【昼刊】さよなら韓国:「徴用工像設置」の日本にとってのメリット

「徴用工像」というものが、来月1日に日本総領事館前に設置されるそうです。ただ、私はこれについて、「もはや日韓両国が価値も利益も共有しない関係である」ということを日本人が強く認識するきっかけになるならば、むしろ歓迎すべきだと考えています。

さようなら韓国

徴用工像の設置は不可避?

韓国がどんどん遠くに行くような気がします。

現在、韓国国内のメディアの報道は、27日に迫った南北首脳会談の話題で持ちきりです。いわば、「韓国が主導して朝鮮半島核問題などを解決する」という、不思議な高揚感に満ち溢れているのです。

ただ、こうした状況は、実は非常に危険です。なぜなら、日本(や米国)との関係を軽視する動きなり、論調なりが、韓国内で急速に広まっているからです。その典型的な例が、釜山の日本総領事館前に設置されようとしている、「強制徴用労働者像」の問題です。

釜山の日本領事館前「強制徴用労働者像」推進が問題に(2018年04月25日07時40分付 中央日報日本語版より)

韓国メディア『中央日報』(日本語版)の報道を要約すると、

  • 釜山の市民団体が作る「強制労役労働者像建立特別委員会」が5月1日、つまり「メーデー」にあわせて、「日帝強占期の強制徴用被害者」を象徴する労働者像を、釜山の日本総領事館前に設置しようとしている
  • これについて韓国外交部(外務省に相当)は「外交公館保護関連の国際礼譲や慣行の側面から適切ではなく、外交的問題をまねきかねない」(ものであり、)「関連法令により汎政府次元で必要な措置を検討する」と牽制している
  • これに対して特別委員会側は外交部が日本の顔色を伺っていると批判したうえで、「日本政府は戦争犯罪に責任ある謝罪をしないでいる」、「民族の歴史を正しく立てるには日本総領事館前に労働者像を設置しなければならない」との声明を発表した

というものです。

しかも、『韓国自治体長「法は国民感情に勝つことはできない」の衝撃』で既報のとおり、この問題を巡っては地元自治体の長が、「法は国民感情に勝つことはできない」、「労働者像を不法に設置されても撤去することはできない」と述べたのだそうです。行政の責任者がこのような姿勢でどうするのでしょうか?

いずれにせよ、このままだと釜山の日本総領事館前に銅像が設置されてしまいそうです。私たちはどうすれば良いのでしょうか?

日本は韓国と価値を共有していない

これに対する私自身の答えは、極めてシンプルです。

「韓国内で勝手にやる分には自由です。どうぞ好きなだけ設置して下さい」

――です。

考えてみれば、この問題は現代の日韓関係を象徴するものです。日本が国内法と国際法の許す範囲において、誠心誠意、韓国に対して謝罪を行い、最大限の譲歩を行ってきたにもかかわらず、韓国側は日本の謝罪や賠償を受け入れず、いまだに日本に対して謝罪と賠償を求めているからです。

実は、労働者像には慰安婦像という先例があります。慰安婦像はソウルの日本大使館前(2011年12月)と釜山の日本総領事館前(2016年12月)にそれぞれ設置されたもので、日本公館、ひいては日本という国自体に対する尊厳を犯すものであり、当然、国際法にも違反しています。

しかし、韓国政府側はこれらの慰安婦像が「民間団体が勝手に設置したものであり、韓国政府がこれらを撤去することはできない」と強弁。いまだにこれらの像を撤去しないどころか、外国でも次々に、日本を貶める虚偽の慰安婦像が設置され続けています。

慰安婦像が米国や欧州など第三国で設置される問題については深刻に受け止める必要があります(※この問題については本稿では触れません)。しかし、韓国国内で設置される分には、自由にやったら良いと思います。

なぜでしょうか?

その理由は、日本国内で「韓国に配慮すべきだ」といった主張が力を失うからです。そして、日本国内では、「このまま韓国に配慮し続けたとしても、日韓関係は改善しない」という認識が共有されることになります。これが非常に重要なのです。

日韓関係の6類型

当ウェブサイトではこれまで何度も議論してきたことですが、私の見方だと、日本国内には日韓関係について、だいたい6つの考え方があります(図表)。

図表 日韓関係の6類型
カテゴリ 分類 概要
日韓友好Ⅰ 日韓対等論日韓は対等な主権国家同士、友誼を深め、手を取り合ってともに発展していく
Ⅱ 対韓配慮論日本は過去の歴史問題に多少配慮し、謝るところはきちっと韓国に謝る
Ⅲ 対韓追随論韓国が求める「正しい歴史認識」を全面的に受け入れ、半永久的に韓国に謝罪し続ける
日韓非友好Ⅳ 韓国放置論韓国が日本に対して突きつけてくる不当な要求を無視し、敢えて日韓関係の改善を先送りにする
Ⅴ 日韓断交論韓国との関係を断ち切る、あるいは韓国と距離を置く
Ⅵ 誅韓論韓国と関わらないだけでなく、むしろ積極的に韓国という国が滅亡するのを助ける

(【出所】著者作成)

私はⅠからⅢを「日韓友好論」、ⅣからⅥを「日韓非友好論」と呼んでいます。ただし、この図表は、あくまでも「日本国内に存在する意見」をまとめただけのものであり、私自身がこれらの考え方に賛同している、という意味ではありません。

本日はこのうち、ⅡとⅢについて触れてみたいと思います。なぜなら、この6つの中で、「Ⅱ 対韓配慮論」、「Ⅲ 対韓追随論」の両者が、最もたちの悪い意見だからです。Ⅱの考え方は外務省や財務省、経団連企業、日本経済新聞など、「事なかれ主義」的な人たちの間で見られ、Ⅲの考え方は朝日新聞や日本共産党、地方紙などで見られる論調です。

お恥ずかしながら、私自身も母親(故人)が在日韓国人であり(※生前に日本に帰化済み)、また、実家で朝日新聞を購読していたため、若いころは「韓国が日本に謝罪を求めて来るならば、日本としては韓国に謝罪し、許してもらうように努力しなければならない」と考えていたこともあります。

しかし、現在の私は、少なくともⅡやⅢのような考え方には与しません。なぜなら、日本が戦後、韓国に対して破格の配慮をしてきたにも関わらず、韓国はまったく満足せず、日本に対して半永久的に謝罪を求めて来ているからです。

それをやることのメリットが見えない

韓国が日本にとって死活的に重要な国であれば、韓国に対して土下座でもして、韓国の許しを請うべきです。

この「死活的に重要」とは、たとえば、韓国が日本以上の経済大国で、最新技術を持ち、また、軍事大国として日本の安全を守ってくれるという立場にある、といったことを意味します。しかし、すくなくとも現在の韓国が、日本にとって「死活的に重要な国」ではないことは明らかです。

もちろん、朝鮮半島は日本列島に近く、韓国が日本にとって潜在的な脅威となる可能性は十分にあります。

韓国が北朝鮮に赤化統一され、軍事独裁国家が出現すれば、そのこと自体、日本の安全にとっては重要な脅威です。また、韓国が中国の属国と化し、人民解放軍が軍事拠点を設けることは、もっと大きな脅威です。

しかし、これは別に「韓国が日本の安全を守ってくれる」という意味ではありません。むしろ話は逆で、韓国が日本の安全を妨害する可能性がある、という意味です。ここを勘違いしてはなりません。

「韓国が日本にとっての軍事的な脅威とならないようにすべきだ」、といった力学が、日本で働きやすかったことは事実です。しかし、韓国は日本領の竹島を不法占拠しており、むしろ日本にとっての軍事的脅威でもあります。その事実は、きちんと認識しなければなりません。

こうした観点からは、韓国が慰安婦像や徴用工像を大々的に設置してくれた方が、韓国が日本と価値も利益も共有していない国であるという認識が日本人に広まることになります。これは、日本にとっては却って好都合なのです。

日本人に迫られる覚悟

ただし、それだけでは不十分です。

私たち日本人が認識しなければならないことは、日本という大国が韓国や北朝鮮のような小国から舐めた態度を取られ、泣き寝入りしなければならない「根源的な理由」です。それは、ずばり日本国憲法第9条第2項にあります。

本来であれば、日本は韓国を竹島から追い払い、主権を回復しなければなりません。また、日本人を拉致した北朝鮮に軍を派遣し、必要に応じて金正恩(きん・しょうおん)や朝鮮労働党幹部らを拘束して日本に連行するなど、強制捜査を行うことが必要です。

北朝鮮には日本人を拉致され、韓国には竹島を占領され、日本の名誉と尊厳を侮辱される銅像を世界中に設置され、日本政府はいったい何をやっているのでしょうか?

その意味で、本当の敵は韓国や北朝鮮ではありません。国家であろうとする努力を放棄する日本政府であり、その日本政府を選び続けた私たち日本国民の弱いマインドです。

日本が国として日本人自身を守ろうとするならば、まずは私たち有権者が変わらなければなりません。「もりかけ・セクハラ・パフォーマンス」に明け暮れる野党議員を筆頭とする反日的な政治家らを選挙のたびに落選させ、より良い政治家を国会に送り込まねばならないのです。

そのことを、改めて強く主張したいと思います。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 毎日の更新ありがとうございます。
    < 南朝鮮が釜山にまた『戦時強制徴用工像』なる不潔なもの、釜山日本領事館前に5月1日開設するそうですね。私は今や、「いいぞ〜ッもっと作れ!」という半分ヤケクソ、半分国ごと絶対潰してやるという気持ちです。
    < なんで朝鮮人って、こんな阿呆丸出し連中なんかねぇ。日本に反日、侮日するごとに日本の親韓勢力が矛先を何処にもっていこうか、困っているのに。在日人も困るだろ。こんなに日本を攻撃すると、経済活動始めあらゆる絆が切れかけている。麻の紐ならあと2mmかな(笑)。それを韓国人が切りにかかってるんだから、世話ないわ。
    < 今日の新宿会計士様のコメントに『お恥ずかしながら、私も〜』というくだりがありますが、何も恥ずかしい事ではありません。私もです。実はウチの実家も長年朝日新聞取ってましたし、私も家庭をもってから何処に転居しようが千葉日報や上毛新聞や新潟日報や東京新聞や神奈川新聞や京都新聞など、取ってません(神戸新聞は一時取ったが)。自分の意思で朝日新聞を取ってたんですね。
    < 私は学校教育も『日本は韓国の復興に寄り添わねばならない』と教えられた世代です。でも教師側も心底思っていたかは疑問。むしろ厄介な事に巻き込まれたくない、が本当でしょうし、在日韓国人、朝鮮人も『アレしてくれ』『コレも日本人並みにせよ』という要求は今ほど酷くない。日本人も貧乏だったからです。ましてや半島人が、日本を『〜するべきだ』『〜について謝罪せよ』なんて、聞いた事がない。彼らの生活の質が上がってからですよ、侮辱し出したのは。
    < 私らはココロの隅に、日本国が中、鮮に『やはり一方的に酷い事をした事もあるんだ』と信じてました。でも35年ぐらい前に、ソ連戦闘機が大韓航空機をカムチャッカ上空で撃墜した事件(燃料節約を強いられていた大韓航空パイロットが航路を逸脱ショートカットし、ソ連の領空侵犯をした為)更に金賢姫氏らの大韓航空機爆破事件で、「何かおかしい」と気になった。まずは少ない情報ながら北朝鮮を調べ、次いで韓国に興味を持った。すると、出て来るわ出て来るわ、嘘で塗り固められた対日史観、日本を貶め、蔑み、タカル行為のオンパレード。また北朝鮮をチェックすると、コチラも眼から鱗の幼稚な作文ばかり。トンデモナイ連中だ!という思いに至りました。今はそれを(日本が悪事ばかり働いたというデマに引っかかった事)悔やんでます。
    < 対韓配慮論、対韓追随論の人はまだいます。いわゆる朝日などマスゴミ、野党、一部保守派、リベラル、◯こえネット、SEALDs、在日、総連、公務員、教師、弁護士などの左傾著しい人はムリです。今から頭を修正出来ません。
    < でも私のようなかつて政治意識の低い人も、今や日本国の針路を曲げてるのは誰かが分かって来ました。国内では上記勢力、海外では中北南の特亜3か国だけです。特に韓国は一番世話した国、ソコが裏切っているのですから、韓国の言う事に耳を傾けて聴いてやる、韓国の満足するまで気を使う必要など、微塵もありません。
    < 汚い像を作る民族と日本の民度は違います。いずれ一切の交渉、会議、友誼を図る必要なしと存じますし、半島が統一しようが赤化しようが、日本は自分達で護るだけ。その為には憲法第9条第2項の撤廃(最低、攻撃出来る自衛隊を認める)を早急に実施すべきと思います。
    < 失礼します。

  2. 非国民 より:

    非国民は新聞は読んでもテレビ欄しか興味がないから、朝日新聞はとっていたけど、思想的には影響を受けなかった。まあ、読売新聞でも毎日新聞でもよかったのだけどね。長く、韓国は軍事独裁政権だった記憶が強い。あの頃は慰安婦問題なんかなかったと思うのだが間違いだろうか。民主主義が機能するにはそれなりの国民の民度が高くないとだめだと思う。日本は江戸時代でも軍事は幕府の専権事項だったけど、それ以外は以外と民主主義だった。何百年も民主主義をやってきた日本とそれ以外の国では民主主義の洗練さが違う。韓国はまだまだ民主主義が浸透していない。

  3. りょうちん より:

    思うんですが、たしか韓国大使館って、当局の嫌がらせで、建て替えができず古い建物のままだった様な記憶があります。
    安全のためにもソウル郊外(米軍が「退避」した隣あたり)にでも移転してしまえば強烈なメッセージになると思うんですがね。
    え、在韓の日本国籍の人に不便? そんなんソウルの中心街にあってもどうせ有事には、交通も麻痺するうえに邦人保護する機能なんて今でも無いんですから。
    とりあえずロケット伸延砲弾でも届かない土地で米軍基地脇にシェルター込みで新しい施設作った方がよほど法人保護に役立ちます。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

めがねのおやじ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告