安芸高田市の石丸市長…市議や記者との論戦が興味深い
安芸高田市の石丸伸二市長の関連動画が、大変に面白いです。市議会や地元新聞社で、議論にめっぽう強いのです。もちろん、地元民でないウェブ主自身が、市長が正しいのか、それとも市議会・地元新聞社の側が正しいのかについての判断を安易に下すことは避けますが、少なくとも政治家や言論人の最大の役割が議論にあるとする考え方からすれば、注目に値する政治家のひとりであることは間違いありません。
石丸市長の関連動画
ちょっと仕事に疲れてしまったときにおススメに動画を発見しました。広島県の安芸高田市の石丸伸二市長の関連動画が、なかなかに興味深いのです。
安芸高田市のウェブサイトに掲載されているプロフィールによると、石丸市長は1982年8月12日生まれの41歳で、2006年に京都大学経済学部を卒業後、2020年7月までの三菱UFJ銀行の勤務を経て、同年8月に市長に就任したという経歴を有しています。
ということは、市長に当選した時点で若干38歳、ということですが、『HOME広島ニュース』の公式チャンネルが配信した次の動画を視聴すると、石丸氏は議会答弁でも大変に歯切れがよく、議員の側にも緊張が走っている様子がよくわかります。
最大会派の市議との質疑がなかなかに面白い
ちなみに安芸高田市議会は2年前の2021年12月10日以降、定例会や臨時会については中継しているようであり、過去の配信動画については『安芸高田市議会』という公式チャンネルにおいて視聴可能です。
たとえば今年6月19日の定例会一般質問では、市議会の最大会派である清志会の山本優市議(当選5回)の質問に対し、徹底的に論破していく様子が確認できますが、これがなかなかに爽快(?)です。
たとえば山本市議が石丸市長に対し、市の財政難に対し「国や県の補助金制度を利用する考えが全然見えないんですが」と問いかけた(動画の17:00~)ところ、これに対し石丸市長はこんな趣旨の答弁をしました。
「大変恐縮なんですが、それは『見えない』のではなく、『山本議員が見ていないだけだ』と思います。ひとつ事例をお伝えすれば、<中略>国や県に対する要望や陳情は、この5年間では私が最も行っています」。
「(たとえば)携帯電話の電波が入らない地域の解消。<中略>ようやっと今年度それぞれ国の制度を活用し、いま、<中略>この解消に取り組んでいます。これが事実です」。
「努力の最たる例でいえば道の駅、年間2700万円も出資しているあの指定管理を、少しでも抑えようと努力をしました。ご認識がなかったんであれば改めてきちんと認識を持っていただきたいと思います」。
なかなかに興味深い回答です。市職員にすべて丸投げしているかのような市長もいるなかで、石丸市長は制度趣旨をきちんと自分自身で理解して答弁している姿勢は、評価に値するのではないでしょうか。
ちなみに山本市議の側は、この石丸市長の答弁が気に入らなかったのか、こう反問します。
「市長は県や国の要望は私が一番よくやっていると言われましたが、その結果とか、どこに行ったかいう情報は、いっさい見えてもおりません。<中略>どこへ(行き、)何時何分、誰に会ったという結果については、公表してくださいよ」。
このくだりも、大変に強烈です。石丸市長がこう答えたからです。
「市長の動向については、いま、全部公開されてます。<中略>それこそ省庁に(陳情に)行ったとかですね、(市のホームページに)書いてあります。何時何分、何日、どこで。書いてありますので、それは(山本市議が)認識をされていなかっただけです」。
このやり取りだけで、かなり年配の市議に対して容赦なく批判を加える若い市長の歯切れの良さが対照的にも見えます。
ちなみにこの山本市議、最後には石丸市長に「ウソをついた」などと述べたところ、石丸市長の側が議長に対し、「ウソツキ呼ばわりは問題だ」、「撤回を求めます」などと強く抗議する一幕もありましたが、とにかく興味深いところです。
市長vs中国新聞…記者会見も見どころ満載!
また、市の公式チャンネルがアップロードしている、中国新聞の記者に対し石丸市長が舌鋒鋭く反論する動画は、現時点で再生回数が260万回を超えています。
正直、市議や新聞記者の質問に対する石丸市長の歯切れのよい回答、あるいはときとして厳しい口調による反論は、見ていてなかなかに清々しいものがあります。
当ウェブサイトでは地方行政について取り上げる機会が少なく、また、ウェブ主自身が広島県にはあまり縁がなく、安芸高田市の行政上の課題などについても詳しくはないのですが、施設の運営を巡って市長と市議会が対立し、中国新聞も市政に批判的な記事を書いているらしい、ということはわかります。
正直、どちらが正しいかについて、当ウェブサイトとして言及することは控えます(ただ、上記動画を少し視聴するだけで、市議も新聞記者も、「かなりヤバイ」ということはわかりますが…)
なお、「石丸市長」、「安芸高田市」などで検索をかけると、切り抜き動画も多数出てきているのですが、もし時間があるならば、できれば市の公式チャンネルで配信されているオリジナルを視聴していただく方が良いのではないかと思います。
政治家や言論人の「本職」とは…?
さて、ここから先は、当ウェブサイトなりの勝手な感想です。
政治家(国会議員や都道府県知事、市町村長、地方議会議員など)や言論人(マスメディア関係者など)の本職のひとつは、議論ではないかと思います。そして、議論の目的は、自分自身の考え方を実務に落とし込んだり(政治家)、それを人々に伝えたり(言論人)することではないでしょうか。
たとえば以前の『政治家の実務能力の本質は「妥協で理念を実現させる」』などでも指摘したとおり、政治家に最低限必要なのは志(こころざし)と実務能力の2つですが、いくら実務能力が高くても志が低ければ高い成果は出ませんし、いくら志があったとしても実務能力が伴っていなければ、努力は空回りします。
その際の実務能力には、たとえば、理想ばかり唱えるのではなく、現実を見据えながらできることとできないことをちゃんと選り分け、優先順序を付けて物事を処理していく力が問われていくのです(財政難の地方公共団体だと、なおさらそうでしょう)。
一方、ジャーナリストや評論家などは、現実の政策を実務に落とし込むことはしませんが、客観的・冷静な視点で現状を把握・レポーティングし、ときには改善策を提案するという点では、そのスキルは政治家とも部分的に重なり合います。
このように考えていくと、たとえば記者クラブという制度は、議論を阻むという意味では弊害の方が強いといえますし、制度疲労を発生させているのかもしれません。
いずれにせよ、安芸高田市長の活躍が、中国新聞を購読していなくても、いや、全国どこにいても確認できるようになったというのは、時代の大きな変化です。
インターネットの普及は、間違いなく、日本の言論環境、そして政治を大きく変えています。もしも石丸市長が地方で行政と政治の実務経験を積み、実績をあげていけば、もしかしたら国政への進出もあり得るかもしれません。
今後の日本の言論空間と政治は、意外と楽しみなテーマではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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多分昔はインターネット、動画配信がなければ、市長は記者から言論弾圧だとされていたんだろうな。
地元出身でなくとも日本人であり実務能力があればなんの問題はないのではないか。信頼できる地元出身のブレーンがいれば情報ははいるだろうし対策はうてる。これからは若い人が男性、女性をとはず、リーダーの座につくのではないか。フットワークが軽く、柔軟な思考があればお年を召した議員よりいいかもしれない。やはり議員定年退職は必要だな。自分で事実を調べることもできないのか?よいブレーンがない証拠だろう。自らの指示もだせない老害か?そんなことを考えてしまった。
以前にも話題にのぼりましたね
動画をみるうえでの問題点は
数が多いうえに長時間のものも少なくない
切り抜きやまとめで興味を絞り込んで
公式「安芸高田市議会」にあたった方がよいと思う
国会動画や長い対談動画など長時間のものは30分あたりから見る気がしなくなります(私は)
近いうちにChatGPTやMS/Googleなんかで、長編動画を自然言語(日本語等)で簡略に説明してくれるサービスが提供されるかも知れません。
人は数時間の動画の概略を見て、自分の興味深い部分を短期視聴するようになるかもです
国会動画や議会動画は要約された場合に全く内容がないのがバレてしまうかもですがw
https://twitter.com/ZC_Nico2_MSlive/status/1718833593789923744
※まだヲチできるほどの時間余裕がないので議論や返信はスルーしてしまうかもです。
情報提供のみで失礼します
石丸市長の力量では、安芸高田市を収められない。地方自治をするには政治思想を確立し、市民とともに活動することです。
石丸市長は、銀行員の出身ですが秀才だけでは志だけでは政治はできないと思います。
力量=腐りきった議会との調整能力
という意味であれば仰るとおりでしょう。
日本の自治体の首長に対してなにかおかしな期待をしてませんか?(笑)
そんなもん、釈迦やイエスが就任したって変わりはしないですよ。
「議会が仕事してない」
と明白にしただけでオッケーかと。
執行部や行政は決められたことを実行するだけなので。
個人的には
「被害者系のクレーマー」(議員を含む)
に対して、
「アホ」
と言い返しただけで高評価しますよ。
限られたリソースをどれから先にやるか?の話をしてるのに、あれも足りないこれも足りないと利権?の話ばかり。
全員助けたいのは山々だけども、じゃああなたがトリアージするなら、どれを殺しますか?というのが本質なのにね。
秀才であって志もある、と述べてしまっている気がしますが。力量とは?「清濁併せ呑む」という言葉が在るのに対し潔癖すぎるという意味でしたら、今の市政が濁に任せすぎな事に対する反発、対処かと思いますし。
石丸氏が次期選挙で再選を目指すのであれば、安芸高田市民が「市民とともに」がどうかを裁定してくれるでしょう。
初めて投稿します。
『市長vs中国新聞…記者会見も見どころ満載!』
いやあ、このセクションに貼られた動画、面白いわ(笑)。
登場の中国新聞の次長とやらの人物。言論を以て糧とするという、マスコミ人の最低限の常識すら全く欠いてることを公言してるに等しいことをしゃべりながら、それに気付いてもおらず、ただ尊大さを見せつければ、とりあえずは己の立場が守れると信じ込んでいるとはねぇ。
このネット時代、否応なしに求められる双方向性について行けない人物が、編集管理部門に居座ることの弊害を痛烈に自覚しない限り、新聞というメディアの凋落は不可避というのは、中国新聞という一地方紙だけの話じゃないんでしょうね。
一時はYoutubeのリコメンドに「安芸高田市長が・・・」が並びまくっていました。
そのせいか、どうも私の脳味噌は市長の苗字を「高田」と認識しているらしく、「石丸」という名前に違和感を感じています。そういや、石丸さんだったんですね。(笑)
各地の地方議会や地方マスコミ、普段世間からはほとんど注目されていませんし、あんな手合いだらけなのでしょう。
これまでだったら市議や記者がタッグを組んだ心証形成攻撃で「不当な市長」と吊し上げられていたのでしょうが、ネットと市長の力量で、その手は通用しなかったと言うことなのでしょう。
石丸市長には不透明な地方政治の魔のメカニズムをもっと明らかにしてほしいものです。
そういや昔「地域分権型道州制」なんて公約が流行った時期がありました。この動画で地方議会や地方マスコミの酷さを見ていると碌な結果にならなかったのではないかと思ってしまいます。
>政治家(国会議員や都道府県知事、市町村長、地方議会議員など)や言論人(マスメディア関係者など)の本職のひとつは、議論ではないかと思います。
言論人のとこに「マスメディア関係者」が入ってるのに、ちょっと違和感があるのです♪
マスメディアはあくまで、情報の収集・伝達が本職で、議論じゃないように思うのです♪
あと、マスコミが記者会見なんかで、会見者に議論(というか言いがかり?)っぽいことを仕掛けることがあるけど、あれも変だな?って気がするのです♪
マスコミに議論の役割があるとしても、その相手は情報提供者じゃなくて、番組の出演者とか視聴者なんだと思うのです♪
初めてコメントします。私は当該市とは何の関係もありませんが、ネットでこの方の動画たくさん見ました。
大変不快な方との感想持ちました。
攻撃的なしゃべり方。対手の問いかけに答えず、問い返して主題をずらてしてゆく姑息な話法。論理のすりかえ。
田舎の弁の立たない市議やローカル紙記者を容赦なく追い詰めてゆく様。
このような人が部下でも上司でもかかわりたくない部類のひとです。
まあ私の部下たちもそう思っていたかもしれませんが・・・
まあ、敢えてこのような話法するることはありましたが、汗顔の至りです。
ネット動画でも肯定的なコメが多く驚いています。
ブロク主は、これまで、菅前総理やNHK党の浜田参議院議員など、清濁併せ呑む、典型的な寝業師型の政治家を評価されてきたので、その対極にある石丸安芸高田市長を高く評価されたのは意外でした。
私が石丸安芸高田市長に感じた印象は、「この人、石田三成だ」でした。優秀で実直なので、上司(有権者)には好まれるが、他人の無能を許すことができないので、同僚(市議)からは疎まれる。私は彼がベストだとは思いませんが、家康ほどの優れたリーダーがいないのであれば、ベターではあると思います。
すみません。途中できれてしまって。
私は、石丸市長はすごいなと尊敬しています。(私よりずいぶん若いのですが)
私だったらこんなめんどくさい人たちを相手に正論など言う気もしません。
確かに喋り方などで、嫌う方もおられるかと思いましたが、
市の先のことを見据えてらっしゃると素直に思いました。
私は、本当にインターネットがあってよかったなと思っています。
昔なら、新聞か何かで単に、風変わりな市長と書かれているのではないかと。
夜ゆっくりと、新聞記者とのやり取りを見たのですが、まず、このような市長がいることに驚きました。中でも感心したのが「どっちもどっち」を許さなかったことです。理路整然と違う事は違う、と主張する事はとても大事だと思いました。
と同時にわかったことが、新聞社の自社商品・記事に対するスタンスです。
なるほど・こう言う考えに基いて記事を書いているならば、ウソ・捏造・誘導・願望で記事を書いているはずです。そして、それが分かったからと言って反省も訂正もしないことも。
正直、新聞社ってここまでひどいと思ってませんでした。
大変参考になる動画なので、是非多くの人に見てもらえたらいいなと思います。