今年は年末年始のタイミングで「大きな動き」はあるか
日本ではそろそろ年末年始ムードですが、例年、外国では何か大きな動きが生じるのもこの時期だったりします。こうしたなか、任期を4ヵ月あまり残した文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領が、朝鮮戦争終戦宣言を推進しようにもうまく行かず、手っ取り早く外交レガシーを遺すための突拍子もない行動に出たりしないかどうかが心配で心配でならない今日この頃です。
目次
本日で「仕事納め」
その理由は法律の規定にあり
クリスマスも終わり、世の中はそろそろ「年末ムード」一色です。
官公庁の場合だと12月29日(つまり明日)から1月3日までが休日と法律で決まっており(『行政機関の休日に関する法律』第1条第1項第3号)、必然的に、今年の場合だと本日が仕事納めです。
民間企業の場合も、本日が仕事納めだ、というケースは多いと思いますが、これはおそらく役所の休日に倣ったものなのでしょう(もっとも、金融機関やマーケット参加者などの場合だと、30日の大納会まで仕事をしていることが一般的ですが…)。
ただ、ウェブサイト運営をしていると、ウェブサイトへのアクセス数が減り始める時期により、だいたいいつから世間が休日に入ったのかを実感することができます。
当ウェブサイトの場合、そもそも平日と休日でアクセス数が倍近く異なるのですが、例年、仕事納めに先立って、クリスマスの翌営業日(今年の場合だと12月27日)前後からアクセスが減り始めます。
また、当ウェブサイトは現役のビジネスマンの方が大勢訪れてくれているらしく、平日だと、だいたい昼休み(12時以降)の時間帯にアクセスが増える傾向にあるのですが、仕事納め前後になると、この時間帯になってもアクセスがほとんど増えません。
だからこそ、「あぁ、世間は休みに入ったんだな」、と実感できる、というわけです。
面白いものですね。
年末の風物詩
ただし、注意しなければならないのは、年末年始が長い休日になる国は、先進国のなかでも、あるいは東アジア諸国でも、日本くらいである、という点です。
たとえば欧米諸国では、クリスマスが祝日となっているケースは多いようですし、また、英国やその旧植民地では、クリスマスの翌日(ボクシングデー)も祝日となっているケースがあるようです。その一方、東アジア(中国、台湾、香港、韓国など)では、旧正月が祝日になるそうですが、この旧正月、日本ではなじみがありません。
その意味で、12月末から1月頭にかけて連休となる日本の正月は、欧米にも中華圏にもない、独自の雰囲気を漂わせていると思う次第です。
(※ちなみに香港の場合は、中華圏、旧英領という2つの文化の影響を受け、クリスマス・ボクシングデー・旧正月などがすべて休日となるようです。一度、間違えて旧正月の時期に香港に旅行をして、ホテル代が暴騰していてえらい目に遭った、という経験をしたことがある人もいらっしゃるようですね。)
年末年始に動きはあるのか?
年末年始の思い出①日韓通貨スワップ
いずれにせよ、日本では年末年始で休みを謳歌している間であっても、外国ではどんどんとさまざまな出来事が動き続けています。
このため、例年、1月の最初の営業日は、英米や東アジアなどにおける1週間の動きをざっと追いかけるところからスタートしなければならなず、これはこれでなかなかに骨が折れる作業でもあるのです。
また、1月初旬といえば、ウェブサイトのネタ的にも、さまざまな動きがある時期でもあります。
たとえば、2016年12月末、韓国・釜山の日本総領事館前の公道上に、いわゆる慰安婦像が設置される、という「事件」がありました。このときは、釜山市当局がいったんは問題の銅像を撤去したものの、結局は市民団体などの圧力に負け、当局が慰安婦像の設置を容認してしまいました。
このあたり、当時の韓国政府側にも、この慰安婦像の設置を軽く考えていたフシがあります。
ところが、日本政府はこの慰安婦像設置に対し激怒し、対抗措置として日韓ハイレベル経済協議や日韓通貨スワップ再開交渉の無期限中断措置を打ち出しました(※日韓通貨スワップについてはいまだに再開されていません)。
その措置を打ち出したのが、やはり2017年1月6日のことだったのです。
想像するに、慰安婦像設置の直後は、日本政府の各省庁・部局が年末年始休業のため機能しておらず、翌年1月4日(水)の「仕事始め」以降、各省庁・部局の担当者が集められ、2日間ほどで韓国への対抗措置を取りまとめた、ということではないかと思います。
実際、当時の菅義偉官房長官は、次のような趣旨のことを述べました(国会図書館アーカイブ参照)。
- 2015年の日韓合意においては、慰安婦問題が「最終的で不可逆的に解決される」、このことを確認している
- それにも関わらず、2016年12月30日、韓国の市民団体によって在釜山日本国総領事館に面した歩道に少女像が設置をされたことは、日韓関係に好ましくない影響を与えるとともに、領事関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳等を侵害するものであり、同条規定に照らして極めて遺憾である
- わが国は当面の措置として、在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合せ、長嶺駐韓国大使及び森本在釜山総領事の一時帰国、日韓通貨スワップ取極の協議の中断、日韓ハイレベル経済協議の延期、その措置をとることを決定した
…。
この菅総理の発言を読むと、日本政府の「怒り」の大きさが伝わってきますが、それ以上に、これらの「対抗措置」は外務省だけでなく、財務省、経産省などが関わっているとも考えられます。
このように考えていくと、年末・年始の間の外国の動きに対し、日本政府が年初に動くタイミングといえば、やはり1月初頭のことが多いのも当然のことかもしれません。
(※余談ですが、韓国側から日韓関係を大きく損ねる数々が事件が生じてくるようになったのは、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が2017年5月に発足して以降の話ではありますが、その文在寅政権以前から、日本政府・安倍政権は、韓国に対して激怒したことがあったということは、記憶しておいて良い話のひとつです。)
年末年始の思い出②火器管制レーダー照射
一方で、年末年始のタイミングで、話題に事欠かない「事件」が生じた事例は、まだあります。
そのうちのひとつが、2018年12月に発生した、韓国海軍駆逐艦による自衛隊哨戒機に対する火器管制レーダー照射事件です。
これについては『「低空威嚇飛行」の捏造が3年で事実になってしまう?』などでも述べたとおり、「日本が韓国艦に低空威嚇飛行を仕掛けた」という韓国政府の言い分が、どうも韓国側では最近、完全な「事実」として刷り込まれているという意味でも、なかなか噴飯物の事件でもあります。
ただ、この事件が特異だったのは、火器管制レーダーを照射するという「準戦闘行為」のためだけではありません。
やれ「悪天候で探査レーダーが当たっただけだった」だの、やれ「日本が低空威嚇飛行を仕掛けてきた」だの、かなり無理な言い分が韓国側から次々と出てきたことにあります。
このときは翌・2019年1月に入り、日本政府側が交渉を打ち切り、「最終見解」を公表して一方的に幕を引きました(『【速報】レーダー照射事件巡り、防衛省が「最終見解」を公表』等参照。なお、最終見解は防衛省『韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案(最終見解)』等参照)。
年末年始の思い出③主権免除違反判決
さらに、今年1月に関していえば、なんといっても、1月8日の「主権免除違反判決」という「事件」がありました(『【総論】韓国主権免除違反判決の現時点におけるまとめ』等参照)。
これも当ウェブサイトで議論する題材としては大変に大きなものではありましたが、これが1月初旬に生じたのは、おそらくは単なる偶然です。
ちなみにこの1月8日といえば、「新宿会計士」自身が公益財団法人国家基本問題研究所(国基研)にお伺いし、同財団の櫻井よしこ理事長や企画委員の皆さまに対し、中国経済についてのプレゼンをさせていただいた日付でもあります(『国基研で「数字で読む日中関係」について意見交換した』等参照)。
当日は、このプレゼンが終わるや否や、あわただしく情報収集に追われたのは、基本的には一生忘れられない体験だったと思う次第です(櫻井先生、当日は大変に失礼しました)。
さて、今年の年末年始には、日本やその近隣国で、何らかの動きはあるのでしょうか。
当たり前のことですが、突発的に、突拍子もない動きが出てくる可能性はもちろん常にありますし、実際に動きが出てみなければどうなるのかについてはわかりません。
ただ、釜山慰安婦像設置から年を越した2016年のときや、火器管制レーダー照射事件があった2018年のとき、あるいは主権免除違反判決が下る可能性が強かった1月8日のときなどとことなり、今年に関しては、現時点で年末年始をまたぐ明らかな「震源」は、今のところはまだ見えていません。
終戦宣言不調の韓国政府
ただ、「見えていない」というのは、「そのようなことが起こらない」、という意味ではありません。
とくに年越えのタイミングで、中国で不動産デベロッパー業界の連鎖破綻が生じたりしないかどうか、という懸念もありますし、台湾海峡で中国が暴発するというリスクは、常に存在しています。
ただ、今年に関し、あえてひとつ、個人的に興味深いと思う話題を選ぶならば、やはり隣国のこんな動きでしょう。
南北オンライン会談もできないまま年を越す韓国政府…「年内終戦宣言」も事実上不発
―――2021.12.27 16:14付 中央日報日本語版より
韓国メディア『中央日報』(日本語版)は昨日、文在寅政権が推進していた南北間の非対面オンライン会談が、結局、実現しないままで年を越すことになった、などと報じています。
いや、正直、この記事を読んだ瞬間、「まだやっていたのですか」という思いでいっぱいになってしまうのですが、記事から判断する限り、文在寅政権としてはどうも「本気」のようです。
中央日報によると、「韓国政府内では」、文在寅氏の外交的遺産として、まずは年内に南北でオンライン首脳会談を実施し、ついで来年2月の北京冬季五輪で朝鮮戦争の終戦宣言を行う、といった方案が「有力に議論されていた」のだそうです。
そもそも論として無理がある
ただ、そもそも論として、「2月の北京冬季五輪で米中南北4ヵ国首脳会談を実施して」、という部分で、かなりの無理があります。
『南北揃ってIOCを怒らせた:東京大会「意外な効果」』でも取り上げたとおり、北朝鮮の国内五輪委員会(PRK-NOC)自身が「東京2020大会の成功に何ら貢献しなかった」として、国際五輪委(IOC)から制裁として会員資格停止処分を喰らっています。
北朝鮮の独裁者である金正恩(きん・しょうおん)が北京にノコノコやって来る可能性は極めて低いと考えて良いでしょう。
また、米国政府は北京オリパラに外交使節団を送らない措置を講じると述べましたが(いわゆる「外交ボイコット」、『米国が北京冬季オリパラ「外交ボイコット」を正式表明』等参照)、この状況が続けば、米国もそもそも北京に外交官を送り込むことはないでしょう。
いずれにせよ、そもそもの「北京五輪」云々の部分で実現可能性が極めて低いわけです。
しかも、記事を読んでも、肝心の「北京五輪での終戦宣言」とやらに、北朝鮮側がどういう反応を示しているのかすらよくわかりません。
いちおう、中央日報によると、金正恩の実妹で朝鮮労働党副部長でもある金与正(きん・よしょう)が9月の談話で、次のように述べているのだそうです。
「公正性と互いに対する尊重の姿勢が維持される場合、意義ある終戦が時を失わないで宣言されるのはもちろん、南北共同連絡事務所の再設置、南北首脳対面のような関係改善のさまざまな問題も建設的な議論を経て早い期間内に解決されることができると考える」。
ただ、これだと、肝心の「北京五輪で米中南北4ヵ国の首脳会談を行い、終戦宣言をする」という、文在寅氏の目論見がまったく含まれていません。
いずれにせよ、年末年始でいきなり北朝鮮が「やっぱり北京五輪での終戦宣言に応じる」などと言い出すという可能性は皆無ではないのですが、その可能性は極めて低いように思えてなりません。
どうせあと4ヵ月少々で退陣する文在寅政権を、北朝鮮が相手にするという保証もないからです。
竹島で初日の出など見ないでください
このように考えていくと、年末・年始というタイミングで、もしかして文在寅氏が退任後の監獄行きを避けるためには、何か突拍子もない行動――たとえば、真冬の島根県竹島に不法上陸する、など――を取るくらいしか方策は残されていないのかもしれません。
新年早々、餅を食っているときに「島根県竹島で文在寅大統領が初日の出を拝んだ」などのニューズが飛び込んできたら、それはそれで大変なことになるかもしれません。
個人的には、そのことが心配で心配でならず、ハッピーセット大盛り(※ただし諸般の事情でポテトのみSサイズ)くらいしか喉を通らない年末になるのかもしれない、と思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
アレらに旭日を拝む習慣あるのかな?
竹島に無法上陸も出汁が抜けきってるし
最悪与党候補が当選しても、逮捕される可能性w
初日の出を絵に描いたら……
彼らが見ることは不可能かな….
今年の年末年始は、日本に関係のない事象を観察したいですね。
個人的には、ブルームバーグが 2021年12月27日 18:41 JST 付で報じた “トルコ・リラ、対ドルで急落-先週の記録的急騰から反落” が気になっています。
預金保証という奇手に打って出たエルドアン大統領ですが、裏では為替介入も行って、外貨準備がつきてしまったという噂もあります。
弱小通貨同士の通貨スワップが何をもたらすのか、見てみたい気がします。
トルコリラの暴落は見慣れましたが、米国との為替スワップが切れたばかりのどこかの通貨が
ウォンウォンどんどん売られるのを見て、「通貨スワップとは何なのか」を、般若湯を飲みながら大笑い黙考したいと思います。新宿会計士さま
少し韓国から離れて、バイデン大統領一年目の総括とかどうでしょう。
面白そうですね。
このままバイデン大統領が失敗大統領への道を進み続けるのか、それとも起死回生の大逆転があり得るのか、興味は尽きません。
そしてもう一つ、中国経済の変調ぶりがどこまで「本物」なのか、大いに興味があります。なにぶん、中国に関しては、流れてくる情報が断片的で、しかもどの程度信用してよいのか、なんとも判断に困るという状況なので、新宿会計士様得意の数字を使って分析するという手法を適用しにくいだろうというのは十分理解できるのですが、中国の動きや出方は。良くも悪くもかなり大きな影響があります。結論の確度があまり高いものにはならないとしても、一度伺ってみたいですね。
米国限定ですが、年間の休暇日数が欧州のそれに比べて少ないので、クリスマス前日から元旦にかけて、予備にとっておいた有給休暇をまとめて取る人の割合がホワイトカラー層では多いですよ。 公の休日ではないですが、余った有給の消化という意味で。
今週は私の在籍しているオフィスでは7割近くの人員が休暇をとっています。
欧米は地域によって、クリスマス前後の二週間くらいが丸々休みになるところがあると聞いたことある
来年は寅年。在寅さんの年です。
東京オリンピックでは寅が降りてくるという横断幕がありましたが、あれは寅が在野に降りてくる。つまり文大統領が民間人になるということをあの横断幕は暗喩されていたのだなと今更ながら合点がいきました。
大統領の笑顔は名残惜しいですが今度は在明さんの笑顔が見れます。彼は文大統領よりイケメンではなく誠実さにも欠けそうなので醜悪な笑顔を撒き散らさないか心配です。
陰気さのない太陽のような笑顔を出せる人というのは良いものだったなと思います。無邪気さは人間の暗い部分を隠しますね。
年末はどさくさ紛れにホラを吹く奇習があるようです。
昨年はコロナ禍のトンネルの出口が見えた!とか言ってましたが最初の洞内照明の見間違えだったようです。
真空チューブトレインとかもありました。
今年末は任期末も重なり大盛中。
超音速旅客機だの原潜・空母だの。
月に2030年に行くそうですしCPTPPに加盟申請することが決まったそうですし環太平洋諸国になるらしい。
平閉じの週刊少年マンガ雑誌のカラー図解みたいな事が連日報道され伝わってきます。
次期大統領候補は既に前政権が交わした約束は必ずしも守る必要は無とか予防線張ってるし…
すげぇなぁ!
その国民性からも、彼の命運は「任期後の積弊清算に基づく粛清」からは逃れられません。
もはや困ったときの反日は通じなくなりました。”反日で困る”ようになったからです・・。
現実認識能力と解析能力の欠陥で”反日で困る”認識を持っていないと思います。
”困ったときの反日”は、まだ通じるでしょう。K国内限定で。
>K国内限定で。
そうですね。
うまく行かないのは何でも日本が言うことを聞かないせいなんですよね。
因果関係が理解できないのですから・・。
素朴な疑問ですけど、年末年始の大きな出来事が起きた場合、(朝日新聞を筆頭に)オールドメディアは対応できるのでしょうか。案外、報道する時点では、すでにネットで、情報が拡散して後で、その後追いをするだけではないでしょうか。
ハッピーセットて大盛りありましたっけ?
ここは倍ビックマックセット辺りで…
関係ないですが、今回モバイルオーダー効果か、福袋が当選していました。
当たらないと思ってたよ。。。
ハッピーセットは子供向け、大盛りは大きいお友達向け
ハッピーセットはおもちゃ付き、大盛りには…