【夕刊】朴槿恵氏に対する求刑30年のインパクト

本日もこの時間に「夕刊」を配信します。韓国の前大統領である朴槿恵(ぼく・きんけい)氏に対し、重刑が求刑されたようですが、場合によっては判決が下る4月6日に、韓国社会でちょっとした波乱も発生するかもしれません。

朴槿恵氏に重刑も

懲役30年!?韓国検察、前大統領に重刑を求刑

韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領に対し、とてつもない刑が求刑されたようです。

韓国検察、朴前大統領に懲役30年求刑 収賄などで(2018年2月27日 / 16:41 / 4時間前付 ロイターより)
朴前大統領に求刑懲役30年「大統領権限を私物化」(2018/2/27 19:30付 日本経済新聞電子版より)

ロイターや日経などの報道によると、朴槿恵氏に対する刑事訴訟で27日、韓国検察はソウル中央地裁で、懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑し結審。これに対し、朴槿恵氏本人側は無罪を主張して出廷を拒否したとしています。

罪状は「▼最大財閥であるサムスンを含めた大手財閥からの収賄、▼職権・国家権力の乱用、▼強要」などとされています。また、すでに朴槿恵氏の長年の友人である崔順実(さい・じゅんじつ)氏に対しても、懲役20年の実刑判決が下されています。

一方で、韓国国内では朴槿恵氏に対し世論は批判一色、というわけでもなさそうです。韓国メディアによると、保守系団体が「太極旗(※)集会」を開催して、重刑を要求した検察を批判。主催者発表で3000人が参加した、としています。

(※)太極旗とは、韓国の国旗のこと。

“朴槿恵裁判”韓国の保守団体、裁判所前で太極旗集会=韓国(2018年2月27日16時21分付 Wow!Koreaより)

朴槿恵氏に対して判決が下るのは4月6日だそうです。しかし、情動的な韓国の国民性を考慮に入れると、仮に判決が求刑どおりとなったとしたら、これらの「保守系団体」と文在寅(ぶん・ざいいん)現政権を支持する人々の間での衝突も予想されるところです。

なお、本件については、韓国メディア(とくに中央日報朝鮮日報聯合ニュースなど)を読んで見たのですが、今ひとつ全容がよくわかりません。とくに朝鮮日報の報道は明らかな誤報です。同紙は

27日に求刑公判がソウル中央地裁で行われ、懲役30年、罰金1185億ウォン(約118億円)が言い渡され、昨年4月17日拘束起訴、同年5月23日初公判以来、およそ9カ月ぶりに結審した。」(下線部は引用者による加工)

と報じていますが、この文章の「言い渡され」の部分は「求刑され」の間違いでしょう。

残念ながら当然?

ところで、朴槿恵氏は2016年9月頃、突然降って湧いた「崔順実疑惑」により、実質的に退任に追い込まれた格好です。親友である崔順実氏に国家機密を漏らしていたという疑惑から、毎週土曜日に「ローソク・デモ」が行われ、2016年12月9日に、韓国国会が朴大統領の職務権限を停止。

さらに、2017年3月10日には、憲法裁判所から罷免判決を言い渡されてしまいました。これは、非常に厳しい言い方ですが、国会も憲法裁判所も国民情緒に極端に配慮した結果ではないかと思いますが、それだけ韓国社会が弱体化している証拠でもあるでしょう。

ところで、私自身、「ローソク・デモ」に始まる一連の動きの背景には、おそらく北朝鮮の扇動があると考えています。もっといえば、ソウルや釜山の日本公館前に慰安婦像を設置している市民団体や、盧武鉉(ろ・ぶげん)、文在寅両氏を大統領に押し上げた運動の裏には、北朝鮮の存在を感じるのです。

これには確たる証拠はありませんが、韓国国民の「芯のなさ」を見ていると、どうもそう思わざるを得ないのです。いわば、韓国のマス・メディア、韓国政府、いや、むしろ韓国社会全体が、一部の親北系団体に乗っ取られてしまっている状況といえば、わかりやすいでしょう。

ただ、韓国社会が北朝鮮に取り込まれ、北朝鮮主導で「赤化統一」されてしまうことは、日本の安全保障にとっても深刻な脅威ですし、同盟を結ぶ米国の利益にも反することです。では、どうして日本も米国も、朴槿恵氏を「守る」という行動に出なかったのでしょうか?

端的に言えば、日米両国が、朴槿恵氏に対して「守る価値はない」、と判断したからだと思います。朴槿恵氏は「保守政治家」だとされていた割には、就任以来、全力で反日を前面に打ち出すとともに、「米中二股外交」を展開しました。日米両国が彼女に強い不信感を抱いていたとしても不思議ではありません。

その意味では、彼女が窮地に立たされていること自体、ある意味で自業自得といえなくもありません。彼女が本来、大統領任期中になさねばならなかったのは、行き過ぎた反日を正し、韓国社会の歪みを除去することでした。それを怠った以上、お気の毒ですが「自業自得」という言葉をお贈りする以外にありません。

このまま左傾転覆は進むのか?

現在の韓国社会、韓国司法などを見る限り、よっぽどのことがない限り、4月6日に朴槿恵氏に対し重刑が宣告されるのはほぼ確実でしょう。もちろん、朴槿恵氏が控訴、上告する手もありますが、韓国社会のことですから、早い段階で控訴、上告が棄却され、重刑で判決が確定する可能性は高そうです。

朴槿恵氏に対する人民裁判のような形での有罪宣告は、韓国社会が法治も何もかなぐり捨てて左傾化(あるいは北朝鮮化)していることの、一種の象徴でしょう。では、韓国社会の左傾転覆は、このまま進んで行くのでしょうか?

この点、韓国国民の大多数は「反日」を是とする風潮に染まっていると思われるものの、その中に「良識のある人」は、確実に存在します。これは、「韓国にとっての本当の脅威は北朝鮮や中国であり、韓国が友邦としなければならないのは日本や米国である」、と、正しく理解している人のことです。

「良識のある人」が声を上げれば、万に1つ、いや億に1つの確率で、韓国社会の左傾化が止まる可能性もあるかもしれません。ただし、この「良識派」とされる人々の声は、韓国のメディアには滅多に出て来ません。

現状で「良識派」の人々の割合がよくわからない以上、現状では「左傾転覆」の可能性が高い、とだけ申し上げておきたいと思います。

日米から離れることは確実

韓国という国の成り立ち、国家発展の経緯などを見ると、韓国が日米から離れても、現状のままで繁栄を謳歌することができるとは思えません。とくに、韓国の製造業は日本の製造業の規格に組み込まれており、「日韓断交」が発生しようものなら、韓国の産業は壊滅的な打撃を受けます。

ただ、そんな韓国は、1992年の中韓国交正常化以来、中国との関係を急速に深め、親交を拡大して来ました。そして、今や韓国は経済的にも軍事的にも、中国に取り込まれそうになっています(そして、ここまで急激な傾斜をもたらした責任の一端は、朴槿恵氏にもあります)。

その一方、金大中(きん・だいちゅう)、盧武鉉という「北朝鮮シンパ」政権が2代続き、韓国社会が北朝鮮に傾斜して弱体化したという事情も忘れてはなりません。李明博(り・めいはく)、朴槿恵という2代の政権で、北朝鮮とはやや距離を置いたものの、再び文在寅政権で韓国は北に擦り寄っています。

中国は共産党一党独裁国家であり、本来、日米韓のような「民主主義・法治主義国家」とは相いれない存在です。また、本来ならば「南朝鮮の赤化統一」を国是とする北朝鮮は韓国の最大の敵であるはずですが、韓国は潜水艦を撃沈されても、自国領土を砲撃されても、一切抵抗しなかったのです [1]詳しくは『ルトワック氏の指摘が鋭すぎる!』などもご参照ください。

つまり、1992年以降の韓国は、「日米から離れて中国か北朝鮮に擦り寄る」という動きで一貫しているのです。擦り寄る相手が北朝鮮なのか、中国なのかという違いはありますが…。

いずれにせよ私は、「韓国は日本にとって安全保障上重要な位置にある」という点を否定するつもりはありませんが、それと同時に、すでに韓国を「日本の友好国(?)」の地位に引き止めることはできないというのも事実でしょう。

そうであるならば、日本にできること・やらねばならないことは「韓国が敵対国となることへの覚悟と準備」にほかなりません。そのことを、改めて強く感じざるを得ないのです。

注記

1詳しくは『ルトワック氏の指摘が鋭すぎる!』などもご参照ください。

読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 夕刊の配信ありがとうございます。 
    < 朴前大統領への求刑は大変厳しいものですね。『それほど、悪いことをしたのか?』というのが率直な私の気持ちです。確かに日本に対しては、安倍首相への昼飯ヌキ問題、当選後最初米国に行き、次いで慣行の日本に来ず、一度も訪日しない、日韓会談を極端に避けた、海外首脳に日本の悪口を言いふらした、日本の五輪開催を邪魔した、中国とタッグで旧日本軍の残虐な行為を捏造した等幾多の恨みがありますし、朴氏が有利になる援護などしませんが、韓国民に対しては≪やりすぎだ!≫という感がぬぐえません。韓国は二審制、遅くとも今年秋には結審して刑務所でしょう。
    < すべてのものより「民意」が優先する。三権分立などとんでもない、法治国家ではありません。よく韓国人が「我々は日本人より優れている。民意で腐敗した政権を倒し、文在寅という清冽な新しい大統領を選んだ」と興奮気味にのたまうのを見ましたが、ズバリ滑稽な民族です。幼稚ですね。日本なら小学生でも理解できる道理ですよ。多分国が破綻するまで、何か不満が高まったらローソクデモ等でガス抜きするんでしょう。
    < これを「会計士様」は北の操作と見ていますが、私も同意です。京城にはかなりの数の諜報員、普段は目立たぬよう浸透した工作員がいると思います。越境入国など、北からしたら危ない橋を渡らなくとも、北京や香港経由で偽造(本物?)パスポートでいくらでも入国できます。船も簡単でしょう。毎水曜日に日本大使館、領事館に座り込みしたり、デモを主催、煽ったり、米軍基地そばでヘイトプラカード出したりしている連中、および参加せず煽っているのは『北の息』がかかった工作員とみていいのでは。カネもかけてますよ。ましてや今、韓国の若い人ほど閉塞感、失望感を感じて文政権を支持する層が増えている事を考えると、韓国の親北傾斜、赤化など思ったより簡単にできるのではないでしょうか。勿論、国自体に嫌気が差して海外へ出たり、極端な例なら自殺したりと、なります。
    < 『韓国は日本にとって安全保障上重要な位置にある』にはあるが、相手が日米より中、北にシフトしていってる。シフトどころか身も心も赤化した。中には「良識のある韓国人」はいるのでしょうが、声、姿を現したら最後、『親日派』『売国奴』(こんな言葉日本の40代以下知りませんよ)と激しく攻撃され、地位も名誉も住むところさえ失う。危険すぎます。もう、日米韓の友邦同盟ではなくなりました。日本は対正面が韓国釜山、済州島です。目の前が「敵対国」になる意味、国民が更に深く認識する必要があります。
    < 失礼します。

  2. 何となく より:

    よく韓国NAVERのコメントで民主主義先進国と言う自称を目にしますが、ローソンデモや魔女狩りの様な人治裁判を言っているのであれば噴飯ものですね。
    日本の責任を取らない政治家や企業トップも問題ではありますが、朴前大統領も決定的な証拠は無かったはずですが、これほどの極刑になるのも韓国ならではなのでしょうかね?

    話しは変わりますが、国連人権委員会での韓国の対応に対して、遺憾の意ばかりで無く日韓地位協定の見直しを検討してもいいのではと思ってます。強制送還の条件を麻薬犯罪や内乱罪などの重大犯罪だけで無く、詐欺や強姦と言ったものまで引き下げても良いと思います。近年は重大犯罪は韓国籍より中国籍、ベトナム籍等の方々のが多いようですが一定の効果はあるかと思います。
    またブログ主さんの主張通り無ビザ条件の引き下げの検討してもいいのではとも思います。

    まっとうに生活している外国籍への言われ無きヘイトクライムを抑止為るためにも、北朝鮮への傾斜を含め迷走している韓国政府には、いい加減実力行使が必要な段階に来ていると思ってます。

  3. 権兵衛 より:

    朴前大統領への求刑、予想通りとはいえ、扇動世論や政権の意志で検察や司法まで大きく影響されてしまう、まさに後進国そのものですね。
    セウォル号の船長も確か無期刑求刑だったようですし、まさに法律より怪しげな民意。

    米国はトランプ政権になり、それなりにひきこもり的なスタンスを改め、ある程度の介入は辞さない傾向に復帰してきたかのようにも見えます。
    フィリピンでもIS絡みだとはいえ、ミンダナオ島のゲリラ討伐に関与しましたしね。
    南鮮をほんとに切るのか、クーデターやろうそく扇動幇助などで体制転換を狙うのか、来月からの北鮮への臨戦態勢にどこまで従うかが、最終判断の材料になるような気がします。
    もう見切ってるという見方もありますが、結果的にシナを利するのは得策じゃない面もあり、このまま切るのかは不透明じゃないですかね?

    鮮人にそういう危機感が全く感じられないところが、呆れかえるところです。
    親北メディアばかりでもないし、ネットも自由に見られるはずなのに。

  4. とある東京都民 より:

    >>…「韓国は日本にとって安全保障上重要な位置にある」という点を否定するつもりはありませんが、それと同時に、すでに韓国を「日本の友好国(?)」の地位に引き止めることはできないというのも事実でしょう。

    うーむ。
    確かに、日本の安全保障上でも、地政学上でも、重要なんだけど…。

    そこにいる連中が、
    コッチの方見ながら、口々にコチラの悪口・罵詈雑言・ウソの類を吐いて、
    コッチの名誉と尊厳やら、色んな害を加えてきているし、
    (性)犯罪者や売春婦を勝手に一方的に送りつけてくるわでなあ~!

    真の“敵”である中共や北朝鮮の方を、本来は向いていなきゃいけない『砲台』の“砲身”が、準・同盟国である日本や、場合によって、同盟国である米国にも向いているワケである。

    もはや、アッチ側なんだという認識を持った上で、対応することじゃないのか?
    まあ、そのための『覚悟と準備』がいる段階に来てしまっているんだろう!

  5. 非国民 より:

    懲役何十年になったとしても、韓国は恩赦ですぐに釈放になることが多い。元大統領とか財閥のトップとかはすぐに社会にでてくる。たぶん、一般の人はそういうことはないだろうから、韓国においては法の下の平等はないということになる。財閥のような大きな会社のトップが犯罪に手を染めるのは韓国ならでは。三井や三菱のトップは犯罪とは無縁。もちろん欧米もそう。
    思えば、明治の頃、日本は朝鮮をむりやり開国させたわけで、朝鮮はもともと中国の属国として生きていたかったのではなかろうか。そして、中国は習金平が皇帝になろうとしている。つまり昔の状態に戻ろうとしている気がする。北朝鮮、南朝鮮(韓国)、大朝鮮(中国)になっていく気がする。

  6. オールドプログラマ より:

    最近本屋で立ち読みをしていると「二次大戦はソ連のコミンテルンの陰謀だ」という説が多く発刊されています。陰謀論は昔から消えることなく続いています。北朝鮮の陰謀論もこのたぐいかと思います。ローソクデモが北朝鮮の陰謀とすると悪いのは韓国ではなく北朝鮮となるからです。韓国の歴史を見てみれば庶民の暴動は煩雑に起こっており、日進戦争の原因となった東学党の乱や新しいとこでは学生による李承晩大統領の追い落としやロザンゼルスの韓国人の暴動があります。日本人と違って韓国人はかっとなり易い激情の民族です。朴大統領についても事の良し悪しを冷静に判断した訳ではなく「大統領を弾劾するのが正しい」との思い込みだけで走った結果です。(韓国人は走った後で考える。と言われています。)扇動されやすいということで北朝鮮の陰謀が無かったとは言えませんがそれだけが原因ではなく、セウォル号や慰安婦合意の不手際もあったと思います。
    明治時代にロシア皇帝の斬り付け事件がありましたが、国民、政府の「死刑にすべきだ」という強迫に近い声が多数ありましたが、刑法上死刑に該当しないという法廷主義を守り抜いた日本とは雲泥の差があります。経済敵には先進国に近くなりましたが文化、民度は李朝時代、大韓帝国時代から進歩していないとしみじみかんがえさせられます。

  7. 歴史好きの軍国主義者 より:

    >三権分立などとんでもない、法治国家ではありません。
    そう思いますね。
    法治国家とはロシア帝国皇太子(後のニコライ2世)障害事件に対し「法に則り」死刑でなく無期懲役を言い渡した大審院院長(現在の最高裁判所長官)の児島惟謙のような行動をとれる国家ですよ。

    朴前大統領は逮捕が「証拠としてねつ造された」タブレットPCで逮捕されています。
    不当逮捕です。取り調べの結果わかった証拠は全て証拠能力0です。
    まともな法治国家なら「無罪」1択しかないはずですが、有罪でしょうね。
    まともじゃない国を「まともな国として扱うこと」。決してやってはいけないことです。
    だから日本はダメなのです。

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