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なぜ韓国に対する制裁が必要なのか 対韓制裁こそ日本の義務

昨日の『能天気過ぎる日韓議連の共同宣言と自民党内の韓国への怒り』に対して、読者の方からは「ただ鬱憤をぶちまけ、アクセス数を稼ぐだけのサイトと同じにならないで欲しい」というご注意を頂きました。このご指摘はまったくそのとおりと思います。ともすれば、韓国に対するヘイトをまき散らすだけの、ただの嫌韓ブログと同レベルに成り果てるリスクもあるからです。ただ、それと同時に私が「国際法を破る国」に対して、なぜここまで厳しく考えているのかについて、もう少し詳しく解説しておく価値もあります。そこで、ここでは「法治国家」と「国際法」、そして「破り得」という私見を述べておきたいと思います。

法治国家の意味

「法治国家」とは?

唐突ですが、「法治国家」という言葉を聞いたことはありますか?

これは、「法律が支配する国」のことであり、言い換えれば、「法律には逆らえない国」のことです。どんな権力者であっても、どんな大金持ちであっても、法律の前にひれ伏すような国こそが法治国家を名乗る資格を持っています。

たとえば、日本の場合だと、たとえ安倍晋三総理大臣、あるいは天皇陛下であっても、憲法や法律を破ることはできませんし、安倍総理が憲法を変えようとしてこんなに苦労しているのも、日本が法治国家である証拠でしょう。

逆に言えば、権力者や大金持ちならば法律を破っても構わないような国は「法治国家」とは呼べません。そんなのはただの「無法国家」です。

たとえば、中華人民共和国の場合、中国共産党は中国政府より上位の存在であり、習近平(しゅう・きんぺい)国家主席を初めとする権力者や、権力者と癒着している大金持ちは、法律を破っても許されるようです。

もちろん、この地球上で主流となりつつある考え方は、「無法国家」ではなく、「法治国家」です。しかし、世界中には日本や欧米諸国のような「法治国家」もあれば、残念ながら、中国やサウジアラビアや北朝鮮のような「独裁国家」もあります。この点については、本当に残念な点ではあります。

しかし、無法国家と法治国家、どちらの方が暮らしやすいかについては、いまさら議論する必要もないでしょう。

なぜ法律を守らねばならないのか?

では、なぜ私たちの国・日本では、法律を守らなければならないのでしょうか?

私個人的な解釈ですが、その理由は、2つあります。

1つ目の理由は、法律をきちんと守っていれば、国家があなたを守ってくれるからです。

たとえば、「赤信号のときには道路を渡らない」「道路を渡るのは信号が青のときだけ」というルールをきちんと守っていれば、万が一、青信号のときに道路を渡っていて、車と接触したときには、国があなたに代わって車の運転者を罰してくれます(※あくまでも一般論ですが…)。

しかし、法治国家で法律を守ることの意味は、実は、もう1つあります。

2つ目の理由は、「真面目に法律を守った人が損をする社会」になってしまえば、結局、法治主義が崩壊してしまうからです。個人、法人、役所を問わず、私たち社会の構成員が一丸となって法律を守らなければ、法治主義、民主主義、そして私たちの大切な社会自体が崩れてしまいます。

たとえば、「死刑制度」というものがあります。

これは、人の命を奪った犯罪者に国家が死を与えるという刑罰ですが、これが「非人道的なものだから執行すべきではない」とする議論があることは、私自身も承知しています。

しかし、「非人道的な刑罰だ」と考えるのであれば、国会、あるいは社会全体の議論を通じて、死刑制度をやめるように働きかけるのが筋であって、現に成立している法律に規定されている死刑制度の運用を止めるというのは、法治国家であることを自ら否定しているのと同じです。

つまり、「裁判で死刑に相当する犯罪者だと確定した」ら、逆に「死刑を執行しなければならない」のです。

つまり、法治国家の場合、事前に決まっている法律さえしっかりと勉強し、そのルールに基づいて活動をすれば、国家があなたの身分を守ってくれますし、政府、司法を含めた社会全体は、こうした期待に背いてはならないのです。

これが、法治国家というものだと思います。

国際社会を貫くのが「国際法」

ところで、この「事前に定められたルールに従って活動することが推奨される」というのは、別に一国の中だけの話ではありません。現在の国際社会でも、基本的には「国際法」というものが存在しています。これは、個々の主権国家が国際社会に対して守るべき国際的なルールのことです。

ただし、「国際法」と呼ばれる法典が、まとまって存在しているわけではありません。あくまでも、個別の国際条約や国際慣習法などの集合体を「国際法」と呼んでいるのに過ぎませんが、それでも現代国際社会における重要な法規範である事実に変わりはありません。

そして、法治国家では「法律を真面目に守っている人が損をしてはならない」という鉄則がありますが、国際社会でも同様に、「国際法を守っている国が損をする」「国際法を破った国が得をする」ということが許されてはなりません。

もしそんなことが許されるのなら、どの国も国際法などないがしろにし、自分勝手に自国の利益を追求するようになり、国際秩序など崩壊してしまうからです。

もちろん、世界には200前後の国・地域が存在しており、これらのなかには「逃げ得」とばかりに、平気で国際法を破る国も存在しているのですが、「国際法を破る国があるから」という理由で「わが国も国際法を破っても良い」、という理屈は通用しません。

そして、さきほどの「死刑議論」と同様、法治主義国を自認するならば、国際法を破った国に対しては、相応のペナルティを課す必要があるのです。

新藤義孝氏の激高

韓国は国際法違反国家

先ほどから「国際法を破っている国」と繰り返して来ているのですが、当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』をご訪問いただいている皆さまからすれば、それがどこの国を指しているのかについては、説明の必要はないかもしれません。

ただ、敢えて名指して指摘します。それは、韓国です。

今年10月30日、自称元徴用工らが起こした裁判で、韓国の大法院(※最高裁に相当)は日本企業に対し、原告1人あたり約1000万円の損害賠償を命じました。これは、1965年の日韓請求権協定を、韓国の司法自身が覆したという意味で、深刻な国際法違反です。

この問題について、当ウェブサイトのこれまでのスタンスは明確です。

それは、韓国が国際法違反をしたのなら、韓国自身がみずからの責任で、その状態を解消する必要がある、というものです。その状態を解消する責任は、日本には1ミリもありません。100%、韓国が考え、判断し、決断すべきことです。

そして、韓国がみずからの判断と決断によって国際法違反の状態を是認し、その結果、日本企業に不当な損害が生じた瞬間、日本は韓国に対して厳格な鉄拳制裁を下さなければなりません。

これは、日本の利益のためだけに申し上げているものではありません。アジアを代表する法治国家である日本が、国際社会における責任を果たすための、一種の義務なのです。

「嫌韓のあまり鬱憤をぶちまけた」のではない

こうした中、当ウェブサイトでは昨日までに、日韓議連の議員団が韓国を訪問している日程に合わせて韓国が竹島軍事演習を仕掛けた話を取り上げ、それにも関わらず、日韓議連の額賀会長が満面の笑みで文在寅(ぶん・ざいいん)大統領と握手を交わしたことを、強く批判しました。

とくに、日韓議連については「能天気過ぎる」、「本来ならばあのときに額賀氏だけでも席を蹴って帰国すべきだった」などと申し上げた点については、当ウェブサイトをご愛読頂いている方々のなかでも違和感を持った人が多かったようです。

そして、私の批判が強すぎたためでしょうか、昨日はコメント欄に、「鬱憤をぶちまけ、アクセス数を稼ぐだけのサイトと同じにならないように」というご指摘も頂戴しましたが、この点については厳しく、また的確なご叱責を頂いたことを感謝したいと思いますし、心してウェブサイトを運営していきたいと思います。

ただ、私は別に、巷間の鬱憤をぶちまけるだけの「嫌韓ブログ」と同じような観点から申し上げたのではないことはご理解頂きたいと思います。それは、「筋論」として、日韓議連が日韓友好の推進を使命としているであればなおさら、韓国に対して伝えるべきは伝えなければならないからです。

そして、それができていない以上、日韓議連は解体に値するほど、日本の国益を損ねたという点については指摘しておきたいと思います。

新藤義孝氏が「具体的対抗措置」に言及

ただ、私が救いを感じたのは、自民党内で韓国に対する具体的な対抗措置を求める動きが出ていることです。

昨日も別のニュース・ソースで「自民党の外交部会で韓国に対する非難決議を採択した」という話題を紹介しましたが、『FNNプライム』というウェブサイトにも金曜日夕刻時点で、これと同じ話題を取り上げた記事が掲載されています。

竹島問題で自民党の怒り爆発「非は100%韓国にある」 政府は「具体的な対抗措置」も検討(2018年12月14日 18:30付 FNN PRIMEより)

昨日紹介した『zakzak』の記事よりも、こちらの『FNNプライム』の記事の方が、自民党の動きが詳しく紹介されています。

FNNプライムによれば、「領土に関する特別委員会」の委員長でもある新藤義孝衆議院議員(元総務相)は、竹島における軍事演習について、こう述べたそうです。

また!韓国が暴挙を行った。竹島における韓国軍が海と空に展開して訓練を行う。これは我が国の主権に対する、領土に対する明白な挑戦であり、挑発、許せない行為。断固怒りをもって抗議をしたい

まったくの正論です。

新藤義孝氏といえば、硫黄島で玉砕した栗林忠道中将の孫でもありますが、韓国に対して「声を上げるべき局面」で声を上げてくれる人物こそ、まさに国士と呼ぶにふさわしいでしょう。

ただ、私がこのFNNプライムの記事を取り上げたのは、この発言のためだけではありません。同記事によれば、次の下りがあるからです。

さらに新藤氏は「法的措置がとれるもの、具体的対抗措置がとれるものについては現在検討中で、おそらくもうしばらくの間で、なんらかの韓国側の動きを見て、日本側は具体的な対抗措置をとることになる」と、日本政府が抗議のレベルを超え、韓国側への具体的な対抗措置の準備入っていることを明らかにした。

つまり、この新藤氏の発言が確かなら、日本政府はすでに韓国に対する具体的な対抗措置、あるいは制裁措置の発動の具体的検討段階にある、ということです。

繰り返す:対韓制裁は日本の義務だ

さて、繰り返しになりますが、私自身、別に「韓国が憎いから(あるいは韓国が嫌いだから)、韓国に対して何らかの制裁を課すべきだ」、などと主張しているのではありません。

ついでに申し上げるならば、韓国に対するいかなる行動についても日本の国益を考えることが必要であり、韓国に対して何らかの制裁を適用すれば、日本にもブーメランとして打撃が跳ね返ってくる可能性については冷徹に見極める必要があります。

ただ、それと同時に、「国際法を破っても何もペナルティが課せられない」となれば、「破り得」を許すことにもつながりかねませんし、ひいては国際秩序崩壊の引き金を、日本が引いてしまうということにもなりけなないからです。

その意味で、本当に法治主義を大切にするのならば、日本こそ、むしろ積極的に対韓制裁に乗り出さねばなりません。そのことを、改めて主張しておきたいと思います。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、新藤氏の「もうしばらくの間」という期間が、具体的にどの期間なのかはよくわかりません。

当ウェブサイトでは、金曜日に掲載した『日米両国にケンカを売る韓国、次の決行日は12月26日か?』のなかで、その具体的な日付の1つとして、12月26日を挙げましたが、これはあくまでも「可能性の1つ」に過ぎないからです。

いずれにせよ、日本が対韓制裁に踏み切るのかどうか、踏み切るとしたらいつ、どのような内容となるのかについては、私自身は、早ければ年内にも具体的な動きを見ることができるのではないかと考えていますのですが、今しばらく見極めが必要でしょう。

新宿会計士:

View Comments (22)

  • 叱って反省して成長する子供もいれば
    叱っても全然反省しない子供もいる

    なんらかのペナルティは賛成だが
    韓国の今後の行動を改めさせるなんてのは
    物理的に不可能のような気がする

    • 彼らに反省する能力はありませんからね。時系列に沿った因果関係を把握することすら怪しいです。

      なので犬の躾のごとく、悪いことをしたらその都度叱り、吠えたらその都度叱り、条件付けするのが精一杯だと思います。

      日本はこれまで韓国が何をしても許してきたのですから、突然態度を変えても理解できないでしょうが、何かする都度叱り、痛い目にあわせ、体で覚えて貰うしかないです。

      • 中国はそういう対応をしていますね。さすがに元宗主国ではあります。

  • あーっと記事の返信が入れ違いになってしまいした。
    一つ前の記事に、返信しているので、そちらをご覧になって頂けると幸いです。

    私個人は、皆さんのように、優しく善良で立派な人間ではなく、
    ・韓国にまともになってほしい
    ・国際秩序維持のためにも正しくあってほしい
    ・だから間違っていることは正々堂々と指摘し、制裁をしてでも正しく導くべきだ
    と、これっぽっちも思っていません。
     むしろ、間違った韓国の方針を助長させ、暴走させ、全力で破綻への道を突っ走って言ってほしいと願っています。
     日本が、韓国の間違いを指摘して正しい方向に導き、韓国の地位向上に手を貸す義務など無く、そんな暇があるなら日本の国力増強に全力を尽くすべきだと思っております。
     隣国を助ける国は、必ず滅びます。

  • 政治家が「怒り」と言ったとき、それは「私的な怒り」ではなく「公的な怒り」であること。
    これを「怒り」という言葉を使うときに毎回付け足して欲しいです。

    でないと、のほほんと生きている私のようなものはすぐに、
    「韓国におとしめられた日本国民の怒り」というように「私的な怒り」であると受け取ってしまいます。
    (公を国際社会においた場合です)

    大義をもって行動する国家国民であることを国際社会に示すこと。
    そのための「公的な怒り」であること。

    この点を毎回強調していただくことが重要と考えます。

  • 韓国人も日韓議連の政治家(敢えて)も問題のポイントが解らない(敢えて避けてるかも)のだと思います
    文さんも、個人の請求権は消滅していない処ばかりを強調してます。
    木村教授も取材で「日本が何故此程まで激しく声を上げているのか理解出来ない」とプライムニュースで発言
    >>額賀氏:「個人の請求権は消滅していないと日本政府も認定しているが、外交保護権は放棄している」
    此、韓国人に何を言っているのか伝わりましたかね、此処から和やかに話が先に進んで行ったのかは書いてありません、国益に沿った話なら胸張って発表するでしょうに。
    何故此処まで日本政府は行動が遅いのか(中国見てるとスカッとする)、私には国益より個人利益大の方が多いのでしょうとしか判断出来ません、矢張り選挙で換えるより方法は無いですよね。

  • < 更新ありがとうございます。

    < 【領土に関する特別委員会】で、『法的措置の取れるもの』『具体的対抗措置』という言葉が新藤義孝議員の口から出ました。『もうしばらくの間』とは、今日が16日なので、遅くとも今月末か、三が日過ぎと思います。韓国という「国際法を守らない国」「竹島を蹂躙する国」「日本に嘘偽り、でっち上げを吹聴しまくる国」に対して、鉄槌を降すときです。
    < あまりにも韓国は日本を侮日、卑日、反日し過ぎた。自分たちの中で治める事を、すべて日本に罪、ガス抜きをさせた。

    < ところで会計士さんのサイトでご本人が(日韓議連が)「能天気過ぎる」、「本来ならばあのときに額賀氏だけでも席を蹴って帰国すべきだった」と論評されてましたが、何の抵抗もおかしな点も無いと思います。熟考された上での記述でしょう。

    < それでも違和感を感じたり、「鬱憤をぶちまけ、アクセス数を稼ぐだけのサイトと同じにならないように」というご指摘もあったとか。ん~ 否定はしませんが、あの時のニュース速報を掴まれた段階なら、その程度はOKじゃないの、と思います。

    < 如何に日韓議連が腰抜けだったかは、行く前から対して期待してないものの、例えば歯を見せて文と握手するものではないでしょう。怒りの顔、表情を出すべき、これが正しいパフォーマンスです。メディアに求められても、『内容は大変深刻な話し合いなので、御免蒙る』で良い。握手など別室でやっとけッと思います。さすれば日韓メディアは「緊迫した会談だった」と一報入れるでしょう(入れて貰わなくても良いが)。ま、日韓議連は解散でよろしおま。

  • >中国共産党は中国政府より上位の存在
    これはちょっと言葉足らずでしょう。
    中国共産党は中国政府より上位なのは認めます。
    更に言えば中国共産党は中国憲法よりも上位と付け加える必要があります。

    日本で例えれば、日本国憲法の下に日本国内法があり、その下に日本政府が存在し、
    選挙法により選ばれた議員が存在します。
    日本国憲法の元に全日本国民が存在しますが、中国共産党員の下に中国憲法が存在すると。

  • ねじ曲がった考え方の結果、隣国に火の粉を振りまく国ですから、会話だけで解決できるわけも無く、怒りを体感させることが必要だと思います。最終手段は戦争ですが、それはそれで難しいところですから、制裁で体感させることが可及的速やかに必要だと思います。

  • 新藤氏は、武藤元大使などの「戦前は酷いこともしたけど、戦後は云々」という言い訳気味の脇の甘い主張と異なり、我が国先人の名誉も正当に主張され、決してごまかしで落としどころ的な考えはせぬ方です。
    今は閣僚ではないので、より正論を主張できるのかもしれませんが、安倍総理もほぼ同じ考え方でしょう。

    それと、対韓制裁ですが、段階的に着手すべきでしょう。
    ただ、国としての体を失いつつあり、煽動で動いている韓国は、火に油で逆切れし、何も考えずに脊髄反射で何らかの対抗制裁をし、米国が強力に介入しない限りは、限りなく事実上の断交に近づく気もします。
    そうなると、北朝鮮の思うつぼというか、シナリオ通りの気もしますが、一度断交状態を韓国人に味わわせてやるのも悪い手でもないと思います。
    その後は、クーデター発生か北の併合かわかりませんが、いずれにしても現政権は崩壊でしょう。
    現状でさえ、文政権支持率が40%を割れるという水準なので、ろうそくも近いかもw

  • いつも知的好奇心を満たす記事を執筆いただきありがとうございます。

    本編の趣旨とは外れるのですが、是非とも新宿会計士さんのご意見伺いたく初投稿させていただきます。
    さっそくですが、新宿会計士さんは「正しい歴史を学ぶ」とゆうことに対してどのようにお考えでしょうか?(こう言うと特定の国を指しているかのようになりますが笑、趣旨は嫌韓とかではなく、あくまで日本国民の将来性の観点から提起しています)

    私にとって「正しい歴史を学ぶ」とは、①公式な証憑や多角度からの証言等により実在性が認められた事象に対して、②当時の法律、当時の国際情勢、当時の一般的価値観等を踏まえた上で分析・検証した結果を、③客観的事実として認識する、とのことだと考えています。こうして学んだ史実を現在や将来の価値観や立ち位置から見て考えてこそ有効活用することができると思っています。ですので「正しい歴史を学ぶ」とは、現在および将来の価値観形成や国益戦略上、非常に重要なことだと認識しています。
    ちなみに、(ワザワザ言うまでもないのですが言わせてください笑)これが欠けると、①公式な証憑は存在せず自称被害者の証言のみ取り入れ(=国賊新聞社のフェイクニュースと自称被害者の証言だけ信じて)、②現在の一般的価値観で感じたことを(=例え親や国に強制されたとしても本人が望まない売春は認められない)、③主観的に認識する(=商売が成立していたとか関係ない、おばあさんが可哀想だ)、となって、議論にならないと感じています。これは某国だけではなく近隣諸国全般に言えることだと思います。
    逆に、各国民の現役世代が本当の「正しい歴史」を学んだ上で、謝るべきところがあれば謝る(賠償込みで)、おかしなところは整理して不当性が認められたら謝らせる(こちらも賠償込みで)、とすれば、少なくとも将来世代にはお互いに腹落ちしないコンフリクトを除外することができるのではないかと考えています。
    綺麗事であり、べき論であることも理解してはいますが、ご意見いただけないでしょうか?

    • 一口に「正しい歴史」と言っても、明確に規定できるものではありません。

      特に近代~現代史は数々の証拠が存在するものの、それらは膨大な量の断片に過ぎないので、どの証拠を重視するかによって様々な説が乱立します。したがって何が正しい歴史なのかは規定できません。
      仮に規定するとしても、それは規定した人たちが正しいと考える歴史であって万人が正しいと思う歴史にはなりません。

      歴史を研究する人の数だけ「正しい歴史」があると言えるのかな、と思います。
      「正しい方法で歴史を学ぶ」ならばかなり集約できるかもしれませんね。

      • 加えて言うなら、物事は多面的なのでそれを歴史というストーリーに落とし込むという事は主要な要素以外を切り落とす作業にほかなりません。切り落とした分だけ「正しくない歴史」になってしまうのです。

        また、何を主要とし何を切り落とすか判断する部分は主観になりますから、普遍化できません。

        著作などを通じてある人の歴史観に影響を受けたとしても、著者と読者の歴史観が同一になるわけではありません。
        似たような歴史観を持つ人が多数になったとしても、それが真実かどうかは全く分かりません。

        結局のところ歴史観というのはあくまで個人的なもので、他者に強要するようなものとは違うと思います。

      • 「正しい歴史観」と言い換えることもできるかもしれませんね。

    • 新宿付近の会計士 様

      コメント大変ありがとうございます。

      ご同業の方でしょうか?政治、経済、歴史などに深い関心をお持ちのようであり、心強さを感じました。というのも、私自身、「会計士にはノンポリの人間が多い(ような気がする)」、などと勝手に思い込んでいたからです。

      さて、それはさておき、歴史については、私は「正しい歴史認識」など存在しないと考えています。あるのは「正しい歴史的事実」であり、その「歴史的事実」をどう考えるかが、歴史を学ぶ(そして考察する)醍醐味なのではないかと思います。

      少し前は「忠臣蔵」で有名な赤穂浪士の吉良邸襲撃事件の記念日だったと記憶していますが、江戸時代の庶民は赤穂浪士の行為を「忠臣」と讃えたそうです。しかし、作家の星新一は、これを吉良家の家臣の視点から、赤穂浪士を無法な狼藉と位置付けて描き、私はこれを読んで目からうろこが落ちた記憶があります。

      つまり、歴史とは「誰の視点から見るか」によってまったく評価が異なる可能性があるのであり、それを現代的な価値観で謝罪し、賠償する、といったものでもありません。「私はポエニ戦争で滅ぼされたカルタゴ人の末裔だ」とでも主張し、イタリア人に謝罪させるというのもナンセンスです。

      ましてや日韓関係で韓国が求めてくる「正しい歴史認識」とやらは「日本が絶対悪」のものですが、韓国の場合、前提となる「歴史的事実」自体が捏造だったりしますので、私に言わせれば「論外」です。

      いずれにせよ、歴史については、こうやって「議論すること」自体が大切だと思うのです。

      引続き当ウェブサイトのご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

      • 新宿会計士様

        コメントバックいただき有難うございます。
        まだまだ駆け出しですが、同業者でございます。
        確かに同業者はノンポリ(考えていない?)の人が多い印象ですが、この類の話を持ち掛けてくる人は大体保守ポジションとの印象もあります。年配の先生は特にその傾向が強い気がします。

        さて、ご意見いただき有難うございます。
        他の方達からも似たようなご意見いただきましたが、確かに正しい歴史的事実を多角度から検証している以上、統一見解となることは難しいのかなと思いました。捏造は論外ですが。

        ただ仰るとおり、議論しなければ個人の見解もただの思い込みにしか過ぎないと思いますし、こうして議論することがやはり大事だと再確認しました。

        引き続きコラムを拝読し勉強させていただきます。

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