「韓国はレッドチーム」、韓国メディアはそろそろ現実認めよ

先ほどの『防衛大綱見直しは「国民の敵」発見器 敵対国はどこだ?』で取り上げ切れなかった話題を、もう1つ提供しておきます。韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)は、22日に日本の南海上で行われる日米英軍事演習について詳報していますが、その報じ方を見ると、都合が悪いと歴史を持ち出す一方で、韓国が「日米同盟」を基軸とした複合的な同盟関係から完全に除外されているという点を完全に無視しているようです。

韓国・ハンギョレ新聞が日米英軍事演習を報道

先ほど『防衛大綱見直しは「国民の敵」発見器 敵対国はどこだ?』で、防衛大綱の見直しを批判した勢力が、見事なほど分かりやすかったという話題を紹介したばかりです。

防衛大綱見直しは「国民の敵」発見器 敵対国はどこだ?

安倍政権の防衛大綱見直しを批判した言葉を拾ってみると、だいたい共通していて、「専守防衛の枠組みから逸脱する」だの、「戦争できる国になる」だの、そういった過激なことばが踊っています。そして、安倍政権を批判したのは、

  • 朝日新聞など、日本国内のマスコミ勢力
  • 日本共産党、立憲民主党、国民民主党などの野党勢力
  • 中国政府、韓国政府

といった勢力であり、これまた非常に分かりやすいと思ってしまうのです。

それはさておき、先ほどの記事に入れづらかったのですが、もう1つ、昨日は私が気になった報道がありました。それが、韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に掲載された、次の記事です。

米英日、初の共同海上訓練…中国けん制を強化(2018-12-20 07:48付 ハンギョレ新聞日本語版より)

これは、日米英3ヵ国が初の共同訓練を行うという話題であり、ハンギョレ新聞は「米英日が手を取り合って中国に対する牽制を強化している」と報じています。

海軍といえば、10月11日には韓国・済州島(さいしゅうとう)の海軍基地で行われた観艦式で、日本の自衛艦に旭日旗を掲げるなという無法な要求を突き付け、韓国が国際社会で恥をかいたことは記憶に新しい点です(『旭日旗騒動と観艦式の振り返り「全世界に恥をさらした韓国」』参照)。

その韓国からみれば、日本が米国との同盟を軸にしつつ、英国やインド、オーストラリアなどとの連携を深めつつあること自体が、重要なメッセージ性を帯びていることは間違いありません。

日米同盟軸に、日英が急接近

今回のハンギョレ新聞の記事でも、日本に対するいつもの悪意や憎悪の類いが感じられるのですが、それ以上に重要なことは、韓国メディア自身がこの記事を執筆したことで、韓国が少なくとも「日米同盟」の軸には加わっていないことを、彼ら自身が強く認識するきっかけになりそうだ、という点です。

実は、ハンギョレ新聞に指摘されるまでもなく、日本は最近、英国と急速に安全保障関係を強化しつつあります。

たとえば、英国は現在、「ブレグジット」(欧州連合からの離脱)を巡る交渉の最中にありますが、英国が「脱・EU」を実現すれば、その分、英国にとっては日米など「太平洋同盟」に加わるインセンティブが高まります。

実際、今年8月には英海軍に所属する揚陸艦アルビオンが横須賀に寄港していますし(次の産経ニュースの記事参照)、また、日英両国は「外相・防衛相会談(いわゆる2+2会談)」を過去に複数回実施しています。

【国際情勢分析】英、加速する「脱欧入亜」 中国・北朝鮮の脅威に対抗、EU離脱控えアジア接近(2018.9.20 09:00付 産経ニュースより)

また、今回の軍事演習では、日本からは護衛艦いずも、英国海軍からはフリゲート艦アーガイル、米国からも艦艇などが参加するそうです。いずれにせよ、この演習を契機として、3ヵ国の連携は、今後より一層強化されることでしょう。

都合が悪くなると「歴史」持ち出す

ただ、この強いメッセージ性を持つ軍事演習について、このハンギョレ新聞の記事では、どうもその意味をまったく理解していないようです。そして、英国が出てくると、唐突に、

米日の対中牽制に英国が加わる形になり、中国はさらに神経を尖らすものとみられる。中国が「100年の屈辱」の始まりとするアヘン戦争(1840~42年)の相手が英国だからだ。1902年、英国と同盟を結んだ日本は、帝国主義の道へ本格的に進み、中国侵略に乗り出した。

と、歴史の話を持ち出します。

あまりにも唐突過ぎて、かなり支離滅裂ですが、要するに都合が悪くなると、無意味に「歴史」を持ち出してくるのです。ある意味で、非常に韓国らしい記事です。

ここでいきなり歴史を持ち出す理由は、おそらく、韓国が日本に対し、唯一上位に立てる(と勘違いしている)分野が歴史だからです。韓国は日本の「苛烈な植民地支配の被害者である」という点が、(たとえ捏造であったとしても)「韓国こそが日本より道徳的に上位に立てる国だ」、という論拠なのだとか。

ただ、現実は遥かに先を行ってしまっています。

というのも、日本は米国、英国、インド、豪州、などと着実に協力し、対中牽制網などを強化していて、それと同時に、この「対中牽制網」には韓国は含まれていないからです。

いや、もう少し正確にいえば、日本が主体となって構築しつつある対中牽制網に「含まれていない」どころか、韓国自身が「中国や北朝鮮と同様、牽制される側に回っている」といった方が、実は正確なのかもしれませんね。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ところで、私自身、日本は中国と対峙していくなかで、いかにして戦争を回避しつつ、中国と向き合っていくかが重要だと考えているのですが、それと同時に、「小骨」は抜いておく必要もあると思います。

それが、日中両国の間に存在する、2つの半島国家です。

わが国では、「保守派」を自称する論客のなかにも、「朝鮮半島は日中の緩衝地帯として重要だ」、「もし韓国が中国の属国となれば、対馬海峡がアチソンラインになってしまう」、といった主張をする人が多いのですが、私はこうした見解には同意しません。

むしろ国際環境において、「無能な味方」、あるいは「味方の振りをした敵」、「コウモリ」などは非常に厄介です。日本が過去に関わった戦争のうちのいくつかは朝鮮半島が導火線になっていますし、朝鮮戦争が混乱した理由は、米国が韓国を、中国が北朝鮮を統制できていなかったからだという説もあります。

このように考えていくと、いっそのこと朝鮮半島は日本にとっての「敵陣営」、あるいは「仮想敵陣営」である中国やロシアの管理に委ねてしまうのが正解ではないかと思うのです。

本来、このあたりの私の持論については、もう少しじっくり議論したいところではあります。ただ、それと同時に、これから年末にかけて、韓国で日韓関係を破壊しかねない大きな動きも出てくるかもしれません。そのように考えていくならば、日韓関係の終焉と日中関係を時事ネタと絡めて議論するのも面白そうです。

引き続き、当ウェブサイトのご愛読とコメント欄へのお気軽なコメントを賜りますよう、よろしくお願いいたします。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    <更新ありがとうございます。

    < 日米英による海軍共同演習実施は、日本にとって願ってもない事。ぜひ戦闘艦同士で赤チーム、青チームに分かれて練習して欲しい。

    < また、島嶼奪還訓練やビーチに橋頭堡を作り、3国合同の制圧訓練もお願いしたい。日本は島国のため、海空はほぼ十分なウェポンを装備してるが、こと陸上になると、かなりハンデがあります。理由は大陸、半島侵略を考慮してない為。機動性のみ、ストロングポイントでしょう。

    < 更に3か国に留まらず、豪、NZ、仏、加、印、台、尼、泰、比あたりとも演習の必要ありですね。

    < コレを非難するのは特亜3か国と露、独ぐらいか。ほっときましょう。関わりたくない害国(笑)。

  2. にゅるす より:

    合同軍事訓練に5eyesの一角でもある英国も加わるとは非常に心強い限りです。この対中包囲網で中国が敏感に反応するのは間違いないでしょうが、北に忖度してばかりで国防を忘れた隣国にとっても他人事ではないようで、「戦争できる国」「軍国化」などと日本を非難する一方で羨望する声もあるようです。外交力で自分達の指導者と安倍さんがどうしても比較されてしまうのでしょう。

    日本が防衛力を強化すれば対岸が歴史云々と批判を繰り出しますが、目の前の国が軍事力を増大させて日本の尖閣や沖縄を狙い、太平洋進出を狙っているのに黙って指をくわえて見ていろとでも言うのでしょうか?おかしな話です。韓国に至っては中国牽制の役割を自ら棄てておいて、その分を補わなければならなくなった日本を非難するなど本末転倒です。

    国内の野党・・・・・いや、左党が自民下ろしのために国防を必死に悪用する姿には嘆きすら覚えます。
    もしこのタイミングで左党が政権を握っていたら中韓に米牽制に利用され、○ーン氏に日産の技術を中国に売り飛ばされ、国の信用も主要産業もガタガタにされていたかもしれませんね(苦笑)

    1. りょうちん より:

      >合同軍事訓練に5eyesの一角でもある英国

      実は今年から5eyesに日本とドイツがとうとう入れてもらえることになりました。
      フルアクセスではないでしょうが一歩前進というところでしょうか。
      しかし、ドイツはいらねえ・・・。

  3. めたぼーん より:

    半島の国は事大主義、要は長いものに巻かれると言うのが基本ですから、昨日も味方も今日の敵にすぐに頭を書き換えられますから、信用なりません。信用ならない国を味方にすると、その国を監視するという余計な仕事が増えますからね。

  4. Watch Snowflakes in South より:

    ロシア極東連邦大学教授のアルチョム・ルーキン氏、が2014年8月27日にハフポスト投稿した「
    2034年、第三次世界大戦勃発のシナリオ」という記事を興味深く読みました。

    発表当時は何たるヨタ話と思ったのですが、その後の展開を考えると全くありえない話でもないと思うようになりました。また一説によるとロシア人は戦術からっきしだが、大戦略は得意とも言われます。

    記事の中に韓国は「韓国は2027年から南北の連邦国家になっていて、中立を維持している。」とあります。ベトナム型国家統一ですねきっと。

    これまでの安倍首相の動きは日本版「韜光養晦(とうこうようかい)」とも受け取れます。

    まずはご笑覧ください。

    https://www.huffingtonpost.jp/artyom-lukin/world-war-3_b_5720254.html

    ●ご参考までに
    インド太平洋構想 Karl Haushofer 文献リスト
    http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2300

    1. Watch Snowflakes in South より:

      内容が「戦争」ですし、私の記事でもありませんので「笑覧」は撤回させていただきます。
      「ご興味がおありでしたらご覧下さい」に訂正させてください。

      失礼致しました。
      WSS

    2. クク より:

      あれよ あれよと 言ってる あいだに
      「まさか」が起こった
      ではあまりに子供達にすまな過ぎます

      夫々の民族が 民族として
      まさにアイデンティティを保ちつつ 成長して、共栄して行ける 世界が構築されることを
      願ってやみません

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