連日、この話題で恐縮ですが、韓国政府による日本に対する「告げ口外交」が度を越しています。当ウェブサイトでは先日、「欧州告げ口外交」について報告したばかりですが(『韓国「告げ口外交」を機に、むしろG7で対韓制裁を!』参照)、昨日の韓国メディアの報道によれば、同じような告げ口外交を、今度は東南アジア諸国連合(ASEAN)に対しても実施するもようです。日本はなぜ、韓国に対して明示的なペナルティを与えないのでしょうか。本稿ではこれについて、いくつかの可能性を議論してみたいと思います。
目次
告げ口外交
先日の『韓国「告げ口外交」を機に、むしろG7で対韓制裁を!』では、韓国が自分の思い通りにならないときに意見をゴリ押ししようとすれば、だいたい次の4つのパターンがあるのではないか、という仮説を提示しました。
- ①日本との協定や条約の破棄など不法行為をチラつかせる「瀬戸際外交」
- ②米国や中国のような「強い国」に媚を売り、日本に圧力を掛けさせる「圧力外交」
- ③あることないこと織り交ぜて日本を揺さぶる「ウソツキ外交」
- ④国際社会に対してロビー活動をして「日本の不当性」を強調する「告げ口外交」
実際、日本政府が7月1日に『韓国向け輸出管理の運用の見直し』を公表して以降、韓国はこの4つのパターンどおりに動いているのですが、最近になってとくに活発化してきたのは、④に示す「告げ口外交」です。
7月下旬以降で見ても、大々的に報じられているだけでWTO一般理事会、ASEAN地域フォーラム、RCEP閣僚会合などの場で、韓国がこの話題を持ち出していますが、これらはいずれも「告げ口外交」の実践と見て間違いないでしょう。
ちなみにこれらのうち、WTO一般理事会以外の会合は、いずれも日本の対韓輸出管理とはまったく無関係な場であり、話を聞かされる第三国にとっても迷惑この上ない話ではないかと思います。
一方で、「欧州告げ口外交ツアー」とは、韓国政府・外交部が欧州連合(EU)本部と欧州4ヵ国(英仏独伊)を巡り、日本がいわゆる「ホワイト国」から韓国を除外したことの不当性を訴えて廻った件です。
おそらくその狙いは、フランス南西部・大西洋沿岸にある景勝地のビアリッツで今月24日から26日までの日程で開かれるG7首脳会談に先立ち、「日本の不当性」を欧州諸国に「告げ口」するためでしょう。
韓国を「非ホワイト国」に設定しているとされる欧州に、「わが国がホワイト国から除外された措置は不当だ!」と主張したところで、私たち日本人的な感覚からすれば「呆れられるのが関の山ではないか」と思ってしまいます。
そのうえ、当ウェブサイトのコメント欄でもご指摘いただいたとおり、韓国は北朝鮮の瀬取り監視活動に参加していません。G7のうち、独伊を除く5ヵ国が瀬取り監視活動に参加しているにもかかわらず、です。
ただ、韓国側は、おそらくは「失敗しても恥だ」とは考えず、性懲りもなくこうしたロビー活動を繰り返すのではないでしょうか。
告げ口外交のコストはタダ
今度はASEAN告げ口ツアー
実際、この「欧州告げ口外交ツアー」の次に来ているのが、またしても「告げ口外交」の話題であり、今度の「告げ口」相手は東南アジア諸国連合(ASEAN)です。昨日は韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に、こんな記事を発見しました。
11月「韓・ASEAN特別首脳会議」で日本の経済報復問題議論(2019.08.18 16:53付 聯合ニュース日本語版より)
韓国大統領府の経済補佐官は18日の記者会見で、11月に韓国・釜山(ふざん)で開催される「ASEAN・韓特別首脳会議」で、「自由貿易秩序の強化」「共同繁栄の模索」が集中的に議論される、と述べたそうですが、これについて聯合ニュースは
「東南アジアの主要国が参加する同会議で、日本の対韓輸出規制措置により自由貿易秩序が脅かされていることを強調することで、同措置の不当性を訴える外交の場になる見通し」
だと評しています。
聯合ニュースによると、ASEANと韓国の「特別首脳会談」は5年ごとに開催されており、2009年(済州島)を皮切りに、2014年(釜山)に続き、今回が3回目なのだとか。
韓国が主催する以上、いかなる話題を提起するのかも韓国の自由でしょうが、この手の国際世論戦に訴える韓国の手法は、決して侮れません。
実際、WTO一般理事会以降の「告げ口外交」では、韓国にとっての「目に見えた成果」が上がっているわけではないものの、それでも彼らは「告げ口外交」を止めないでしょう。
なぜ韓国は「告げ口外交」を止めないのか
では、なぜ韓国は「告げ口外交」を止めないのでしょうか。
その理由はとても簡単です。何度も繰り返しになって恐縮ですが、彼らにとって、「外国に告げ口するコスト」はタダだからです。
数日前から当ウェブサイトで繰り返し問題提起しているとおり、日韓関係において、韓国が日本に仕掛けてくる不法行為は、韓国にとっては「勝ってプラス100、引き分けでプラス50、負けてゼロ」です。
自称元徴用工問題に関していえば、韓国にとっての「勝ち(プラス100)」とは、昨年10月30日の大法院(※最高裁に相当)の判決を皮切りにした自称元徴用工に対する判決を日本企業が全面的に受け入れ、日本政府が改めて自称元徴用工らに謝罪することでしょう。
あるいは、日本政府と日本企業が参加する基金を設立し、「自分は元徴用工だ」「自分は元徴用工の遺族だ」などと名乗り出た人間に、自動的に損害賠償を実施する仕組みまで作り上げることができればパーフェクトでしょう。
要するに、日本政府や日本企業から無限に謝罪と賠償を「おかわり」し続ける仕組み、というわけです。
一方で「引き分け(プラス50)」とは、昨年の3件の大法院判決については敗訴した日本企業が損害賠償を実施し、残りの企業については「1+1基金」(※)を設立する、といったところでしょうか(※「1+1基金」とは、日本企業と韓国企業が参加する基金の設立、ということだそうです)。
さらに、「負け(ゼロ)」とは、日本企業が自称元徴用工らに謝罪も賠償もしない、ということですが、これについては「元からゼロ」の世界ですので、大した影響はありません(※といっても、韓国のプライドが満たされないという問題はありますが…)。
ただ、彼らの側から見て、「勝ってプラス100、負けてゼロ」という勝負は、日本から見れば「勝ってゼロ、負けてマイナス100」ということであり、明らかにおかしな話です。
現在、日本は韓国との間で、「完全に勝利した」としても得るものは何もなく、少しでも負ければ「マイナス10」であったり、「マイナス20」であったりといった具合に、何かを確実に失います。欧米のニューズ・メディアが日本の輸出管理について、完全に韓国の側に立った報道を流しているのがその典型例です。
だからこそ、韓国側は恥も外聞もなく、ひたすら「告げ口外交」に邁進しているのです。
韓国にどう対処すべきか
韓国に明示的なペナルティを与えるべき?
このように考えていくと、韓国に対しては、「経済制裁」まではいかないにせよ、現段階でも何らかの明示的なペナルティを与えるべきではないか、という議論が成り立ちます。
このうち、韓国が北朝鮮に対する「瀬取り」の支援などを行っている疑惑への対処については、『韓国「告げ口外交」を機に、むしろG7で対韓制裁を!』などでも触れましたので、ここでは繰り返しません。
それ以外にも、韓国には「負けてゼロ」ではなく、不当なロビー活動に対しては「マイナス100」(あるいはそれ以上)のペナルティを与えなければなりません。なぜなら、彼らの「ディスカウント・ジャパン」という波状攻撃が止まることは決してないでしょう。
「負けてマイナス100以上」とは、いったい何なのか。
答えはなかなか難しいのですが、1つのヒントを申し上げるならば、韓国という国がやっていること自体が「国際秩序に対する挑戦」であるという点を、国際社会に積極的に発信する、というのは選択肢としてはアリでしょう。
たとえば、昨年10月30日の大法院判決に関していえば、日本との関係で「日韓請求権協定違反」という不法行為を働いた格好ですが、この不法行為は単に日本との関係で問題になるものであるとは限りません。
日本企業にはすでに巨額のリーガルコスト(訴訟費用、潜在損失など)が生じているのですが、これについては、日本政府はもっと全世界に警告を与えるべきだと思うのです。
とくに、先月19日には、日本政府が韓国政府に対して求めていた「日韓請求権協定」という「条約」に基づく解決手続を完全に無視される、という大事件が発生しました。これこそ、「法の支配」という全世界の大事な秩序に対する韓国政府の挑戦そのものではないでしょうか。
たとえば、米国やEUは韓国とFTAを結んでいますが、日本政府は米国やEUに対し、もっと大きな声で、「欧州企業も同じ目に遭うぞ」と警告すべきなのです。なぜなら、韓国が日韓請求権協定というれっきとした国際条約を破ったという事実が生じた時点で、米国やEUとの国際条約をも破る可能性があるからです。
日本政府(というよりも外務省内)には、「彼らと同じ次元で告げ口外交をするのはみっともない」、「日本が譲歩すればすべては丸く収まる」といった心理もあるようですが、この際、そうした発想は外務省の問題職員とともに捨て去るべきではないかと思います。
うまくはまると「セルフ経済制裁」が具現化へ
では、ここで2つの点につき、検討しておきましょう。
1つ目は、「もし日本が欧米諸国への事実説明を行ったときに、うまくはまると何が発生するか」、です(ちなみに、ここで「日本政府がやること」は、韓国と同レベルの「告げ口外交」ではなく、「事実関係の説明」です)。
韓国は現在、昨年以来の自称元徴用工判決問題を放置し続けていますが、日本政府がこの問題を欧米諸国に正しく説明することができれば、それはそれで重要な効果が生じます。
それは、欧米諸国に対し、「日本企業が直面しているのと同じような問題に自国企業が直面するかもしれない」という危機感を持たせることができる、ということです。
日本国民の1人としての感想をそのまま申し上げれば、「今からでも遅くないので、日本政府にはぜひとも昨年10月に韓国司法が発生させた国際法違反の状態について、G7諸国やEUとの情報共有を図り、彼らに適切な警告を発する」、ということをやってほしいと思う次第です。
ただし、「国際社会に日韓請求権協定違反という事実を知らせる」という宣伝戦は、やりようによっては、欧米諸国の企業に不安を煽ることにもつながるかもしれません。
その結果、「韓国は国際条約を破る国だ」という認識が欧米社会に広まれば、直接投資の回収、融資の貸し剥がし、証券投資の売却などを通じたキャピタルフライトが発生し、韓国が経済破綻することにつながる可能性もあるのです。
もしそうなったとしても、それは「国際法を平気で破る」という不法行為を行っている韓国の自業自得(あるいは「セルフ経済制裁」)のようなものでしょう。個人的には、韓国からのキャピタルフライトが発生して経済破綻したとしても、そんなことは私たち知ったことではない、という気がします。
最適タイミングとは?
ただし、ここでもう1つの可能性を提示しておきたいと思います。
それは、「あまりにも早く韓国経済が破綻すると、日本側でそれへの準備が間に合わない」という点を日本政府が恐れているからだ、という仮説です。
裏を返して言えば、日本政府は現在「日韓関係を切るタイミング」を見計らっていて、最適なタイミングで最適なトリガーを引いていくことを重視している、ということです。
さすがに今の段階で韓国経済が急に破綻してしまうと、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が崩壊し、韓国でさまざまな混乱が生じ、結果的に日本の北朝鮮政策などが狂うことにもつながりかねません。
そこで、「『告げ口外交』も含め、日本政府としては現在、韓国政府と泳がせている」、という見方にも、一定の合理性はあるのです(少々、日本政府を買いかぶり過ぎでしょうか?)。
こうした見方が正しいかどうかについてはわかりませんが、この見方にも一定の合理性はあります。確かに、韓国から日本へ就労目的で多数の「経済難民」が押し寄せてくる可能性もありますし、事態がより一層混乱してしまうかもしれないからです。
むしろ、『真の親日派とは、文在寅氏その人だ』でも報告したとおり、文在寅政権が続いた方が、長期的に見て、結果的には日本の国益に資する、という側面もあります。
逆説的ですが、日本政府が韓国政府の所業を欧米向けに積極的に宣伝しない理由は、もしかすると、韓国政府を追い込まずにわざと文在寅政権を長続きさせることを通じて、確実に韓国を壊滅させようとしているからだ、という仮説の可能性も、一応は指摘しておきたいと思います。
View Comments (32)
新宿会計士様
更新ありがとうございます
もう韓国は叩いて躾けるしかないと思うのです だから、何らかのペナルティを与えるべき時期に来てるのでは、とのご意見はそのとおりだと思うのです♪
ただ告げ口外交に対してのペナルティとなると、おっしゃるとおり難しいのかもしれませんね
でも、今年のはじめにリストアップしてるって報道があったように、探せばいろいろと手段はあるんだと思うのです
中には効果が薄いもの、理由付けが曖昧なもの、なんかもあると思うのですが、たくさんペナルティ与えれば、それを撤回すること自体がカードになるんだと思うのです
>「あまりにも早く韓国経済が破綻すると、日本側でそれへの準備が間に合わない」という点を日本政府が恐れている
ということかもしれませんが、日本政府には「とりあえずやってみて、万一経済崩壊したら取りやめる」くらいの軽い気持ちで、やって貰いたいと思うのです
きっと大丈夫ですよ♪
経済崩壊しないように必死で防衛するだろうし、万一経済崩壊しても国は残りますよ(^o^) それに、たとえ、国がなくなっても山河はそこにありますから (*´ `)ノ´ `*) ナデナデ
おはようございます。いつも勉強になる記事をありがとうございます。
韓国の告げ口外交や不当なロビー活動自体にペナルティを与えるべきという考え方は私も賛成です。しかし、韓国がホワイト国から除外されただけであれだけ騒ぐのを見ると、はっきりしたペナルティを与えるのは実際問題としてはなかなか勇気が必要です。韓国中が反日で上から下まで大騒ぎになるでしょう。
しかし、大騒ぎをして自分たちの思いどおりにするというのが、韓国政府そして韓国民の戦術ですから、大騒ぎをするからといって矛を収めていては思う壺にはまってしまいます。
つまり、日本にとっては進むに進めず、退くに退けずという状況かもしれません。
ですから、日本は表立って活動するのではなく、裏工作として、韓国のプロパガンダがでたらめであるということを、きちんと分かりやすく、根拠に基づいて諸外国に説明し、説得して回ることで、韓国を孤立させるという方法をとるしかないような気がします。
おそらく、諸外国にとしては、韓国か日本かという選択肢がある場合、マスコミとは違って日本を取る国が多いように思います。問題は日本が(外務省等が)、日本の認識や立場や言い分というものを諸外国にうまく説明できる能力があるや否やということでしょうか。また、裏工作をすると、それを日本国民も知ることができなくなり、批判が日本政府に向かう可能性もありますから、日本国民にチラ見させることも必要になるかもしれません。
いずれにしても、よくもまあこんな面倒な国が隣りにあったものだと感心してしまいます。
いわゆるオレオレ詐欺をしてる連中と一緒で、電話を掛けまくってトロい奴が信じて引っ掛かればそれでOK!という。
なので、韓国のしている詐欺に諸外国が騙されないよう日本が「啓発」していくのは大事だと思います。
クロワッサン さま
なるほどうまい例えですね。
そして、「啓発」「啓発活動」などという言葉を使えば、お坊ちゃまぞろいの外務省も、心理的抵抗なく仕事をする気になるかもしれません。
更新ありがとうございます。
韓国へのペナルティ等のタイミングですが、もうそろそろ機は熟したと思います。G7やASEANに対して、韓国の嘘発言、侮日行為を具体的に知らしめるべきです。
それによって韓国が大混乱しようが、輸入輸出の更なる厳格化で、困窮しようが日本は構わないです。難民や渡航制限で来襲を防ぐ。更なる日本への中傷、無い事まで言いふらすでしょうが、叩き潰すべきです。
日本が韓国にペナルティを与えないのは、アメリカと調整しながら韓国に対する対応を決めているからだと思います。
日韓関係も、アメリカにとって対北朝鮮向けのカードだから、北朝鮮の非核化交渉が進展するまでは、取っておきたいのでしょう。
韓国の「日本が悪いニダ」外交に対してカウンターするのは、当然必要で賛成します。
ただし、国際社会が韓国を潰すには、制裁という手段となり、建前や証拠などカードを使うことになります。
韓国の一番弱い所は、金融ですので、マーケットに潰してもらう方が、簡単だと思います。
日本が韓国国債を売却して行くのは、どうなんですかね。
だんなさま
8月に入ってウォン対ドル相場は韓国政府ウォン防衛ライン1210を突破し1210~1220のレンジでもみ合っています。もし強力な国際金融資本(スーパー禿鷹)が介入すれば一気に1300まで行っても不思議ない状況です。日本は「啓発」を着実に進めて、止めを刺すのはハゲタカさんにお任せするのが宜しいのではないでしょうか。
告げ口外交が民族総動員体制で、世界中のあちらこちらで波状攻撃的になされると、その打撃力も相当なものとなりかなり効いてくると思われます。
特に人件や女性の問題に絡められると、これまでの誤った外交政策の付けもあって、受け身の体勢ではなかなか厄介、取り返しのつかない事態にもなりかねません。
告げ口弾を撃ちまくっても弾切れとはならない以上、我が国としても、とにかく早め早めの対応をし、あらゆる手段を使って粉砕していくほかはないと思います、どんなに泥仕合になっても。
主張すればするほどそれが”真実”となり、”勝ち”となることは歴史の示すところです。
そうしておいて、彼ら民族の特異性とねつ造・嘘の文化を世界中に認識してもらえるよう、どこかのタイミングで思い切った反転攻勢に出る必要があると思います。
仰る通りだとおもいます。ひょっとすると日本は既にかなり劣勢に追いやられているかもしれません。
本日、こんな記事を見つけて、思わず引き込まれて上下とも読んでしまいました。
https://japan-indepth.jp/?p=47435
今までずっとモヤモヤしていたことに対して、ある程度の説得力を持った節だと思いました。
私のモヤモヤとは、
ひとつは海外から見て本当は韓国の主張の方がわかりやすく浸透しているのではないか?と言う疑問。
この点、筆者は「慰安婦問題」について「被害者である女性の立場が常に正しいフェミニズム」においては
韓国の主張が100%受け入れられる、と非常に端的に指摘しています。
もうひとつは韓国の主張が広く海外に浸透してしまった場合、一体世界にどんな影響を及ぼし得るのか?
ということです。
韓国の言動は支離滅裂で幼稚である事は論を待ちませんが、それと彼らの言動が世界に与える影響は別けて考えるべきではないのか、とボンヤリ感じていたのですがその理由と影響の帰結がどうなるのかは自分には全く予想がつきませんでした。
この記事を読んでそれが予想外に深刻なものであり、なおかつこの論点からしか西側自由主義諸国に日本の正当性を納得して貰える説得力のある反論が出来ないという事が理解出来たのです。
(特に白人層が韓国の主張に同調しやすいのは自らの有色人種に対する迫害の贖罪の代替という倒錯したメカニズムであるとの説明には舌を巻きました。)
いくら日本の主張が論理的に正しく韓国の主張が支離滅裂であったとしても、それだけで諸外国に日本を支持して貰えると考えるのは非常に危険です。何故なら所詮は他人事だから。
けれども自国も他人事ではないと気づけば受け取り方も自ずと異なって来るでしょう。
が、これはかなり日本に分が悪い。
韓国の主張の方がずっと単純でわかりやすいからです。
同じモヤモヤを抱え、コメントに便乗させていただきます。
>韓国の主張の方がずっと単純でわかりやすいからです。
(いわゆる)慰安婦問題も、善(韓国)と悪(日本)がはっきり別れる、わかりやすいストーリーですからね…。伝わりやすさは、事実 <<< シンプル&面白い 。
事実無根だろうが、細部は矛盾だらけだろうが、「少女たちが悪い奴らに攫われてひどいことを沢山された」という韓国の主張そのものは誰でも一発で理解できます。やっすいお涙頂戴ストーリーだからこそ、小学生でもわかる。強烈なイメージを刷り込まれる。
一方で日本の反論は、刑事裁判の記録文書のようなものでしょうか。事実に即してほぼ正確に説明してはいますが、退屈で第3者にはわかりにくい。無味乾燥だし、そもそも読むのが面倒。
(まともな国のまともな政府なら日本の説明に耳を傾け一応理解するでしょうが、そういう国ほど民意にも配慮しなくてはならない。民意は韓国の主張「日本が悪いニダ」に傾く…)
”従軍”慰安婦をでっち上げた朝日や吉田清治の動きに、有効な初動を打てなかったのはほんと痛いです。現代のマイケル・ヨン氏(中韓の嘘を暴く活動中のジャーナリスト)のように、現地まで赴いて資料を発掘・発信する外国人ジャーナリストを手配できていたら…などと考えてしまいますが。それでも、最初にわかりやすいストーリーを刷り込まれた第3国の人々に事実を理解してもらうのは難しかったかな。
先祖を貶められた日本人としては残念無念ですが、この刷り込みを消すことに費やすコストより、嘘の発信元を消去するほうが安くつく(現実的)…となりそうです。
また間違いました。
誤)人件 → 正)人権
申し訳ありません。
一線を越えた対韓制裁、韓国叩きを出来ないのは、やはり米韓、日米の同盟があるのではないかと推察します。
完膚なきまでの制裁を加えられる実能を日本が発揮することが出来ないのは、害務省の無能もさることながら、この関係性の前提があるようにも思います。
現状、米軍が韓国に駐留しているほど米韓が密な関係にあり、半島が擬冷戦の構造に置かれている以上、その前提からあまりにも解離した対韓制裁は加えることは、少なくとも目先は難しいものであると思われます。
そういった視点から見れば、対韓外交はむしろ対米外交こそが重要であると言えるかと思います。
換言すれば、中長期的な半島ビジョンをアメリカとどこまで共有できるかに、かかっているのではないでしょうか。
もちろん、そういった動かせない前提があったとしても、外交の巧拙はあるわけですが。
ペナルティだ、制裁だというと、大変な(と言っても,向こうが勝手に大騒ぎするだけではあるのだが)ことになるのは、今回の輸出管理強化の件で明らか。はっきり言って、カノ国のような「どうでもいい国」の馬鹿騒ぎにいちいち付き合って、貴重な外交的リソースを割くのは割に合わない。と言って、放っておくと、痛い目に遭うというのも、多くのコメンテーターの皆様が指摘されているとおり。
ここはもう「こんな国とのまともな付き合いはもはや無理ですよ」と明示する時期に来てるんじゃないでしょうか。もちろん、断交するとか、戦争するとかというほど極端なはなしじゃない。関わり合いを最小限にまで絞っていくということです。とりあえず政府の立場に近い有力シンクタンクから、そうした線での提言を出す。これだけ安全保障面や、経済面で利害が錯綜しているわけだから、日本にとってもデメリットは多々あるのは当然でしょう。そういう点をできる限り洗い出した上で、「長い目で見れば、それでもメリットが大幅に上回る」ことを説得力を持った論理で示すことが出来ればOKということです(素人考えですが、かなりの確率でそうなるはずと思うんですが)。カノ国にどんな影響を与えるかなんて、一言も書く必要はない。別に報復を意図するものではないと宣言しておくことは大事でしょうし、放っておいても向こうでいろいろ、分析になるのかならぬのか、ともかく勝手にウリに有利だ不利だと書き立てるでしょうから。日本の経済界からは相当異論が出てくるでしょう。またマスコミ、市民団体、いわゆる識者連からも、「戦後日本が守ってきた善隣外交の原則を放棄するもの」とかなんとか、猛烈な反発が起きるのも目に見えている。しかし、多くの国民が呆れ果て怒っているカノ国への鬱憤を思えば、しばらくの期間をおけば、天秤がどちらに傾くかは、ほとんど見えていると思います。その時点で、法的強制力を以て関係を最小化できるようにする施策(例えば、反日的傾向のある人物の入国制限とか)について、今回の輸出管理措置と同様にパブリックコメントの募集でもやったら、まあ95%とはいかないでしょうが、過半数の支持は得られそうなものです。そこまでやれば、あちらでも、告げ口外交なんかやってる余裕はないと気が付くはず(かな?)。まあ、ますますひどくなるってこともあるかも知れないが、日本としては、ただ粛々と実現に向かって一歩一歩進んでいけばいいだけ。そこまで行けば、国際社会(とくに米国)もどちらにビットすべきか決断することになるだろうし、その結果も見えている気がするんですがね。
そこそこの韓国ウォッチャーと自認しておるものですが、対韓政策には『やめろ!』というのは筋が悪い手法なのではないかと思います。
慰安婦、徴用工。
嘘だろうがハッタリだろうが、弱者・被害者面の発信に、それは違う、嘘だ、と、アンチで対抗するのはそれが事実であれ、これまでの実績からすると、声闘に乗っかることになって分がよくありません。
修正主義だとか、不法だとか、人権蹂躙だとか、帝国主義だとか、掬われる足を差し出すだけです。
日本人としては納得がいく作戦ではないかもしれませんが、むしろ迎合して乗っかっていくのが、少なくとも対韓戦術としては有効なのではないでしょうか。
韓国が糾弾しているのはなんなのか?
それが『女性の人権』であるならば、慰安婦も確かにそうだよね、だったら、少女像の隣に、日本人慰安婦像も建てようね。日本人慰安婦の方が数多いワケだし。
なんなら、アメリカ人慰安婦像も、ドイツ人慰安婦像も建てようね。
悲しいかな、性を売っている人は現代にもいるよね。
なんなら、現代の韓国人慰安婦像も建てようか。
なにか問題でも?
といった具合に。
脛に傷はどの国家にもある話。
傷の比べあいなら、日本もそう分が悪くはない様に思いますし、そういったチキンレースには韓国も価値を見出だしにくくなるでしょう。
第三国も、いい加減にしろ的な論調にならざるを得ないと思います。
日本の『反撃』が傷のさらしあいなら、不当だ!といった非難も難しいですし。
対韓政策は、そういった『汚れ仕事』を覚悟しなければいけない所業なのかと。
ひとことぬしさま。
慰安婦像に対する「目には目を、歯には歯を」論、現場を想像し、少し心の中でクスリとしてしまいました(笑)
韓国の声闘に同調し、同じリングに上がるのは確かにとても危険ですね。
各国の慰安婦像案、私も一票投じます。
しかし、この仕事は政府が政策として行うのではなく、韓国の民間vs日本の民間で行うべきですね。
民間のすることだから政府は介入できない(悔しめに言う)....、は、とても便利な言葉ですね~。
>そこで、「『告げ口外交』も含め、日本政府としては現在、韓国政府と泳がせている」、という見方にも、一定の合理性はあるのです(少々、日本政府を買いかぶり過ぎでしょうか?)。
日本政府だけの単独判断であるというなら、買いかぶりかもしれませんが(笑)、日米両政府による判断だとすれば、充分ありうる判断です。
>韓国政府を追い込まずにわざと文在寅政権を長続きさせることを通じて、確実に韓国を壊滅させようとしているからだ、
韓国政府を追い込むということと、文在寅政権を長続きさせることは、別の問題だと存じます。
韓国の自滅は、文在寅政権に一任して大丈夫(笑)。ただ、韓国政府を国際的に追い込むということは、今して置かなくてはならないことではないでしょうか?
韓国政府の国際的な信頼の失墜は、文在寅政権の破綻には繋がりません。
なぜなら、韓国メディアはそれを国民に伝えないからです。たとえ、伝えたとしても、韓国国民は信じない。そういう人々だと思います。