恒例の選挙データ分析~自民党はもっと勝てた!~

衆院選から10日あまりが経過しましたが、マス・メディアはこの「民意」を受け入れたくないように見受けられます。ただ、私に言わせれば、自民党はもっと勝てたはずです。こうした中、データが揃ってきましたので、本日は「恒例」となった「衆院選のデータ分析」を試みてみたいと思います。

今年も残すところ2ヵ月に

今日から月が変わり、早くも11月です。

今年も残すところあと2ヵ月となりました。1年を振り返って総括するにはまだ早いかもしれませんが、それでも今年は私にとって、絶対に忘れられない年になったことは間違いありません。

今年4月に生まれて来てくれた娘も、もう6ヵ月が過ぎ、日々、すくすくと成長しています。また、現在経営している会社も、辛うじて家族を養うだけの売上が確保できています。さらに、今年は一気に3冊の書籍を執筆しました。

もちろん、贅沢を言えば、もう少し売上が欲しいところです。ただ、会社の利益というものは、得てして、「良い仕事をした結果、自然に伴うもの」でもあります。

良い仕事をしていれば、きっと結果は付いてくる―。そう信じて、来年も自己研鑽に励みたいと考えています。

衆院選を巡る、いつもの分析

各党の解散前後の勢力まとめ

先月行われた衆議院議員総選挙から1週間少々が経過しました。

私は何事においても「数値に基づく分析」が重要だと考えていますが、それは国政選挙についても全く同じです。まずは各政党の解散直前と総選挙直後の勢力図を客観的に確認してみましょう(図表1)。

図表1 解散時点と改選直後の議席数
政党解散時点改選直後増減
自民党285議席284議席▲1議席
公明党35議席29議席▲6議席
民進党88議席0議席▲88議席
立憲民主党0議席55議席+55議席
希望の党11議席50議席+39議席
日本共産党21議席12議席▲9議席
日本維新の会15議席11議席▲4議席
社会民主党2議席2議席±0議席
自由党2議席0議席▲2議席
無所属13議席22議席+9議席
欠員3議席▲3議席
合計475議席465議席▲10議席

(【出所】解散時点議席数は時事通信ウェブサイト、改選直後議席数は著者調べ)

これをどう読むべきでしょうか?

まず、最も重要な点は、自民党が解散前勢力とほぼ同じ284議席を獲得したことです。連立を組む公明党(29議席)と合わせた連立与党全体での獲得議席数は313議席となりました。公明党の獲得議席数は6議席減少したものの、今回の総選挙から定数が10議席削減されているため、結果的には自公両党で3分の2の多数を占め続けることになります。

「旧民進党」は、じつは大躍進だった!

ただ、野党が勝ったのか負けたのかについては、非常にわかり辛いです。

とくに、旧民進党については、解散前から議員がバラバラと離党したり、希望の党に合流したりしていたため、「旧民進党勢力」をどう定義するかによって、評価も変わってきてしまうのです。

そこで私は、旧民進党については、2017年9月28日時点において、民進党に所属していた88人、希望の党に所属していた11人、民進党を離党していた山尾志桜里氏(1人)を「旧民進党勢力」と位置付けてみました。

一方で、改選直後議席数については、希望の党の50人、立憲民主党の55人に加えて、無所属で当選した22人のうち、民進党を離党して無所属で出馬して当選した18人を「旧民進党勢力」と定義。すると、図表2の通り、旧民進党勢力は23議席ほど議席を増やしているのです。

図表2 旧民進党の勝ち負け
所属解散時点改選直後増減
民進党88議席0議席▲88議席
希望の党11議席50議席+39議席
立憲民主党0議席55議席+55議席
無所属1議席18議席+17議席
合計100議席123議席+23議席

(【出所】著者作成)

これはある意味で衝撃的な結果です。

もちろん、「希望の党」に合流したのは民進党出身者だけではありませんが(たとえば「日本のこころを大切にする党」出身の中山成彬氏)、ここでは便宜上、「旧民進党系の勢力」という意味で、両者を一体として考えています。

つまり、改選前勢力と比べて、自民党はほぼ現有勢力を維持しているのに対し、旧民進党勢力は勢力を20議席以上増やしているのです。

このように捉えると今回は「旧民進党系議員」が、看板を掛け変えることによって、まんまと「焼け太り」に成功した格好です。

この事実は、重く受け止めるべきでしょう。

小選挙区の分析から見えて来るもの

ところで、わが国の衆議院議員選挙には、大きな特徴があります。それは、「小選挙区制度」を取っているため、比較第一党が圧倒的な議席を獲得し、死票が大量発生する、ということです。

2000年以降の小選挙区における獲得票数と獲得議席数を比較してみると、ほんの少しの得票差で、獲得議席が大きく開いていることがわかります(図表3

図表3 小選挙区制度の特徴

(【摘要】図表中「民主党」とあるのは、2017年10月22日の選挙に関しては希望の党と立憲民主党の合計。また、いずれのグラフにおいても無所属を含まない)

ここで注目すべきは、たしかに今回も自民党が圧勝しているものの、希望の党と立憲民主党を合わせた得票数自体が、前回の選挙と比べて増えているという事実です。

さらに申し上げるなら、小選挙区での獲得議席数自体は、両党合わせて36議席ですが、これ以外にも18議席ほど、旧民進党出身者が小選挙区で勝ち上がっているという点も見逃せません。ということは、あわせて54議席が、広い意味での民進党出身者の小選挙区における獲得議席数です。

衆議院の定数が削減されている中で、ただでさえ獲得が難しい小選挙区で、54人もの候補者が勝ちあがったのです。この事実は、決して無視して良いものではありません。

カギとなる700万人

私自身、1人のビジネスマンという立場から、長年、民主党や民進党の支持者とはどういう人たちなのかについて、考察を重ねて来ました。あくまでも私自身の理解ですが、民主党・民進党を支持してきた人たちには、大きく分けて、3つのパターンがあると考えています。

1つ目は、社会党時代からの根っからの民進党支持者です。労組関係者や教育産業関係者などがその中心であり、彼らは「岩盤の左翼層」です。彼らは、社会党が1996年に社民党と民主党に分裂した際、その多くが民主党支持層に横滑りしたと考えられます。

2つ目は、新聞や雑誌、テレビなどに感化されてしまう「情報弱者層」です。とくに日中、テレビの前にかじりついて、ひたすら政治ワイドショーなどを見ている人たちが、この情報弱者層と考えられます。

3つ目は、都市部に住むインテリ層です。共産党やバリバリの極左には拒否感があるものの、自民党に代わる政権与党となり得る政党が必要だと考えている人たちだと言い換えても良いでしょう。

ここでもう一度、図表3を見てみましょう。2005年9月の衆院選では自民党が、2009年8月の衆院選では民主党が、それぞれ地滑り的な勝利を収めていることが確認できます。ところが、この両選挙では、負けた方の政党(2005年だと民主党、2009年だと自民党)も、2500万票前後を獲得しているのです(図表4)。

図表4 大きな差が付いた小選挙区での得票数
選挙期日自民党民主党
2005年9月11日32,518,390票24,804,787票
2009年8月30日27,301,982票33,475,335票

(【出所】著者調べ)

実は、2005年頃までに、自民党、民主党ともに、基礎票ベースでは2500万票前後を獲得していたのです。その意味で、両党はもはや「対等な政党」だったのですが、2005年は自民党が民主党を800万票程度上回り、2009年は民主党が自民党を600万票程度上回ったに過ぎません。

そして、この600~800万人こそが、「都市部に住むインテリ層」ではないかと思うのです。

要するに、自分たちのことを「政治に関心が高い」と認識しているものの、考えが浅いために、その場の雰囲気に流されて、2005年だと自民党に、2009年だと民主党に、それぞれ投票してしまった人たちです。

私自身が監査法人の出身者だから申し上げるわけではありませんが、私の実体験に照らしても、比較的高学歴なインテリ層などに、こうした投票行動を行う人が多かったように思えます。たとえば、世間では「難関試験」だと勘違いされている公認会計士試験に合格した人の中には、大した新年があるわけでもないくせに、自分を「賢い」と思い込んでいる人も多くいます。

しかし、彼らの多くは、実際には自分の頭で判断している訳ではありません。

監査法人時代の「年上の部下」だったMという人物がその典型例です。彼は「ノンポリ」を自称しながら、2005年9月の「郵政解散選挙」では、「今回は自民党ですね。」と発言。同じM氏は2009年8月の時点で、「今回は民主党ですね。」と発言していました。

M氏は自分で判断しているつもりだったのかもしれませんが、よくよく話を聞いてみると、どうも新聞などでコメンテーターが話している内容を、そのまま自分の意見として取り入れていたようなのです。

推察するに、2009年の選挙後、民主党政権が誰の目にもあまりにも酷かったため、M氏のような人々は、それ以来、選挙に行かなくなってしまったのかもしれません。2012年から3回連続して自民党が圧勝したのも、「都市部の自称インテリ層」が無責任な投票行動をとらなくなったためではないかと考えると、すっと辻褄が合うように思えるのです。

自民党は「もっと勝てた」

今回の背負う選挙に話を戻しましょう。

保守論壇では、今回の選挙結果について、「安倍政権が有権者から圧倒的多数で信任された結果だ」と述べる人もいますが、私に言わせれば、これは正しくありません。なぜなら、本来ならば淘汰されているべき反日野党勢力が意外と健闘し、とくに旧民進党勢力(希望の党、立憲民主党、無所属)については、改選前より議席数を増やしてしまっているからです。

私は、今回の選挙戦について、決して自民党が躍進した選挙だったと見るべきではないと考えているのです。これについては、以前も『いまいちすっきりしない総選挙結果』という記事の中でも似たようなことを申し上げましたが、こうやって改めて小選挙区の獲得議席数分析をしてみると、危機感を抱かざるを得ないのです。

もちろん、今回の旧民進党勢力の「躍進」は、主に日本共産党(9議席減)や公明党(6議席減)の議席減少を犠牲にしたものではあります。しかし、国家的な危機にあって、森友学園だ、加計学園だと、マス・メディアと一緒になって、安倍総理に「冤罪」をなすりつけてきた民進党の残党が、ここまで議席を伸ばしたことは、非常に由々しき事態です。

私に言わせれば、今回の衆院選は、やはり、「自民党が圧勝した」と見るべきではないと思います。

もちろん、数字の上では自公連立与党が3分の2を超える議席を獲得したわけですから、これについては、「自公連立政権を有権者は圧倒的な差で支持した」という点については間違いありません。しかし、私が不満なのは、自民党はもっと勝てたはずだ、という点にあります(逆に、立憲民主党が躍進し過ぎたと言い換えても良いと思います)。

ただし、自民党の獲得議席数が単独で絶対安定多数を大きく超えたこと自体、有権者が自民党のことをきちんと評価しているという証拠です。自民党は「もりかけ疑惑」という冤罪を掛けられていたときにも、ぶれずに憲法改正を掲げて来ました。

しかし、公明党に配慮するあまり、憲法改正の「本丸」である憲法第9条第2項の撤廃ができないとなれば、そのことに落胆する有権者も多く存在するはずです。その意味で、自民党はこれからが正念場であり、まさに「勝って兜の緒を締めよ」と申し上げたい気持ちでいっぱいなのです。

呆れた民進党の実態

さて、報道によれば、民進党は昨日、両院議員総会を開き、前原代表が辞意を表明したうえで希望の党に移籍すると述べたのだそうです。色々と意味が分かりません。

会社に例えて言うならば、経営で大失敗をした社長が辞任し(ここまではまだわかります)、その後、競合他社に移籍するようなものでしょうか?いや、そもそも「敵前逃亡」し、その競合他社に会社ごと移籍しようとして、先方の会社とはろくすっぽ、移籍についての協議すら行っていなかったわけです。

希望の党に合流するという方針を決めたまでは良かったが、政策が異なる候補者は「排除」され、仕方なしに希望の党、立憲民主党、無所属に分かれて立候補したわけですから、前原氏は自分だけが希望の党に移籍するというのも筋が通りません。

代表を辞任するだけでなく、無所属議員として頭を冷やすのが正しいでしょう。

総選挙の結果が気に入らないマスゴミ

「たられば分析」に何の意味があるのか?

ところで、世の中のマス・メディアの報道を見ていると、私とは全く逆の分析がなされていて、思わずのけぞります。

それは、私が「たられば分析」と呼んでいるものです。この「たられば」とは、「もし~だったら」、「もし~れば」という、仮定の世界に基づく分析であり、現実には全く意味がありません。

その典型的な例は、次の朝日新聞の記事でしょう。

共闘、実現していたら… 「63選挙区逆転」の試算 衆院選(2017年10月24日05時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より)

タイトルだけで内容を推し量ることができると思いますが、要するに複数の野党が乱立するという状況がなければ、63選挙区で野党系候補者が勝利していたとする試算です。

正直、まともにコメントするのもバカらしい記事ですが、いちおう冷静にツッコミを入れておけば、これを日本語で「取らぬ狸の皮算用」と表現します。

野党共闘が実現した場合には、そのことによって野党系候補に投票しないという行動を取る有権者もいるでしょう。あるいは、たまたま立憲民主党は共産党との選挙協力を実現しましたが、前原誠司・民進党代表は、かねてより共産党との選挙協力には否定的でした。

仮に―あくまでも「仮に」、ですが―、民進党が今回の選挙で分裂せず、しかも共産党との選挙協力が実現していたと仮定しましょう。それで民進党は党としての一体性を保っていられるのでしょうか?私にはそうは思えません。

上で見たとおり、あくまでも私の仮説によれば、2009年に民主党を圧勝させたのは、都市部に住むノンポリのインテリ層です。仮に民進党が、選挙に当選するためであれば共産党ともなれば、都市部のインテリ層は、間違いなく民進党を見放すでしょう。

よって、朝日新聞の「たられば分析」には、全く意味がないのです。

(※余談ですが、朝日新聞は「従軍慰安婦問題」を捏造した新聞社です。私はこの新聞社のことを、心の中でいつも「慰安婦捏造新聞社」と呼称していることは公然の秘密です。)

マスゴミが遂に民意を否定し始める!

私がこの「慰安婦捏造新聞」こと朝日新聞に対し、「思い上がるな!」と怒鳴りつけたくなるような記事が、総選挙の翌日に掲載されています。

(社説)政権継続という審判 多様な民意に目を向けよ(2017年10月23日05時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より)

この新聞は、ふてぶてしくも、次のように、選挙結果を批判し始めます。

衆院選は自民、公明の与党が過半数を大きく超えた。有権者は安倍首相の続投を選んだ。/森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散――。みずから仕掛けた「権力ゲーム」に、首相は勝った。/ただ、政権継続を選んだ民意も実は多様だ。選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある。

まず、衆議院の解散を「大義なき解散」と決めつけ、安倍総理の解散を「権力ゲーム」と貶めます。そのうえで、朝日新聞は「選挙結果が朝日新聞の調べた民意とずれている」と批判するのです。

この場合、民意とずれているのは朝日新聞の方でしょう。朝日新聞は、

本紙の直近の世論調査によると、「安倍さんに今後も首相を続けてほしい」は34%、「そうは思わない」は51%

と述べていますが、なぜ「安倍さんに今後も首相を続けて欲しいと思わない」人が51%も居て、自民党が284議席を獲得したのでしょうか?

民意から目を背けているのは、自民党・安倍政権ではなく、まさに朝日新聞の方なのです。

本当に必要なのはマスゴミへのペナルティだ!

私は今回の衆院選について、隠れたテーマは「マス・メディア対国民」の戦いだと考えていました。

そして、上で述べたとおり、私は決して自民党が大勝したとは考えていませんが、それでも国民が自公に対し、合わせて3分の2を超える多数議席を与えたことは、れっきとした事実です。

選挙前から国民を愚弄するような報道を繰り返してきたマス・メディア(とくに新聞とテレビ)については、いまだに影響力が大きいことは事実でしょう。しかし、時代は間違いなく変わりつつあります。

私は、マス・メディアに対して、「倒産」という形での目に見えるペナルティを与えるべきだと考えています。慰安婦問題を捏造するなど、日本の新聞でありながら反日に精を出す朝日新聞社という組織などは、日本社会から全力で排除しなければなりません。

そのためには、新聞社やテレビ局に対抗し得る情報発信元が充実する必要があります。私自身が運営しているこの「独立系ビジネス評論サイト」も、ささやかながらその一助となれるよう、頑張っていきたいと思うのです。

本日のオマケ:丸山議員離党騒動について

私は日本維新の会をどう見ているのか?

さて、当ウェブサイトではこれまであまり触れて来なかった政党があります。それが「日本維新の会」です。

同会の主張内容は保守的でもあるため、当ウェブサイトの読者の方の中にも、日本維新の会を支持されている方がいらっしゃるかもしれません。ただ、私自身は同会について、現在のところは支持していません。というのも、同会が掲げる政策の中で、私には賛同できない項目が多々あるからです(例えば、「大阪都構想」や「議員報酬削減」など)。

さらに、前身の「大阪維新の会」は、会のホームページ上で、「財政再建が必要だ」などと主張していたこともありますし、「日本国債暴落」などとするトンデモ系の主張をしている藤巻健史参議院議員が所属している点で、どうしても「信頼ならない」という警戒感を抱いてしまうのです。ただし、財政を巡っては現在のところ、「消費税増税を凍結する」などと方針転換を行っているため、この点は評価に値します。

いずれにせよ、私は日本維新の会について、評価に値する部分はあるものの、基本的には自分自身の考えとは違う政党だと認識しています。

ただ、日本維新の会所属議員中でも、足立康史氏や丸山穂高氏には、昔から注目して来ました。とくに丸山氏は、国会質問でもよく勉強されていて、鋭い視点から良い質問をされているため、私も有権者の1人として、丸山氏を「非常に優れた政治家だ」と考えています。

ツイッター騒動の概要

その丸山議員は、今回の衆院選で、日本維新の会の公認を得て、大阪19区で当選しました。その丸山氏が31日午前、国会内で記者会見を行い、30日付で離党届を出していたことを明らかにしました。

そのきっかけとなったのは、丸山氏に対し、維新の会の前代表で「法律顧問」を務める橋下徹氏が、ツイッターで「ボケ」などと誹謗中傷したことです。

実は、私自身、橋下氏がツイッターで丸山氏に「ボケ」などと悪態をつく様子を、リアルタイムで眺めていました。

①維新国会議員にも丸山という口のきき方も知らない若造が勘違いしてきた。国会議員は永田町病にすぐかかる。丸山も自分の力で当選したと錯覚している。お前が勝てたのは松井さんが知事をやっているからだ。ボケ!代表選を求めるにも言い方があるやろ。ボケ!こいつには一度注意したのにあかんな。2017/10/24 20:45付 ツイッターより)

もちろん、丸山氏が所属政党との間でどのようなやりとりをしたのか、そのすべてが明らかになっているわけではないので、橋下氏と丸山氏のどちらが正しいのか(あるいは松井代表と丸山氏のどちらが正しいのか)について、判断を下すことは控えたいと思います。そして、丸山氏が当選した背景には、橋下氏が主張する通り、「維新の会に所属していたおかげだ」という側面があるかもしれない点については、私も否定しません。

橋下氏は良い意味でも悪い意味でも個性的な人物です。「好きか嫌いか」で聞かれれば、正直、私にとっては「嫌い」な人物ですが、それでもこれまで様々な旋風を巻き起こしてきたことについては、素直に評価すべきだと考えています。しかし、有権者の負託を受けた議員に対し、「口のきき方も知らない若造」、「お前」、「ボケ」など、およそ公衆の面前で発言して良い内容ではありません。これはさすがに言い過ぎでしょう。

何より橋下氏が大きく勘違いしている点があります。それは、丸山議員が小選挙区で勝ち上がった理由は、「維新」というネームバリューそのものより、有権者が丸山氏のことをきちんと評価したからだと見るべきでしょう。

なお、報道等によれば、松井代表が丸山氏に対して「大人になれと諭した」という情報もありますが、もしそれが事実なら、「大人になるべき」は橋下氏や松井氏の方でしょう。有権者を罵ることは、現職・元職の政治家としては最も卑劣な行為です。猛省すべきは丸山氏よりも橋下氏の方ではないかと思うのです。

政治家の皆さん、意外と有権者はよく見ていますよ!

翻って丸山氏について申し上げれば、離党という判断を下したこと自体は、「お世話になった政党に後ろ足で砂を掛けている」とみられる危険性があるとは思います。その意味で、第三者的な立場からすれば、「悪いことは言わないから、丸山氏は離党を再考すべきではないですか?」と申し上げたい気分ではあります。

しかし、丸山氏は比例復活組ではなく、立派に小選挙区で勝ち上がっている人物です。丸山氏が「離党する」と決めたのなら、それはご本人の判断として尊重すべきでしょう(ただしその判断の結果、次回衆院選で維新の公認が得られずに丸山氏が落選したとしても、それは丸山氏の自業自得です)。

それよりも何よりも重要なことは、議員になって何を達成するか、という点です。まだ30代と若い丸山議員には、引き続き真面目に勉強し、真摯に国会質問を行ってほしいと思います。

政党の名前を変えても、「もりかけ問題」の追及にうつつをぬかしていた元民進党議員らは、インターネットが発達し、マス・メディアの淘汰が進めば、やがて実態が知れ渡り、そのうち淘汰されることになります。

これに対して、「良い仕事をしていれば、きちんと評価される」という点では、政治家であっても全く同じです。丸山議員には今後の国会を通じた活動に期待したいと思います。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    <  毎日の更新ありがとうございます。
    <  早やお嬢さんの誕生から6か月ですか。もう首も座り、ハイハイをしだしているころかな。危ない所に行かないよう、柵を用意してくださいね。楠語?でしたか赤ちゃん特有の話もできますね。女の子はこの時期冬に向かっても大丈夫。男の子は弱くすぐ風邪を引いたり高熱を出します。よく救急医に行ったなあ。
    <  今回の衆議院選挙、民進党の自爆テロがあり、希望の党の踏絵あり、反保守の受け皿立憲民主党が生まれたり、超ドタバタ政治劇ですが、「枝野は男だ」などという耄碌爺さんのツィッターも数議席プラスしたのではないでしょうか。野党連合の議席数は、実際増えているという会計士様のお見立てです。中でも700万票の行方ですが、労組等のガチガチは仕方ないにしても、都心に住むインテリ層は対抗勢力として立憲党とか選ぶのか。私の親しくない知人でも「自民には入れない」「保守は入れない」という人もいました。でもなぜかと話を聞くと、新聞テレビのスピーカーの域を出ない。私も今の現役サラリーマンで中高年って、こんなもんかと、愕然としました。半面、若い方のほうが保守傾向が強いのも頷けます。職種にもよるが、好景気だし、まず何より、可処分所得が増えているのは、体制肯定になるでしょうね。
    <朝日新聞はじめマスコミ各社は、「自民圧勝劇」がよほど面白くないのか、ふてぶてしく「安倍首相はアンケートによると実は期待されてない」「モリカケの決着をつけろ」(そんなもん誰も見たない言うねん!)あるいは安倍支持率は下がったとか、どうでもいいことタレ流しています。部数減、TVCM減なら潰れてしまえっと心底思います。さて明日の国会は何がトップニュースか。つまらんことを出せば、もう国民の信頼は更に無くすよ。
    <  さて日本維新の会の丸山穂高議員が離党しました。なかなか鋭い質問したり、目立つ方ですが残念です。代表者選考をしろ、とかのツィッターが引き金になり、橋下氏に「誰のおかげや」「アホ、ボケ」と集中砲火、退会に至りました。惜しむらくは丸山議員は無所属にならず、日本維新に残るべきだったでしょう。確かに橋下氏の発言は侮辱です。でも今無所属になると、次回はバック無しなら相当苦労しますよ。国会議員と地元地方議員の考え方の違いも大きく、苦労して10議席前後取れるのは松井知事ら大阪のスタッフの功は大きいです。それと日本維新が今回低迷したのは、公約の大阪都構想とかもマイナスじゃないですか?だから近畿にも広がらない。大阪に全部おいしい所持って行かれるのかと。このイメージダウンは大きいです。丸山議員はエリート官僚を辞めて議員になった。ああ見えても、党トップを平気で批判するというのは、やはりプライドが高いような気がします。3,4回当選はまだ下っ端と思えば多少馬鹿な上司にも付いていけるのではないでしょうか。本当に惜しいです。失礼いたしました。

  2. 埼玉県民 より:

    毎日拝読させていただいております。
    昨日の虎ノ門ニュースで百田尚樹氏が興味深い指摘をしていたので紹介させていただきます。
    今回の沖縄本島の選挙区は小選挙区では自民が全敗したが、石垣などの八重山が選挙区では自民が勝った八重山地区は反日左翼が基本論調の沖縄二誌ではなく、保守系の八重山新報が有力であることであることが理由ではないかととのコメントであった。 北海道・新潟・愛知・三重などは東京新聞・中日新聞系の反日記事の新聞が圧倒的シェアを持っていそうな県と自民当選数の比較表を作ってみると正しく相関関係がありそうです。 それらの地域新聞資本は系列TV局を持っており、ローカルニュースは同様の論調になることは想像に難くありません。 関東・関西と違い、民放の局数も少ないので、ネットや衛星放送に積極接触しないと洗脳されてもしかたがない状況にあります。 

    議員定数 自民
    北海道 12 6 北海道新聞 シェア50%以上
    岩手 3 1 小沢王国要因
    新潟 6 2 新潟日報 県シェア52%
    長野 5 2 信濃毎日 県シェア57%
    愛知 15 8 中日新聞 シェア50%以上
    三重 4 2 中日新聞 岡田王国
    沖縄 4 1 琉球・沖縄 本島90%以上

    10月19日の小職の投稿で日本の広告費からインターネットの影響力が新聞を上回ったと説明しました。
    2016年日本の広告費(株式会社電通発表)から見たネットの影響力拡大と新聞の影響力凋落
    http://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2016/

         2009年 2016年
    新聞 6,739 5,431
    雑誌 3,034 2,223
    ラジオ 1,370 1,285
    テレビ 17,139 19,657
    インターネット 7,069 13,100
    折込 5,444 4,450

    前回投稿で述べましたが、選挙とは、個々の候補者や自民党や共産党など政党が投票用紙に候補者名や政党名を書かせるための広告・販促活動だと考えられます。政党がマクドナルドや吉野家などのチェーン名で候補者は個々の店舗に該当するかと思います。 ある一定の日時(投票日)に特定の行為(投票)をさせることが目的で、業態的には宿泊や飲食の予約に似ているかと思います。宿泊や飲食はすでにネット全盛ですが、選挙はネットで投票できない違いがあります。
    上記の反日新聞相関表より、最終的に実店舗(投票)に行かせるラストワンマイルの広告手段は、いまだに折込チラシ(新聞)に負うところ大きいということに改めて気づきました。小選挙区は商圏サイズ的には大型ショッピングモールに近いと思われますので、ネット広告も折込チラシ(新聞)の代替えになりえていません。選挙公報や個人チラシも新聞折り込みです。 個人的にも牛角やバーミヤンのクーポンが折込チラシにはいっていると店舗に行きます。 どうやってこれらの反日ブロック誌の牙城を崩すかが課題となります。

  3. spaceman より:

    更新ありがとうございます。

    最近、元マスコミ関係だった知人と話してわかったことがあるので、書いておきます。

    加計問題で、どうしてマスコミは加戸発言や八田発言をきちんと取り上げなかったのか、また、加戸・八田発言を知っていても、なぜ安倍首相への疑惑が解けず、前川発言を真に受ける人々が存在するのか・・・・・・ということについてです。

    知人が言うには──加戸・八田発言の内容は理解できる。しかし、それと安倍首相の不正行為は別である──のだそうです。

    文科省の岩盤規制や獣医学会の利権がどうであろうと、問題は、安倍首相がお「友だち」を優遇したということであって、加戸・八田発言は、不正がなかったことを証明するものではない──そうな。だから、新聞もテレビも加戸・八田発言を大きく取り上げなかったのだろう──と。

    つまり、新宿会計士さんやここでコメント発言しておられる方々とは、認識が180度転倒しているわけです。

    このあたり、私が感じるSence of wonderとでもいうべき感覚は、韓国の言論を見ていて感じるものと非常によく似ています。まるで錯視するように、彼らは、同じ対象であってもまったく別物を見ているということなのかもしれません。

    まあ、百歩譲って考えれば、文科省、獣医学会、特区諮問会議、加計学園、京産大のそれぞれの言動をきちんと時系列で理解していなければ、たしかに「安倍の疑惑は解けていない」と感じてしまっても不思議はないのかもしれません。逆にいうと、その辺りの「整理された理解」を阻害してやれば、いくらでも「安倍疑惑」は誘導・継続できるわけです。

    個人サイトですが、加計問題の事実関係を時系列に並べて分析しているサイトが複数あります。これらを見れば、問題の本質が一目瞭然です。(以下はその例)
    http://notquicka9.hatenablog.com/entry/kakei-nenpyo
    http://syaosu.blog40.fc2.com/blog-entry-92.html

    問題意識を持って情報収集するならば、このようなサイトに必ず逢着します。これらのサイトの情報がフェイクかどうかは、同様なサイトや新聞の記事(これもネットで読めるもが多い)、あるいは文科省など公的機関のサイトを比較すれば、ある程度の確度で判断できます。そんなに難しいことではありません。

    しかし、こういう時系列整理は、本来ならばマスコミがするべきことです。
    おそらくこの問題を追いかけた記者の多くも、記事を書く上で時系列整理をやっていると思います。少し陰謀論めきますが、その上で彼らは、逆に「読者に何を見せないか」を決めているのかもしれません。

    東洋経済オンラインに、自民党支持層がU字カーブを描いているという記事がありました。30代までと70代以上は自民党支持率が高いが、40~60代で低いということです。筆者は、その理由として、40~60代がちょうど少年~青年期に腐敗した自民党の姿を散々見てきたからではないかと書いています。

    http://toyokeizai.net/articles/-/195199

    「安倍おろし」を考える人は、けっして無知な大衆ではありません。上に書いた私の知人も、高学歴のインテリです。かなりの読書家です。しかし、ネットはあまり見ません。私よりも少し若いのですが、元マスコミ人だけにネットを信用していないのでしょう。ネットから情報を得るなど恥だと思っている節もあります。

    会計士さんの書かれている「都市部に住むインテリ層」というのは、たぶん年代的にいえば社会の中枢を担う、40~60代辺りのことではないでしょうか。この年代は、むしろインテリ層ほどネットを馬鹿にしているところがあります。真の教養は読書やリアルな社会体験からしか得られないと考えている。しかも、彼らの若いころのオピニオン・リーダーといえば、政権に批判的な左の人ばかりでした。

    それゆえ、この世代では「情報弱者」と「都市部に住むインテリ層」が、微妙にオーバーラップしてしまうのではないか──といったら言い過ぎでしょうか。まあ、「中途半端なインテリ層」とすべきなのかもしれません。

    今日のNBOの鈴置コラムや福島コラムでも語られているように、現代日本を取り巻く情勢はいかにも不穏であり、現政権以外にこれに対処できる政権があろうとは思えません。安倍シンパでも自民党シンパでもない私がそう思うのですから、マスコミがどう書こうと、世の多くの人は「とりあえず安倍でよし」と思っているでしょう。結局、その「現実感覚」こそが選挙結果に直結しているのではないかと思います。

  4. 水谷 より:

    選挙直前に教師をやってる友人と話したのですが、彼曰く「とにかく安倍が嫌い」だそうで、だから立憲民主党に入れるかな、と言っていました。
    なぜそんなに嫌いなのか聞いてみると、どうも道徳教育の改変などを安倍首相が行ったのがどうにも我慢できないそうです。
    ただ、その改変のどこが悪くてどういう影響があったからそんなに腹に据えかねているのか、と尋ねてもまともな答えは返ってきませんでした。どうも自分の職場の領域に首を突っ込んできたのがとにかく不快でしょうがないという実に官僚的な感覚のようで、そんなに公務員公務員した奴じゃなかったのになあと少しびっくりしましたよ。人間染まるもんですね。
    それにしたって立憲民主は無いだろ、と彼らがあの悪夢の民主党政権時代と全く顔ぶれが変わらないことなどを指摘してみましたが、どうもピンときてない様子で、要するに公務員という立場だと経済環境がどうであろうと別に大した被害は受けないから、とにかく嫌いな安倍でないならどうだって構わないという感じでした。
    「いや、お前の教え子が苦しむことになるんだから経済政策も少しは見ろよ。就職氷河期世代の屈辱と苦しみをまた次の世代に与えたいのか?」と言っても「そんな難しいことを調べるような時間は自分には無い」の一点張りでとりつくしまも無かったです。
    そもそも教員試験で苦労はしたけど、いわゆる就職活動をした経験が無いから就職出来ない苦しみとかわからんそうで、職業選択の授業でもどう教えれば良いのか苦労したと言ってました。
    団塊世代は今後の経済状況なんてもうどうでも良いと思っている、という評論何処かにがありましたが、どうも公務員もそういう傾向にあるのかなと。
    ちなみに立憲民主に入れるくらいなら維新にでも入れとけ、との私の意見には「橋下も嫌い」とのこと。どうも目立つ政治家は嫌いな傾向がある模様。他の政治家よりも枝野の方がマシだという感覚がよくわかりませんが、枝野の悪いところは報道されないので知らないっぽいですね。前述の如く、そういうのを調べる時間も無いそうですが。
    逆に、数年前にうちのベンチャーに就職した子は、来た当時は全くノンポリで選挙なんて面倒だから行かないと堂々言うレベルだったのに、今ではかなり真面目に色々調べて投票するようになってます。まあこの状況で自民以外が大勝したらうちの会社は冗談抜きで潰れかねないので公務員とは真剣味が違うのかもしれません。
    教師の友人がいる辺りは日教組の影響が殆ど無いところなんですが、教師という職業そのものがこういうもんなんだなあとちょっと暗澹たる気持ちになりました。ただ、モリカケに関してはよくわからんししつこく騒いでる方がおかしいと思っていたようです。例によって詳しいことはよくわからないそうですが。

  5. porter より:

    ブログの内容と関係ないけどイヴァンカちゃんが韓国訪問をやめるんだってね。ちょっとこの件でブログ主さんの解説が聞きたいな

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