【昼刊】立憲民主党の「足を引っ張る」宣言の衝撃
世間的には松本智津夫に対する死刑執行がニュースとして注目されているようですが、それよりももっと注目に値するニュースが、立憲民主党の「足を引っ張る」宣言ではないでしょうか?
立憲民主党の「足を引っ張る」宣言
現時点の「注目ニュース」
本日もさまざまな報道が出ていて、オウム真理教の松本智津夫死刑囚の死刑が執行されたなどの報道が、ツイッターなどのトレンドに入っているそうですが、私が本日、一番驚いたのが、松本智津夫の記事ではなく、むしろこちらのニュースです。
内閣不信任案、10日にも提出=立憲、安倍首相外遊を狙い撃ち(2018/07/05-18:24付 時事通信より)
時事通信によると、立憲民主党の枝野幸男代表は昨日、内閣不信任決議案を10日に衆院に提出することを視野に準備するよう、党幹部に支持したそうです。この「10日」という日付でピンとくる人は鋭いと思います。なぜなら、安倍晋三総理大臣が中東・欧州歴訪に出発する直前だからです。
首相、11日から欧州・中東歴訪 サウジやエジプト(2018/7/2 19:30付 日本経済新聞電子版より)
日経などの報道によれば、安倍総理は11日から18日の日程で、欧州(ベルギー・フランス)、中東(サウジアラビア・エジプト)の4ヵ国を訪問します。立憲民進党の皆さんにとっては、安倍総理の「外遊」とは、本当に「外国で遊んで来ること」だと思っているのかもしれませんが、これは全く違います。
まず、11日にベルギーで日・EU間の経済連携協定(EPA)の署名式に臨み、12日にフランスで日本博の開会式、14日にフランス革命記念日軍事パレード、さらには5年ぶりのサウジ訪問、3年半ぶりのエジプト訪問などを控えるなど、予定は目白押しです。
辻元国対委員長「一番嫌な時に出す」
この時事通信の報道で、私にとっては聞き捨てならない下りが、次です。
「立憲の辻元清美国対委員長は5日の党会合で、文部科学省前局長が受託収賄容疑で逮捕されたことを踏まえ、「既に安倍政権は不信任に十分値する」と強調。「(首相にとって)一番嫌な時に出さないと気が済まない」とも語った。」(下線部は引用者による加工)
安倍総理にとって「一番嫌なタイミングを狙って出す」と宣言しているわけであり、これは、言い換えれば、内閣不信任案の提出は「安倍政権に対する嫌がらせとしてが主目的である」ということを、図らずも全国に向かって宣言した格好です。
文部科学省の現職幹部が逮捕された事件については、昨日、当ウェブサイトでも『文科省局長逮捕:玉木、前川の両氏こそ疑惑に答えよ』で速報したとおりです。これは安倍政権の不祥事というよりはむしろ、文部科学省の内部が腐敗している証拠と見るべきでしょう。
しかし、まったく予想通り、辻元氏はこれを「政局に利用する」という意思を前面に出してきた格好です。辻元氏が国対委員長を務めていることの弊害は、非常に大きいと思います。というのも、辻元氏の基本思想は、先月の時事通信の記事でも確認できるからです。
辻元氏「参院選でねじれつくる」(2018/06/09-18:18付 時事通信より)
この記事によれば、辻元議員は大阪府高槻市で開いた政治資金パーティの場で、
「次の参院選で野党の力をまとめて与党にぶつけ、(衆参両院で与野党が逆転する)ねじれをつくりたい」
と述べたのだそうですが、いわば、「政権交代の実現」よりも「衆参ねじれ」の創出を優先することで、とにかく安倍政権の足を引っ張ることを優先するつもりなのでしょう(このあたりについて詳しくは『【昼刊】辻元清美議員の妨害戦略を許すな』もご参照ください)。
立民は政権を取るつもりがあるのか?
ただ、立憲民主党は、確かに衆議院では55議席(※赤松広隆副議長を除く)を占める最大野党の地位にありますが、自民党の283議席(※大島理森議長を除く)にはまったく及びません。さらに、先月は国民民主党の大塚共同代表との電話会談が決裂したという報道もあります。
「ガチャ切り」暴露の大塚氏に枝野氏イライラ 立憲・国民の距離広がる(2018/6/29 18:17付 J-CASTニュースより)
現在のところ、確かにマス・メディアの調査によれば、立憲民主党に対する支持率は野党の中で最も高く、野党共闘の進展次第では、来年夏に予定されている参議院議員通常選挙でさらに議席を上積みすることも夢ではありません。
しかし、昨年10月の衆議院議員総選挙以降、私は立憲民主党の行動を注視して来たのですが、立憲民主党がやっていることは、「もりかけ問題追及」、「審議拒否」、「委員長解任動議」など、ひたすら議論を拒否し、スキャンダルの追及に終始することです。
以前も『【昼刊】辻元清美議員の妨害戦略を許すな』で申し上げた内容の繰り返しですが、どうも立憲民主党は昔の社会党の悪いDNAが凝縮されているような節があるのです。要するに、「政権を取るつもりはないが政権与党の足を引っ張ることで存在感を示す」というものです。
すなわち、実際に政権を取ってしまうと責任が生じてしまいますので、政権を取らず、かつ、与党に3分の2の多数を取らせないていどに議席を確保し続ける、というのが、彼らの基本戦略なのだと思います。実際、立憲民主党にはまともに政策と呼べるようなものなどありません。
国民よ、賢くなれ!
最近、あまり耳にしませんが、「55年体制」という用語があります。これは、1955年に当時の保守政党であった自由党と民主党が「自由民主党」(自民党)を結党し、同じく社会党も左派と右派が合流したことで出来上がった、「自民」対「社会」という対立軸のことです。
しかし、1955年から38年間、自民党は一貫して政権与党の座にあり、その反面、社会党が単独で政権を取ったことは、ただの1度もありませんでした。1993年の政権交代で自民党は下野しましたが、社会党は「連立与党」の一角を占める政党になったものの、「単独与党」ではありませんでした。
しかも、皮肉なことに、社会党は「連立政権入り」したことを契機に、瓦解への道を歩み始めます。とくに、「自社さ連立政権」で村山富市委員長が首班を務めたあたりから、政権支持率は急落。1996年には党名を「社会民主党」(社民党)に変更。
しかし、「自社さ連立政権」に否定的な勢力は「新社会党」として分裂。また、社民党の本体も「野党の受け皿」として成立した民主党への丸ごとの合流を拒絶され(いわゆる「排除の理論」)、結果的に民主党への合流組と社民党への残留組、新社会党などに四分五裂したのです。
立憲民主党は、政党ロンダリングで何がなんだかよくわからなくなっていますが、もとをただせば社会党です。当然、「何でも反対党」「無責任野党」だった社会党の悪いDNAを色濃く引き継いでいるのが立憲民主党だったとしても不思議ではありません。
それでは、立憲民主党は今年の「もりかけ国会」のような妨害戦略を、今後も採用するのでしょうか?これについては、必ずしもそうとは限りません。私たち有権者が賢くなれば、「何でも反対党」「無責任野党」の勢力を削ぐことができるからです。
立憲民主党や日本共産党のような極左集団については、もはや自力での更生は不可能でしょう。しかし、「彼らに多数を与えない」という形で、国会から徐々に排除していくことは可能です。そのためには、私たち日本国民が票の力を信じ、選挙権を行使することが必要なのです。
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