為替介入で2兆円の利益:安易な増税は「Z」の陰謀か
またしても「増税原理主義」の暗躍でしょうか、政府が開催した自称「有識者」会議は、防衛費財源を巡って「増税」を唱えだしたそうです。国民を財源か何かだと勘違いしているのでしょうか?政府は売れる資産を大量に抱えていながら、安易な増税という手段に頼り過ぎです。それはそうと、為替介入で2兆円の利益が生じたようですよ。
自称「有識者」は経済学と複式簿記を勉強して出直せ
「有識者」、という単語をよく見かけますし、政府がこの「有識者」を積極的に使い、会議をさせて一定の結論を得る、といった事例はよく見られます。
ただ、この「有識者」とやらは、いったい何者なのでしょうか?
そんな疑問を抱かざるを得ない記事が昨日、産経ニュースに掲載されていました。
防衛費財源「国民全体で負担を」 有識者会議で増税論相次ぐ
―――2022/10/31 18:23付 産経ニュースより
これは政府が31日に公開した、「防衛力強化に関する有識者会議」の第2回目会合(10月20日開催)に関するもので、防衛費増額の財源について、「幅広い税目による国民負担が必要なことを名目にして国民の理解を得るべき」などとして、「増税など国民負担を求める有識者の意見」が紹介されている、というものです。
「増税」「増税」と気軽に言いますが、もしかしてこの自称「有識者」らは、国民を財源か何かだと勘違いしているのでしょうか?
少なくとも経済学、複式簿記などの基本を勉強しなおしてから出直してもらいたいと思います。
負債が多ければまず資産を売るのが筋
かくいう著者自身も中小企業の経営者であり、「納税者」です。
当たり前の話ですが、支払わなければならない税金については、きちんと支払っているつもりですが、これも「国民の義務」だと感じてやっていることです(友人からは、「会計士なんだからもう少し上手に節税すれば良いのに」、などと揶揄されることもあります)。
しかし、それと同時に民間企業では、収益が足りなければ、通常は経費を節約します。どんな企業であっても、利益は収益から費用を引いて求まるわけですので、利益を最大化しようと思えば、収益を増やすか、費用を減らすか、そのどちらかしかありえないからです。
また、資金繰りがつかない場合には、自分が所有している資産を売却する、という行動も、普通に見られるものです。たとえば著者の知り合いの大家さんは、銀行等金融機関から1億円を借り入れ、鑑定評価額ベースで約3億円の不動産を所有しています。
もしも「有利子負債が多すぎる」というのならば、この知り合いは不動産を1億円分売却して負債を圧縮すれば良いだけの話です。
政府もこれとまったく同じです。
為替介入で2兆円の利益!
それどころか、政府は巨額の埋蔵金を持っています。
昨日、財務省は9月29日から10月27日までの期間における「外為平衡操作」(平たく言えば「為替介入」)の実施状況を公表していますが、これによると、実施額は月間として過去最大級となる6兆3499億円だったのだそうです。
平均して1ドル=145円で米ドルを売却していたと仮定すれば、売却したドル資金は438億ドルですが、『先月の為替介入で政府に発生した利益は8600億円か』でも指摘したとおり、政府が保有する外貨準備の平均取得時為替レートは1ドル=100円前後です。
したがって、1ドル=100円で取得した438億ドルを1ドル=145円で売却すれば、約2兆円もの利益が計上された計算です。2兆円といえば、1年間の消費税の税収の約10%にも相当する金額です。
政府はこの外貨準備をまだ1兆ドル分以上所有していますが、これを日本銀行に移管するなど、何らかのかたちで流動化すれば、それだけで150兆円以上の財源となります。これがいわゆる「埋蔵金」のわかりやすい事例ですが、それだけではありません。
NHKの場合だと、年金資産を含めた金融資産だけで1.2兆円もの資産を連結集団内に抱え込んでいますし、これら以外にも都心部に所在する、およそ放送に必要とは思えないほどの莫大な優良不動産物件を多数抱えています。
これらの不動産を時価評価すれば、数千億円か、下手をすれば数兆円レベルの資産が有効活用されないまま眠っているわけですし、これらの資産の国庫返納を命じれば、やはり防衛予算など容易に捻出できてしまいます。
民間部門に身を切る改革を強いている政府が、自分たちだけ「身を切る改革」をしないというのは、どう考えても理屈に合いません。まずは財務省の職員を半減させ、財務省の官僚らは給与を自主返納されてはいかがでしょうか?
ひとりあたりで割っても意味はない
もっとも、「国の借金」(?)なる概念も、相変わらず意味不明です。
資産を無視して負債の側だけ切り取り、「国の借金がこんなにたくさんある!」「国民1人あたり1000万円だ!」、などと言われても、正直、困惑するしかありません。1人あたりで割るならば、たとえばトヨタ自動車株式会社の方が、はるかに深刻だからです。
トヨタ自動車株式会社は2022年3月末時点において有利子負債が約26.5兆円であり(※連結ベース・IFRSベース)、従業員数は平均臨時雇用人員を含め約46万人だそうですので、従業員1人あたり5760万円の借金を抱えている計算です。
これで「従業員1人あたり5760万円の借金だ!」「これは大問題だ!」などとドヤ顔で言われても、「ちゃんと企業財務論を勉強してください」としか反応のしようがありません。
いずれにせよ、増税を画策する「Z」なる勢力は、岸田政権下でも健在であるようです。
私たち一般の日本国民にとっては、有権者として中国やロシア、北朝鮮やその他約1ヵ国のような危険な国にも注意を払う必要があるものの、じつは最大級の「敵」は、国内で増税利権を振りかざそうとしている「Z」なる勢力なのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
その2兆円分の利益ですが,財務省は「その分減税せよ」という意見を恐れて,そんな利益は存在しないかのような顔をしていますね。
> 財務省の職員を半減させ、財務省の官僚らは給与を自主返納
こういうことをすると,官僚の能力(特に数学的能力)が下がって,日本国民がその1億倍くらいの損害を被るので,やめておいたほうがいいです。感情論としてはそうでしょうが,今までも,過去のこの種の議論の損害をかなり受けています。現在の財務省の官僚,そんなに頭が良くないです。
高学歴若者の間では、官僚はブラック労働で最近じゃ旨味も少ないし割に合わないって広まってて、優秀な人材は外資や起業に流れて、各省庁がリクルートに奔走って話は本当なのかな。
別のところのコメントで書いたのですが、岸田総理が財務省改革を成し遂げれば、「日本を変えた外交の安倍、内政の岸田」と後世に評価されるレベルな気がします。
ただ、財務省改革と対韓譲歩の両方を行った場合、「内政の岸田」という評価は危うい気がします。
自己レスです。
古代ローマに例えれば、安倍氏はユリウス・カエサルで岸田総理はアウグストゥスってところですかね。
もちろん、岸田氏が財務省改革を成し遂げればですが。
昨日の「高橋洋一チャンネル」で日経新聞の増税養護論を取り上げて批判していました。
【英国トラスの経済政策が失敗した理由 減税ダメ増税だ!の日経は何も分かっていない】
https://www.youtube.com/watch?v=KQgG_aCPxqI
要するに総供給と総需要のGDPギャップがある(供給に対して需要が足りない)現在の日本で、増税などまったく必要ない、というよりも弊害しかないとわかりやすく説明しています。
お疲れさまです。
ユーチューブの立花さんのNHK時代の給料明細をチラッと見ました。
ビビりなので、見てはいけないものを見たように感じて一回しか見ておりません。
高卒で35歳ぐらいで、年収が1000万円を越えていたと記憶しております。
会計士様がおっしゃる、NHKの平均年収1500万円はたぶん本当だろうとおもいました。
国営放送なら、公務員ぐらいの給料が適切だと私はおもいます。
国民に対する特別背任。責任をとり、損害賠償してもらいたい気分でございます。
増税賛成派はいったい何を考えてるんでしょうか?
是非とも意見をお伺いしたいところです。
そういえばコメント欄にも防衛費財源を増税で賄うことに賛成の人がいましたね。
近年、特に感じるようになったのは財務省の「財政と家計の同一視」論による「政府の借金が増えすぎた」キャンペーンのダブルスタンダードさです。財政を家計と同一視するなら、家計の借金対策(=不要な財産の処分等)も財政でも実施すれば筋が通るのに行わない。やはり財務省は理解していながら口を拭っているのでしょうね。
>増税を画策する「Z」
「Z」これって侵略国ロシアの旗印ですよね。
と言う事は、所謂、財務省と称するところは反社会的勢力ってことと同義ですよね。
困ったものです。
正規の公務員の給料の総額を、国民の給与の平均(中央値)×人数にしたらどうだろうか?
平均給与(中央値)は、正規雇用と非正規雇用を合わせたもので計算する。
そして国民の給与の平均(中央値)と連動させる。
当然、非正規の公務員もなくす。
高度成長期の公務員の給料は安かったわけだしね。
民間から公務員に転職した人から聞いたけど、
昭和50年頃で、民間14万円だったけど、公務員8万円で厳しかったといっていた。
だから公務員の給料は、民間企業の正社員の平均給与の3分の2でも良いかもね。
地方公務員なんて、利益を上げられないし、ただの事務員なんだから低賃金で十分だよ。
地方公務員は、何かするにしても、中央省庁の指示や識者の意見などに縋るだけだからね。
昨日の虎ノ門の正論編集長の発言で、はじめてなぜ財務省が国債に反対し税金を上げ続けたいのかようやくわかりました。
>>>現在の財政法第4条は、こうした歴史的事実に鑑み、健全財政の原則、赤字公債発行禁止の原則を規定している。 それは、何よりも「戦前のわが国において安易に公債の発行による財政運営を許したことが戦争の遂行・拡大を支える一因となったことを反省する」という趣旨に由来するのである>>>
やはり、常に「将来の世代に禍根云々」と言って国債発行に反対するマスゴミと同様に、財務省官僚もやっぱアチラ系だったのですね。
雑多なことを書きます。
有識者会議の産経記事を見て同じ感想を持ちました。
最初は財務省の有識者会議かと思ったら、官邸開催なんですよね。
昨晩のプライムで田崎氏が官邸幹部の認識として語っていたのが「各省庁の予算の15%は赤字国債なので、防衛省も15%までは赤字国債でOKと考えている」というものでした。官邸は各省庁横並びの財務省の視点で捌こうとしているようです。
防衛費のGDP2%に海保予算を防衛費として付け替える話などもありますが(これ自体はNATO基準に合わせるものだから構わないとして)、この他にも水増しの動きを続けていて、岸田氏や官邸自身の動機や落とし所がよく見えないので少し不安を覚えています。
丁寧に説明してくれませんかね。
「教養としての決済」という本の冒頭に通貨、貨幣とはなんだと思わせる不思議なことが書いてあった。
小さな島のホテルに男がやってきた。彼は宿泊するつもりで100ドル札で前もって支払いを行う。ホテルのオーナーはその紙幣で肉屋への借金を返済し、次に肉屋はその紙幣で農家への借金を返済し、次に農家はトラクターを修理してくれた自動車修理店の店主にそれを渡し、修理店の店主はホテルのオーナーに先月娘の結婚式を開催してくれた代金としてその紙幣を渡す。これらすべての後に客がフロントデスクに現れ、考えが変わって、宿泊をキャンセルすることにしたと告げる。ホテルのオーナーは彼に100ドル札を返し、彼は去る。すべては元通りー島にあったすべての借金が清算されたことを除いて。
”血液”が循環した、ということですね。
小さな島でなければ,銀行が根抵当を設定して,運転資金を融資するのでしょうね。「お金」といっても,印刷された紙幣は僅かしかなくて,大半は金融機関のコンピュータ上の数字です。労働でその数字を増やそうとする人が多いですが,どうせ数字だから数字を上手に動かして増やそう,という資産家もいます。
この差益って帳簿的にはどういう処理をされるんですか?
今回の介入で大きな差益が出ているみたいだけど、その差益が一般会計に流れてくることはないのでは? せいぜい一部を特別会計の負債側にある政府短期証券を償還、残りは特別会計に歳入として繰り入れる。
介入は損失が出ることもあるわけで、その時「へへ、損出ちゃった、一般会計で面倒見てね」は政治的にやばい。
人は不安に付け込まれると、容易に金を出してしまう。ウクライナ危機や台湾有事の気配を利用して、「子供達の命を守るためなら増税やむなし」という世論形成を目論み、ついでに便乗増税も企んでるんだろうな。