「中国が北に石炭ガス化技術提供」報道事実なら二次制裁必要
米国メディア・WSJが本日、「北朝鮮が石炭をガス化する装置などを使った合成燃料の生産量を増やしている」と報じました。この「石炭ガス化技術」自体は歴史も古く、石油の禁輸に直面した国が石油代替エネルギーとして用いる常套手段なのだとか。そして、今回、北朝鮮に「石炭ガス化」技術を提供したのは、やはり中国ではないかとされているようです。この報道が事実ならば、北朝鮮だけでなく、北朝鮮を支援する中国、ロシア、韓国などの国も、北朝鮮と同罪であり、一刻も早く「セカンダリー・サンクション」を導入すべきではないかと思うのです。
WSJ「北朝鮮が合成燃料生産を加速」
米国メディアのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は17日夕方(日本時間の本日早朝5時過ぎ)、北朝鮮が国連制裁逃れを目的に、石炭を原料にした合成ガスの製造を活発化させていると報じました。
North Korea Turns Coal Into Gas to Weather Sanctions(米国時間2018/12/17(月) 15:09付=日本時間2018/12/18(火) 05:09付 WSJより)
現在、国連安保理決議に基づき、北朝鮮に対しては年間一定量を超える石油の輸出が禁止されています。しかし、WSJによれば、外交関係の専門家の話として、北朝鮮が国内に豊富に存在する石炭資源をガス化することで、肥料、鉄鋼、セメント工場などを動かしているとしています。
この「石炭のガス化」とは、不肖ながらそのような技術があるということを私は存じ上げませんでした。
しかし、WSJの記事では、「石炭のガス化は石油の禁輸に直面した国が使う常套手段である」と指摘。このテクノロジー自体は18世紀に開発されており、第二次大戦中のナチスドイツ、1980年代に石油禁輸に直面した南アフリカなどが活用していたものだとしています。
ただ、北朝鮮が石炭のガス化という技術を保有しているとは考えられません。
WSJによると、「事情に詳しいある関係者」は、北朝鮮の石炭ガス化プロジェクトに技術を提供しているのは中国企業であると指摘。この企業は今年7月に北朝鮮に対し、時間あたり4万立方メートルの「石炭ガス」を生成する機械を北朝鮮に納品した、と述べているそうです。
これによる合成燃料の生産能力は「近年における北朝鮮の石油や精製油の年間輸入量に対し10%に相当する」(ノーチラス研究所のデビッド・フォン・ヒッペル氏)との見方もあります。
つまり、中国は確かに「石油の禁輸」という国連制裁は守っているものの、事実上、国連安保理決議を無効にするような支援を行っている、ということです。
石炭の特徴は「どこにでもある」
もっとも、「北朝鮮に石炭資源が豊富である」というのは、表現としてはやや不正確です。というのも、「国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構」のウェブサイトによれば、石油と異なり、石炭は化石燃料の中でも「採掘可能埋蔵量」が最も多く、埋蔵箇所の偏在もないからです。
といっても、石炭はそのままでは燃焼効率が悪く、また、環境負荷も高いという欠点があります。そこで、わが国でも、石炭をガス化することで、環境負荷が低く高効率な発電を実現する取り組みが存在しています(『石炭をガス化して高効率化を実現 「石炭ガス化複合発電(IGCC)」』参照)。
実際、国連安保理決議で北朝鮮産の石炭の輸出が禁止されたこともあり、北朝鮮国内では石炭がダブついている可能性がありますので、北朝鮮にとっては、この「石炭ガス化装置」は、いわば「渡りに船」なのです。
もっとも、先ほどのWSJの記事でも「北朝鮮という国の秘匿性が強すぎ、石炭ガス化テクノロジーによる国連制裁逃れの数量的影響の見積もりは困難だ」と述べられています。
中国、ロシア、イラン、韓国…世界は繋がっている!
いずれにせよ、北朝鮮の乏しい技術力で石炭の効率的なガス化が実現するものではありません。今後も北朝鮮は「あの手この手」で国連制裁決議を逃れようとするでしょうし、それに手を貸す国は間違いなく存在するからです。
この点が、北朝鮮制裁を議論するうえで、もっとも悩ましい点です。
北朝鮮は陸上で中国と1000キロを優に超える長さの国境で接しており、また、わずかながらもロシアとも国境を接しています。そして、中露両国が北朝鮮に対し、陰に陽に、さまざまな支援を与えて来ているであろうことは、想像に難くありません。
ただ、北朝鮮に支援をする国は、中露両国だけではありません。
たとえば、北朝鮮が保有する核技術は中東諸国から見れば垂涎の的であり、とくに北朝鮮と同様に米国からの制裁に直面しているイランが、北朝鮮と密接な関係を有しているのではないかとするレポートのたぐいも、枚挙に暇がありません。
そして、こうしたなかでさらに公然と北朝鮮を支援する国が出現しました。
韓国です。
韓国は文在寅(ぶん・ざいいん)大統領自身がどうも北朝鮮シンパではないかと疑わしい行動を取っており、実際、文在寅政権発足以来の韓国政府の動きを見てみれば、彼らの行動パターンは「北朝鮮を守り、支援すること」で一貫しています。
このように考えていくと、国連の「北朝鮮制裁決議」だけでは北朝鮮に対する圧力を最大化することなどできないということは、明らかでしょう。
なぜ「セカンダリー・サンクション」が重要なのか?
くどいようですが、北朝鮮という国は、犯罪国家です。
まず、工作員という犯罪者を日本に密入国させ、無辜の日本人を誘拐し、北朝鮮本国に拉致して、いまだに返そうとしないばかりか「拉致問題は解決済み」などとふざけた発言を繰り返しています(ちなみに私は、金正恩(きん・しょうおん)という男を逮捕し、日本国内で裁く大義名分があると考えています)。
しかし、北朝鮮が行っているのは、日本に対する犯罪行為だけではありません。
ニセ札の製造と使用、麻薬や覚醒剤の密輸、保険金詐欺、奴隷労働など、犯罪と暴虐の限りを尽くしているのです。
チリの独裁者だったアウグスト・ピノチェトは、1998年に病気療養目的で英国に渡った際、身柄を拘束されました。また、スーダンのオマル・アル・バシール大統領は国際刑事裁判所(ICJ)から逮捕状が請求されている状況にあります。
国際社会がその気になれば、金正恩の身柄を拘束し、裁くことは可能です。国際社会がなぜ、北朝鮮の独裁者である金正恩を裁こうとしないのか、その点が不思議でならないのですが、やはり、中国やロシア、韓国などの不法国家が北朝鮮を隠然と支援していることが大きな問題なのでしょう。
このように考えていくと、北朝鮮そのものに対して制裁を加えるだけではなく、周りからじわじわと圧力を加えていくという方法を併用することが、アプローチとしては正しいといえます。
これが、「セカンダリー・サンクション」(二次的制裁)です。
「石炭のガス化装置を中国企業が北朝鮮に提供していた」という今回のWSJの報道が事実かどうかはわかりませんが、もしこれが事実ならば、米国や日本は、場合によっては中国の企業、銀行の起債を制限することを検討すべきでしょう。
また、先ほど『米韓チキンレース仮説の正しさ裏付ける南北鉄道連結工事』でも紹介したとおり、韓国は現在、北朝鮮に対してなかば公然と支援を行おうとしています。
このように考えていくならば、北朝鮮の核放棄や日本人拉致事件の全面解決を急ぐならば、なおさら、北朝鮮をダイレクトに叩くだけでなく、北朝鮮を支援する不法国家についても同様に叩かねばならないと私は考えるのですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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この技術は元々日本もやってたからね。
豊洲の市場問題も、東京ガスが石炭のガス化プラントが豊洲に有り、
そこから出たベンゼンが問題になったもの。
で、ベンゼンは発がん物質であるため、この方法が中止になったと思う。
北には環境汚染と癌になる国民が増えるし、日本としてはほっといてもいいんだろうが、
これを機会に公に中共・南朝鮮を枢軸国として経済制裁するといいよ、まずはビザの復活からなw
都市ガスの補足 石炭ガス→LNGへ
石炭からガスを生産する為には、乾留するためのコークス炉が必要となります。
都市ガス製造から見れば、ガス生産時で発生するコークス、コールタール(からクレソート油)などは副産物ですが、これはこれで製鉄やその他の化学産業で必要な原料でした。
ただコークス炉は24時間稼働しなけらばならず、オンオフなどしているとレンガが膨張収縮でガタガタになってしまい炉が崩壊してしまいます。
よって、都市ガスのカロリーアップ化や扱いやすいLNGを原料とする方式へ国策として推進され、現在の都市ガスはLNG化されました。
(LNGならば液状で保管出来、使用時は気化すれば良いだけですから)
また石炭ガスにはどうしてもCOが含まれる為、ガス漏れし吸い込んでしまうと死に至る危険がありました。
“ダルマさん”さんへ
ケクレの夢の話を思い出しました
ベンジンとベンゼンがコンガラカッて、祖母の白金懐炉は大丈夫だろうか?
とか心配をした昔のコトも思い出しました
< 更新ありがとうございます。
< 1時間あたり4万立米とは、凄いガス量ですね。WSJの話は本当のように聞こえますし、やっぱり中国は裏から手を差し出しているんですね。
< いきなり崩壊して、貧民が雪崩れ込んで来たらお手上げだもんね。北は確か炭鉱の石炭埋蔵量はかなり多いと言われてます。もっとも質では英炭のような良いものではないでしょうが。
< 韓国だけじゃなく中国もグルかいな。疲れるな〜。北はその気になれば、シナルートで食料も弾薬、薬品も運べる。すべて労働党幹部や金一族にしか回らないだろうが。
< 何を躊躇してるんだろう、米国は。もうセカンダリー サンクションをする条件は、十分に整っているのに。やはり北東アジアは3番手、4番手の対応か。トランプ大統領の目線は、そこを見ていないという事でしょう。
< かといって、日本が戦える国に脱皮していても、日本対中国の直接対決は避けたい。米国、インド、豪州、英と連係してやらないと、ダメージが大き過ぎです。以上。
どのレベルのガス化なのかにもよりそうですねえ。
コークス炉は製鉄で必要なコークス生産用ではありますが、水素50%、炭化水素35%(主にメタン)が副生成物として出ます。製鉄に必要なものですし、質はともかくとして、比較的ありふれた技術かなとも思います。それに、北朝鮮にも製鉄所はあったはず。
新宿会計士様ご指摘のIGCCは、乾留だけのコークス炉より高度で、酸素を吹き込むことで石炭の一部を燃焼させて反応熱を確保しつつ、石炭を水蒸気と反応させてガス化するようですね。コークス炉のコークスになる分もガス化する技術というところでしょうか。
反応面では新しくはないものの、うまく動かすには高い技術が必要そうで、難易度は何とも言えませんが、コスト面はやや厳しそうな気がします。まあ、制裁回避用であれば、そんなことも言ってられないかもしれませんが。石炭の品質のこともあるし、苦し紛れ的な側面はありそうな気もします。
まあ、技術提供して制裁の効果を下げてるのは確かですし、またアメリカが攻撃する論拠が増えたというところですかね。
chemist 様
石炭と水蒸気の反応はスチームリフォーミングですかね? この方法だと確かに一酸化炭素を含んだ水素ガスが出てきますのでその後、水性ガスシフト反応で一酸化炭素を二酸化炭素にすることが必要となります(実際には両反応が同時進行します)。この水性シフト反応が厄介で、反応系が発熱なので温度を上げると反応が進まない方向に平衡がずれます。従って出来るだけ低温で反応させる必要があるのですが、そうすると反応速度が低下するというジレンマに陥ります。と言う訳で、この反応には触媒が不可欠となるわけですが、この触媒の良し悪しによって効率が大きく変わってきます。
これは、燃料電池自動車が水素ステーションのインフラを整備せず、現状のLPGやガソリンのインフラを利用して水素自動車を普及させようとした際にかなり多く研究されました。結局、そのハードルの高さから水素ステーションの普及へと方向性が変化しました。
駄文にて失礼します
宗主国様の無慈悲な懲罰www
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/19/2018121980020.html
金正恩氏がカジノ事業撤回を指示、中国の反発が理由か
>またRFAは「北朝鮮が新義州で建設を進めていた30階建て高級ホテルの工事を先月突然取りやめた理由は、中国政府が丹東近辺に大規模なカジノがオープンすることに反発したから」とも伝えた。
>投資誘致を急ぐ金正恩委員長が、北朝鮮のカジノ事業計画に不満を抱く中国政府の反発で投資が入ってこなくなったことを受け、最終的にカジノ事業を撤回した-という見方が持ち上がっている。
炭素繋がりですが、こんな痛ましい事故が。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/19/2018121980031.html
韓国で相次ぐCO中毒事故、警報器設置の必要性浮上
日本では都市ガスの警報器にCO検知機も付けるのが最近のトレンドらしいですね。
COといえば、毎年恒例の、米軍による韓国貧民への練炭のプレゼントが思い出されます。
おまけ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/18/2018121880129.html
日本産の魚を韓国産と偽装、飲食店を一斉摘発 /済州
韓国じゃ日本産の魚は、偽装しないといけない様な扱いなんでしょうか・・・。
バラムツ食わす国なのに・・・。