持って、本文に掲載を止めた部分」ということでしょうか。
改めて、面白い論考をいつも有難うございます。
りょうちん様
意外にもダークホースはアメリカだったりする訳ですね。
(実はインフルエンザの判定すらまともにやっていないし)
りょうちん様
なんか、りょうちんさんらしからぬ、まだ、奥歯にものが挟まったような物言いです。特に、冒頭の“つまるところ、・・・”以下が、何度読んでも素人には十分には読み取れないですね(妄想モード以下は明快ですが)。(笑)
>ふつう感染症の専門家を派遣するのでは?
教えて戴いたのですが、ちゃんと感染症の専門家も派遣されてはいたんだそうです。
https://note.com/chocolat_psyder/n/n37115c09d500
しかし、「この環境はヒドイ。感染が拡大しても知らんぞー!!」
と言ったら降ろされたそうです。あとはわかるね?アッハイ。
ああ、そういえばつまるところの解説ですね。
検査できる数が決まっている以上、陽性になる確率が高い集団・個人に対して検査を行わないと「無駄」なわけですよ。
だから、かかっている確率が低いような集団は除外するような行政上の選択をしたということです。
二省の帰国者の方が、他の中国の省からの帰国者より感染している確率が高いので優先。
ダイアモンドプリンセスは、予想外。
まさか1日1500検体しか検査できないところに4000人の船がやってくるなんて・・・。
それで症状の有る人間優先で検査していたのですが、叩かれていましたねえ。
りょうちん様
ふ~ん、あの船での出来事は悪魔的(別な言い方では戦略的)に企図されたものだと・・・・もしそうだとすれば、日本の保健行政官の中にも度胸の座った大した戦略家がいることになりますが本当ですかね?
まあでも、りょうちんさんの言わんとする処は分かりました。有難うございます。
「悪魔的」に関しては、「ざわ・・・」で検索してみてください。
言葉が悪いと思ったので、もっと品良く表現すべきでした。
子作りする時に、発射できる回数って男には限界あるよね!
だったら、むやみに毎日ヤるより、オギノ式で排卵日を狙って集中的に挑むのが効率的!
こうですか?
りょうちん先生
今回もおもしろい投稿をありがとうございました。私は検査体制やPCRについては詳しくありませんので勉強になります。
掲載を見送ったところについては……新宿会計士様GJ !とだけ述べておきます。
りょうちんさま
さすが、りょうちんさんですね。
妄想モードは、「りょうちん節炸裂」といった印象です。
内容も、私の理解と一致するところが多く、安心しました。
りょうちん様、
>行政的にあるのは、・・・、検査対象を最小化かつ高収率にするという悪魔的選択・・。
>それが、中国全土からの旅行者を調べるのではなくて、湖南省・湖北省だけを調べたり、
これは理解できます。新しいウィルスに対する検査用の抗体や試薬さらにはキットは即座に量産出来なくて当然ですから、初期は検査対象を最も危険性の高い集団だけに絞り込むことで、乏しい検査用リソースで可能な限り多数の感染者を洗い出したい、これはプラグマティックには当たり前のことで非常に良く理解できます。
ですが、
>局地的な渡航制限にした理由と考えられます。
ここが理解できないのです。(勿論、りょうちん様でなく我が国の行政による判断として)
検査リソースの厳しい制限からチャイナ全土からの渡航者はとても検査できかねるからチャイナでも最も大量に発生している湖北省などだけに限定する。これは当然です。
ですが、ならば日本国内よりもほぼ確実に感染者の比率の高いチャイナ全土(上記の検査対象の省以外)からの旅客は検査のしようがない=我が国にとっては無防備な形であるのに、春節で大挙して入国して来たのをを認めたし現在も認め続けているのでしょうか。
私が理解できないのは、この我が国の行政の行動です。
感染していない人を一滴の無色の水として表し、感染者は一滴の黒インクで表しましょう。すると、社会(国でも一つの地方でも)全体としては水と黒インクが混じったある黒さの水ということになります。その黒さ(黒インクの濃度)は感染率に対応します。そして、ある国Aから別の国Bに旅行などで入国するということは、入国者数に相当する量のAの濃さの水をBの水に加えて混ぜるということです。当然、Aの濃さがBの濃さを上回っているならば、混ぜた後のBの濃さは混ぜる前よりも濃くなってしまいます。
Aをチャイナ、Bを日本とすれば、チャイナから無検査で無制限に我が国への入国を認めているということは、日本の黒さをどんどん濃くしていることに他なりません。
そして比較的死亡率の低い伝染病ですから治療法が確立したりその伝染病が広まれない気候になるまでは、社会の黒さは時々刻々と濃くなる(時間によって濃くなる率は公衆衛生のインフラや人口密度など個々の社会によって異なる値)わけですが、何れにしても一つの社会を固定して考えれば、ある時点での黒の濃さが濃い場合のほうが薄い場合よりもそれ以降の全ての時点で黒さはより濃くなります。
つまり日本よりも黒の濃いチャイナから無検査=ノーガードで入国をさせていれば、日本社会の黒さはどんどん濃くなり、将来的にも大流行への危険性が高まるだけだ、と言う結論になります。
確率的に言って日本社会に住む人よりもチャイナからの旅客は確実に感染している確率が高く危険なのですから、リソースの限界で彼ら全員を検査ができない=ノーガードである以上、日本社会全体の感染者の増加を最小限に止めるには、彼らを排除する以外にありません。
しかし、それ以上に今日は猛獣を野に解き放つも同然の暴挙、つまり世界でも最も感染率の高いであるエリアであるダイヤモンド・プリンセス号から大量の乗客の上陸を許しました(今後も許すのでしょう)。
安倍内閣率いる日本政府が日本国民を守る気がないことの極めて象徴的なイベントです。
樽に入った汚水にワインを一滴垂らすと一樽の汚水ができるが、樽に入ったワインに一滴の汚水を入れると、一樽の汚水ができる理論ですね。
しかし、酒場の店主は、きっとそのワインの入っていた樽を廃棄しないで平気で客に出してしまう。
一樽のワインを捨ててしまえば、店の経営に大きなダメージを与えてしまうからです。
中国という国をアイソレーションするすることにもはや(覚知した時点で既に)疫学的に意味はないというのは、多くの人が指摘しているのですが、あなたはどうしても受け入れられないと。
私の考えは、医学的にはまったく意味がないが、経済的な問題、政治的なバランス感覚、世論の反応などの平衡したところが、「二省(今は三省)の渡航・入国制限」だと認識しています。
中国に全力で喧嘩を売ることのメリット・デメリットを比較考量した上での日本の判断で、米国の場合、全力で喧嘩を売るのが今のトランプ政権の選択なのです。
ちなみに個人的には、SARS-CoV-2の性質から、武漢で大騒ぎする前から、不顕性感染やせいぜい風邪程度の症状しか起こさなかった中国人が、11月とかの段階で、全世界に旅行していて、現在、感染者が見つかっていない国は、ほとんどが単に見つけていないだけだと考えています。
米国の中国人拒否は、単なる政治的デモンストレーションです。
ミクロネシア連邦の、すべての汚染国からの拒否は、マジモンの安全保障です。
ダイアモンドプリンスに関しての考えは、「私の陰謀論」でまとめてありますが、意図的なのかマヌケなだけなのか、前者だったら、日本政府も、いやあ大したもんですよ。
あと安倍政権がキライなのは結構ですが、現場でパンデミックによるパニック(パンデミック自体はもう防ぐの無理。2019の豚インフル並みにcommon disease化します)を防ごうと努力している人たちのやる気をそぐような発言は、避けて欲しいなあと希望します。
この資料は面白かったです。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/dl/infu100528-02.pdf
これを読んでも、まだご意見が変わらないというのであれば、私は諦めます。
あと
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/090217keikaku-02.pdf
2009年の資料ですが、ここまで詳しいシミュレーションをしていながら、発生国からの入国拒否はまったく想定していません。
もし、「発生国からの入国拒否」に疫学的な意義があるのならば、専門家の作ったこの計画にも最初から組み込まれていたことでしょう。
パンデミックの計量的シミュレーションの文献もいくつか見たのですが、いまいち具体性に欠けたので割愛。
横から失礼します。
りょうちん先生、2009年のインフルエンザの資料をありがとうございます。よくまとまっていて勉強しやすいです。
> 二省(今は三省)の渡航・入国制限」だと認識
>中国に全力で喧嘩を売ることのメリット・デメリットを比較考量した上での日本の判断
なるほど、これも政治判断と解釈できるのですね。中国に全力でケンカを売るのは自殺行為、と私は思いますので(無能共産党、無能習近平に屈するようで嫌ですが)、入国拒否は不要かつ無意味、と考えますので、なぜ中途半端に二省なのか謎でしたが、政治判断なら納得いきます。
> SARS-CoV-2の性質から、武漢で大騒ぎする前から、不顕性感染やせいぜい風邪程度の症状しか起こさなかった中国人が、11月とかの段階で、全世界に旅行していて、現在、感染者が見つかっていない国は、ほとんどが単に見つけていないだけだと考えています。
アメリカのインフルエンザは実はコロナウイルスかもしれない件はこの説が前提ですね。感染経路が気になりますが、これが本当なら米中でなすり合いが始まりそうです。CDCは大失態ですね。
>米国の中国人拒否は、単なる政治的デモンストレーションです。
ミクロネシア連邦の、すべての汚染国からの拒否は、マジモンの安全保障です。
私も同じ意見です。ミクロネシアの医療体制が悲惨なら入国拒否もやむなしですね。
りょうちん様、
>樽に入った汚水にワインを一滴垂らすと一樽の汚水ができるが、樽に入ったワインに一滴の汚水を入れると、一樽の汚水ができる理論ですね。
いいえ全く違います。そういう0(清浄なワイン)か1(汚水)かの議論をしているのではありません。
0.1の濃度の汚染水に0.3の濃度の汚染水を少しでも加えれば確実に汚染濃度が上がるという確率的な議論をしているのです。
日本が既にチャイナ並みの感染者の比率に達している(汚染水の比喩では汚染濃度が同じ)というのであればチャイニーズをシャットアウトするのは全くの無意味ですが、少なくとも現在の報道が全く間違っているのでない限り、湖北省など封鎖地域だけでなくチャイナ全体としても日本よりも感染者比率が高いのであれば、チャイニーズの入国を許し続けることは国内の感染者比率を高め、感染者の増加率を上昇させるのに確実にプラスに働きます。
それからダイヤモンド・プリンセス号に関しての私の議論は貴殿の陰謀論とは全く無関係です。
貴殿の陰謀論はダイヤモンド・プリンセス号は閉鎖空間での伝染の広がりの実証実験の場だという説ですが、私が論じているのは、実証実験か否かとは無関係に、現実に昨日まで大量に新規の患者が発生し続けていたダイヤモンド・プリンセス号の乗客という極めて感染している確率の高い集団を検査の上とは言えども社会に解放する行為が、疫学的にどんな正当化が可能なのか、と言う問題ですよ。
今回のウィルス(だけでなく恐らく全てのウィルスに共通でしょうが)に感染しても検査によって陽性になるまでには時間的なギャップがあります。つまり、検査しても感染者でないとは言えないということです。
昨日まで、毎日、数十人単位で新たな患者が発生し、船内でが伝染が広がり続けていることは確実だと考えられる集団を下船後に隔離することもなく日本社会に野放しにする、これのどこに疫学的な合理性があるのですか?
今回の安倍内閣の行動を支持しておられるらしい、りょうちん様のご説明を是非とも伺いたいのですよ。
>なぜ中途半端に二省なのか謎でしたが、政治判断なら納得いきます。
ペルシャ湾に自衛隊派遣を米国に要求されて、有志連合には参加しないでオマーン湾に派遣したようなものです。
あれも「いやー日本だなあ・・・」と思いました。
迷王星様
迷王星様
日本政府は、国益(国民の安全を含む)の観点から「悪魔の選択」をしたのでしょう。
確かに、このSARS-CoV-2リスクだけを考えれば、中国全土からの人的流入を即時遮断する方が良いことは自明です。ただ一方で、日本の国益はこのリスクを最少化することだけではありません。当然、中国との政治、経済関係も国益です。これを損なえば同じく多くの国民が、後々苦しみます。ですからこの課題は、相矛盾する要求をどう両立させるか、或いは両立が無理であればどちらを切捨てるかの問題です。
そして政府は、SARS-CoV-2リスクを甘受し、中国との関係を途切れさせないようにする方を採った、ということです。私にはこの判断の当否は分かりません(皆さんの意見・見解を聞いた範囲では概ね妥当かなとは思ってますが)。ただ、優柔不断せず、また逃げないで決断したことだけは褒めてやって良いと思っています。
本来なら、このような国家的選択をするのは議会の役割です。しかし残念ながら、今の国会はそのような議論がなされる状況ではなさそうです(これはこれで大きな問題)。もっとも緊急事態ですから、議論している時間的余裕もなかったでしょう。いずれ、その判断を誤った結果、国益を大きく損なえば、当然その判断者である首相・内閣が責めを負うことになります。
迷王星様
上のレスで、「迷王星様」がダブって表記されてますが、誤記です。他意はありませんので無視してください。
>> チャイニーズの入国を許し続けることは国内の感染者比率を高め、感染者の増加率を上昇させるのに確実にプラスに働きます。
分かります。
日本人の日本からの出国を許し続けることは国外の感染者比率を高め、感染者の増加率を上昇させるのに確実にプラスに働きます。日本人は日本から出国するな。
と言いたいわけですね
迷王星様
この前も私がお尋ねかつお答えしたはずなのですが……
> チャイナ全体としても日本よりも感染者比率が高いのであれば、チャイニーズの入国を許し続けることは国内の感染者比率を高め、感染者の増加率を上昇させるのに確実にプラスに働きます。
ですから、入国拒否をする事により感染者の増加率を遅らせられるというエビデンスが存在しないのですよ。以前私が書いたテストケースをよく読みましたか?
そこまで頑に主張されるのなら、入国拒否によって感染増加率が抑えられるのかを示した論文なりデータなりを提示して下さい。迷王星様の主張される増加モデルの通りに現実はいかないのですよ。
> 猛獣を野に解き放つも同然の暴挙、つまり世界でも最も感染率の高いであるエリアであるダイヤモンド・プリンセス号から大量の乗客の上陸を許しました
当初の取り決めである隔離期間の14日を経過し、検査で陰性と出たので、感染している可能性は「低い」と判断されたから上陸したのです。
それのどこが問題なのですか?
迷王星様はダイヤモンドプリンセスの乗客の事を何だと思ってるのですか?やむを得ないとは言え、2週間も自由を奪われた人達の心情を察すればこんな心ない事は口にできませんよ。外国からは「感染してない自国民を閉じ込めて故意に感染させている」なんて理不尽な事を言われながらも、なんとか自発的に隔離へ協力して下さった尊い方々ですよ。その皆様への敬意はないのですか?
感染者は自分と関係のない他人の話と思ってませんか?明日はあなたが感染者となる可能性があるのですよ。
あなたの言い分なら、乗客はいつまで隔離されれば気が済むのですか?明確な基準もなく、感染の恐れが低いと確認された方々を猛獣呼ばわりするあなたの方が暴挙ですよ。集団ヒステリーになってハンセン氏病の人を強制収容所に入れた人やユダヤ人を迫害したドイツ人と何も変わりません。
りちゃ様、
>日本人は日本から出国するな。
>
>と言いたいわけですね
人が書いていないことを勝手に「言いたいわけですね」と主張するのは単なる詭弁ですよ。
他の国々が上のような主張をしたとしても私個人は不思議だと思いませんが、日本国民である私自身は主張する気はありません。相手国が私と同様に考えれば規制すれば良いだけの話で、その相手国とは別の国(つまり日本)の国民である我々が云々する問題ではありません。
まあ実際にミクロネシアなどはその様に考えて、チャイナと同じく日本からの旅行客に直接の入国を早々に禁止し、彼らが清浄と考えているエリア(例えばグアム)での2週間以上の滞在を義務付ける宣言を行い既に規制を開始していますね。
とある福岡市民様、
>ですから、入国拒否をする事により感染者の増加率を遅らせられるというエビデンスが存在しないのですよ。
失礼、私の「増加率」という言い方が間違ってましたね。
「増加率」を既存の感染者に対する感染者の比率人口に対する増加者の比率という感覚で使ってしまっていました。
明らかに私の言葉遣いは間違っていたので、それで誤解させてしまい御迷惑をお掛けしたことはお詫びして上のように訂正します。
ですが、上に書いた意味、つまり新規の感染者数あるいはその対人口比は、元の感染者数が多ければ確実に大きくなります。それ以外の社会的な要素が変わらない限りは。
そして同一の社会(例えば日本国内)において、あるケースA(チャイナやシンガポールなど日本よりも感染者比率が高い国々からの入国を禁止するケース)よりも別のケースB(それらを自由に許すケース)のほうが同一の時点(例えば2月末時点)での感染者数が多いということになると、それ以降の任意の同一時点での感染者者の増加数はより大きくなります。
その結果、ケースBを採用すればケースAを採用する場合よりもパンデミックになる危険性は高くなり、それが発生する時期は早くなります。
迷王星様
それは感染増加率が常に一定の場合です。おっしゃる事はわかりますが、現実はモデル通りになるとは限りません。
ケースAである程度制御できても、一人のスーパースプレッダーが出現して感染者を広げれば、任意の時期、例えば◯ヶ月後としますが、感染者数がケースA、Bで大して大して変わらないケースが考えられるのです。スーパースプレッダーがどの感染症でどの位の割合で出現するかがわかればそれを加味した増加モデルが作れますが、コロナウイルスについてはわかっていません。
現実の感染症の伝播は病原体の量や性質、気温と湿度、気候、宿主となる動物の特徴、増減の周期など、多くの変数があります。黒インクとは違ってウイルスは生命体なのです。それを踏まえた上で入国制限を行ったケースと行わなかったケースで増加率にどれほどの優位差があるか、増加をどれくらい遅らせる効果があるのか。有意差があったという報告、具体的に何日くらい遅らせる見込みがあるという結果はまだありません。
つまり、あなたのいう「ケースBを採用すればケースAを採用する場合よりもパンデミックになる危険性は高くなり、それが発生する時期は早くなります」は感染症の事を知らない人が考えた机上の空論に過ぎないのです。
入国禁止には関係国との関係を悪化させるだけでなく、多大なコストと人手がかかります。また、感染防止を理由にするなら物流や動物の移動も止めないとダメです。日本のようにマスクの8割を中国産に頼る国はマスクの輸入が滞れば医療現場が数週間で崩壊します。
ケースAに基づいてそんな自殺行為を行なっておきながら、ある日突然経路不明の感染者が大量発生し、ケースBと変わらないレベルに増加する事は十分あり得ます。そんな大量の感染者が医療機関に殺到すれば医療従事者は感染防御ができないまま医療行為を行う事になり、武漢より悲惨な事態になります。
逆にケースBに基づき、ウイルスの流入するリスクを負ってでも十分な物資を確保できれば感染症への対応がやりやすくなります。
まとめるとこうです。
「入国禁止措置を取っても感染症の拡大を遅らせられるというエビデンスはない」
「入国禁止措置を取るには多大なコストと人手を要するのに、感染者数が取らなかった場合と大差なければ無駄と徒労に終わる」
「根拠が不明なのに入国禁止措置を取れば中国との関係が悪化し、また医療物資の安定供給に支障をきたす」
「感染者が医療機関に殺到する場合、医療物資の供給が不安定になる事は避けなければならない」
「よって、ウイルスが流入するリスクを負ってでも十分な医療物資の確保に努め、感染者にはその十分量の物資で以って対応する」
迷王星様がこれを誤りであると説明するには、「入国禁止措置によって感染者の増加を遅らせる事ができるというエビデンスを提示して、それが机上の空論でない事を証明して欲しい」という事です。モデルではなく、ちゃんとした統計で。
それから、ダイヤモンドプリンセスの隔離に協力していただいた乗客の皆様への暴言と、潜伏期間と考えられる14日に達した後に下船を認めた判断を狂気と断じた根拠、あなたが必要と考える隔離の日数についてきちんと釈明してもらいましょうか。
あなたの感染症についての知識はどうも大学生レベルにも達してないようですね。その程度の理解で毎日現場で必死に対応する厚生労働省の職員の方々の対応、それにGOサインを出してサポートしている安倍晋三総理大臣以下大臣の先生達を平気で侮辱できるのですから、さぞエビデンスに基づいた、合理的で現実的で専門家にも納得できる対応策があるのでしょうねえ。
スルーは許されませんよ。
ダイアモンドプリンセスの試験内容は、伝播モデルではなくて、もっとプリミティブに、
感染者から重症・死亡例になる割合
重症・死亡例になった場合の病理
の情報を知るためになるでしょう。なにしろ死亡例は未だに1例しかありません。
SARSのようにサイトカインストームになるなら、若者の死亡率が高いはずですし、一般的なウィルス性肺炎と同様に免疫が弱い人をいじめ抜き、細菌感染や他の日和見感染を起こすのか?など。
計量的シミュレーションをチラッと触れたのは、そういう主張をされるあなたが、おもしろい論文でも紹介してくれないかなあと思っただけです。
ちなみに5分毎に倍になる計算のバイバインを照射した栗饅頭の数を最終的に片づけられる量を半分にするには何分前に処理すべきでしょうか。
迷王星 様
> 計量的シミュレーションをチラッと触れたのは、
実際の感染症の特性を無視した計算シュミレーションなど無意味です。
「入国禁止措置を取っても感染症の拡大を遅らせられるというエビデンスはない」と繰り返し言ってます。つまり、入国禁止措置が有効であったという論文は見つかっていません。
それを否定するならあなたがそれを用意するべきでは?
で、釈明はどうしました?それを行わないようならあなたとの議論は時間の無駄なのでこれでやめにします。隔離に協力して下さった方々や実際に対応に当たる職員の方々に敬意もなく、簡単に侮辱して謝罪も釈明もしない無礼な人とは議論するのも無駄です。感染症の理解が明らかに薄いのに何の根拠があって暴言を浴びせるか、それを説明せずに逃げ回る姿に怒りを禁じ得ません。
乗客の方々にしても対応した職員の方々もごく意図せずして巻き込まれたのです。そしてその立場には誰もがなり得る。それが今回はあなたでなかっただけの事。いつでもあなたが感染者になり得る、という事を忘れるべきではありません。
りょうちん先生
申し訳ございません。迷王星様の投稿と勘違いしてました。お詫びいたします。
> 計量的シミュレーションをチラッと触れたのは、そういう主張をされるあなたが、おもしろい論文でも紹介してくれないかなあと思っただけです。
その論文を探して見ましたが、いいものが見つかりませんでした。まあ、WHOもエビデンスはないと言ってますし、これを覆すには日常業務の片手間でやるのには手に余ります。
それより、迷王星様が乗客の方や職員の方への暴言について釈明もせずに逃げ回り、現実に即してないモデルを根拠に暴言を書き込む有様の方がよっぽど暴挙ですね。
> ダイアモンドプリンセスの試験内容は、伝播モデルではなくて、もっとプリミティブに、
感染者から重症・死亡例になる割合
重症・死亡例になった場合の病理
の情報を知るためになるでしょう。
同感です。感染した方には申し訳ありませんが、皆様のデータが今後の治療の鍵となるでしょう。
りょうちん先生
誤爆してしまい重ね重ね申し訳ございません。
あ、バイバインの件ですが、計算するうちに混乱してしまいました。
a個の栗饅頭に照射すると、5n分後には栗饅頭が2^n a個に増えてるはずですが、「片付ける」という行為の意味がつかめず、ここでわからなくなりまし。
確か、バイバインは時間が来たらぱっと増えるのでしたっけ?それなら片付けるタイミングは2倍に増加する直前、1秒前であってもいい事になるのでしょうか?
多分間違いだと思いますのでご教授いただけると幸いです。
りょうちん先生
すみません。訂正します。
なりまし。→なりました。
ダイアモンドプリンセス号の乗客から2名の死亡例が発生しました。
ご冥福を祈ります。
ダイアモンドプリンセス内が告発通りなら、究極の無能の結果なのか、確信犯的な播種実験の結果なのかは、どちらにせよ、人災的な要素は否定できないです。
バイバイン問題は、まあシンプルに言えば5分前。厳密に言えば4分59秒までに全部食べきればいいことになりますね。
できなかったら、宇宙ロケットで捨てるしかありませんが・・・。
このスレ、ネストが深すぎて機能不全です。
りょうちんさま
素晴らしい論考記事ありがとうございました。こんな面白い記事を無料で読めずなんて❗と感動しました。これからも楽しみにしています。
りょうちん 様
一番知りたい部分を書いていただき、ありがとうございます。
何故一隻だけ入港させたのか、
これまで放置していた各国が何故今頃になって一斉に自国民のためチャーター機を飛ばすのか、
全てが一本の糸でつながりました。
けど、何があったのかを示す資料は永遠に出てこないでしょうね。
韓国は最悪武漢化すると予想しています。
半地下の住居、手を洗う習慣がないこと、集会を開いては喚く日常、中国より多い PM2.5、ソウルへの一極集中、無能な政府、何よりもウリさえよければという行動。
本当に、冗談ではなく。
日本政府が再び韓国に強い態度をとりつつあるのは、人の流れを絶ちきる準備かと。
あっ、これも妄想だと言っておきましょう。
ダイヤモンド・プリンセスは自分もこれを奇貨としてデータ取りに利用しまくって今後に生かしてほしかったので、qPCRの導入がこんなに送れてたとは思いませんでした。いや、プライマーだけならDNA合成企業にオンラインで注文すれば翌日には届くんじゃないの?日本にはそういうサービス無いのかな?あとこれサンプルごとに手袋変えてるんですかね?モニタリングだからコンタミ上等で数こなすことを優先して、検査結果はサンプル提供者には知らせず陽性が出たら再検査でいいと思うんですが。
ってか、RT-qPCRのRTを逆転写じゃなくてリアルタイムだと勘違いしているような記事を散見。
> 思惑通り、その船からは感染症患者がそれなりに得られ、中国の竹のカーテンの向こうでろくに得られなかった生データが日本でも得られるようになりました.
肯是できるご意見です。当方はきっとそれが意図だろうと個人的に思っていました。世界第二のアウトブレークがあるなら日本発生で当然です。いちいちびびってもしょうがありません。今回の事態を可能な限り制御し、より多くのデータを得て将来に活用できるかが国家実力の顕れとなるでしょう。
> ダイアモンドプリンスの下りは陰謀論ですので、格式を重んじるこのサイトに相応しくないと削られたことには、まったく文句を言うつもりもありません。
お目汚しのコメントを投稿しまして当方恐縮です。
>地方衛生研究所には国の法的根拠が存在しないというのにはビックリしました。予算措置は地方自治体や民間の手弁当ですよ。
これは民主党政権の名残ですかね?
>地方衛生研究所には国の法的根拠が存在しないというのにはビックリしました。予算措置は地方自治体や民間の手弁当ですよ。
これは民主党政権の名残ですかね?
レ〇ホウ議員の以下の発言を思い出しました
『明日来るのか100年後に来るのか200年後に来るのか来ないのかわからない対策費を使うのは無駄遣い』
駄文にて失礼します。
韓国在住日本人 様
同じことを思いました。
こういうのは、世界最先端をゆく気概がないと。
二番じゃ駄目なんです、二番じゃ。
あっ、二重国籍も駄目ですね。
韓国在住日本人様
謝蓮舫が国のやるべき仕事や政治について如何に無知であるか、これほど端的に言い表す「暴言」はないでしょうね。専業主婦であればカリスマになれた事でしょう。
下にも書きましたが、
「感染症 事業仕分け」で調べたらこんなのが引っかかりましたので
共有しますね。
https://www8.cao.go.jp/cstp/kenkyu/mext-eval-case101209-4.pdf
最も、この背景には「厚労省と同じ者を文科省が持つ意味ある?」的なものもあったようですが。
しかし、いつからなんでしょうね。予算減らせば行政改革したように見せかけられる空気感になったのは。
小泉時代?
某組織は、地球上の人口を本気で5億人に減らす計画をしているようですが、日本は平和ボケしている感を否めません。
http://japan1700.blog.jp/archives/22273785.html
りょうちん様
今回も更新を頂き、ありがとうございます。
一点、有識者の方に、もし可能であれば教えて頂きたいことが有り、この場を借りてご質問をさせて頂きます。
2003年に行なわれた「重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する講演会」
https://www.anzen.mofa.go.jp/sars/pdf/20031027s.pdf
によると、
>例えばこのPCRという1個のウイルスがあると、それを何百倍、何千倍に培養してやる方法はいいんですけれども、検出率が低い、つまり100 人患者さんがいると、80人まではこれではピックアップできますけれども、残りの20人がどうしても漏れてしまうということなんです。
という記載があります。
同じ「PCR」と言う言葉があるのですが、PCR法というのは、このことになるのでしょうか?
(ググった範囲では、PCR法は、DNA領域に対する増幅をして検査するようなことが書かれていたので)
要は、PCR法による判別は、どの程度の確実性があるのか、と言うことが気になっております。
もし上記が同じ事を言っているとしたら、2回チェックをするとしても、感染者のうちの4%が見逃される、と言うことになりそうなもので・・・
門外漢なので、トンチンカンなことを言っているかもしれませんが、よろしければ有識者の方からご教示頂ければ幸いです。
茶筒さま
地方衛生研究所の研究員から聞いた話を思い出したので、ご参考になればと思いコメントさせていただきます。
1.病原体は、塩や砂糖のように「溶けず」、「混ざる」だけなので、サンプルに病原体が含まれないこともある。検査の結果が陰性でも、本当は陽性かもしれないということです。
2.私たちの回りは、DNAの破片がそこら中飛び回っています。
それがサンプルを汚染すると、陰性が陽性に見えるので、再検査して確認するそうです。また、サンプルの管理には細心の注意を払っているとのことでした。
PCRの装置の性能だけでは、処理能力は測れ無いように思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
GG様
貴重なご意見、ありがとうございます!
処理機器ではなく、方式の限界として、精度的にどうしても、見逃しや偽陽性が発生する、
と言う認識でよろしいでしょうか…
今それを発表しても、さらに不安を煽る可能性もありますが…
現在散見されている「潜伏期間を過ぎての陽性反応」について、
「想定より長い潜伏期間だった」のか、
それとも、「検査方式的に、検査をすり抜けてしまった陽性なのか」
その点は、できたらはっきりさせて欲しいですね…
某省傘下の研究機関(医療系ではありません)で、
業務で時々リアルタイムPCRを使っている者です。
以下、コメントします。
・コロナウイルスはRNAウイルスですので、PCRの検出対象はRNAです。
DNAではありません。
・「リアルタイムPCRさえあれば、スイッチポンで結果が出る」と
イメージされる方が多いかもですが、そんなに簡単ではないです。
検体からのRNA抽出が結構面倒なのです。
特に、今回は危険度が不明な病原体なので、検査者は抽出作業の際に相当気を使うはずです。
・リアルタイムPCRは、確かに優秀な機器ですが、百発百中ではありません。
検体を得てからPCR結果が出るまでに、感度を左右するファクターが多々あるためです。
例えば、RNA抽出がきれいに出来ていないと増幅効率に影響しますし、
反応液への鋳型(つまりRNA)の混ぜ方でも結果は変わります。
検査者の習熟度がかなり影響する、ということです。
・リアルタイムPCRでは、96穴(12×8)プレートを使うのが普通です。
1度に96個のPCR反応をこなせるので作業効率は良いのですが、
穴同士の間隔が狭いので、反応液をきちんと入れないと誤反応に繋がります。
隣の穴とのコンタミが起きやすいのです。
また、間違えて別の穴にサンプルを入れてしまうミスも起こりえます。
・ということで、リアルタイムPCRにおいても、
偽陽性や偽陰性はある確率でどうしても起きてしまいます。
というか、検査とは何でもそういうものなのですが、
フツーの方々はたぶん知らないですよね。
PCR反応については以上です。
ちなみに、野党が今週の予算委員会で暴れてくれたせいで、
いま各地の国研に「リアルタイムPCRは何台あるか、使える者は何名いるのか」
といった問い合わせが政府から来てます。
つまり、政府は検体を各機関に振り分けることで、
PCRの検査能力増強を図ろうとしているようなのです。
ただ、ほとんどの国研は、普段そんな検査をやってるわけではないので、
検査結果を誰が担保するのか、など疑問は尽きないのですが。
それと、ヘタに「希望者全員にPCR検査を実施します」なんてアナウンスしたら、
病院や保健所に人が殺到して、却って感染者が増えるのでは、とも危惧しているところです。
以上、野党の連中がおバカなお陰で、医療系ではない研究機関にも悪影響が出ている、
というお話しでした。
今回みたいな検出目的に使われるRT-qPCRtって、RNAを抽出することなく(前処理無しで)目的に適合するプライマーで直接RNAを逆転写する方法を使ってると思ったんですが。定量するんじゃなくてあるか無いかを調べるだけなら余計なことしないほうがコンタミも感染リスクも時間も減りますしね。