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もしかして日韓両国政府の利害は「日韓関係破綻」で一致か?

昨日の『『正論』は良い雑誌と思うが、紙媒体である点は大きな弱点だ』で、雑誌『正論』に掲載された韓国観察者・鈴置高史氏の論考を紹介したいと申し上げましたが、それを取り上げる前に、1つ、以前から掲載しようとしていて掲載できていなかった話題を紹介したいと思います。それは、「日韓関係破綻を避けるならば日韓シャトル外交の復活が必要だ」という主張と、こうした主張のどこに誤りや問題があるのかという点に関する私見です。そして、日本が韓国に制裁を加えるのであれば、少なくともそのタイミングは今ではない、という私自身の持論についても説明します。

日韓シャトル外交

昨日は『『正論』は良い雑誌と思うが、紙媒体である点は大きな弱点だ』で、産経新聞社が刊行する雑誌『正論』に、日本経済新聞社元編集委員の鈴置高史氏の論考が掲載された、という話題を紹介しました。

このなかで、雑誌『正論』に掲載された「鈴置説」について紹介したいと申し上げたばかりなのですが、これを紹介する前に、以前から先送りにして来た話題があったことを忘れていました。本日は昨日の予告を無視して、『ニューズウィーク日本版』に掲載されていた、この記事について触れてみます。

「日韓首脳は状況打開のために早期の会談を」(2019年2月1日(金)17時30分付 ニューズウィーク日本版より)

リンク先の記事はジャーナリストの朴辰娥氏が執筆したもので、タイトルにカッコが付いている理由は、「日韓関係に詳しい韓国の慶南大学極東問題研究所助教授の趙眞九氏に、朴氏がインタビューを実施した」という仕立てだからです。

つまり、「日韓首脳は会談を」と求めているのは、執筆者である朴辰娥氏ではなく、趙眞九氏の見解だ、ということでしょう。ただ、「誰の見解であるか」よりも、「記載されている内容が妥当かどうか」の方がはるかに重要です。

記事は、

――日韓関係がこじれている。現状についてどう思うか。

残念に思う。

といった具合に、朴氏の質問に対し趙氏が答える、という形式です。

ただ、本稿では引用に際して、意味を損ねない範囲で、こうした原文の体裁に適宜変更を加えている点をご了承ください。

無難な内容の論説

「シャトル外交」説

さて、このインタビュー記事を読んだ印象ですが、「非常に無難な内容」です。

まことに失礼ながら、私は韓国人が執筆した文章については、「日韓どちらにも反省すべき点がある」、などと主張するのではないか、といった警戒感を抱いてしまいます。しかし、趙氏の主張には、若干、日本に対して批判もあるものの、筆致は抑制的であり、正直、意外感があります。

今回の記事、全体を貫いているのは、「現在の日韓関係の膠着を打開するためには首脳会談が必要」という主張であり、趙氏はインタビュー記事の冒頭でさっそく、「日韓首脳がシャトル外交を早期に実現すべきだ」と主張します。

  • 昨年5月、東京で日韓首脳会談が行われた際に、日韓がこれまで事実上中断していたシャトル外交を復活させることで合意したが一度も実現していない
  • 日韓関係が困難な状況にあるにもかかわらず、文在寅大統領と安倍晋三首相が直接会って率直に議論する機会がないのは非常に残念なことだ

読者の皆さまは意外に感じるかもしれませんが、私自身、「日韓関係がこじれにこじれている原因」の1つが、日韓首脳会談が行われていない点にある、という点については同意します(もっとも、これについて私は「非常に残念だ」とは思いませんが…)。

報道で漏れ伝わる安倍晋三総理大臣の性格は、「厄介な問題を抱えているときほど、相手と直接対話をしたがる」というものであり、2012年12月に第二次安倍政権が発足した直後から、中国や韓国に対して首脳会談の実施を呼び掛けて来たのも、こうした安倍総理の性格の一端を示すものでしょう。

しかし、文在寅(ぶん・ざいいん)現大統領とのあいだでは、昨年10月30日の「徴用工判決」以降、11月にはAPECやASEM、G20などの主要国際会議が続いたにも関わらず、結局、1回も首脳会談が行われませんでした。

私の記憶だと、「安倍政権の対韓政策の基本は『戦略的放置だ』」と報じたのは産経新聞だったと思いますが、「厄介な問題を抱えているときほど、相手と対話をしたがる」はずの安倍総理が、現在の韓国に対しては「戦略的放置」を決め込んでいるという点は、確かに重要な指摘でしょう。

「日韓請求権協定に基づく対応を」

そのうえで、徴用工判決問題を巡って、趙氏は「実務的に解決するには、日韓請求権協定に基づき外交上の対応が必要」と指摘します。

実は、この「日韓請求権協定に基づく外交上の対応」こそ、現在、日本政府がすでに採用しているアプローチであり、趙氏は現在の日本政府の対応が正しいものであることを、間接的に認めているとも言えるでしょう。

しかし、ここで問題があります。それは、

韓国政府は、日本からの協議要請に同意するのかしないのか、まだ公式な声明を出していない

という点でしょう。

いや、それ以前に、そもそも韓国政府自身、徴用工判決問題にまったく向き合っていません。昨年10月30日の判決からすでに3ヵ月以上が経過しているにもかかわらず、いまだに韓国政府は「対応を検討中」だからです。

これについて趙氏は、

両国の外交協議で解決に至らない場合は仲裁委員を通じた解決が規定されており、それでも解決が見られない場合は国際司法裁判所(ICJ)への提訴が議論されることになる。

と述べているのですが、おそらく韓国はICJ提訴に応じないでしょう。

また、趙氏は、万が一韓国側が外交協議による解決に同意したとしても、「双方が満足するような解決策を見いだすことは難しい」と指摘。その理由として、次のように述べます。

どちらかの国にとって合意可能な内容が、もう一方にとって合意可能とは限らない。例えば、仲裁委員を通じた解決方法に移るとしても、日韓双方が同意できる第三国の仲裁委員を見つけること自体にかなりの困難が伴う。

じつは、このうち「日韓双方が合意点を見出すことは困難かもしれない」という指摘については、私が懸念している点でもあります。

いや、もう少し正確に言うならば、韓国がポーズだけ「日本と協議する」と述べ、レーダー照射事件を巡る日韓実務者協議のときのように、韓国側は無茶で勝手な主張を繰り返すことに終始し、まともな協議自体行えずに無駄に時間が経過する、というおそれがあります。

その意味では、日本が日韓請求権協定に基づく協議、仲裁などの手続を踏むことは、実は「諸刃の剣」といえるのかもしれません。

日韓関係破綻を避けるには外交協議が必要

では、こうした状況を、いかに打開すべきだと趙氏は考えているのでしょうか?それに関しては、次のように続きます。

日韓がいま抱えている問題の性質を考えると、協定で規定された外交協議などで解決できる代物ではないため困難だと思う/仲裁委員を含めて外交による解決が困難となればICJに行き着くことになるが、そもそも日韓両政府がその方法に合意するかさえ分からない。

この点についても、まったくそのとおりでしょう。

いや、現実問題として、韓国国内で徴用工判決に対してどのような方針を取るのかが、いまだに示されていません。

なお、レーダー照射問題について趙氏は

レーダー照射されたら命を守るために退避すべきはずだが、日本の哨戒機は逃げずに韓国駆逐艦の上空を周回して複数の写真を撮るなどの「余裕」があった、と。そうした疑念もあることから、日本が少し過剰に反応したのではと(韓国では)みられている。

と述べていますが、これは趙氏の見解というよりも、韓国国内で「そのような意見がある」という説明なので、聞き流して良い部分でしょう。

いずれにせよ、さまざまな問題が膠着しているのは、日韓双方の相互不信も大きな要因であり、それが「現在の日韓関係をよく反映している」という点についても、私としてはほぼ同感です。

だからこそ、安倍晋三総理大臣、文在寅大統領の両名が本気で「日韓関係の破綻」を避けたいと思っているのならば、今こそ首脳同士が膝詰めで議論する「外交的協議」がどうしても必要なのです。

安倍政権の「真の目的」

日韓関係破綻は日韓双方の合意?

ただ、ここで重要な点は、「日韓両国政府がただちにシャトル外交を復活しなければならない」という結論に至るためには、

日韓両国が関係破綻を避けたいと思っているのならば

という前提条件が付くことです。

この前提条件は、とうの昔に消滅しているのではないでしょうか?

じつは、世の中のありとあらゆる問題について、解決方法を考えるうえで一番大事な事項が、「前提条件」です。そして、前提条件を間違えれば、考察の過程、結論を間違えることにもつながりかねません。

あえて私の憶測で申し上げます。それは、

現在、日本の安倍晋三政権、韓国の文在寅政権が、ともに『日韓関係の破綻』を目的にしているのではないか」――

という仮説です。もっと正確にいえば、「(自分からではなく)相手側から『日韓関係の破綻』を宣言させること」、です。

このように考えれば、「厄介な問題を抱えているときほど相手との直接の話をしたがる」はずの安倍総理が、これまでも何度も文在寅氏と何度も会う機会があったにも関わらず、まったく会おうとしなかったことの合理的な説明が付くのです。

また、レーダー照射問題にせよ、徴用工判決問題にせよ、慰安婦財団解散問題にせよ、「韓国は日韓関係を破綻させたいのか?」といった疑問の声を聞くことはありましたが、日本側がこれらについて、積極的な事態収拾を図ろうとしている形跡がない、という点にはもっと注目すべきでしょう。

  • レーダー照射問題で韓国側との協議を打ち切った
  • 徴用工判決問題で日韓請求権協定の手続を選択した
  • 慰安婦財団解散問題で合意の履行を求めた

といった行動は、いずれも「話し合うふりを見せておきながら、日本政府の側としても本気で解決するつもりがない」という証拠ではないかと思うのです。

前提条件を間違えているから結論を誤る

ただし、「日韓両国の政府がいずれも、いっそのこと、日韓関係を破綻させてしまおうと考えている」、という仮説が正しかったとしても、それに向けて積極的に動くのは愚の骨頂です。

たとえば韓国社会は一枚岩ではありませんから、文在寅氏が日韓断交でも宣言すれば、韓国国内の「用日派」(日本を利用しようとする人たち)から強い反発が出ることは間違いありません。

また、日本側でも一部企業や一部政治家(※自民党を含む)は韓国と密接な関係を持っていますから、安倍総理自身が迂闊に日韓断交を宣言すれば、政権の命取りとなりかねません。

これを日本政府の立場から見れば、韓国に対して「関係の改善」「合意の履行」「条約の順守」「日米韓3ヵ国連携の推進」という正論だけを述べながら、実際には「すべては韓国次第だよ」と突き放し、時間稼ぎをすることで、韓国の側から日韓関係破綻の端緒が生じてくることを待つ、ということです。

このように考えれば、日本政府の行動には辻褄が合ってくるのです。

河野、岩屋両氏を批判する皆さんへ

あえて名指しはしませんが、保守派の論客と思しき人たちの間では最近、河野太郎外相や岩屋毅防衛相に対し、「韓国に対して弱腰だ」と批判する意見が見られます。

ある保守派の論客は、岩屋防衛相は佐藤正久外務副大臣らと比べ、強いメッセージの発信力が弱いのではないか、などと批判しています。また、河野太郎外相が最近、韓国に対し、一時期ほどは強い態度に出なくなったと述べている論客もいるようです。

しかし、仮に私の考察が正しければ、こうした批判はきわめて近視眼的です。

大戦略として、安倍政権が「日韓関係の破綻やむなし」に舵を切った可能性を無視しているからです。もしそうであれば、河野氏や岩屋氏の立場にあれば、韓国に対しては正論だけを吐くにとどめ、いたずらに刺激せず、韓国側に「決定的なヒトコト」を言わせる戦略を取ると思います。

とくに岩屋防衛相の場合は、韓国の鄭景斗(てい・けいと)国防部長官らから「低空威嚇飛行への対抗措置」という発言がなされた際に、先月29日の会見で、「わが国が哨戒活動の在り方を変えることはない」と明言しています(『レーダー照射、米国は仲介しない?落としどころは対韓制裁か』参照)。

岩屋氏の発言が「弱い」と批判する人は、岩屋氏がこうした仕事をキッチリとこなしているという事実を無視するのでしょうか?

むしろ私に言わせれば、韓国に対して冷静沈着に「日米韓3ヵ国連携」を呼びかけ続けること(ただし別に日韓関係を改善しようとする具体的なアクションは取らないこと)自体が、「日韓・日米韓連携の破綻を韓国側に発言させようとしている」という証拠にしか見えないのです。

まだ膠着は続く?

さて、誤解なきよう申し上げておきますが、私は別に、韓国に対して制裁をすべきではない、などと申し上げるつもりはありません。

いや、話は全く逆で、いずれ韓国に対しては、これまでの日本に対する非礼、無礼、不法行為の数々について、何らかの形で清算させなければならないと考えています。とくに慰安婦問題のような誣告(ぶこく)については、徹底的に責任を取らせなければなりません。

ただ、その際に重要なのは、タイミングです。

私は『韓国側の主張に呆れるが、「月内に制裁発動」の可能性は低い』で、確かに韓国の振る舞い、態度については腹が立つことも多いと思うものの、あるジャーナリストが述べたとされる、「レーダー照射に対して1月中に日本が制裁を発動する」という説については、可能性は低いと申し上げました。

結論的には私の説の方が正しかったのだと思いますが、少なくとも現在は韓国に対する制裁を大々的に仕掛けるタイミングではないように思えます。制裁という「伝家の宝刀」は、抜きどころを間違えてはなりません(『「伝家の宝刀」の欠陥 韓国に対する経済制裁を整理する』参照)。

また、おそらく徴用工判決問題についても、日本政府としては4月中旬(あるいは5月中旬)ごろまで「時間稼ぎ」をするつもりではないかと思います(『徴用工問題と国際裁判への道 日韓請求権協定第3条を読む』参照)。

そして、私の勝手な憶測ですが、日本政府が「時間稼ぎ」をする理由は、少しでも日本企業や日本国民に対し、日韓関係が破綻の淵にあるということを周知徹底し、警告することにあるのではないでしょうか?

私のこの仮説が正しいかどうかについては、早ければ4月には判明するかもしれません。いや、昨年12月20日のようなレーダー照射事件に匹敵する非常識な事件が韓国側から発生すれば、もっと早い段階で日韓関係破綻の兆候が見えるかもしれません。

いずれにせよ、日韓関係を巡っては、まだまだ神経質な展開が続きそうです。

新宿会計士:

View Comments (62)

  • まるで西部劇の決闘シーンのようですね。
    相手に銃を先に抜かせるが、それより速く撃ち殺すというパターンですね。

    中村主水の必殺シリーズの方が好きですが、これは無理でしょう。

    対馬海峡が最前線である現実を直視すべきでしょう。

  • 日韓関係だけならとっくの昔に破綻です。米韓関係に必要だから続けているのです。子供の為に仮面夫婦やってるようなものですね。視点を日韓に絞るから異常に見えるのであって、東アジア全体を俯瞰する立場に立てば、日韓関係をゲームとして見ることができます。泥棒で嘘つきなのは通信使の時代から常識です。福澤翁を持ち出すまでもないこと。泥棒で嘘つきのチンピラという駒をどう動かすかをやってるんですよ。アメリカは。日本はそのゲームを補佐する立場。

    • > 子供の為に仮面夫婦やってるようなものですね。

      これは言い得て妙、と思いましたが、その子供役の米国が黒幕ですからね。

      日本が夫婦どちらの役回りかわかりませんが、先の喩えに倣って夫が韓国、妻が日本、ということにしましょうか。子供は夫をそそのかし、妻への悪口雑言と暴力に駆り立てます。妻は子供に手足を縛られ反撃できません。せめて言葉だけでも言い返そうとすると「お母さん、お願いだからお父さんの顔を立ててあげて。ボクのために我慢して」と訴えます。妻が離婚したいと言えば、「片親になるのはイヤ。ボクのために夫婦でいて」と認めません。

      今後も妻に面倒を押し付けることが可能であれば、子供は何建設的なことはもしないかもしれません。

    • 賛成です。半島は米中(露)のゲームの駒でしかない。かつての日本の一部政治家たちはその駒の地位から自ら動けるプレーヤーにしてあげたいと努力してきたけど、まあ、無理だったということですね。
      日韓関係破綻や経済制裁はいいのですが、地政学的に米中のゲームから日本は逃れられません。米国が韓国という駒を捨てれば良いのですが、その地位は下がったとしても索敵や補給拠点としての機能まで捨てるとは思えず、米韓同盟は破棄までいかず、陸上部隊を大幅に縮小する程度で残すのではないでしょうか。そうなると日韓関係を破綻させることは、米国のパートナーである以上できず、経済制裁しすぎると、後の復興の負担を負わされかねません。
      まずは冷静に日本の国益を最大限に考え、生かさず殺さず、米国の駒として、そして前線が対馬まで下りてくるのを防ぐ防波堤として役に立つようにうまく誘導していく術が必要な気がします。

    • 以前、例え話をすると、理解できるが好きではないというコメントを頂きましたが、今回は何とか受け入れていただいたようで、ひとまず御礼申し上げます。アノニマスさんは日本を仮面夫婦の妻と解釈したようですが、この解釈に従えば、やはり妻の自立こそがポイントになります。稼ぎが安定せず、嘘をつき、泥棒をする亭主から離れるには児童手当に頼らずに生活できる基盤を確保することが望まれます。

      憲法9条を死守するために日本は報復核を配備しなければなりません。共産党は暴力革命を目指さないのであれば賛成せざるを得ないでしょう。

      • 未開土人大王艦長さんへ

        夫婦に例えられるのは普通に嫌ですね
        言ってるコトは理解出来るので、スルーにしたかったけど
        >今回は何とか受け入れていただいた
        とか思われるのは堪らないので
        ハッキリ言います、今後は止めて下さい

        • そうですか。これからもよろしくスルーでお願いします。

  • 戦後の体制は良くも悪くも米を中心として回ってきました。いわゆる西側の同盟・協力関係は勿論、冷戦と言う「体制」そのものも米が創り出したものです。
    しかし70年以上も経てば如何に強固な体制でも状況にそぐわない所が出来て来ます。
    冷戦は崩壊し中露は市場経済という同じ土俵に乗り、その中で中は米に取って代わろうとしています。
    ソ連が無くなったお陰で欧州も箍が緩んできました。ブレグジットは形を変えたバトル・オブ・ブリテンでしょう。そんな状態を露はもう一度締め直そうと狙っています。
    石油の力が絶対で亡くなったのでアラブは力を弱め、平和の恩恵を受けた印・東南亜が真の独立を目指しています。
    敵も味方も「西側」という船に乗っているのですから、米もまとめ切れるものではありません。こう見て来ると、今は戦後レジームというかパックス・アメリカーナからの転換期なのでしょう。
    韓国が新しい国家運営の指針を中に向け、日本はあくまで日米同盟で行くなら、日韓の関係は一度清算して新しい枠組みの中で再構築する外はありません。
    請求権協定や日韓合意が米体勢よって為されたものなら、韓国としては当然廃棄を考えていると思われます。
    ここは日本も腹を括らなければなりません。

  •  両者とも関係修復の願望を有しないのではという見方もあると思いますが。私には、文政権自体の国内での昨今の動きを見ると、もっと異なるものを想像してしまいます。
     それは、金慶洙慶尚南道知事の一審判決に対する与党、共に民主党からの弾劾裁判推進の動きです。どうも、彼らには、論争においては、論理性というのは不要であると認識しているように思われます。なにせ、判決の不当性は“裁判を担当した判事が梁承泰元大法院長の元秘書だという点”だとしていますから。
     この件を見ると、過去の李氏朝鮮時代の党派政治に明け暮れた時代を思っています。あの頃と何も変わっていないのではと。
     文政権が関係修復の願望というよりも、いったん味方ではないと判断した相手に対しては、徹底的に、嘘をついてでも攻撃するという、いつもの性癖の表れに過ぎない様な気がします。
     そうして、私には、なぜ韓国は今に至っても、まともな論争ができないのかが不思議でしょうがないのです。

    • まだ韓国を理解していませんね。

      ”韓国の文化は「まともな論争」を目指している”と錯覚しているのです。
      あの状態で自分たちは正常だと認識しているのですから、李氏朝鮮時代からずっと変わらないのです。

      日本人が、正義とか真実とか論理の一貫性とか筋を第一義的な価値として考えるけど、そうではない国の方が現実には多いのが現実です。
      そんな価値観で作ってみたのが国連だけど、参加国の中で国連の様な「民主主義」が現実的な力を持つと信じている国がどれだけあるんでしょうかね。
      日本は信じていそうで、米国なんかは信じていないけど便利だから利用する程度に思っています。

      落としどころは、「韓国の様な価値観は国際社会では建前上許されない」という状態にまで持って行くことでしょう。
      次点は韓国が破滅する様に持って行くことですが、度々指摘されている様に弊害が大きすぎです。

      •  たしかに、私が理解していないのかもしれませんが。でも、木走日記でもありましたように、韓国は真実に対する「知的誠実さ」に欠けている。私も同じ思いなのですが。
         りょうちんさんのように、所詮どこの国も似たようなもんだ、、真実とか論理の一貫性を求める国は少数だ。韓国はその多数に属するだけだ。というのは、少々安易に流れているのではと私は思ってしまいます。
         もちろん私も、そんな理解不能な国とお付き合いしたいとは思わないのですが、ただ、
         では、なぜ、韓国が、そのような知的誠実さに欠けるようになったのか、論路上破綻しているのは明確なのになお、悪あがきをするのかが知りたいのです。

        • それでも世界は美しいと思いたい感情は私も同感します。

          韓国は、比較的行動原理がわかりやすい国で、「理解する」ことはさほど難しくありません。
          佐藤優元外務官僚が、著書の中で多用していた「内在的論理」というやつですが、韓国のコードは短い・単純なんですよね。
          理解した上で付き合いたくない国ですが、”日本をカリフォルニア沖に移動できない”以上、何らかの形で付き合うしかありません。

          >なぜ、韓国が、そのような知的誠実さに欠けるようになったのか、論路上破綻しているのは明確なのになお、悪あがきをするのかが知りたいのです。

          朱子学と李氏朝鮮の社会構造からきているものと考えられています。

        • りょうちんさん、付き合ってくださって、ありがとうございます。でも朱子学までくると、私には荷が重いです。当分そっとしておきます。

        • 横からすいません。自分自身、同じ疑問を持って、その命題を探求したことがあります。
          自分の浅学な解釈で申し訳ないが、朱子学に触れずに、朝鮮半島の文明的なところから説明したいと思います。
          朝鮮半島は火田民などの長い年月の収奪により、山は禿げ山、木材資源が枯渇状態にありました。オンドルを焚き、料理するための薪炭すら不足する有り様です。水車を作るための木材も無ければ、製鉄な貨幣を鋳造するための燃料もまともにない。当然、染料を作るための燃料もなく、衣服も真っ白。文明の崩壊状態にあったわけです。
          こうした社会では、他人を蹴落とせる人間だけが生き残れる過酷な社会です。常民から蹴落とされて奴卑(白丁)になれば、食うや食わずで短い人生を生きなくてはなりません。女性は性の玩具の身分に落とされます。
          そして、李氏朝鮮の歴代の王は、両班同士が結束して王を打倒できないように、互いに反目させるように画策していた。李氏朝鮮の宿痾である『党派の争い』には、王たちが両班を互いに無益な論争に明け暮れるように持っていった面もあるのです。このために、李氏朝鮮は王朝として、五百年以上も持ちました。かなり邪悪な統治方法を採っていたことがわかります。
          この資源が圧倒的に不足した中で、『一粒の粟』を争奪するために、他人を売るような醜い行為を繰り返していたのが、朝鮮半島の伝統的な社会です。生き残るためには、嘘を大きな声でがなり立て、他人を貶めないと生きていけない性分が出来上がったのでしょう。
          餓鬼の争いです。実に不幸なことです。

  • 日韓両政府の思惑は、この見方が現状で一番妥当性が高いんでしょうね
    当然、話し合って合意してる訳では無いが、目論見は一致していると。

  • いつも面白い記事をありがとうございます。

    出来れば、もう一歩踏み込んで、いろいろ書いてくれたら、嬉しいです(^ω^)

    例えば・・・・・・・

    >日本側でも一部企業や一部政治家(※自民党を含む)は韓国と密接な関係を持っていますから、安倍総理自身が迂闊に日韓断交を宣言すれば、政権の命取りとなりかねません。<

    の部分に関してですが、どんな情報をもってらっしゃるのですか?

    伏せ字で結構ですから、どんな噂があるのか書いてくれないかな~なんて思ってしまいます(笑)

    今後も期待しています。

    • 都市伝説とか陰謀論の類になるので基本的にあまり大っぴらに語るべきではないと思います。そしてそのような陰謀論に片足を突っ込んだような主張を会計士様がするとも思えないし、このサイトに相応しいのか疑問です。ですが、勝手にやってしまいます。問題があるようでしたら削除してください。

      いろいろ書きましたが、それでも一つだけ知っておいた方が良いのではないか?という事例があります。

      中央日報の『自民党4選議員「韓国は嘘つく泥棒」妄言』という記事をご存知でしょうか?これは「自民党国防部会」で議員が韓国を批判する発言をした、というだけの記事で日本人からすると良く言った、ぐらいにしか感じないと思います。

      ですが、この記事の問題は発言内容ではありません。『マスコミをシャットアウト』して行われる国防部会での発言が翌日には韓国の中央日報で一字一句違わずに報じられたという事が問題なのです。

      これはほぼ間違いなく自民党議員が内容を漏らしたという事であり、韓国との密接な関係を持っている人物がいるという事を示しているのではないかと思います。

      さて、ここからは知らなくても良いようなさらに怪しい噂話になります。話半分、信用0な話として聞いてください。

      一つ目は、国会議員には朝鮮系の議員が山のようにいるという事です。有名な議員だと小沢一郎氏などです。どうも在日朝鮮人は積極的に政治家を輩出している名家と婚姻関係を結び、乗っ取るという事を行っているようです。他にも企業の創業者一族にも嫁入り、婿入りしている在日朝鮮人がいるなど、組織的にバックアップされているのではないか?と疑われています。

      二つ目です。連立与党である公明党は弱者の救済を名目に在日朝鮮人にも非常に優しいことは知っている人も多いと思います。そして、公明党のバックにある創価学会には在日朝鮮人が山程所属しているようです。また池田太作氏にも在日朝鮮人疑惑があり、それで親韓なのだとも言われています。

      こういった在日朝鮮人達とサヨク界隈の人達、そして彼らが多く所属するマスコミが一斉に動き出すと2009年の再来とかになる可能性もあるかも知れません。また、そうなるように彼らが動かないとは思えないというのはあります。だからこそ隙を見せる事、特に賛否両論ありそうな事はし辛いのかも知れないとは思います。

      いろいろ書きましたが、有名になれば疑惑が付き纏うのは当たり前の事です。疑惑は疑惑でしかありません。そして出身がどうであれまともな人はいますし、逆もいます。大事なのは何をやって、どうするのかです。日本のためになるか?それ以外の要素は極論どうでも良いと思っています。

        • 主張している内容の正当性は一切問いませんが、この手のテキストで済む内容をわざわざ動画にしてYouTubeに上げる人はだいたい小銭目当てのスタイル国士なので、無視するのが一番ですよ。
          紹介ですら相手に都合のいい行動です。

        • 捏造動画ですよね。

          少なくとも私はてっきり捏造されたものだと思ってました。

          安倍さんも「迷惑してるって」言ってましたよね。

          でも、私の勘違いですかね。

          まあ、信教の自由は誰にでもあるので、安倍さんがあそこからお金とかもらっていても非難はできませんよね。

          公明党なんて、そうか学会みたいなもんですから、韓国のとういつ教会が悪いものだとも、いいものだとも、言いませんよね、似たようなものですもんね「そうか」も「とういつ」も。

          でも、ちょっとがっかりですよね(笑)

          もしかしたら、今の安倍さんの反韓姿勢も、防衛予算を増やすための、ただの演技なのかもしれないですね、ノービザ渡航なんて安倍さんが音頭とって導入したみたいですもんね、本当は安倍さんは韓国人が好きなのかもしれないですね。
          防衛費が膨らんで大変ですね。
          朝鮮半島のリスクを煽れば、F35戦闘機や新レーダーシステムを米国から大量購入するための、理由付けにもなりますもんね。
          改憲だってしやすくなるし、なんてたって、消費増税があるので、支持率落とすわけにはいきませんからね・・・て勘ぐってしまいますよね。

          まあ、それでも私は安倍さんを支持します。

          ただ、新入国管理法にはがっかりしましたけどね。来年から中国人が何十万人と日本に入ってくるのかと思うと、気持ち悪くなりますよ。

        • カニ太郎さんへ

          日韓経済協力会(JKE)と云うのが有ります
          普通に考えて、韓国に利権を持つ企業の名簿だと思います

          役員名簿
          http://www.jke.or.jp/document/docs/1b44f94df6d50988604cfd975cba4aa822da136f.pdf
          諮問委員会名簿
          http://www.jke.or.jp/document/docs/10dffa986318449b0e7588b048417ecdfed9358f.pdf

          でも、韓国は戦時朝鮮人労働者問題等で、住友、三菱、麻生に
          喧嘩を売ってる訳ですから、日本人が日韓経済協力会を敵視
          しても意味が無いかと思います

  • 戦略的放置、現在とり得る最高のカードでは無いでしょうか。
    今となってはレーダー照射の事実は、最早どうでもいい段階に来ています。
    私は韓国海軍の現場の暴走と思っています。
    幸い国内では韓国に配慮せよなどとの、発言は極めて少数であるようです。
    国と国の関係は個人と個人の関係の延長線上にあります。
    相手を嫌いになれば、付き合いは少なくなります。
    商売の場合、信用がなくなれば関係は消滅します。
    経済は国力と関係があり、非常に重要ですが、最近日本は、中韓を除外した経済圏を構築しようとしているようにみえます。
    最近野党は厚労省の統計調査違反を口実に政府を攻撃していますが、事実をよく見ていただきたい。
    政府が違反を支持したわけでは無い。
    違反は、厚労省公務員の手抜きが原因です。
    以前の年金問題も同様です、国は関係した公務員を排除して、新しい組織を立ち上げようとしましたが、激しい抵抗にあい、看板の掛け替えに終わっています。
    今回もマスコミは、政府を批判していますが、政府では無く、組織の公務員個人個人が問題です。
    組織の公務員個人を処分しろと政府に迫るべきでは無いでしょうか。

    • 野党は大臣を罷免しろと言う・はぁ~?
      元総務大臣はTVで解説する、予算が無い、人手が無い、優秀な人材がいない・はぁ~?
      馬鹿な私でも言うに憚る言葉を胸張って堂々と宣う、気持ち悪い日本終わってるんじゃ無いかと・・・

    • >組織の公務員個人を処分しろと政府に迫るべきでは無いでしょうか。

      手近なとこで、腹が立つのは、本当によぉーく、分かりますが、霞ヶ関を始めとして、「働け方改革」をしなくてはいけませんね。
      どなたかに、ご提案いただきたいのですが、彼らが意識に目覚め、テキパキ働ける様な効果的な構想改革、再編が必要なのだと思います。

      知人に某小都市の地方公務員に転職した男がいます。彼曰く「公務員の仕事はまず、周りと合わせること。自分を脳死状態にすることが第一段階だね。」だそうです。
      お手(てて)繋いで、仕事をしない?
      明石市長の暴言はともかく(弁護士なんだから、もっとなんとかならなかったの?)、彼の怒りは、よく分かる。後付けで「彼らはよくやっています。」って、信じろって?
      同じような怒りを、橋本前大阪知事も持っていたんじゃないかしら。

      それから、マスコミはいい加減、選民意識から脱しなさい。報道の自由は、報道の無法ではないですよ。
      取材内容の恣意的な編集は、改ざんというのですよ。
      報道の自由の元に、なにをやってもいいとお考えなら、そのうち、視聴者に潰されますよ。

  • 更新ありがとうございます。

    日韓が共に友邦、同盟を破棄したがっている、それも相手側から先に言い出さすという会計士様のご意見、慧眼だと思います。

    前の大統領、朴氏から文氏まで、長い間韓国大統領は日本訪問をしてませんね。何かというと米国だ中国だそして北朝鮮。安倍首相は(嫌でも)数回行ってます。外交の礼儀も失った韓国です。

    この朴氏にしろ趙氏にしろ、日韓首脳会談を早急に望んでいる。しかし、今の状況でシャトル外交はありえません。文大統領は日本の事などマジでどうでもいい。関心なし。むしろ会えば言われる事は非難だけ、如何に北信者の文でも面前でダイレクトに言われるのは避けたい。

    朴氏、趙氏とも勘違いしているのは非常に抑制の効いた物言いだが、『日韓関係がまだ修復できる』、お互いが解決策を模索するという韓国人的考察から抜け出てない点ですね。

    もう、日本の世論は『韓国友邦』とは見ていない。【上手い具合にダメージ最少で離れたい】。そこにまだ思い至らないのが致命的です。

  • 日韓関係破綻と言うより、私には三角同盟だと確信(錯覚?)して動いてきた日本が韓国によって実はV字同盟だったと言う事にに気付かされた今、態度を変えざるを得ない状況になって慌ててるにしか見えませんね。

  • 結局、日本政府も今月に行われる2回目米朝会談の行方を見守っているのではないでしょうか。
    この会談の結果で半島がどう動くかを見定めて、アメリカと同期をとった行動に出る。と思います。
    今回の日韓騒動については、日本政府は手順はしっかり踏んでいますが、大きくは会談後に動くと私は見ています。
    半島問題は、日本1国だけで動くわけにはいかない。
    ただ、いつどうなるか不安定な半島情勢に、備えだけは怠らずにして欲しいです。

    それから、今回の日韓関係悪化に憂慮されているとおっしゃる韓国の方に申し上げます。
    ご自分たち(文在寅政権)がとった日韓関係悪化に憂慮とは、どう答えたらよいのか分かりません。
    お願いしますから、あなたがたの問題は、あなたがたで解決して下さい。

    • 本当に、勝手に喧嘩を売ってきて、その売った相手に落とし所を見つけろとか、自分で考えてください、としか言いようがない。

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