皆さま、新年あけましておめでとうございます。本年も当ウェブサイトのご愛読とお気軽なコメントを賜りますよう、心からお願い申し上げます。さて、東京五輪が予定されている2020年の年頭ということもあり、本稿では「そもそも論」として、ウェブ評論サイトをなぜ運営しているのかという本質的な部分について振り返るとともに、今年がマスメディアとウェブメディアの明暗をさらにくっきりと分ける年になるであろうことを予想しておきたいと思います。
目次
謹賀新年
新年あけましておめでとうございます。
本年も当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』のご愛読とお気軽なコメントを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、新聞などを中心に、例年、新年だと「今年はどんな年になるか」、「新年にあたって」、といった展望レポートなどが掲載されます。このような展望レポートが多数掲載される理由は、おそらく、例年だと年末年始にはニュースが少なくなってしまうため、紙面・番組枠を埋める必要があるためではないでしょうか。
もちろん、なかには有益な展望レポートもあるため、すべてのレポートを無碍に否定するのもおかしな話ですが、ただ、嫌な言い方をしたら、読者や視聴者などの「情報の受け手」が欲しがっている情報というよりは、むしろ「情報の出し手・作り手」の都合を重視したものだ、という気がしてなりません。
例年申し上げていますが、当ウェブサイトの場合、「新年だから」というだけの理由で、無理やりに展望レポートを執筆するつもりもありません(というよりも、そんな気の利いたレポートを書く文才などありません)。本日は年初に当たって、当ウェブサイトの「原点」ともいえる話題をお届けしたいと思います。
日経新聞の思い出
むかしは新聞報道を信じていた
むかしは多くの人が、新聞報道に権威を感じていましたが、私自身も「新聞報道に権威を感じていた」ひとりです。
1960年代後半から70年代前半に生まれ、金融危機のまっただなかの1990年代に社会に放り出されたような人間にとって、日経新聞を筆頭とする新聞各紙は「神」のような存在でしたし、実際に大学生時代、就職活動をしている周囲の友人は、一様に日経新聞を読んでいました。
こうしたなか、自分自身が社会に出、専門家としての経験を重ね、知識を蓄えるなかで、日経新聞の報道に細かいミスが目につき始めたのですが、それでも「日経がウソをつくはずはない」、「日経の見識は信頼できる」という「日経信仰」はしばらく続きました。
ただ、最初に強い違和感を抱いたのは、2005年に日経新聞が一面トップで報じた「三井住友銀行と大和証券が経営統合する」という大誤報でした。
念のために申し上げておきますと、今日に至るまで三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と大和証券グループ本社は経営統合していません。したがって、これは明らかに日経の誤報だったわけですが、私が知る限り、日経はこれについて訂正も謝罪もしていません。
ここで日経といえば、他にも「富田メモ」事件というものを発生させています。これは、2006年7月に日経が報じたもので、「昭和天皇の侍従長だった故・富田朝彦氏が記していたメモに、『昭和天皇が靖国神社へのA級戦犯の合祀に不快感を示していた』と書かれていた」とする記事です。
ただ、日経はこの「富田メモ」について、「メモを遺族から入手した」などと述べているのですが、それにしては全文がいまだに公開されておらず、このメモが富田氏本人によるものかどうか、日本経済新聞社以外の第三者による客観的な筆跡鑑定などの検証すら受けていません。
また、仮にこのメモが本当に富田氏の手によるものだったとしても、昭和天皇が本当に不快感を示されたのかというのは別問題です。
「SMFGと大和証券グループ本社の経営統合」という「明らかな飛ばし報道」、「富田メモ報道」という「日経新聞による捏造の可能性が極めて高い記事」、と、2つ連続してこのような報道が出て来たことで、
「もしかして、日経新聞の報道は鵜呑みにしてはならないのではないか?」
と思うようになったのです。
そして、やはり自分自身が専門家として少しずつ知識と経験を蓄えるなかで、日経の誤報体質が目につくようになってきたのです。
「時価会計停止」という捏造報道事件
この2つの報道により芽生えた日経新聞に対する不信感が決定的なものとなった直接のきっかけは、2008年のリーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発する世界的な金融危機(※日本では「リーマン・ショック」と呼ぶことが多いです)の際の、大捏造報道事件です。
世の中で「捏造報道」といえば朝日新聞による慰安婦関連報道を指すことが多いと思うのですが、当ウェブサイトとしては、新聞史上最悪レベルの大捏造報道として、日経新聞による2008年10月17日付の
時価会計 一部凍結へ/地域金融機関健全化へ「劇薬」 金融庁、適用時期など焦点に
という記事を挙げておきたいと思います。
この日経の記事は、リーマン・ショックによりさまざまな金融商品の市場が混乱するなかで、「地銀等からの要望により金融庁が時価会計の凍結を決めた」という、とんでもない大捏造報道です。
そもそも論として、企業会計基準を設定している主体は金融庁ではなく、企業会計基準委員会(ASBJ)ですし、金融商品会計の分野だと、日本公認会計士協会が整備する「金融商品会計に関する実務指針」も事実上の会計基準として機能しています。
もちろん、当時、欧州ではIFRS(国際財務報告基準)において、明らかな粉飾決算を容認する会計基準の改悪が行われていて、わが国でも緊急避難的に会計基準を変更すべきだとの声が上がっていたことは事実です。
しかし緊急避難として会計基準を変更するにしても金融庁が独断で変更できるわけありません。
したがって、これは「誤報」というよりも、日経新聞が一部企業の要望を聞き入れ、会計基準変更の議論を勝手に仕掛けようとしたという意味において、明らかに悪質な「捏造報道事件」のたぐいではないかとすら思うのです。
「FRB長官にサマーズ氏」
つまり、この時価会計停止捏造報道事件こそ、私自身が新聞に対する「信仰(?)」を放棄するきっかけとなった、重要な出来事だったのです。
余談ですが、日経がしでかした誤報、捏造新聞のたぐいは挙げていけばキリがないのですが、もうひとつだけ、ワシントン在勤(当時)の矢沢俊樹記者が世界に向けて華々しく配信した、2013年9月13日付けのこの記事についても紹介しておきましょう。
FRB議長、サマーズ氏指名へ最終調整/副議長にブレイナード氏(2013/9/13付 日本経済新聞電子版より)
これは、バラク・オバマ米大統領(当時)が、米国の中央銀行にあたるFRBのベン・バーナンキ議長(当時)の後任として、元財務長官のローレンス・サマーズ氏を指名する方向で「最終調整に入った」とする記事です。
ちなみにこれは日経新聞の単独スクープであり、当時、欧米メディアからは驚きをもって迎えられました(たとえば、次のロイターの記事)。
Obama to nominate Summers as Fed chief: Nikkei(2013/09/13 15:27付 ロイターより)
ロイターは
U.S. President Barack Obama will name former Treasury Secretary Lawrence Summers as chairman of the Federal Reserve Board, Japan’s Nikkei newspaper said on Friday.(※下線部は引用者による加工)
と、この情報源が日経報道であることを明示して取り上げているのですが、ほかにもWSJなどのいくつかのメディアも「この報道が事実だったとすれば、日本の日経新聞による一大スクープだ」、などと述べているのです。
なお、念のために申し上げておけば、現実にバーナンキ議長の後任に指名されたのはサマーズ氏ではなく、ジャネット・イエレン副議長(当時)でした(※そのイエレン氏は2014年から18年まで議長を務め、現在はジェローム・パウエル氏がイエレン氏の後任として、議長に就任しています)。
ブログの開始
自分自身で情報を調べる楽しみを覚えた
余談はこのくらいにしておいて、本論に戻りましょう。
先ほど申し上げたとおり、2008年10月の「時価会計停止捏造報道事件」を契機に、日経新聞の誤報・捏造報道体質に気付き、新たな目でさまざまな事柄を自分自身で調べるようになってから、新聞業界が垂れ流す報道の酷さにあらためて気付くようになりました。
たとえば、朝日新聞が長年、「(従軍)慰安婦問題」なるものを捏造し、謝罪も訂正もせずに放置していたこと、毎日新聞が英語版ウェブサイトで日本の名誉と尊厳を貶める記事を配信し続けていたこと(※いずれも後述)なども、この時期に初めて認識したのです。
もちろん、当時からインターネット上には有象無象の情報が流れていて、なかには明らかな捏造、デマの類いもありましたが、少なくともエビデンスをちゃんと提示しているなど、信頼性が高い情報もあったため、自然と「議論の流儀」に慣れていった気がします。
とくに、当時はブログ黎明期だったという事情もあり、有名、無名を含め、さまざまな方々が積極的にブログなどを通じた情報発信を始めていたので、それらをむさぼるように読むようになったのです。
その結果気付いたのは、「客観的事実」と、それに対する「主観的分析・意見・意味づけ」は、まったく違う、という事実です。
ほんの一例を挙げましょう。
日本政府は2019年7月1日、韓国に対する輸出管理体制の運用を見直すと発表した。
という文章が客観的事実だったとすれば、
これは韓国で2018年10月30日と11月29日に日本企業に対し損害賠償を命じた大法院判決が下されたことに対する経済報復だ。
という文章が主観的意見です。
しかし、条文(この場合は外為法第48条第1項・輸出貿易管理令などの法令)を読み、世耕弘成経産相(当時)の説明を読み、できごとの時系列や普通貿易統計などのさまざまなデータを調べていけば、これが「経済報復だ」とはいえないということは明らかです。
(※これについては昨年、『総論 対韓輸出管理適正化と韓国の異常な反応のまとめ』や『輸出管理の「緩和」を「対韓譲歩」と勘違いする人たち』などでしつこく議論しましたので、本稿では繰り返しません。)
つまり、新聞などの報道に疑問を抱いたら、自分自身でどこまで情報源をさかのぼり、エビデンスを洗い出して直接調べることができるようになったのです。
ついに2010年に、ブログを開始しました
さて、こうした新聞不信が決定的なものになったのは、やっぱり2009年8月の総選挙でしょう。
この選挙は、麻生太郎総理大臣が率いる自民党が大敗北し、鳩山由紀夫代表が率いる民主党が地滑り的に圧勝したものです。
私自身はすでに当時、「新聞信仰」を捨てていて、新聞やテレビが麻生総理を「漢字も読めない」だの、「ホッケを煮付けにして食う」だの、「カップめんの値段も知らない」だのと痛罵するのを、本当に苦々しく見ていたクチです。
たまたま地元に帰ったときに、親戚の叔父、叔母どもと政治に関する話しをしたところ、彼らがあまりにも新聞、テレビの報道を無邪気に信じていたのに驚いたのですが、麻生総理が本当はリーマン・ショック後に八面六臂の大活躍をしていたことを、どうも彼らは本当に知らなかったのです。
こうした状況に一石を投じたい――。
そんな思いで、2010年7月に、ささやかながら大手ブログサービスにひっそりと開設したのが、『新宿会計士のブログ』だったのです。
(※余談ですが、もし当ウェブサイトが今年7月まで続いていたとしたら、私自身がブログ、ウェブ評論などの形態で自分自身の考え方を広く世の中に向けて送り届けるという活動を開始して、ちょうど10年が経過する計算です。)
新聞が「議論を封殺する存在であること」に気付いた
さて、狭い意味での新聞とは、「印刷直前までに入ってきた最新の報道やさまざまな話題、テレビ欄などの情報を紙に印刷したもの」のことをさしますが、最近では紙媒体だけでなく、新聞社が開設しているウェブサイト(電子版)のことを指すこともあります。
こうしたなか、自分自身でブログを執筆する立場に転じて、あらためて世の中の新聞などを眺めてみて気付いたのですが、新聞は紙媒体であろうが、電子媒体であろうが、たいていのメディアに該当する特徴が2つあります。それは、
- ①新聞社が「正しい情報」を決めつけて配信している
- ②読者による反論を許さない
という2つです。
先ほど、「『客観的事実』と『主観的意見』は別物だ」と申し上げましたが、新聞社が配信する情報は、客観的な事実と、それに対する新聞社としての主観的な意見がごちゃ混ぜになっていることが非常に多いのです。
そして、読者として「その意見は違うんじゃないかな?」と思ったとしても、多くの場合、新聞社は訂正に応じません。
そういえば、私が知る限り、日経新聞社はいまだに「SMFGと大和証券グループ本社の経営統合」「時価会計凍結」という誤報(あるいは捏造報道)の謝罪と訂正をしていませんし、富田メモの第三者検証についても拒絶しています。
さらに、朝日新聞社は慰安婦捏造報道を「誤報」と言い張っていて、捏造であるという事実を認めていません。それどころか、朝日新聞社の場合は英語版の訂正記事を「noindexタグ」で検索エンジンから隠蔽するという悪質さです。
メディアの腐敗
身内のかばい合い
さて、ここでもうひとつ、立ち止まって考えてみたいのは、「新聞の誤報、捏造報道」は最近始まったものなのかどうか、という点です。
朝日新聞社といえば1989年4月20日付けの夕刊で『サンゴ汚したK・Yってだれだ』という大捏造記事を掲載していますが、今から約6年前に『NEWSポストセブン』に掲載された次の記事によれば、ほかにもいくつもの誤報、捏造報道をしているそうです。
サンゴ事件だけじゃない 朝日新聞の誤報・虚報歴代ベスト5(2013.12.18 07:00付 NEWSポストセブンより)
ただ、先ほど列挙したとおり、誤報、捏造報道の多さでは、朝日新聞だけでなく日経新聞も似たような状況にありますし、「準大手」の毎日新聞の場合も、自社の英文サイトに「変態記事」を掲載していた、いわゆる「WaiWai事件」というものを起こしています(詳細は11年前の次の記事などをご参照ください)。
「変態記事」以降も毎日新聞の「ネット憎し」変わっていない(2009/1/ 1 11:00付 J-CASTニュースより)
このように考えていくと、「新聞報道は最近になって劣化した」のではなく、じつは昔から結構な頻度で誤報、捏造報道をしでかしていたのではないか、という気がするのです。これについては、新聞社、テレビ局などの資本構造を考えてみればよくわかります。
ここで、おもな全国紙(読売、朝日、産経、毎日、日経)と、民放の在京キー局、在阪・在名の準キー局、NHK、通信社などを列挙しておきましょう(図表)。
図表 「日本マスコミ村」の8つの企業集団による情報独占
グループ | テレビ局 | 新聞・通信社 |
---|---|---|
読売グループ | 日本テレビ(東)、よみうりテレビ(阪)、中京テレビ(名) | 読売新聞社 |
朝日グループ | テレビ朝日(東)、朝日放送(阪)、名古屋テレビ(名) | 朝日新聞社 |
フジサンケイグループ | フジテレビ(東)、関西テレビ(阪)、東海テレビ(名) | 産経新聞社 |
毎日グループ | TBS(東)、毎日放送(阪)、CBC(名) | 毎日新聞社 |
日経グループ | テレビ東京(東)、テレビ大阪(阪)、テレビ愛知(名) | 日本経済新聞社 |
NHKグループ | NHK | ― |
共同通信社 | ― | (※全国の地方紙などに記事を配信) |
時事通信社 | ― |
(【出所】著者作成。なお、グループ名は便宜上、著者が名づけたもの)
いかがでしょうか。
日本の場合、民間の新聞社とテレビ局は、基本的に5つ資本系列に所属していて、これに「公共放送」という正体不明のNHKが加わります。
また、実際には新聞社の場合、各都道府県に地元メディアが存在していますが、これらの地元メディアも結局は共同通信と時事通信から記事の配信を受けていますので、結局のところ、日本では事実上、8つのグループが新聞とテレビを支配してしまっているのです。
ということは、どこか1社・グループが誤報、捏造報道、あるいは何らかの不祥事をしでかしたとしても、ほかの7社・グループがそれらを報じなければ、私たち国民としては、新聞やテレビによる不祥事を知りようがないのです。
要するに、「身内のかばい合い」ですね。
これだと業界が腐敗するのも当たり前でしょう。
インターネットの出現がすべてを変える!
ただ、朝日新聞の慰安婦捏造報道事件、毎日新聞の「WaiWai事件」などが明らかになり、人々の知るところとなった大きなきっかけは、インターネットの出現と普及にあります。
先ほどのJ-CASTニュースの記事にもありましたが、そもそもこれらの捏造報道事件が明らかになったのは、インターネット上で有象無象の人々がそれぞれ少しずつ協力して証拠を集め、新聞社に突き付けたことと、それらを地道にネットにより拡散する人がいたからです。
2010年以降、急激にスマートフォンが普及し始めたからでしょうか、最近でこそ、ツイッターやフェイスブック、ユーチューブといった多くの人々が集まるコミュニティが成立していますが、わが国のインターネットの歴史は古く、実際に「WaiWai事件」が露呈したのもスマホの普及よりも以前の話です。
新聞・テレビの低迷は加速する!
このように考えていくと、新聞(やテレビ)による誤報、捏造報道などの不祥事は、大なり小なり、昔からかなり頻繁に発生していたものの、新聞・テレビ業界の独占構造のもとでの「かばい合い」で隠蔽されていたのが、インターネットの発達によってそれらが白日の下に晒されるようになっただけだ、という気がします。
新聞やテレビが急速に廃れ始めているのは、当たり前の話といえるのではないでしょうか。
もちろん、インターネット上にもフェイクニューズやいい加減な情報、極論などを垂れ流すサイトはたくさんありますし、新聞にも産経新聞のように比較的良質な記事を配信するメディアもありますので、短絡的に、「新聞=悪」、「ネット=正義」、と決めつけるつもりはありません。
さらに、官公庁を含め、地道な取材活動を通じて情報を得てこようとする良心的な記者も(少数ながら)確実に存在していますので、「新聞の社会的役割、あるいは存在意義が、完全い消滅した」とまで断言することは適切ではありません。
しかし、昨年の『「報道機関」を個人が経営できる時代がやってきた!』でも報告したとおり、いまや「報道機関」の仕事は、パーツに分解することが可能です。それは、
- ①客観的な事実・情報を、取材、ネット検索などの方法によって集めて来る
- ②集めて来た情報について重要性を判断する
- ③それらの情報に基づいて分析・考察し、記事化する
- ④作成した記事を全国に向けて配信する
という流れです。
しかし、このうち「マスメディアでなければできない仕事」とは、せいぜい①の部分くらいなものであり、それすらも専門的な分野であれば、専門家が法令や官公庁のウェブサイトを直接読み込んで得た知識に太刀打ちできないこともあるのです。
②、③の部分は、世の中の専門家の方が新聞記者よりも遥かに深度のある分析・考察などを作ることができますし、ここまで日本全国にインターネット環境が普及している以上、④の部分については、個人であってもまったく問題なく、ほぼゼロに近いコストで配信できてしまうのです。
さしあたっては広告に注目
さて、本年は、わが国で史上2回目の東京五輪が開かれる年でもあります。
思えば、1964年の東京五輪はカラーテレビが全国に普及するきっかけとなりましたが(※下記ページ参照)、2020年の東京五輪は、いったい何のきっかけになるのでしょうか。
パナソニック テレビと家電の歴史(パナソニック株式会社HPより)
いまさら地上波テレビ放送が高画質化して普及する、というものでもないでしょう。
いや、むしろ「地上波の低迷とネットの隆盛」という構図がいっそうハッキリするのではないでしょうか。
次の産経ニュースの記事では、NHKが率先して「ネット同時配信」を実施しようとしているそうですが、このこと自体、NHK自身にとって「諸刃の剣」となる可能性があります。
NHKネット同時配信 時間短縮 業務修正案を公表(2019.12.24 22:35付 産経ニュースより)
なぜなら、結果的により多くの人がインターネットの威力を痛感することになるからです。
なにより、昨年末の『低俗な地上波テレビ番組と高レベルなユーチューブ動画』でも報告したとおり、インターネットだとコンテンツの絶対数が地上波とまったく違います。
圧倒的な物量、地上波と比べて丁寧に作り込まれた優れた動画、そして操作性の良いデバイス――。
インターネットの場合は、作り手や広告主、視聴者・読者が無限に存在しています。
- 広告収入が得られるため、優秀なクリエイター・執筆者が自然と集まる
- 面白いコンテンツがたくさんあるので、視聴者・読者も集まる
- 動画・ブログの視聴・閲覧回数、評価、視聴者・読者属性に関する透明性も高いので、広告主も集まる
- 広告主としては、地上波テレビや新聞ではなく、ますますネット広告に力を入れる
- ますます広告収入を目当てに優秀なクリエイター・執筆者が集まる
…、というスパイラルが、今年も続くのではないでしょうか。
おそらくこの流れは、止められません。
個人的には、さしあたっては『埼玉県民様から:ことしも「日本の広告費2018」を読む』で触れた「ネット広告費」という論点に注目したいと思っている次第です。
ご愛読とお気軽なコメントを!
以上、新年早々に味気ない記事で大変申し訳ございませんが、当ウェブサイトは今年もこんな具合で、「読んで下さった方々の知的好奇心を刺激すること」を目標に記事を更新していきたいと考えております。
ちなみに当ウェブサイトがコメント基準を守っていただいている限り、自由にコメントしていただいている理由は、新聞やテレビなどを含めた「議論を拒絶するオールドメディア」に対するアンチテーゼでもあるのです。
そして、記事を読み、ご自身でコメントを打ち込むことで、考え方を整理することができますし、他の方のコメントを読むことで、新たな着想が得られるかもしれません。
その意味で、当ウェブサイトは引き続き、「民主主義社会における議論のプラットフォーム」とは何かについて、考えていきたいと思います(※もっとも、本当の希望をいえば、読者コメント欄を備えた、個人や新興企業が運営するウェブ評論サイトが、もっともっと大量に出現して欲しいところですが…)。
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大手メデイアでは「読者による反論を許さない」態度はネット記事でのコメント欄に現れます。一部メデイアはコメント欄を設けず文字通り反論を許していません。
「悪質度」は低いのですが ツイッターでコメントを「受け付けていますが 表示されない」というのもあります。
政治家のFBでも同様です。反論が怖いならFBなど開かなければいいのに。
悪質度とは関係ないのですが 有料記事というのも考え物です。「なんでこんな記事に金払ってまで見なきゃいけないんだ?」という有料記事がよく見られます。ネット記事は読まれるために掲載するんじゃないんだろうか?読んでもらってなんぼの世界なのに。‥と思います。
あけましておめでとうございます。
新聞が何故捏造誤報をやめないか。
「読者のため。読者が信じたい記事を書く」のだと思っています。
人は誰しも自分にとって不都合な真実など知らなくてもいいのです。
朝日は朝日の読者のため、日経は日経の読者のため、これからも嘘捏造を巧妙に混ぜ込んでくると思います。
朝日が廃刊になる可能性はあると思いますが、それは世紀の大誤報によってなされるのでなく、読者を逆上させるような真実報道なんだろうなと予想します。
信じたいことだけ信じるというのは我々だって多分同じなんだろうなと感じています。もし、自分の知りたいことを的確に報じてくれる新聞があったら読者になると思います。まあでも最近はオールドメディアでそういったニーズに沿ったものがなかなかないですね。
まあ、ネットがそういう欲求を満たしてくれるのだと。願わくば、そういった自分望ましいと思う情報源にもっとお金が回って、さらに深い取材が出来るようになったら嬉しいなと。
お世話になります。
新聞社とテレビ局のクロスオーナーシップで面白い論点が有りまして、テレビ局のプライムタイムで放送してるような主要な報道番組は、おしなべて朝日新聞の論調を忠実に踏襲した内容となっております。このため、テレビの報道番組は右に倣えで横並びな報道内容となってしまいます。
あけましておめでとうございます。
報道機関の対応を見るたびに思うのは「過ちて改めざる、これを過ちという」という論語の一節です。ミスを隠そうとする、あるいは積極的に明らかにしない。企業が同じことをすると「隠蔽体質が〜」「社内論理だけで社会無視を〜」と批判するのに、報道機関が一番その点において旧態依然であるように見えます。訂正記事あるいは放送をすることは自らの権威を傷つけることと考えず、逆に信頼性を増す行為だといい加減に自覚してもらいたいものです。
我々は我々で気をつけなくてはならないのは、捏造と誤報の混同です。意図ある捏造は厳しく糾弾すべきですが、過失による誤報は必要悪だとある程度許容するべきです。もちろん誤報と判明した時に即時率直な訂正をすることが前提条件になりますが。速報性が命である以上、事実性が確定してから報道するのでは情報の出し手としての競争に負けますし、受け手としての我々にとっても益になりません。「過つは人の常」です。重箱の隅をつついて些少な欠点を暴き出すのは日本人の長所であると同時に短所です。偏狭に突き詰めすぎないよう、放漫に流れないよう、今年も気をつけたいと思います。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
もちろん例外もありますが、高齢者を中心に毎日の新聞をとる、または
決まった時間にテレビをつけることが習慣になっているのではないでしょ
うか。極論すれば、その内容など見ていないのです。だから、昨日と内容
が違っていても気が付かないのです。
駄文にて失礼しました。
今ではどうか分かりませんが、昔は朝刊だけ購読する家庭というのが結構あった気がします。(うちもそうでした)
テレビの番組表がほしかっただけなんですよね~。
各メディアの「記者クラブによる情報独占の悪影響」も、会見内容の映像や文字起こしによる明瞭公開の浸透に伴い小さくなりつつあると思います。
情報のネット配信による水平展開が進めば「ネタの玉手箱」以上の存在感を示さないと生き残れなくなるのかもしれないですね。
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** /御\*
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** \玉/^_^
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水面に浮かぶ逆さ富士
〔初日の出・お年玉〕
*捏造・誤報メディアにはお目玉をプレゼントです。
*本年もよろしくお願いします。
カズ さま
>*捏造・誤報メディアにはお目玉をプレゼントです。
「褒められた」と勘違いするメディアがありそうです。「自分たちは、褒められ尊敬される存在だ」と日頃から確信している連中ですから。
なべて日本の社会常識というものは NHKと日経のいうことでおおむね構成されていると自分はそのように思ってきました。大手新聞社の朝刊記事を、半日遅れあるいは周回遅れにしせしめる会計士どのの気概はまこと心強く、日本国内のみならず世界各地に居を構える多くの読者のかたがたに、日々この上ない娯楽と興奮をもたらしていること間違いありません。NHKや日経が伝えるよりも早く気が付き早く理解する。それが利口な生活方法のひとつと言えるのではありませんか。
さて当方個人的にはアジア経済圏において事業の成功を夢見ている一経営者でございますが、日経海外報道記事の低品質さを指摘差し上げたく日々そのような思いを募らせています。ひとことでいうと「大手町目線」なんですね。いつまで大国のつもりでいるのでしょうか。世界を知らない素人記者がびっくりアジア報道を投げてよこすのです。研究も踏み込みも理解も足りてない。ひどい話です。きっと彼らは現地では社用車の後部座席に乗って護られながら日々通勤しているのでしょう。そんな実態は容易に想像がつくからこそ、当方はアジアの街角から投稿され続けるYoutubeクリップから目が離せません
開設10周年の年頭にあたり、明けましておめでとうございます。
年初から興味深い話題のご提供、有難うございます。確かに、考えてみると凄い時代になったものです、インターネット、今では新聞テレビ、図書館、レンタルビデオ、百貨店までもがその端末として部屋の中にある時代、私が社会に出たのは1980年代の始めで、まさに隔世の感、当時の想像の上を行く時代だと思います。当時、新聞は一種の社会的RoleModelと言え、比較的コンパクトでかさばらず電車の中で読んでいたりしたものでした。軽い読み物だったのですが、確かに会計士様の指摘されるように、毒もたっぷり含んでいました。記憶を辿ると、小泉政権の辺りからいわゆるOldMediaによる世論の煽動/誘導が目立つようになったと思います、私がようやく大人になった頃ということかもしれません。人の成熟する過程では、習い事と同じように師匠を目標にしてそれを真似近づこうとする時期が必ずあり、新聞もその対象の一つだったと思います。ただ一旦近づくとその裏、アラが目につきはじめ、、当時の成熟した人達も当然一定数おられたはずですが、なす術がなかったということだと思います。今は違います、このサイトを見、多様な投稿を通じて、経験/成熟過程を共有できる、有り難いことだと思いますし、会計士様には深く感謝したいと存じます。毎に朝5時、寝坊することもありますが、楽しみに拝読して参りたいと存じますので、会計士様にはご健康にも気を配り配信を続けて頂きたくお願い致します。
OldMediaに対する私の雑感は、このサイトの過去記事「日韓葛藤の解消のためには、韓国が変わらねばならない」の2番目のコメントとして書いています。
https://shinjukuacc.com/20191230-04/#comments
新宿会計士様
明けましておめでとうございます。
本年も、勉強させて頂きたく、日々、楽しみにしております。
ロイターの記事は、下記で、どちらかと言うと、「日経が発表したが、ホンマかいな?」的なニュアンスかと。
The newspaper, quoting unnamed sources, said in its original Japanese version that Obama was “in the final stages” and moving toward naming Summers.
日経の日本語版ては、「オバマ大統領が最終調整中」。
The English-language version said the president “is set to” name Summers as early as late next week.
日経の英語版では、「オバマ大統領は予定中である」。
以下を読みますと、「サマーズ元財務長官が次期FRB議長に!」という日経のスクープ(?)は、ワシントンポストやニューヨークタイムズでも俎上には上がっていたようです。
Reports in the New York Times and Washington Post earlier this month suggested Obama was strongly inclined to pick Summers.
とは言え、結局、日経のスクープ(?)は、余り信頼されていなかったようですね。
Republican Senator Johnny Isakson on Tuesday expressed concerns about a Summers nomination but stopped short of saying he would oppose him.
A number of senators - mostly Democrats - have criticized Summers for easing banking restrictions and not regulating derivatives when he was treasury secretary in the 1990s during the presidency of Bill Clinton.
NYT や WP あるいは WSJ は「じゅうぶんに」権威ですけれど、 Nikkei はニュースソースとして一流と世界はそう思っていませんよね。"in the final stage" や "is set to" が引用符で「ちゃんと括られて」表記されており、そもそも元の日本語がどうであったかを想像するに、口辺に冷たい笑いを禁じ得ません。