韓国メディア「日韓諸懸案は両国に役立つ形で解決を」

尹錫悦・次期韓国大統領の対日外交方針は、まだ見えてきていません。ただ、韓国メディアは昨日、尹錫悦氏が「旧日本軍の慰安婦や強制徴用被害者問題、日本による対韓輸出規制などの懸案を両国に役立つ方向で解決したい」という考えを持っている、と報じています。その一方で岸田首相は「日韓関係改善のために共に協力していきたい」と発言するなど、我々日本国民にとっては警戒心を最大にすべき状況が到来してしまっているようです。

少しでも日本が譲歩することはあってはならない

先日の韓国大統領選挙では、「保守派(?)」とされる尹錫悦(いん・しゃくえつ)候補が左派の李在明(り・ざいめい)候補を僅差で破り、勝利しました。

もっとも、そもそも「保守政権なら日韓関係がうまく行っていた」とする認識が誤りであること、尹錫悦氏が「保守派」なのかどうかは疑わしいということ、そして日本が少しでも譲歩するかたちでの日韓関係「改善」があってはならないことについては、『架空の「日韓諸懸案の一括妥結」論で振り返る日韓関係』などで述べたとおりです。

ただし、日本の側では、とくに岸田文雄首相あたりが尹錫悦氏の当選を歓迎しているフシがあり、昨日の『日韓関係改善のために共に協力していきたい=岸田首相』でも指摘したとおり、岸田首相は関係「改善」を巡り「共に協力していきたい」と述べています。

本当に、心から先が思いやられます。

岸田首相は今こそ鈴置氏の警告を読め

この点、以前の『鈴置論考に見る文在寅政権の5年と「日韓関係の未来」』でも紹介したとおり、わが国を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏は『韓国は猿芝居外交のあげく四面楚歌に… 「文在寅」退任でも日韓関係は修復せず』という記事のなかで、次のように指摘しています。

一方、日本の保守の間には『岸田文雄政権は中国と韓国に弱腰』との警戒感が強まっていますから、妥協を引き出すのは安倍晋三政権や菅義偉政権の時より却って難しいかもしれません」。

この指摘自体は、まったくそのとおりでしょう。

岸田首相ら政権幹部が、前任者である安倍晋三、菅義偉両総理らの行動に背くような言動を取れば、その瞬間、自民党側からの「突き上げ」を喰らうことは間違いありませんので、逆に岸田文雄首相くらいの政治力では、現在の日本政府が韓国に下手な譲歩をすることはできません。

ただ、それと同時に、岸田首相自身の対米・対韓での「弱腰」が、対外的にはなし崩し的に日本が譲歩を強いられる状況を創り出すことについては、十分な注意が必要です。

実際、鈴置氏自身も指摘しているとおり、岸田首相は2015年、世界遺産登録と慰安婦合意を通じ、韓国に2度までも騙された人物でもあります(『対中半導体包囲網?鈴置論考に見る輸出「規制」の真意』参照)。

もし岸田首相自身が当ウェブサイトを読んでくださっているのならば、該当する記事のリンクを置いておきますので、鈴置氏の「警告」を熟読していただきたいと思います。

岸田首相から3匹目のドジョウ狙う韓国 米中対立で日本の「輸出規制」が凶器に

韓国が国を挙げて岸田文雄新政権にラブコールを送る。米中対立の激化で日本の輸出管理強化が韓国経済の首を締め始めたから、と韓国観察者の鈴置高史氏は見る。<<…続きを読む>>
―――2021/10/18付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より

ちなみに、少し前から当ウェブサイトのコメント欄でも明らかに不自然なコメントが目立ち始めていますが(たとえば匿名の支離滅裂なコメントなど)、岸田首相の発言を詳細に検討されることは、一部の人にとってはよっぽど都合が悪いのでしょう。

今ひとつ見えない「尹錫悦外交」

その一方で、尹錫悦氏の新外交方針については、今ひとつ見えてきません。

韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨晩、こんな記事が掲載されていたのですが、どうもとらえどころがないのです。

韓国次期大統領 外交政策見直しへ=日本とは「協力」強調

―――2022.03.11 18:46付 聯合ニュース日本語版より

聯合ニュースによると、尹錫悦氏は「1965年の国交正常化以降、最悪といわれる日本との関係」については、「改善を目指す意思を示している」と指摘。

また、岸田首相との電話会談でも、「両国の友好協力の増進を目指し協力していこう」と呼び掛け、「両国の懸案を合理的、かつ相互の共通利益に合致するよう解決していくことが重要だ」と強調した、などとしています。

そのうえで聯合ニュースは、尹錫悦氏が「具体的な懸案には触れなかった」としつつも、「旧日本軍の慰安婦や強制徴用被害者問題、日本による対韓輸出規制などの懸案を両国に役立つ方向で解決したい考えだ」、などと評しています。

ゼロ対100の土俵に乗るな!

この点、そもそも聯合ニュースを含めた韓国メディアが、自称元徴用工問題を「強制徴用被害者問題」、日本の対韓輸出管理適正化措置を「対韓輸出規制」などとしつこく誤記し続けている点については、いいかげん、ウンザリしますが、気になるのはそれだけではありません。

「両国に役立つ方向で」、などとしていますが、韓国がいう「両国のため」は、現実には「両国のため」ではないことが多いのではないでしょうか。かねてより当ウェブサイトで危惧しているとおり、「ゼロ対100」(※)理論に基づき、日本に譲歩を迫るつもりではないか、といった疑念は払拭できないのです。

※ゼロ対100理論とは?

自分たちの側に100%の過失がある場合でも、インチキ外交の数々を駆使し、過失割合を「50対50」、あるいは「ゼロ対100」だと言い募るなど、まるで相手側にも落ち度があるかのように持っていく屁理屈のこと。これを仕掛けられた側としては、最大限勝っても得るものはゼロであり、最大限負けると100%を失うおそれもあるので、絶対に相手の土俵に乗ってはならない。

(【出所】著者作成)

いずれにせよ、安倍晋三総理、菅義偉総理が辞任し、岸田文雄首相の時代に、「保守派(?)」の韓国大統領が誕生するという、非常に警戒すべき状況が出現してしまったことは事実です。

私たち日本国民も、今まで以上に、政治、外交に関心を持たなければならないのではないかと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. はにわファクトリー より:

    先月あったことです。車検のクルマを引き取りにいったとき、中国人の客と工場長(=整備会社社長)が言い争いをしていました。世話をしてやった高級外車を若い客が下取りに出してもっと大きなクルマに買い替えると言い出したことに驚いた工場長が、売却条件をつまびらかにさせて君は担がれているのだと諭している構図です。若い中国人はこう言い張りました。「あなたと私は双方にメリットある形で進めてきた」
    当方はピンと来ました。お商売にさとい若い彼は知っているのです。中国人がしきりに口にする「ウィンウィン」が忌避され嘲笑されている言葉だということを。ウィンウィンでなくてテイクテイクと見抜かれていることを。

  2. 七味 より:

    >我々日本国民にとっては警戒心を最大にすべき状況が到来してしまっているようです。

    諦めの気持ちなのです(T_T)
    岸田総理のことだから、3匹目のドジョウをもってかれるんじゃないかって思うのです♪

    韓国との関係改善とやらをするのは、米中二股を許して、いざってときの裏切りに繋がるから、辞めた方が良いと思うのです♪

    対露で韓国がウダウダしたのを見て、結束を固めなきゃって気になったのかもだけど・・・・
    むしろ中国とか北朝鮮が悪さしたときに、今回以上に足を引っ張るって覚悟しなきゃだと思うのです♪

  3. 愛知県東部在住 より:

    まず我々が見誤ってはならないことは、尹錫悦氏が圧倒的な支持を得て大統領選を勝ち抜いたわけではなかったという冷徹な事実です。

    李在明氏との獲得票の差は僅か0.7%という、まさに薄氷を踏む思いの中での勝利に過ぎなかったことを踏まえれば、尹錫悦新政権はかなり慎重なスタートを切らざる状況にあると理解しなければなりませんでしょう。また政権は変わったと雖も、国会では依然としてともに民主党が170席という圧倒的多数を占めています(因みに国民の力党は120席)。つまりは決して磐石な政治基盤を有しているわけではありません。

    こうした情勢を眺めるに、新政権が前政権と180度方向転換をはかることが可能なのか、冷静に考えれば懐疑的にならざるを得ません。

    日本としては、近頃とみに認知症が進捗しつつあるらしい、バイデン大統領の尻馬に安易に乗ることだけは避けねばなりません。不必要に前のめりにならず、要らざるな言質を韓国側に与えないこと、この二点だけはくれぐれも遵守してもらいたい、今私が岸田総理に期待しているのはこれだけです。まぁ、要するに余計なことだけはするな,ということです。

  4. taku より:

    韓国で保守派が勝とうと、進歩派が負けようと、日韓関係が改善するとは思っておりません。なぜなら、韓国民が自国の道徳的優位を固守したいと願っており、かつまた韓国マスコミがそれを煽っているからです(韓国には日韓が対立する問題で自国に不利な記事を書いてはいけないという不文律が存在する)。そして、韓国も民主国家である以上、どのような大統領が誕生しようと、国民の意思と離れた政策を採ることはありません。そうである以上、当面の間、韓国民の意識が世界の常識に照らして真っ当なものになるまで(合意>歴史認識)、日韓関係はテーパリング(段階的縮小)がベストの解決策です。ここで「たして2で割る」中途半端な解決をすることは、長期的な日韓関係改善にかえって悪影響を及ぼします。それを本音で持ちながら、日韓関係改善に後ろ向きと取られぬように、「少なくとも初めのボールは韓国側から球出しすべき」ぐらいのリップサービスなら、岸田首相を許しましょう。ユン・ソギョルは、日本が交渉のテーブルに着けるような、有意な妥協策を用意できない、と考えますので。1年位経って何も出てこなければ、また「日本の一貫した立場/国家間の条約・合意を守れ」に回帰しましょう。その間は①北朝鮮への厳しい対応②対中包囲網の強化など、日米韓で利害の一致する政策を推進すれば良いと思います。まさかに徴用工問題での現金化はしないと思います。

  5. G より:

    まあでも、まだ文大統領の任期なのに大統領当選者と速攻で話をするとか、結構な嫌味だよなとも感じました。文大統領とは電話会談すらほとんどなかったわけですし。
    結構明確な態度表明だと思いますよ。前任者(まだ現任だけど)みたいなことしたら無視するよ。
    色々儀礼としても踏み込んだ発言したのはそういう意味でしょう。それをなんか勘違いした韓国メディアはほっときましょう。

    正直、岸田さんに一歩を踏み込むだけのリーダーシップはないでしょう。私は心配してません。

    1. 匿名 より:

      同感ですね。
      バイデンガー、アメリカの圧力ガーとか言う人もいますけど、彼らも慰安婦合意で面子を潰されている訳で、韓国のために日本に圧力をかけてやる義理も無い。
      日米韓の体制もグダグダになって久しいし、そんな状況でこれといった問題が起きているかというとそれも怪しい。特に、韓国が機能していなくても問題ないという実証が積み重なりつつあるように思えます。

      そんな中で、バイデン大統領にも、そんなことに働くリーダーシップがあるのかというと疑問です。
      万一、何か言ってきても「慰安婦合意」と返してやればアメリカも黙らざるを得ないかと。
      実際、これまでそんな圧力が加えられているような気配も無さそうですし、今後も無いでしょう。
      心配は杞憂だと思います。

      1. たか より:

        >心配は杞憂だと思います。

        だといいですねぇ。いえ、決して皮肉ではありません。私もたぶん杞憂だと思いますが、最悪の事態に備えて心の準備はしておいたほうが‥

    2. より:

      今のところ、岸田総理は「朝鮮半島問題については、一致して協力していこう」と言っているだけですし、尹候補の「勝利」に早々の歓迎声明を出したアメリカにしても、「朝鮮半島問題において日米韓の結束した対応が……」と言っているだけで、現状日本やアメリカにとって大きな問題である対中国ということについては一言も触れていません。
      そして、朝鮮半島問題に限定した日米韓の結束という話は、岸田政権以前から日本政府内でも諒解されていた話であり、特に方針変更があったというわけでもありません。つまり、日本政府の姿勢に何ら変化があったというわけではないということです。

      というわけで、個人的にはあまり心配はしていません。5月末とか6月前半に尹大統領(予定)が訪日して首脳会談が開かれたとしても、状況が大きく変化することもないだろうと思っています。そもそも、超安全運転に徹している岸田総理が、原理原則を枉げてまで韓国に譲歩するなどという、確実に猛烈な反発を食らうのがわかっていることを、あえて進めようとするほどの政治力と胆力を持っているとは思えないからです。
      こちらのサイトでも、岸田総理への深刻な懸念と不安を表明されている方を見かけますが、そういう方々は、岸田総理にそれだけの政治力と指導力があると考えているのでしょうか?だとしたら、私などよりもよほど高い評価を岸田総理に与えているんですね。

      1. 匿名 より:

        おぬし、工作員か

  6. カズ より:

    >両国のため

    依存度の非対称を棚に上げての言及なので、実質的には協力という名のぶらさがりでしかないんですよね。

    >具体的な懸案には触れなかった

    後出しジャンケンしか知らないし、頭を下げないと言い出しっぺになれないんですものね。

  7. 匿名 より:

    この問題にしろ、ウクライナ問題にしろ、向こうが意図しなくてもマスコミの論調や評論家によっていつの間にか100対0が50対50になってますね。
    相手が仕掛けた事なのにウクライナも日本もいつの間にか譲歩や話合いをする形になってます。

  8. 門外漢 より:

    親米を標榜する保守系と、従北を旨とする革新派が拮抗した形で、辛うじて保守派から大統領が出ました。当に交代可能な2大政党制を絵に描いたようなものです。
    北は同族だし、米はパトロンだし、まあどっちかには決められませんから、フラフラしながら行くんでしょうね。この感覚は国レベルでもそうですが、個人の中にも両方あるんで、揺れ動く胸の中は悩ましい。

    揺れ動かないのは「中国様は偉い、日本は謝れ」だと思います。

  9. 匿名 より:

    >実際、鈴置氏自身も指摘しているとおり、岸田首相は2015年、世界遺産登録と慰安婦合意を通じ、韓国に2度までも騙された人物でもあります
    確か当時の岸田外務大臣の上司が安倍元首相(官房長官が菅氏)、その安倍氏の後継者が菅前首相だったと記憶していますが、韓国に騙されたのは岸田首相一人なわけですね

    1. わんわん より:

      良い意見だと思うが「匿名」はいただけない
       コチラで安倍元首相や菅前首相を批難すると絡んでくる方がいるのでわからなくもないが┅

  10. ジロウ より:

    最近のマスゴミの記事を見ていると、大統領が代わることで、日本で日韓関係改善への期待が高まっているというコメントをよく目にしますが、周囲では南朝鮮の大両班いや大統領や日韓関係に興味すらなく、関係改善を期待している人間なんていません。日本で期待が高まっているではなく、汚鮮の進んでいるマスゴミの希望じゃないかと思います。

    1. どみそ より:

      「ワクチン接種が遅い」と 大騒ぎして菅さんを引きずり下ろしたのも マスコミの扇動ですから。
      韓国上げ 連発して 世論操作ですかね。

      1. ジロウ より:

        そう思います。逆に、岸田の無能さはシナや南北朝鮮から見たら脅威にならないので、怪しいくらいに高い支持率出してるんじゃないかと疑っています。この困難な時期に、岸田が首相なんて何かの罰ゲームかと思います。

      2. はにわファクトリー より:

        官僚、財界、報道機関などに至っては、御しやすい人物を見なして、みずからドラえもん役を買って出ていると当方は判断します。「長期政権も夢でない」これがエサです。突き上げれば日和るだろう、肩越しに指導してやれば操縦も簡単というわけです。いつも逃げ道を用意する臆病さ、決断力・政治力の欠如は安心要素でもなんでもありません。危険なのです。共犯関係を築こうとしているのはいったいどうのような勢力でしょうか。

  11. どみそ より:

    現加盟国の全員一致でしか参加が許されないTPPに 加盟するには日本のご機嫌を取ることが必須です。
    歴代韓国は 日本から利権・譲歩をとるまで低姿勢。日本の甘い人たちが騙され反日韓国が大成長をくりかえす。
    TPP加盟までは 低姿勢用日で くるのでしょう。

  12. 無明 より:

    結局のところ、どういう状態になれば韓国及び韓国民が納得できるのかという問題ですから、まずは韓国及び韓国民から具体のゴールポストをお示しいただかないと、抽象的な要求を繰り返されましても、一向に結着しないのであります。

    1. ホワイト国 より:

      無明 さま

      >どういう状態になれば韓国及び韓国民が納得できるのかという問題ですから

       反日教育を続けている限り、不可能です。
      子供のころから「日本に対する恨」を植え付けられ、洗脳されているわけですから
      大統領が代わったぐらいては、到底納得させることなど不可能です。

  13. 引きこもり中年 より:

    独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (だから、「お前は、どうなんだ」と言わないでください)
    (日韓関係だけではありませんが)日本には、意地でも「昔、自分が苦労したことが、無駄だった。まして、間違いだった」とは思いたくない老害が大勢いて、現実を否定して、岸田総理に圧力(?)をかけているのではないでしょうか。(岸田総理は、現実と彼らとの和の、どちらを優先するのでしょうか)
    駄文にて失礼しました。

    1. 引きこもり中年 より:

      すみません。追加です。
      (半々なのか。1%と99%なのかは別にして)日本も、(日韓関係だけではありませんが)分断社会になるのではないでしょうか。

      1. 雪だんご より:

        >「昔、自分が苦労したことが、無駄だった。まして、間違いだった」
        >とは思いたくない

        これは普通にあると思います。己の言動の責任を追及される
        政治家、識者、マスコミだけでなく、例えば2009年に民主党に
        投票してしまった人達も「引き返せなくなる」のは割と珍しくない事かと。

        「柔軟に、臨機応変に」は「不義理、信用できない、風見鶏」と
        見なされるリスクがあるから誰もが取れる選択肢ではないのですよね。
        そこに自分のプライドと利権が絡むともう……

        岸田首相がこのケースに当てはまるかはまだ分かりません。
        もしかしたら「なんか首相になっちゃったけど、何もしたくないなぁ」が
        本音なのかも知れませんが……
        さすがにそこまで情けないとは思いたくないですね。

        ただし、「言論と思想の自由」が前提となる民主主義国家では
        分断は起きて当たり前、むしろ起きない方がまずいとも言えると思います。
        全国民の思想と決意を統一したら、それはもう全体主義ですから、
        これは民主主義のコストとデメリットとして個人的に割り切っています。

        1. より:

          意見の違いや対立は、仰る通り民主主義社会においてはあって然るべきものであるとは思いますが、それも程度問題だと思います。
          自分と異なる意見について、聞く耳すら持たない、理解しようなどとは最初から考えないというところから、さらにエスカレートし、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」「不倶戴天の敵」「アイツ、殺してやる」まで行くようならば、明らかに行きすぎであり、不健全であると思います。そして、見ている限り、韓国やアメリカ、さらにヨーロッパの一部は、いくつかの局面において、そのレベルにまで至っているように見えてなりません。

          「対立」のもたらす感情が不快感程度であるのならば、さして問題はありません。しかし、それが憎悪にまで進んでしまうと、それを煽ることによって利を得るような者たちが現れ、ますます「対立」が激化して引き返すことができなくなります。それこそが「分断」と呼ばれるものだと考えています。

          1. 雪だんご より:

            仰る通り、程度と実害の問題でしょうね。
            「あいつとは絶対に利害が合わないから話すだけ無駄」なら、

            A:それより自分の正当性を他者にアピールして味方を増やそう
            B:あいつの存在その物が許せない、破滅させねば

            Aならまだしも、Bだと良くて政争、下手をすれば血が
            流れますからね。Bの選択肢が”割に合わない”状況を
            維持できれば何とかなりそうですが……
            今、何とかなっていないから世界中で
            問題が起きているのでしょうね。

        2. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

          風見鶏と言えば中曽根首相がいたね

  14. HNどうしよう より:

    >日韓諸懸案は両国に
    >役立つ形で解決を

    この期に及んでまだ、
    利得を狙う発想に唖然。

    日韓関係の修復は
    もはや損得勘定ではなく
    損切り前提の筋論でしか
    解決できないところに
    来てしまったと思う。

  15. WindKnight.jp より:

    韓国の考える”役に立つ”と、その他の国が考える”役に立つ”とは違うからなぁ。
    コンセンサスが違うという認識から始めないと。

  16. sqsq より:

    昨日(3/12)の日経に韓国の新政権が日本、米国に接近することを中国が警戒していると出ていました。

    韓国が日本、米国と離反している状態が中国にとっては望ましい状態なのでしょう。
    鎖の強さは最も弱い輪で決まると言います。最も弱い輪は日韓。
    中国はここを突いてくるでしょう。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告