大使帰任巡る「毎日誤報」のインパクト
異例ですが本日3本目の記事です。本日最後の話題は、「大使帰任」を巡る報道の混乱について、です。
目次
大使帰任巡る報道の混乱
毎日新聞、「来週にも帰任」と報じる
昨年12月末に韓国・釜山の日本総領事館前の公道上に慰安婦像が設置されたことを受け、日本政府は今月6日、韓国に対する対抗措置の一環として、長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事を一時帰国させることを決断。両氏は9日に帰国しました。
ただ、朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領が職務停止状態にあるなど、「韓国内の混乱が深まっている」などとして、長嶺大使らの一時帰国措置は長続きしないとの観測報道が、毎日新聞から出ていました。
駐韓大使/来週にも帰任(毎日新聞2017年1月13日 23時38分付 毎日新聞デジタルより)
記事が出たのは先週金曜日で、毎日は次のように報じています。
- 複数の政府・与党関係者が明らかにしたところによると、政府は本日(=13日)、長嶺大使と森本釜山総領事を、来週にも帰任させる方針を固めた
- 外国訪問中の安倍晋三首相が17日に帰国するのを待って最終的に判断する
- 日本側は当初から「召還」ではなく「一時帰国」と位置付け、帰任時期を探っていた
- 自民幹部は「早めに帰して韓国側と交渉した方がいい」との認識を示した
なお、この毎日の報道が出る前日には、韓国・中央日報(日本語版)も、朝日新聞の報道を引用する格好で、「駐韓日本大使が17日以降に帰任する」と伝えています。
「駐韓日本大使、17日以降復帰の見込み」…北朝鮮ICBMが変数(2017年01月12日14時55分付 中央日報日本語版より)
中央日報は長嶺大使と森本領事の両氏について、
「今月17日以降に韓国に帰任させる可能性があると朝日新聞が12日、報道した」
としています(ただし、中央日報が引用したと見られる、12日付の朝日新聞の記事については、残念ながらリンクが発見できませんでした)。
結論:「一時帰国状態は長引く」
ところが、朝日・中央日報・毎日の報道にも関わらず、安倍総理が帰国された17日を過ぎても、一向に「大使・領事の帰任が決まった」と報じられないばかりか、本日(19日)時点で、これと真逆の報道がいくつか出て来ています。このうち、時事通信が報道した記事のリンクは次の通りです。
駐韓大使帰任、当面見送り=官邸に反対論-少女像問題(2017/01/19-18:49付 時事通信より)
時事通信の報道から事実関係をまとめると、
「本日、安倍総理は岸田文雄外相と首相官邸で会談し、「釜山慰安婦像問題」で対応を協議したところ、長嶺大使(と森本領事)の韓国への帰任については引き続き韓国側の対応を見極めることで一致した」
とのことです。時事通信の記事では、外務省や自民党の二階幹事長らは早期帰任に前向きだとしつつも、首相官邸では反対論が強く、帰任は「当面見送られる見通し」だとしています。
どうしてこうなるのか?
今回、毎日新聞は早々に、「駐韓大使は17日以降に帰任する」と報じましたが、結果的にこれは誤りでした。もちろん、日経などの各紙も誤報を連発させていることは事実ですが、これらの中で、毎日新聞の記事の信頼性が特に低いことは、ほぼ間違いないでしょう。あるいは、官邸などが、国民の反応を見るために、わざと「ガセ情報」を掴ませて泳がせているのかもしれませんが、結果的に誤った報道を流したのですから、同社の取材力(あるいは「事実を掴む力」)が低下している点については間違いなさそうです。
では、どうしてこの手の「誤報」が頻発するのでしょうか?
私は仮説の一つとして、「毎日新聞の体質が徹底的に腐っているからである」、という議論を提示したいと思います。
以前、『先鋭化したメディア人らが暴走する!』という記事の中で、毎日新聞社が「真相深入り虎ノ門ニュース」というウェブ番組を、配達証明文書で恐喝した話を紹介しました(詳しくは『言論に「法的手段」で対抗する毎日新聞社』をご参照ください)。その証拠は、昨年12月13日に放送された、百田尚樹さんと石平さんが出演された、この回です(司会者は居島一平さん)。
本来、この番組の公表期間は2週間(つまり、2016年12月27日まで)でした。しかし、毎日新聞社が言論弾圧を行ったためでしょうか、それとも「虎ノ門ニュース」のご厚意によるものでしょうか、この回については今でも閲覧が可能です。
リンク先の動画は2時間少々と非常に長いものですが、該当箇所だけ閲覧したい方は1:07:53からご視聴ください。また、私は同番組から許諾を得ている訳ではないので、放送された内容を逐一、全てここに紹介することはできません。ただ、事件の概要をかいつまんで申し上げるなら、
- 毎日新聞社から「真相深入り虎ノ門ニュース」に対し、11月15日(火)に放送されたの内容について抗議するとする「通知書」が届いた
- 通知書の中で毎日新聞社側は、自社について「『新聞協会賞』を28回受賞するなど、社会から高く評価されている」としたうえで、たとえば「放送の中でゲストの石平氏が『毎日新聞には新聞としての価値が全くない』などと述べたくだり」などについては「当社に対する根拠のない誹謗中傷だ」として抗議した
- この文書について毎日新聞社側は、「ネット上に残る本件番組の削除、番組や百田尚樹・石平両氏に対する説明を求める目的であり、当社に無断で本書面の引用・公表をしないように求める」と述べている
…という、実に呆れた内容です。「新聞協会賞」などという、「新聞業界が内輪で設けた賞」を何回受賞しているのか知りませんが、言論機関を自称する同社が、同じ言論空間で寄せられた批判に対し、法的措置をチラつかせて番組のネットからの削除を求めるとは、いかにも卑劣です。
ただ、私はこうした現象も、新聞・テレビという「古いメディア」が力を失う一方、インターネット空間で自由に新規参入する情報発信者が力を得ていくという「力学変化」の中で、避けられない摩擦ではないかと考えています。
いずれ、慰安婦問題を捏造した朝日新聞や沖縄県で偏向報道を垂れ流しまくっている琉球新報・沖縄タイムス、そして「恫喝するメディア」である反社会的組織・毎日新聞などから、倒産する会社が出現するかもしれません。
私は、情報を独占してきた既存メディアが経営再編を余儀なくされる状態が、すぐそこに来ていると考えています。
日本人にも「覚悟」が必要だ!
大使一時帰国は「厳しい措置」ではない!
ついでに、大使帰任そのものについても、私の考えを示しておきたいと思います。
私は、今回の安倍政権による大使らの一時帰国措置については、「異例の厳しい措置」だとは思えません。むしろ、釜山に慰安婦像を設置されるまで事態を放置していたのは安倍政権であり、竹島を取り返すためのアクションプランも欠落しているにも関わらず、日韓通貨スワップ協定の再開に向けた交渉を始めてしまうなど、あまりにも韓国に対して「甘すぎた」と思います。
もちろん、外務省が主導する従来の「大人の対応」(という名前の「事なかれ主義」)から一線を画したという意味では、限定的ながら評価することはできます。しかし、大使らの帰国措置については、「一時帰国」だと「いずれ帰任する」ことを前提としています。このため、いっそのこと、「召還」でも良かったのではないかとさえ、私には思えるのです。
そして、明日このウェブサイトでは、「竹島慰安婦像問題」についても取り上げたいと考えていますが、私はこの「慰安婦像問題」については、もはや韓国国内の世論も「引き下がれない」ところにまでこじれてしまっていると考えています。
明日の予告:「竹島慰安婦像問題」の意味するところ
そんな韓国では、今度は韓国が不法占拠する日本固有の領土・竹島に、慰安婦像を設置するという動きに出ています。駐韓日本大使の一時帰国措置が解除されていない段階で、実に愚かな決断をする民族です。ただ、この問題を正確に理解するためには、「慰安婦像」だけでなく、戦後の日韓関係の在り方自体を議論することが必要なのではないか―。私には、そう思えてならないのです。
そこで、明日はちょうど「トランプ政権」が始動するタイミングでもあるため、竹島慰安婦像のインパクトについての私見を述べるとともに、「日韓関係に関して国民的合意の形成を急ぐ必要がある」との提言を行いたいと思います。どうかご期待ください。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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大使召還で言いと思う。
次は日韓断交か?