安倍総理のイラン訪問:真の政治リスクとは「消費税」?
安倍晋三総理大臣が昨日からイラン訪問に出掛けました。私に言わせれば、安倍総理がイランに行くだけで「イランに対話の最後の機会を与えた」という西側諸国の実績づくりに寄与するわけですが、米・イランの対話の端緒を開けば儲けものであり、開戦を止めれば大きな功績。核合意成立ならノーベル平和賞ものだといえます。ただ、イラン訪問が成功し過ぎれば、今度は安倍総理が慢心し、消費税の問題を先送りにしてしまうリスクもゼロではありません。
2019/06/13 09:00追記
本文中の誤植を発見しましたので、修正しております。
目次
イラン核合意
イラン革命以来初の訪問
昨日、2泊3日のイラン訪問に向けて安倍晋三総理大臣が羽田空港を飛び立ちました。
【SNS更新】「今から、イランに向けて出発します。中東地域では、緊張の高まりが懸念されています。国際的な関心も高まる中で、この地域の平和と安定のため、日本として、できる限りの役割を果たしたいと考えています。」https://t.co/LS7ISA2sU2https://t.co/1Dsb4m1qWL pic.twitter.com/cIfE1NDTTd
— 首相官邸 (@kantei) June 12, 2019
現職総理大臣としてのイラン訪問は、福田赳夫元首相以来、実に41年ぶりのことだそうですが、「イラン革命後」では初の訪問でもあります。
安倍総理はイラン滞在中、ロウハニ大統領と会談し、大統領主催の夕食会に出席するほか、最高指導者であるハメネイ師との会談も予定しているそうです。
イランってどんな国?
ところで、イランといっても日本ではあまり印象は強くないかもしれませんが、中近東では非常に重要な有力国です。
外務省の説明によれば、人口は8000万人(日本の約3分の2)、面積は約165万平方キロメートル(日本の約4.4倍)で、1人あたりGDPこそ5304ドルと日本の5分の1以下ですが、原油埋蔵量は世界第4位、天然ガス埋蔵量は世界第1位という、有数の産油国でもあります。
また、イランはイスラム教(シーア派、つまり4代目カリフのアリーとその子孫のみが「預言者」としての資格を持つ、と主張する勢力)を国教としており、さらにイランを構成する主要民族はペルシャ人、公用語はペルシャ語です。
そのイランは、核開発を巡り、同じイスラム圏の大国であるサウジアラビアとは厳しく対立しています(ちなみにサウジアラビアは、イスラム教の聖地であるメッカやメディアの守護者でもあり、また、宗派は「スンナ派」に所属し、かつ、民族構成はアラブ人、公用語はアラビア語です)。
Saudi king blasts Iran for ‘naked aggression’ in the Gulf(2019/05/31付 アルジャジーラ英語版より)
一方、イランは同じくイスラム圏の大国であるトルコとは関係が良好であるとされていて、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイランに核放棄を迫る米国のイラン制裁に対して一貫して批判的な姿勢を示しています。
Strong Turkey-Iran relations beneficial for region, Erdoğan says(2019/06/10 00:17付 Daily Sabahより)
このため、中東諸国も決して一枚岩ではないということに注意が必要でしょう。
なお、基本的な資料として、中東諸国のデータを1枚の図表にまとめておきましょう(図表1)。
図表1 イスラム圏の3大国
項目 | イラン | サウジ | トルコ |
---|---|---|---|
人口 | 8000万人 | 3294万人 | 8200万人 |
面積 | 165万㎢ | 215万㎢ | 78万㎢ |
GDP | 4319億ドル | 7699億ドル | 7841億ドル |
1人あたりGDP | 5304ドル | 23190ドル | 9632ドル |
主要民族 | ペルシャ人 | アラブ人 | トルコ人 |
主要言語 | ペルシャ語 | アラビア語 | トルコ語 |
(【出所】外務省ウェブサイト。ただし表示単位未満については四捨五入している)
イラン核合意(JCPOA)の問題点
米・イランの対立の原因となっている、「イランの核開発疑惑」を巡っては、2つの論点があります。
1つ目は、2015年にイランが主要6ヵ国(英仏独米中露)と結んだ核合意(正式には「包括的共同作業計画(JCPOA)」)自体に米国が不満を抱いている、という点です。
原子力規制委員会の資料によれば、このJCPOAとは、2015年以降、イランの原子力活動に制約を設け、それが平和利用であることを確保したうえで、国際社会からの制裁を解除していく手順を明記したものだそうです。
ただ、JCPOAでは、イランの核開発疑惑問題について、遅くとも2023年10月には欧州連合(EU)は一部制裁を解除するなどし、2025年10月18日までに安保理決議でこのJCPOAを承認し、それ以降、安保理は今回のイランの核問題を取り上げない、とするものです(図表2)。
図表2 JCPOAの段取り
時点 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
2015年7月14日 | 合意妥結日 | JCPOAに関する交渉の終了日 |
2023年10月18日 | 移行の日 | 合意採択日から8年目、または「イランのすべての核物質が平和的活動に使われている」ことを結論付けた日のいずれか早い日付 |
2025年10月18日 | 安保理決議終了の日 | この日以降、安保理は今回のイランの核問題を取り上げない |
(【出所】原子力規制委員会資料P2を一部割愛)
言い換えれば、2025年10月18日以降、イランが再び核開発を行ったとすれば、米国などはあらためて安保理決議に対し、これを諮問しなければならない、ということです。
米・イラン対立
トランプ氏「衰えて腐った合意」
この合意に噛み付いたのが、ドナルド・J・トランプ米大統領です。
次のBBC(日本語版)の記事によれば、トランプ氏は2018年5月、イラン核合意からの離脱を表明する際に、この合意を「この衰えて腐った合意内容では、イランの核兵器を阻止できないことは自明だ/イランとの合意は根本から不完全だ」と強く批判したそうです。
トランプ大統領、イラン核合意からの離脱を発表 欧州説得実らず(2018年05月9日付 BBC日本語版より)
これに対し、イラン核合意を結んだバラク・フセイン・オバマ大統領は、このトランプ氏の発言を「不見識」と表現したのだそうです(※余談ですが、「不見識」とは、北朝鮮による日本人拉致問題に協力せず、日本に日韓慰安婦合意を結ばせるなどの圧力を掛けたバラク・オバマ氏自身に当てはまる気がします)。
つまり、トランプ氏はこの合意自体が不完全だという点を強調し、核合意から離脱したのですが、この問題を巡り、欧州連合(EU)やドイツなどは米国と強く対立している状況にあります。
また、米国がイランに対して抱く不満は、これだけではありません。
イランは核合意に違反、米IAEA大使が懸念表明(2019年6月12日 11:19付 ロイターより)
米国は、イラン自身がこの合意を破っていると懸念を示したうえで、「引き続きイランと協議する用意がある」と表明したそうですが、ただ、米国がさまざまな面からイランに対する圧力を強めていることは間違いないでしょう。
「イラン攻撃」のリスク
私が個人的に一番気にしているのは、果たして米国によるイラン攻撃がなされるのかどうか、という点です。
米、イラン近海に空母派遣へ/原油輸出に圧力か(2019/5/6 14:47付 共同通信より)
共同通信の報道によると、先月、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、原子力空母「エイブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群をイラン近海に派遣すると発表。これを受けてイラン情勢は一気に緊迫化し、イラン側も応戦の準備をしていたという情報もあります。
イランが米軍攻撃を計画と分析(2019/6/9 16:57付 共同通信より)
また、米国はかつて2003年にイラク戦争に踏み切り、それで痛い目を見たという経験をしている国でもあります。また、空母打撃群のイラン近海派遣直後には、イラン外相がトランプ氏のツイッターに対し、「イランは2000年間、侵略国が去った後もしっかり立ち続けてきた」と反論しているそうです。
「歴史見よ」 「大量虐殺のたわ言」 イラン外相、米大統領に反発(2019年05月21日付 BBC日本語版より)
また、中東の緊迫は、それだけではありません。
先月はサウジアラビアが運営する石油のパイプラインが隣国・イエメンの「フーシ派」と呼ばれる集団に攻撃を受け、一時、操業を停止したこともありました。
Saudis Halt Oil Pipe on Attack Claimed by Iran-Backed Rebels(2019年5月14日 21:32 JST付 Bloombergより)
この「攻撃」に対し、サウジアラビアのハリド・アル・ファリ緊急事態相は「フーシ派がイランの支援を受けていることは明白だ」などと述べてイランを強く批判する声明を出したそうです。
その「真相」についてはよくわかりませんが、いずれにせよ、仮に米国がイラン攻撃に踏み切るならば、米国の中東における「盟友」であるサウジアラビアがそれを強く支持するであろうことは、容易に想像できる点でもあります。
今回のイラン訪問目的とは?
さて、わが国でイランといえば、「地球の裏側」とまでは言いませんが、「遠く離れた外国」ですので、「よくわからないし、自分には関係ない」と思う人が多いのが実情でしょう。
しかし、イランを含めた中東諸国は日本にエネルギーを供給する拠点でもありますし、また、イランが北朝鮮と密接に関係しているという意味では、北朝鮮の核開発により安全保障に深刻な影響を受ける日本としては、死活的に重要です。
私自身、安倍晋三氏の個人的な知り合いではありませんので、安倍総理が今回のイラン訪問に先立って、何を考えているのか、その本当のところはわかりません。
ただし、いくつかのパターンに分けて考えていくならば、日本にとっては決して悪いことではありません。
イランから「ゼロ回答」だった場合
まず、「ゼロ回答」だった場合(イランから「米国との核交渉に応じることはできない」と言われた場合など)について考えてみましょう。
この場合、何か日本にとって悪いことはあるのでしょうか?
そもそも、米・イラン対立の悪影響は、すでに日本に生じています。米国のイラン制裁の余波を受けて日本はイラン産の原油を買うことができなくなっていますし、万が一、米・イラン戦争でも始まり、タンカーがホルムズ海峡を通行できなくなるような事態でも発生すれば大変なことです。
ただ、「安倍総理のイラン訪問を契機に」、イラン情勢が緊迫する、ということは考え辛く、この場合、安倍総理のイラン訪問は「イランに米国の同盟国から対話の手が差し伸べられた」という実績ができます。
米、イラン両国から感謝されこそすれ、恨まれる筋合いはないでしょう。
米・イランの「再交渉」仲介に成功した場合
一方で、米国とイランの「再交渉」の仲介に成功した場合は、これはこれで大きなチャンスです。
とはいっても、仮に米・イラン仲介に成功したとしても、そのことによりただちに米・イラン間での核合意の再締結にまで話がいくとは思えませんが、それでも米・イラン両国を対話のテーブルに着かせることができれば儲けものです。
そして、米・イラン開戦の回避に成功すれば、米軍の空母打撃群を中東から北朝鮮近海に振り向けることができますので、明らかに日本の国益に資することになるでしょう。
「イラン+日米の3ヵ国核合意」に成功した場合
さらに、イラン、日本、米国という3ヵ国の核合意に成功した場合、安倍晋三という人間に対し、ノーベル平和賞も授与されるかもしれません。
といっても、「イラン+6ヵ国合意」に含まれていた中国、ロシア、ドイツあたりは、これに猛反発することが目に見えていますので、さすがにこれはないと思いますが…。
安倍さん、消費税を忘れたわけじゃないでしょうね?
いずれにせよ、今回の安倍総理のイラン訪問で、米国から見たイラン核問題の優先順位を引き下げることができれば、その分、米国のリソースを北朝鮮や中国に振り向けさせることができる、という側面があることもまた間違いないでしょう。
ただ、私が1つ懸念している材料があります。
それは、今回の安倍総理のイラン訪問がうまく行き過ぎた場合、安倍総理はこれを「成果」として、参議院議員通常選挙を迎える可能性がある、ということです。
消費税法によれば、今年10月から消費税と地方消費税の税率は、それぞれ6.3%から7.8%、1.7%から2.2%へと引き上げられます。また、軽減税率が適用される品目については、消費税率が6.3%から6.24%に引き下げられるとともに、地方消費税率が1.76%に引き上げられます(図表3)。
図表3 複雑怪奇な消費税率
区分 | 現行 | 10月以降 | 軽減税率 |
---|---|---|---|
消費税率 | 6.3% | 7.8% | 6.24% |
地方消費税率 | 1.7% | 2.2% | 1.76% |
合計税率 | 8.0% | 10.0% | 8.0% |
(【出所】著者作成)
消費税の問題点については、『「日本国債はデフォルトしない」論はMMT使わずに説明可能』のなかでも紹介したとおり、消費税という税金そのものの設計にあります。
また、税率を引き上げれば、間違いなく日本経済の景気の腰を折ることになりますし、そうなれば参議院安倍政権に対する求心力低下により、憲法改正すらできなくなってしまいます。
その意味で、「イラン訪問が成功し過ぎることで、安倍総理が慢心して消費税の問題を先送りにすること」こそが、真の政治的リスクなのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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イランというよりペルシャの方が日本人にはポジティブなイメージがわくかもしれないですね。
ノーベル平和賞?
チョット韓流すぎます。
米国のサウジアラビア支持は、冷戦時代の中米の軍事政権支持を思い出させますね。
あ、イスラエルはもはや論外ですがw
イランに訪問した日にアメリカが新たな制裁発表している。
本当にアメリカに対して話が通ってるのか?
度重なる日米会談は日米間で揉め事があるからでは?
逆に韓国とは話が付いているから何度も会談する必要がないのでは?
文が実は外交の天才で、と考えると違った視点を得られるかも。
>イランに訪問した日にアメリカが新たな制裁発表している。
本当にアメリカに対して話が通ってるのか?
当然このことも話が通っている戸考えた方が自然と思います。そうしないと安倍総理は二階に上げられはしごを外された格好になり、今後の日米関係に亀裂が生ずる可能性もあり、トランプ氏は孤立無援になるでしょう。本当はどうか分かりませんが、そう考える方が自然と思います。
イラン訪問成功が選挙の結果を好転させる効果は薄いと思いますよ。
増税路線をなんらかの方法で修正するならそろそろ最後のタイミングになるので支持率低下自体は避けられないでしょうね。
景気には当然波がありますが、インフレの兆候はもう出てるので景気の後退は避けられないでしょう。
早速、今日の新聞各紙1面で、安倍総理とイラン、ロウハニ大統領の会談が報じられてました。
まあ、好意的な報道が多いですが、米国の方向は決まっていると私は思いますね。
時系列で見ていけば、次の米国の戦争はイランと決まっていると、普通に予想できるでしょう。
前にも言いましたが、トランプは経済起爆剤に対イラン軍事行動を据えていると思いますよ。
そもそもイランと言えば石油、石油と言えばメジャー、エクソンとか、シェルとかBPとか、はたまたフランスのトタルとか、ロシアのガスプロム、すべてトヨタより大規模なグローバル企業です。
ティラーソンが「トランプはマヌケだ」といって首になったのが去年の3月、トランプがイラン6ヶ国合意から離脱表明したのが去年の5月、対イラン石油禁輸措置が同じ11月、延長期限切れが今年5月。
ティラーソンはエクソンCEOだったわけで、イラン問題がティラーソン発言になったであろうことは確実だ。
ペルシャ湾にサウスパースという巨大なガス田がある。
エクソンはペルシャ湾のカタール側の権益を持っていて、イラン側はトタルとぺトロチャイナが権益を持っていた。
トランプの6ヶ国合意離脱によってトタルが撤退したのが去年の5月、ぺトロチャイナも同12月に撤退を余儀なくされた。
同にもわからないのが、エクソンもサウスパースに興味を持っていたことだ、いずれにせよペルシャ湾の緊張が石油メジャーの営業方針に反するのは確かだろう。
特をするのはテキサスのシェールガスだ、現在原油価格は下落傾向にあり、イラン原油の生産はかなり落ちてるのに採算割れギリギリの50ドル、トランプの背後にはきっとここがいる、石油メジャーは元々ヒラリー側だった。
日本の資源外交から安倍さんの行動も読み取れる。
イランにはアザデガン油田という巨大油田がある、まだ新しく1999年の発見された。
日本は当初から国家予算をつぎ込んで権益取りに邁進していた、いくらつぎ込んだかはわからないが、当初から100億ドル規模だと言われていた。
2004年、1度は手にした権益を、2010年ブッシュのせいで手放している、このとき被害を受けたのが、国際石油開発帝石、石油資源開発、トーメン・・・経済産業省主導だったのがよくわかる。
やがて、2017年、再び入札に参加すると表明した、今度は三菱、三井、伊藤忠、等も参加したらしいが、また、トランプのせいで雲行きが怪しくなり、そして今回の安倍イラン訪問という流れになっている。
すべてが私の妄想ではあるが、トランプに潰されたような気がする。
トタルやガスプロムも被害を受けてるのだろう。
得したのはテキサスのシェールガス企業。
どこまで伝わったかわからないが、トランプの行動の裏にはテキサスへの利益誘導がベースにある。
今回の米中貿易戦争でもそうだ、イラン産の原油の最大の輸入元は中国だ。
アザデガン油田もサウスパースガス田もぺトロチャイナが大きく関与している。
トランプはイランを軍事で叩きたいからティラーソンを解任した。
そして、昨日サウジアラビアの空港がテロにあった、犯人はシーア派テロ組織、裏にはイランがいる。
安倍さんが頑張ろうと、もうシナリオはできている気がしてならない。
いつも分かりやすい解説を読ませていただいて感謝しております。
ところで2019/06/13 05:00付けでアップロードされた【「安倍総理のイラン訪問:真の政治リスクとは「消費税」?】の論考では下記の結論とされています。
「(1)消費税の問題点については、『「日本国債はデフォルトしない」論はMMT使わずに説明可能』のなかでも紹介したとおり、消費税という税金そのものの設計にあります。
(2)また、税率を引き上げれば、間違いなく日本経済の景気の腰を折ることになりますし、そうなれば参議院安倍政権に対する求心力低下により、憲法改正すらできなくなってしまいます。
(3)その意味で、「イラン訪問が成功し過ぎることで、安倍総理が慢心して消費税の問題を先送りにすること」こそが、真の政治的リスクなのかもしれません。」
(1)についてはその主張が政府に受け入れられるかどうかは別として、納得できることです。
(2)についても完全に納得できることです。
しかし
(3)については何を主張したいのでしょうか。「消費税の問題を先送りすることが政治的リスク」と書かれていますが「先送り」の意味が不明で、下記のように幾つもの考え方が考えられます。
(a)今年の10月に消費税を10%に上げることになっていたが、イラン問題が予想外の好結果になったので安倍総理が消費税問題を先送りすることに政治リスクがある。
すなわち政治的リスクを取らないためには先送りしないこと、すなわち予定通り10%にあげると言うこと???
(b)消費税の問題を先送りせず、前記(1)で論証したように消費税が欠陥税金だから廃止しろ。
(c)巷間言われるように、現在は消費税を10%に上げる時期ではないから現状通り8%のまま据え置け。
このどれであるかは読者が忖度しろと言うことになるように思います。
(a)は現状の景気状況では無理な相談と主張する学説が多いので論外だと思いますが、結論に「先送りすることが政治的リスク」と主張されているので、そのリスクを取らないこと、すなわち「先送りしないことが望ましい」と言うことになるように思われます。こレでも先送りの意味が不明ですが、なんとなく感じることは消費税を先送りしないこと、すなわち消費増税延期をしないこと、つまり予定通りじっ知ることかなと言う気になります。それでは巷間言われている学説にも反するし、常々このサイトで主張されている意見とも矛盾しますし、またそれでは(2)の主張と矛盾するように思いますから、この考え方はないように思います。
それ以外はどれでも良いのでしょうけど、現状で「消費税を廃止しろ」と言われても消費税廃止法案が成立しない限り「ハイ分かりました廃止しましょう」と言うことはできないでしょう。
また「現状通り8%に据え置け」と言うことはキンペイが稚拙な政治運営をするからリーマン級のトラブルが起きるので据え置くと言っておけば何の問題も無いでしょう。
そうすると上記(c)が結論であると言うことになるのでしょうかね。
それなら「先送りすることが政治的リスク」と言うことと直接には結びつきませんから先送りとは何だろうと言うことになります。そうなると「何が言いたいのだろうか」と読者に考えさせることになり、人によって結論も変わる可能性さえあります。もし、(c)が結論ならはっきりと(c)を結論として書かれた方が読んだだけで分かるので好ましいような気がしますが。
嘗て大学院で授業を受けていたときある教授から「あんたは言われなければ分からないのか」と攻撃されたことがあります。分からないから聞いているのであり、この問題のように複数の選択肢があるとき、言われなくてもどれが正解かを受け手が考えろというのは、結論が変わってくる可能性もあるので危険だなと感じました。
今回がまさに同じ状況ですが、複数の可能性を読み手が誤って理解しないように、結論は読んだだけで分かるように書いてもらった方が後々のトラブルを防げるように思います。
最近の新聞報道は小学校で習う事項である、誰が、何処で、何故、何を、どのように、いつ行動したのかが分からない記事が多すぎるように感じています。記者は締め切りで忙しいから仕方が無いし、そんなことは分からなくても自分で調べてくれと言うことで済んでしまうでしょうけど、このサイトのように方向付けを主張される場合は、複数ある結果のどれかを読者に判断させることはその結論によって方向が大幅に変わってしまい、望ましくないように思います。
私自身は新聞報道が上記のように小学校で習う要件さえ無視しているので消化不良を起こしており、また年齢的にもそろそろ認知症を発症する可能性が高い事もあり、理解不能になってきているので私自身の問題かも知れませんが、複数の結論が導かれる内のどれかを読者に選択させる方法は如何なものかという気がします。
もっとも、新聞はチョウニチ新聞以外は積極的に嘘は書きませんが、必要なことを省略してしまうので本当のことを報じていないことになり、宅配を取る価値がないためそれならお金を払う意味がないので、ネットニュースしか見ていないことが原因かも知れませんが。
ローリスク案件なので、できるとこまでちゃんとやったらいいと思います。
会談の中身については、大して情報は出てこないですね。当然と言えば当然でしょうが。
—
Japan’s Abe urges Iran to play constructive role for peace(アルジャジーラ)
https://www.aljazeera.com/news/2019/06/japan-abe-urges-iran-play-constructive-role-peace-190612170917120.html
—
日・イラン首脳会談(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me2/ir/page4_005055.html
—
一方、昨日フーシ派がサウジの空港にミサイルを撃ち込んだようです。巡航ミサイルとあります。
日イラン会談を意識してるかどうかはまったくわかりませんが、米イランの和解の動きに対しては引き戻しの要素と言えます。
—
Houthi missile attack on Saudi Arabia’s Abha airport wounds 26(アルジャジーラ)
https://www.aljazeera.com/news/2019/06/houthi-missile-strike-saudi-arabia-abha-airport-wounds-26-190612090351880.html
—
個人的見解として、日本政府は米・イの首脳会談を日本国で三国会談を設け、
複数回の話し合いの場をセッティングできるようにすればいい。
それこそイに対して段階的非核化を提案して、経済援助カードを使えばいい。
ペルシャ人はプライドが高いので、約束は守るだろうから、それをまた使って、
南北朝鮮人にプレッシャーを掛けられるだろうw
これ上手くできれば、中共へのプレッシャーにもなりそうだww
思うんですが米国だけがイランを絶対に許さない態勢だと北朝鮮も絶対に折れることがなくなるんだと思いますが、核兵器放棄が目的なんじゃ無くて、手段であることがバレバレですよね。