韓国の康京和(こう・きょうわ)外交部長官の訪日が終わりました。果たしてこれをどう見るべきでしょうか?まだまだ楽観視するのは尚早ですが、それでも日本外交が少しずつですが、間違いなく良い方向に変わり始めていることは事実でしょう。私は、これを素直に歓迎したいと思います。

※本文はお知らせの後に続きます。

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    日本外交が変わった!

    日韓の立場の違いを浮き彫りにした外相会談

    一昨日、康京和(こう・きょうわ)韓国外交部長官(外相に相当)が日本を訪れ、河野太郎外相、安倍晋三総理と相次いで会談しました。

    このうち河野外相と康長官の会談時間は、昼食会を含めて約3時間でしたが、外務省から発表されている会談の概要は、わずか3点です。

    1. 両外相は、日韓双方の安全保障を脅かす北朝鮮の核・ミサイル問題について、時間を割いて集中的に議論を行った。河野大臣からは、15日の北朝鮮に関する安保理閣僚級会合における議論を紹介し、両外相は、問題の平和的解決に向け、北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めるための国際社会の取組を主導していくことについて議論した。また、河野大臣から、安全保障協力、安保理での対応等、様々な面で日韓、日韓米で緊密に連携していきたい旨述べた。さらに、両外相は、先般の文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の中国訪問に関連して、中国に更なる役割を求めていく必要があることで一致した。
    2. 両外相は、日韓関係については、日韓間には困難な問題があるが、これらを適切にマネージしつつ、日韓関係を未来志向で前に進めていけるよう協力していくことで一致した。
    3. こうした観点から、河野大臣から、一昨年末の日韓合意が着実に実施されることが重要であるとの我が方の立場を改めて強く申し入れた。これに対し、康長官からは、康長官の下に設置された「慰安婦合意検討タスクフォース」の議論の現状について説明があった。

    3時間も話をして、報道発表は、たったのこれだけです。

    とくに、韓国側の事前の報道だと、韓国政府側は、2015年12月の「日韓慰安婦合意」を巡り、これを再交渉することが最大の目的であるかのように考えていた節があります。しかし、外務省発表の3点目にある、「河野大臣から、一昨年末の日韓合意が着実に実施されることが重要である」との立場を「改めて強く申し入れた」とする下りからは、「慰安婦合意の蒸し返しは絶対に許さない」という、日本政府側の強い意志を感じ取ることができます。

    また、北朝鮮の核・ミサイル問題についても、かねてから日本側が求めている「朝鮮半島有事の際の日韓協力」についても、康長官は首を縦に振らなかったようです。

    ということは、今回の康長官の訪日は、「慰安婦問題」、「日韓協力」という懸案を巡る、日韓両国政府の立場の違いを、改めて浮き彫りにしただけのことでしょう。

    ここで、「朝鮮半島有事の際の日韓協力」とは、たとえば米軍による北朝鮮攻撃が始まった時に、在韓邦人を退避させるために、朝鮮半島に自衛隊機を派遣することなどを意味します。しかし、こうした避難計画を巡り、韓国政府は頑なに、米国以外の国との対話すら拒んでいる状況にあります。

    なお、私は今回の康長官の訪日を機に、「朝鮮半島有事での日韓協力」を諦め、邦人の渡航延期勧告、退避勧告を検討する局面に入ったと見ていますが、この論点については後述します。

    安倍総理、「椅子の高さで韓国を見下す」の誤解

    一方、康長官は、河野外相との会談後、夕方に安倍総理を表敬訪問しました。

    康京和韓国外交部長官による安倍総理大臣表敬(2017/12/19付 外務省ウェブサイトより)

    訪問時間は20分で、安倍総理からは次の2点につき、改めて康長官に要求が下されました。

    北朝鮮に対する圧力を最大限まで高め、日韓、あるいは日米韓3ヵ国の緊密な連携をすること

    一昨年末の日韓合意が着実に実施されること

    つまり、この2点は、安倍政権にとっても「核心的利益」であることが、改めて示された格好です。

    しかし、これに対して康長官は、有事の際の日韓協力や慰安婦合意の履行に関しては言及を避け、代わりに「慰安婦合意タスクフォース(TF)」について説明するなど、両国の主張の違いが、改めて示された格好となっています。

    ところで、それはさておき、昨日も『椅子で見下す安倍総理?』の中で紹介しましたが、安倍総理は康氏とは明らかに違う種類の椅子に座り、康氏を接遇しました。ちなみに、河野外相も康氏と同じ椅子に座っていて、端から見ると、「誰が一番上なのか」というのが、一目でわかる、という工夫に見えます(図表)。

    図表1 康長官の表敬を受ける安倍総理と河野外相

    (【出所】外務省ウェブサイトより)

    ただ、これは別に、韓国を特別扱いしたものではありません。

    今年に限定しても、レックス・ティラーソン米国務長官(3月16日)、グリアOECD事務総長(4月13日)、楊潔篪(よう・けつち)中国国務委員(5月31日)、カエタノ・フィリピン外相(6月7日)など、安倍総理が訪問客よりも「高い椅子」に座っているケースは、ほかにもいくらでも発見できます。

    これらの事例を眺めれば、康京和氏に対する扱いが、特別に低いものであるとはいえないことは明らかです。

    むしろ、今年6月に訪日した韓国国会議長である丁世均(てい・せいきん)氏を同じ高さの椅子に座らせたこと自体が、異例だったのかもしれません(図表2)。

    図表2 丁世均・韓国国会議長と安倍総理

    (【出所】外務省ウェブサイトより)

    というのも、韓国メディア『中央日報』に掲載された記事の中に、こんなくだりがあるからです。

    丁議長室の関係者は18日、中央日報との電話で「安倍首相が高いところに座って丁議長を見下ろす形になるが、これに気づいて驚いた」とし「対外的に韓国立法府の首長である国会議長より日本政府を指揮する安倍首相の格が高いという印象を与えかねないため、椅子の問題が気になるしかなかった」と話した。続いて「当時同行した与野党の議員も椅子の高さについて『国格の問題』と指摘した」とし「このような形では安倍首相に会うのが難しいと日本側にはっきりと伝えた」と説明した。結局、日本側は丁議長と安倍首相が座る椅子を同じ高さに合わせた。

    そんなことを言うのなら、日本側は丁議長の表敬を断ればよかったのかもしれませんね。

    河野外相は一切譲歩しなかった

    余談はこのくらいにして、本論に戻りましょう。

    今回の日韓外相会談における、河野外相の姿勢のうち、「慰安婦合意」については、ほぼパーフェクトでした。

    康長官は、「韓国における慰安婦合意TFの議論の現状」について説明したものの、河野氏はその説明を聞き流しただけであり、あくまでも「日韓合意の着実な実施を強く求める」という姿勢を崩さなかったからです。

    ただ、文在寅(ぶん・ざいいん)氏が慰安婦合意の見直しを政権公約に掲げて大統領に当選している以上、韓国政府としても、慰安婦合意を「着実に履行」することはできません。というのも、仮にこの問題を巡るハンドリングを間違えれば、文在寅氏も「ろうそくデモ」で引きずりおろされる可能性があるからです。つまり、日本が韓国に対して慰安婦合意の実施を求めれば求めるほど、韓国政府は韓国国民と日本政府の板挟みとなり、苦しむことになるのです。

    この点、慰安婦問題自体を捏造した「諸悪の根源」である朝日新聞も、ひと昔前であれば、

    日韓協力を進めるためにも、ひとまずは慰安婦合意を見直すことで合意すべきだ

    などと主張していた可能性があります。しかし、現在のところ、朝日新聞社は康長官の訪日を巡り、論評を控え、沈黙を守っています。これも河野外相の姿勢が、彼らにとってはよっぽど都合が悪い証拠でしょう。

    また、外務省内でも、「韓国政府の立場を忖度して、日本側から慰安婦合意の見直しを言い出してあげよう」といった声が出て来た可能性があるのですが、今のところはそうした声は出て来ていません。

    これも、安倍政権の外務省に対する抑えが効いている証拠でしょう。

    日本政府は韓国に強気で接するのが正解

    また、現在の韓国政府の立場は、非常にまずいことになっています。

    先月のドナルド・トランプ米大統領の訪韓時には、晩餐会で米国の同盟国である日本を挑発するために、竹島の名を冠したボタンエビを提供したり、自称元慰安婦を招いてトランプ氏とハグさせたりしました。

    しかし、そうした余裕も消し飛び、韓国は現在、米中両国に袖にされている状況にあります。

    というのも、韓国は11月末に、中国に対して「三不」(▼高高度ミサイル防衛システム=THAAD=を追加配備しない、▼米国が構築するミサイル防衛システム=MD=に参加しない、▼日米韓3ヵ国連携を軍事同盟に発展させない)を確約。米国は韓国に激怒しました。

    しかし、米国を激怒させてまで中国の歓心を買おうとしたにも関わらず、今月、文在寅氏が訪中した際に徹底的に冷遇され、中国から属国扱いされていることに気付いたのです。

    私に言わせれば、長年韓国が続けて来た「米中二股・反日外交」が破綻しただけのことであり、まったくもって韓国の自業自得ですが、それでも韓国はここに来て、自分たちが非常にまずい立場にあることに気付いたのでしょう。

    今回の康長官の訪日には、極端にまずくなった韓国の立場を打開するために、日本にすがりつく目的があったと見るべきでしょう。

    そして、事前に韓国メディアが報道していた、「ユネスコ世界遺産登録を巡る朝鮮人強制徴用問題」については、外務省ウェブサイトには、1行も触れられていません(もっとも、産経の報道では、河野外相が「徴用工問題をわざわざ持ち出して、歴史問題を蒸し返す韓国側を牽制した」とする下りがありますが…)。

    要するに、康長官としては、「成果ゼロ」だったのです。

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    外務省が今すぐやらねばならないこと

    朝鮮半島有事でどう邦人保護を図るのか?

    さて、「日韓協力」と「慰安婦問題」のうち、重要なものは、何といっても有事の際の日韓協力です。

    ここで、朝鮮半島で有事が発生した際に、問題となるのはいったい何でしょうか?

    それは、ずばり、韓国に在留する日本人の安全確保と、韓国・朝鮮半島から日本に押し寄せてくる避難民への対応です。

    このうち、安全を確保すべき日本人の人数は、季節によっても変動しますが、だいたい6~7万人と考えれば良いでしょう。

    韓国に滞在している日本人には、永住者、長期滞在者、短期滞在者がいます。

    このうち外務省のウェブサイトによると、永住者と長期滞在者の合計は38,045人(2016年10月1日時点)であり、このうち永住者は10,261人、長期滞在者(3ヵ月以上の海外在留者であって、いずれわが国に戻る邦人)は27,784人です。

    また、韓国観光公社のウェブサイト(※韓国語)によると、1ヵ月当たりの日本人の入国者数は、平均20万人弱です。この入国者は短期滞在の観光客などであると考えられますが、平均的な韓国旅行のパッケージから滞在日数は3~4日であると考えると、1日当たりの滞在人数は20,000~25,000人です。

    つまり、①永住者(1万人前後)、②長期滞在者(3万人弱)、③短期滞在者(2~2.5万人程度)の合計で、ざっくりと6~7万人の日本人が、常に韓国に滞在している計算です。

    しかも、韓国の首都でもあり、最大の都市でもあるソウル市は、38度線からわずか40km程度しか離れていません。そして、韓国に滞在している日本人のうち、約半数がソウル市に滞在していたと仮定すれば、かりに朝鮮半島で戦端が開かられた場合、3万人少々の日本人が、ただちに生命と財産の危機に晒される格好です。

    しかも、戦闘の混乱の中で、とくに短期滞在者を中心に、連絡が取れない日本人も多数出てくるでしょう。

    こうした状況で邦人保護を図るためには、定員300人の民間旅客機をチャーターして100往復させるというのも、非現実的であり、やはり自衛隊機によるピストン輸送が一番手っ取り早いはずです。

    自衛隊機を受け入れない韓国政府にどう対処するか?

    しかし、ここで重要な点があります。

    それは、朝鮮半島有事の際に、日本の自衛隊機を韓国に派遣し、邦人保護を図ることについて、韓国政府がきわめて非協力的である、という点です。

    とくに、韓国では「日帝支配を思い起こさせる」という観点から、自衛隊だけでなく、日本のあらゆる政府機関の入国・入域に、強い抵抗を示しています。

    2014年4月に韓国で発生したフェリー船「セウォル号」の転覆事件のときも、海上保安庁が韓国海洋警察に対して支援を申し出たにも関わらず、韓国側がそれを断ったほどです。

    当然、朝鮮半島有事に際して日本が自衛隊機を在韓米軍基地に派遣しようとしても、韓国当局はそれを拒むことが想定されます。

    日本政府内では、韓国の非協力ぶりを受けて、朝鮮半島有事が発生した場合、ソウルなどに滞在している邦人を釜山に退避させ、そこから少し時間を掛けて、フェリーや高速艇などで福岡に運ぶ、という計画が検討されているとも聞きます。

    しかし、そもそも韓国国内が大混乱に陥っているときに、ソウル・釜山間の高速鉄道が通常通り運行されるという保証はありません。

    さらに、韓国に在留している外国人は、日本人だけではありません。オーストラリア、欧州、カナダ、英国など、日本の友好国、準同盟国の国民も多数滞在しています。当然、地理的に一番近い日本に対して、これらの国からは自国民の保護という要請が来ることも考えられます。

    そうなれば、民間チャーター機やフェリーを使った輸送にも限界があるでしょう。

    ビザ免除プログラムという問題点

    それから、もう1つの問題点が、韓国からの避難民です。

    朝鮮半島有事がどのようなものになるのかにもよりますが、場合によっては、韓国から大量の難民が日本に流入してくる可能性もあります。

    現状、外務省は韓国国民に対して、観光ビザの免除プログラムを導入しており、観光を目的とした90日までの短期滞在であれば、韓国人はビザなしに日本に入ってくることができます。

    このため、空路と海路を通じて、多くの韓国人が「正々堂々と」日本に入国し、そのまま難民として居座ってしまう可能性があるのです。

    私は以前から何度も、韓国人に対する観光ビザ免除プログラムについては見直しが必要だと申し上げていますが(たとえば『韓国制裁と朝日新聞社倒産を議論する』、『日本政府は「訪日客4000万人目標」を撤回せよ!』などもご参照ください)、現状だと、難民と思しき韓国人が日本に入国しても、90日間は退去を命じることが困難です。

    リスク管理の本領とは「最悪の事態を想定すること」

    以上、現在の日韓間では、朝鮮半島有事に際して、

    • 在韓邦人や在韓の友好国・準同盟国の人々の保護が困難である
    • 韓国から合法的に大量の難民が日本に渡航してくる可能性がある

    という2つの問題点があることがわかります。

    そこで本領を発揮するのが、「リスク管理」の考え方です。

    まず、前者の問題点については、長期滞在者(約4万人)と、短期滞在者(約2~3万人)については、分けて考える必要があります。このうち長期滞在者については、在韓日本大使館としても、その所在地についてはおおよそ把握できているはずです。そこで、長期滞在者に対しては避難計画を策定し、避難訓練を実施することなどが考えられます。

    また、短期滞在者(とくに韓国に観光旅行に出かける人)については、不要不急の韓国渡航を減らすよう、外務省としても働きかけるべきでしょう。

    外務省の「海外安全情報」は、レベル1から4まで4段階設けられています(図表3)。

    図表3 安全対策の4レベル
    レベル 用語 概要
    レベル1 十分注意してください その国・地域への渡航、滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。
    レベル2 不要不急の渡航は止めてください その国・地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策をとってください。
    レベル3 渡航中止勧告(渡航は止めてください) その国・地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。(場合によっては、現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。)
    レベル4 退避勧告(退避してください。渡航は止めてください) その国・地域に滞在している方は滞在地から、安全な国・地域へ退避してください。この状況では、当然のことながら、どのような目的であれ新たな渡航は止めてください。

    (【出所】外務省ウェブサイトより)

    ただ、当記事執筆時点において、韓国にはレベル1どころか、一切の危険情報が掲載されていません。これは外務省の怠慢というほかないでしょう。

    この4つのカテゴリーでいうならば、現在の韓国は少なくともレベル2かレベル3が妥当です。

    なぜなら、外務省が邦人に渡航中止などを勧告する根拠は、自衛隊を海外に派遣して邦人の安全を確保することが、現行の日本の法制上、いちじるしく困難だからです。

    朝鮮半島有事の危機が高まっていて、かつ、韓国が日韓協力を拒んでいるという状況を踏まえるならば、少なくとも不要不急の渡航は控えるべきであり、可能ならば渡航を中止させるべきでしょう。

    観光ビザ免除プログラムの見直しは必須

    一方で、韓国人に対する観光ビザ免除プログラムについても、90日は長すぎます。

    この点、日本政府が「観光客4000万人目標」を掲げていることは私も知っていますが、「人数ありき」で目標だけ掲げるのは、日本にとって好ましからざる人物が侵入することを防ぐうえでも、百害あって一利なしです。

    とくに、韓国にはすでに北朝鮮からのスパイ・工作員などが、かなり入り込んでいると考えるべきであり、こうした中で、ビザ免除プログラムを悪用し、難民に紛れて北朝鮮の工作員が、爆発物などを携えて、海路で堂々と日本に侵入することも想定しなければなりません。

    私の理想は、韓国人に対する観光ビザ免除プログラムの運営を、朝鮮半島有事の危機が去るまで完全に停止することですが、新たな利権官庁と化しつつある日本政府観光局がそれに抵抗するであろうことは予想が付く点です。

    そこで、せめて観光ビザ免除プログラムの日数については、今すぐ、15日程度に短縮すべきです。

    個別国に対するビザ免除プログラムの改廃には、国会決議など必要ありません。そして、観光目的の入国なら、滞在可能日数は15日で十分です。

    さらに、年間滞在可能日数についても制限を設けるべきでしょう。

    私はこれを、民族ヘイトという視点で申し上げているのではありません。あくまでも日本の国防上、必須の措置として申し上げているのです。

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    いまこそ「事なかれ主義」との決別を!

    で、結局韓国はどうしたいの?

    一昨日の康京和氏の訪日では、康氏は「慰安婦合意TF」について、韓国政府の立場を説明したそうです。ただ、先ほども確認したとおり、河野氏は慰安婦合意を見直そうとする動きに対して、完全なゼロ回答を提示。韓国政府としては厳しい立場に追い込まれた格好です。

    ところで、こうした韓国の苦しい立場を示しているのか、韓国メディアに昨日、何が言いたいのかよくわからない記事が掲載されています。

    2018年韓日関係のゆくえ、1週間後の慰安婦TF報告書にかかっている(2017年12月20日10時56分付 中央日報日本語版より)

    中央日報は

    慰安婦合意そのものに対する韓国政府の最終的な立場は報告書の内容に基づいて後ほど別途発表されるが、報告書が韓国政府の立場決定に大きな影響を及ぼすことから、内容によっては来年の韓日関係の方向が決まるものとみられる。

    と述べていますが、正直、何が言いたいのかよくわかりません。

    韓国メディアによると、TFの結果は来週27日に発表されるそうですが、これに対して韓国政府がどう対応するかについては、平昌(へいしょう)五輪が開催される2月以降に発表されるのだとか。

    重要な決定をどんどんと先送りにするのは朝鮮民族の悪い癖ですが、韓国政府が日韓関係の決定的な破綻を避けたければ、この慰安婦合意TFの結果を一切無視し、慰安婦合意を着実に履行するしかありません。

    しかし、慰安婦合意の見直しは文在寅氏の政権公約でもあり、仮に韓国政府がこのTFの結果を無視すれば、再び「ろうそくデモ」で文在寅氏が引き摺り下ろされるかもしれません。

    いわば、これほどわかりやすい「自縄自縛」はないでしょう。

    日本の外交的立場は、決して強くない

    一方、視点を日本に切り替えてみましょう。

    非常に当たり前の話ですが、古今東西、国家の目的とは、①国民の生命や財産を守ること、②国民に豊かな暮らしをさせること、の2つです。つまり、この2つの目標を達成することが出来なければ、その国に存在価値はありません。

    この点、戦後の日本は、②の部分については、じつによく頑張ってきました。いや、日本政府のおかげというよりはむしろ、戦後の日本国民全員の努力が功を奏したという方が、正しい表現かもしれません。

    しかし、①の部分(難しい言葉でいえば「安全保障」)については、残念ながら及第点ではありません。

    なぜなら、南樺太や千島列島についてはソ連(現・ロシア)に不法占拠されたままですし、戦後、竹島を韓国に占領され、北朝鮮当局の手によって、無辜の日本人が誘拐されたままだからです。

    さらに近年は、尖閣諸島近海に中国海警当局の船舶が出没。このままでは、尖閣諸島すら奪われかねない状況にあります。

    なぜ日本はこれほどまでに弱い立場にあるのでしょうか?

    理由は簡単。日本国憲法が、日本人に対して自立することを禁じているからです。

    考えてみれば、外交とは「軍事力を使わない戦争」でもあります。そして、軍事力の裏付けがない外交力など、ただのハリボテに過ぎません。

    とくに問題が多いのは憲法第9条第2項の規定ですが、これは、「日本が外国から攻め込まれても、絶対に自衛してはならない」、つまり「日本死ね」と命令する規定なのです。

    そして、私たち日本人は、憲法第9条第2項を、戦後70年以上、放置して来ました。これは歴代の政治家の怠慢というよりは、その政治家を選出して来た日本国民自身の怠慢です。

    こうした欠陥憲法を抱える日本の外交上の立場が、強いはずなどないのです。

    弱いなりにも精一杯頑張ってきた結果

    ただ、2012年12月末に安倍政権が成立して以来、日本の外交は、著しい変化を遂げました。

    政権発足以来、安倍総理は世界各地を精力的に廻り、中には日本の首相がこれまで訪問したことがない国にも、公式訪問しているほどです。その意味で、倍総理とは、まさに「空飛ぶ首相」です。

    そして、安倍政権は、弱い日本の外交を、根本から強化しつつあります。

    世界最強の軍事国家・米国のトランプ大統領とは、世界で最も懇意にしていますし、最近になって習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席との関係も改善。さらには、ロシアのウラジミル・プーチン大統領とはファーストネームで呼び合う関係(※)になっているほどです。

    (※ただし、この点については少し補足する必要があるのですが、この論点は本日の本論から外れるため、割愛します。)

    その結果が、今日の安倍外交なのです。

    もちろん、安倍外交にも失敗はありました。なかでも対韓外交は安倍政権にとっても「アキレス腱」のようなもので、「慰安婦合意」も米国から押し付けられ、やむなく応じたものである、という側面は否定できません(このあたりは『むしろ韓国に慰安婦合意を破棄させろ』もご参照ください)。

    しかし、今回の韓国外相訪問に際し、韓国に対して変な妥協をしなったことは、安倍政権に余裕が生まれている証拠と見て良いでしょう。

    これについて、まだまだ楽観視するのは禁物ですが、私は今回の韓国外相訪韓が、日本外交そのものにとっての良い兆候であるという点については、素直に歓迎したいと思うのです。

    ※本文は以上です。

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