【夕刊】沈黙を守る朝日新聞の不気味さ

本日も「夕刊」を配信します。夕刊では、今朝の記事『財務省解体の絶好のチャンス?』でも取り上げた話題について、主要メディアがどう報じたのか、そもそも政権が吹き飛ぶような事件なのか、という2点からフォロー・アップしておきたいと思います。

森友決裁書改竄疑惑

当ウェブサイトでは似たような話題を連続して取り上げることは避けたいと思っているのですが、最近、どうしても驚くような事件、出来事が多く、どうしても2~3回にわたって似たような話題が続くことが増えています。

今朝、『財務省解体の絶好のチャンス?』のなかで取り上げた、財務省が「森友関連決裁文書の書き換えを認める方針だ」とする話題は、時事通信、共同通信の第一報から一夜明け、各種メディアにさまざまな関連記事が掲載されている状況です。

そこで、本日の「夕刊」では、これらのメディアの報道について簡単に紹介するとともに、あらためてこの「事件」の意味について考えてみたいと思います。

メディアはこれをどう報じたか?

主要全国紙の取り上げ方

あくまでもウェブサイトを調べた結果ですが、主要全国紙の本件に対する取り上げ方は、さまざまです。

たとえば、読売新聞は論評を控えめにしつつ、事実関係を淡々と伝える格好になっていますが、毎日新聞は「書き換えの事実が判明したことで、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相の責任を問う声が高まりそうだ」と、それこそ「舌鋒鋭く」批判しています。

森友文書、書き換え認める…財務省が結果提示へ(2018年03月11日 06時07分付 読売オンラインより)
森友文書/財務省書き換え、佐川氏が指示 12日国会報告(2018年3月11日 03時33分付 毎日新聞デジタル日本語版より)
森友文書/書き換え何のため 行政文書の信頼失墜(2018年3月11日 06時45分 07時54分付 毎日新聞デジタル日本語版より)

これに対し、日本経済新聞は現段階で断定を避けつつ、「実際に書き換えがあったことを認めるのか、書き換えた場合はいつ、誰の指示だったのか、が焦点となる」などと慎重な表現に終始。また、産経新聞は「刑事罰に相当するかどうか慎重に見極め」る必要があるとしています。

「森友書き換え」疑問多く/事実なら時期・指示は 財務省あす調査報告(2018/3/11付 日本経済新聞朝刊より)
【森友文書】/文書書き換え 大阪地検、刑事罰か慎重に見極め 幹部「事件より政局の印象」(2018.3.11 07:24付 産経ニュースより)

ただ、本日が東日本大震災から7周年という節目にあたるためでしょうか、私が見たところ、多くのメディアは本日の「社説」で大震災について取り上げており、今回の「文書改竄疑惑」について大々的に取り上げている主要メディアは見当たりません(といっても、あくまでも私がチェックした限りは、ですが…)。

やはり、ことの発端が3月2日付の朝日新聞による報道であり、肝心の証拠が何も出てこない中で、昨日、唐突に降って湧いたように、「財務省が文書の書き換えを認める方針だ」と報じられたことは大きいと思います。奇しくも日経などが指摘しているとおり、現段階では疑問が多すぎるのです。

疑惑の総本山・朝日新聞の不気味な沈黙

ところが、私が見たところ、主要メディアのなかで、唯一、完全な「沈黙」を守っているメディアが、1つあります。それは、今回の疑惑の総本山である、朝日新聞そのものです。

朝日新聞デジタル日本語版のトップサイトを見ても、当ウェブサイト執筆時点において、昨日夜の「財務省が12日に文書の書き換えを認める方針だ」とする情報が、どこにも記載されていないのです。これは、いったい何を意味するのでしょうか?

考えてみれば、「財務省決裁文書改竄疑惑」については、3月2日の朝日新聞の報道以来、非常に不自然な経緯を辿っています。肝心の証拠資料が大阪地検に押収されているなかで、朝日新聞が何を根拠に、「財務省が決裁文書を改竄していた」と報じたのか、まったくわからないのです。

つまり、本件について見る限り、大騒ぎしているわりに、その具体的な証拠がまったく出て来ておらず、「仮にこうだったとしたら」という、「仮定の話」しかできないのです。論壇にこのような混乱をもたらした朝日新聞は私に言わせれば、もはや「報道機関」ではありません。単なる「プロパガンダ機関」です。

もっといえば、朝日新聞は最近、自分たちが決めた方向に世間を誘導するためには、手段を選ばなくなっているのではないかと思います。考えてみれば、『朝日新聞は「トイレットペーパー以下」なのか?』でも触れましたが、「エビデンス?ねーよそんなもん」などと暴言を放つ人間が論説委員を務めるような新聞です。

注目の人 直撃インタビュー/朝日新聞・高橋純子氏 「安倍政権の気持ち悪さ伝えたい」(2017/12/25付 日刊ゲンダイデジタルより)

そういえば、何か都合が悪いときに沈黙を守る中国共産党や朝鮮労働党の特徴です。朝日新聞自身が報じた内容がこれだけ反響しているにも関わらず、その朝日新聞が現時点で不気味な沈黙を守っているというのは、何かウラがあるのかもしれません。

そもそも、政権が吹き飛ぶ事件なのか?

朝日新聞の不誠実さ

実は、私自身も、雲を掴むような話に対し、「仮定の上に仮定を重ねる」ような議論は、好きではありません。議論している側も、読んでいる側も、前提条件が多すぎて、話が混乱してしまうからです。たとえば、次の2つの文章があったとしましょう。

  • 「もし朝日新聞が3月2日に報じた記事が事実ならば、財務省は責任を取らねばならない」。
  • 「もし朝日新聞が3月2日に報じた記事が事実でなければ、朝日新聞は責任を取らねばならない」。

選択肢がこのくらいであれば、それほど議論は難しくありません。この命題については、「朝日新聞の3月2日の記事が事実かどうか」が問題になるからです。そして、通常であれば、その文書自体を確認すれば済む話であり、朝日新聞がその証拠を提示すればお終いです。

しかし、この第一報からすでに10日近くが経過しているにも関わらず、朝日新聞が報じた「改竄した証拠」は、いまだに出てきていません。明日、財務省がこれについて与野党議員らに報告するそうですが、朝日新聞自身がいまだに証拠を提示していない問題については解決していません。

さらに、本件については「どの文書とどの文書を比較したのかという点についても重要です。たとえば、和田政宗参議院議員が先週、「国会に提出された「売買契約の決裁文書の調書」と、近畿財務局に保存されている原本が違うという件」について「まさか文書を取り違えていないか」と指摘されています。

朝日新聞さん、まさか文書を取り違えてはないとは思いますが。。。(2018年03月08日 14時48分04秒付 アメーバブログより)

これについては、あくまでも現段階では「可能性の1つ」に過ぎませんが、こうした議論が出てくる理由は、朝日新聞が肝心の証拠を一切提示していないことにあります。

さらに、財務省が文書を改竄していたことが事実だとして、それで果たして安倍政権が吹き飛ぶ事件なのかは、極めて疑問です。というのも、そもそも「森友学園問題」自体、「加計学園疑惑」と並び、

安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を利用し、友人が経営する学校法人に対して違法な便宜を図っていた汚職疑惑

のことです。財務省が文書を改竄していたら、安倍総理が汚職に関わっていた証拠になるのでしょうか?

朝日新聞vs日本国民

自然に考えていけば、朝日新聞の狙いは、ただ1つしかありません。それは、

政権打倒のために使える材料は何でも使い、とにかく国政を混乱させること

です。

安倍政権は、国民が選びました。安倍政権が発足するきっかけになった2012年12月の衆議院議員総選挙を含めると、安倍政権は実に5回の国政選挙を圧勝してきました(※といっても、私に言わせれば自民党は「圧勝」とは言えませんが、これについては『自民党への苦言:「勝って兜の緒を締めよ」』などで触れたので繰り返しません)。

これに対し、朝日新聞は国民からの選挙で選ばれた言論人集団ではありません。単なる私企業です。それも、ときとして歴代政権と癒着し、価値のある国有地を格安で払い下げられた疑惑まである企業であり、もっといえば、日本社会にさまざまな被害をもたらしてきた組織でもあります。

通常、「目的のためなら手段を選ばない」ような組織のことを、「テロ組織」と呼びます。たとえば、中国共産党やソ連共産党は「革命のためなら犠牲をいとわない」という姿勢を取ってきたことでも知られていますし、少し前に壊滅したテロ組織ISILなどもその手の組織目標を持っていました。

私は、朝日新聞社という組織自体、日本国内の会社でありながら、結果的に日本社会を破壊することに寄与してきた側面があると見ています。その意味で、やはり朝日新聞の問題は、日本国民全体の問題として捉えるべきだと考えているのです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

いずれにせよ、明日以降、財務省の報告が明らかになります。当ウェブサイトとしても、現段階では「仮定に仮定を重ねる議論」は控え、財務省報告を待ちたいと思います。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 本日も夕刊の配信、ありがとうございます。
    < 朝日新聞は沈黙し、毎日新聞は『舌鋒鋭く』(笑)書きすぎですね。時事、共同は早かったが続報等目新しいことも無く、反対に日経控えめ、産経は刑事罰ではなく政治の問題ではという大阪地検のコメント載せてますね。日曜日なんで、追っ掛け記事が無いのは仕方ないですが、フツー大事件に発展しそうなら、もう半日経っているのに何も進展無いのは奇妙です。また朝日新聞はなぜダンマリか?火をつけて、マッチポンプのくせに消火にも行かない。消火剤(確たる証拠)が無いとなったらそれこそ誤報で民心を偏向して煽ったとして発禁ですよ。
    < 明日、財務省は発表すると言うものの、マスゴミが期待するレベルではなかったら、また野党、マスゴミ中心の財務省、政府叩きです。国民は、このモリカケにいい加減ウンザリなんです。ハナから大した事でもないのに、大騒ぎする。国税庁、近畿財務局がグレーまたはアウトなら担当者、指示者を処分すればいい。なぜ麻生さんまで辞任すべしの報道が許されるか。仕方ない、とりあえず明日まで待ちますか。
    < それより、米朝会談が行われるかどうかも、少し怪しくなってます。中止でも会談決定でも北朝鮮は核開発やめないでしょう。とにかくまず核ありき、ですから。手放すはずがない。この真実は日米は理解していますが、韓国がいけない。日米の足を引っ張るだけだから、米韓演習をせずに日米合同演習に切り替えればどうか。これは北朝鮮、韓国に効きますよ。
    < 失礼します。

  2. ketsuro8da より:

    3月17日付け産経新聞から
    麻生太郎副総理兼財務相は16日の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」への国有地売却に絡む決裁文書改竄の疑惑を最初に報じた朝日新聞について「朝日も信用できるところはある。めったに読んだことのない新聞だからよく分からないが、時々当たることもあるのだと思う」と述べた。
     立憲民主党の川田龍平氏の「今は(改竄に関与した)理財局長より朝日新聞を信用するか」との質問に答えた。麻生氏は9日の記者会見では、改竄問題について同種の質問を繰り返す朝日新聞記者にいらだち、「朝日新聞の取材能力のレベルが分かるな」と吐き捨てていた。
     川田氏が「理財局にだまされたと認めるのか」と質問すると、麻生氏は「状況証拠としてはそう言われるというのは、認めざるを得ない」と述べた。

    麻生さんは朝日新聞をめったに読まないそうですが、私は親の代から購読していた朝日新聞を止めました。

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