宮沢洋一氏の「お互い妥協」論のどこがズレているのか
宮沢洋一・自民党税調会長は17日、国民民主党に対し、「お互い妥協する点があるかご相談したい」、「なんとか協議を続けたい」と述べたそうですが、これもおかしな話です。国民民主党側は少なくともゴールを「178万円」に設定しているからです。そして、国民民主党側が協議打ち切りを宣言した以上、自民党側には協議再開のために何らかの「手土産」を用意するか、または国民民主党との協力を諦めて立憲民主党や日本維新の会などを取り込むか、という選択を迫られることになるかもしれません。
目次
「年収の壁」議論を整理する
年収の壁・論点整理
いわゆる「年収103万円の壁」引き上げを巡る自公との協議で、国民民主党が「協議を打ち切る」と通告して席を蹴ったという話題は、当ウェブサイトでは『国民民主幹部「協議打ち切り」か』で速報的に取り上げたところですが、X(旧ツイッター)などでは引き続き、かなりの話題となっているようです。
改めて論点を整理しておくと、この「103万円の壁」とは、ある人の給料が年間で103万円を超えた瞬間、税負担がとても重くなる、というもので、たとえば▼夫婦共働きで片方が配偶者控除を受けている場合、▼学生が親の扶養となり、扶養親族控除を受けている場合――などにも影響が生じて来る、というものです。
この103万円の壁は、いわゆる働き控えの原因ともされていますが、それだけではありません。
一説によると給与所得控除(55万円)や基礎控除(48万円)は日本国憲法が定める「生存権」の要請に従い設けられているはずなのですが、物価が上昇し、生活必需品の価格が上昇するなかで、生活に最低限必要なコストに合致していない、といった指摘もあります。
基礎控除に所得制限を設ける財務省
さらに問題があるとしたら、平成30年度(2018年度)の税制改正で、「所得金額が2500万円を超えてしまった人は基礎控除がゼロにってしまう」、とする趣旨の規定が入ってしまいました。該当する条文は、所得税法第86条第1項と地方税法第34条第2項です。
所得税法第86条第1項
合計所得金額が二千五百万円以下である居住者については、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
一 その居住者の合計所得金額が二千四百万円以下である場合 四十八万円
二 その居住者の合計所得金額が二千四百万円を超え二千四百五十万円以下である場合 三十二万円
三 その居住者の合計所得金額が二千四百五十万円を超え二千五百万円以下である場合 十六万円
地方税法第34条第2項
道府県は、前年の合計所得金額が二千五百万円以下である所得割の納税義務者については、その者の前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額を控除するものとする。
一 当該納税義務者の前年の合計所得金額が二千四百万円以下である場合 四十三万円
二 当該納税義務者の前年の合計所得金額が二千四百万円を超え二千四百五十万円以下である場合 二十九万円
三 当該納税義務者の前年の合計所得金額が二千四百五十万円を超え二千五百万円以下である場合 十五万円
これ、考え様によってはとても酷い規定です。
所得が2500万円を超えたら生存権を認めない、と税法が宣告しているようなものだからです。
財務省、いったいどこまで強欲なのでしょうか?
若年層が国民民主党を支持した2つの理由
そして、10月の選挙では、国民民主党が躍進しました。
著者自身の理解及び仮説に基づけば、国民民主党が掲げるいくつかの公約のうちの「手取りを増やす」は、「まずはこの基礎控除部分を経済情勢に合わせて大幅に拡充しましょう」という提案であり、この提案に乗ったのが若年層だった、という流れです。
なぜ、若年層なのかといえば、考えられる理由は大きく2つあります。ひとつ目は、彼らの多くは勤労者か学生であり、税、社会保険料などの負担を重く感じていること、そしてふたつ目は、彼らの多くがSNSなどネットを使っていることです。
とりわけ後者の要因については、『【総論】腐敗トライアングル崩壊はメディアから始まる』などでも述べたとおり、新聞、テレビを中心とするオールドメディアが財務省などの言い分を垂れ流すのみで、正確な経済学などの知見に基づく報道を怠ってきた、という側面が強いでしょう。
もちろん、いわゆる「リフレ派」、あるいはアベノミクス的な視点でマクロ経済を正しく報じている社は皆無というわけではありませんが、ごく少数派であることは間違いなく、そして専門性が欠如したオールドメディアが若年層から見放され、代わってオールドメディアに依存しない人が増えて来たのではないでしょうか。
実際、『国民民主支持最高…立民と維新「若い女性支持ゼロ」も』などでも取り上げたとおり、メディア各社の出口調査や世論調査などでも、国民民主党に対する支持は若年層ほど高く、高年層ほど低いことが判明しています。
あくまでも個人的な想像ですが、国民民主党を支持している中心層は「働いている人たち」であり、とりわけ同年代でも税・社会保険料などの負担が比較的重く感じられる人たち(≒比較的高年収な人たち)ではないでしょうか。
年収2000万円でも月手取りは80万円少々…税金を取り過ぎていません?
次の図表は、ボーナスが年2回・合計で月給の4ヵ月分出ているという勤労者の場合(つまり月収は年収の16分の1という場合)の、著者自身の試算に基づく毎月の手取り額です。
図表 年収と月給、月手取りの対応表
年収 | 月給 | 月手取り | 月手取り率 |
250万円 | 156,250円 | 122,513円 | 78.41% |
500万円 | 312,500円 | 237,259円 | 75.92% |
750万円 | 468,750円 | 345,859円 | 73.78% |
1000万円 | 625,000円 | 441,338円 | 70.61% |
1500万円 | 937,500円 | 636,376円 | 67.88% |
2000万円 | 1,250,000円 | 803,204円 | 64.26% |
2500万円 | 1,562,500円 | 962,379円 | 61.59% |
3000万円 | 1,875,000円 | 1,121,642円 | 59.82% |
(【注記】下記『試算の前提』参照)
いかがでしょうか。
年収500万円の人を月給に換算したら30万円少々で手取りは237,259円、月給に対する手取り率は76%弱です。また、年収750万円と聞くと世間では「富裕層」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、毎月の手取りは345,869円、額面に対する手取り率は73.78%。
さらにそれ以上が強烈で、年収1000万円の場合、毎月の手取りは441,338円、年収2000万円でも803,204円で、毎月の手取りが100万円を超えるために必要な年収は3000万円近くに跳ね上がります。
よく「年収2000万円」と聞くと、ざっくり10で割って「毎月200万円近く自由になるカネがあるんだ」、と勘違いする人もいますが、現実に毎月自由になるカネは80万円少々に過ぎず、40%近くが税や社会保険料として控除されているわけです。
もちろん、上記図表では年2回・合計月給の4ヵ月分のボーナスが含まれていませんので、この点には注意が必要です。
また、夫婦フルタイムで共働き、給与水準がだいたい同じくらい、という場合だと、お互いに同額ずつ稼いでいるため、生活は少し楽かもしれませんが、著者自身の知り合いの場合だと夫婦共働き前提でタワマンを購入してしまい、お互い、仕事を辞めるに辞められない状況になっている、という話はよく耳にします。
そして、かき集められた税や社会保険料などは国庫に収納されるわけですが、厚生年金には巨額の金融資産が溜め込まれ、一般会計では毎年、数兆円から数十兆円レベルの剰余金を生じているというのが現状でもあります。
「ちょっと税金を取り過ぎていませんか?」、という、一般国民(とくに勤労者)のごく当たり前の感覚に、国民民主党の「手取りを増やす」がど真ん中で突き刺さった―――。
その結果が、10月の衆院選だったのではないでしょうか。
減税反対派は議論に弱い
減税反対論者のロジック①「7~8兆円の減収の財源は?」
これに対し、減税反対派が持ち出したロジックはいくつかあります。
まずは、「国民民主党の案をそのまま飲めば7~8兆円の減収となるが、国民民主党は財源を示していないではないか」、といった批判です。
これは、結論からいえば、おそらくは誤りです。
『根拠薄弱…ペラペラの「7~8兆円の税収減」説明資料』でも示した通り、この減収幅は現行の基礎控除によって失われているとされる税収額を48で割って75を掛けただけの、非常に雑な代物だからです(75とは基礎控除を48万円から103万円へと75万円引き上げることを意味しているそうです)。
それに、いわゆる乗数効果を勘案していません。
仮に本当に減税額が8兆円だったとしましょう。
この場合、名目GDPが600兆円、限界消費性向が0.6程度だったとすれば、(閉鎖経済の前提で)乗数効果による名目GDP押し上げ効果が20兆円(=8兆円×2.5倍)ほど生じるため、名目GDPを約3.3%押し上げます。
そして、現実の税収弾性値は2.5~4程度とされていますが、間を取ってこれが3だったとすれば、税収は10%(=3.3%×3)増える計算です。
2023年度決算における収納済歳入額のうち租税印紙収入は72兆0761億円でしたので、ここから減税分の8兆円を減額した64兆0761億円に10%を乗じると、6兆4076億円、という金額が出てきます。
したがって、仮に8兆円減税したとしても、乗数効果による税収押し上げ効果が6.4兆円生じるため、ネットの税収減は1.6兆円程度に過ぎません。この程度だと正直、毎年の税収上振れにより、十分に帳消しになるレベルでしょう。
そして、財務省が真に恐れているのが、おそらくはこれです。
つまり、果敢に所得税の減税をしてみたら経済波及効果が生じ、それにより税収減を帳消しにするほどに、法人税、消費税、所得税などの税収が伸びてしまうことが判明してしまうからです。
もちろん、現実に乗数効果が本当に2.5倍生じるかどうかはわかりませんし、これに加え経済成長により金利が押し上げられ、為替相場が円高に振れてしまい、輸出競争力が低下してしまうなどの効果も生じるため、現実の経済効果はこれよりやや小さくなるはずです。
ただ、乗数効果がゼロになるということはあり得ませんので、やはり、つべこべ言わずに一回減税をやってみたら良いのではないかと思います(財務省は全力で抵抗するかもしれませんが)。
減税反対論者のロジック②「制度変更に時間がかかる」
また、著者自身が見た反論の中でもとくにお粗末なものが、「基礎控除を引き上げるためには複雑な制度を議論しなければならない」というものです。
当たり前の話ですが、基礎控除を引き上げる「だけ」ならば、先ほど挙げた所得税法と地方税法の2つの法律を書き換え、甲欄表について差し替えたら完了です。条文は次の通りです(国会議員の皆さん、この条文はそのまま法律に使えますよ!)。
所得税法第86条第1項改正私案
居住者については、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から百二十三万円を控除する。
地方税法第34条第2項改正私案
道府県は、その者の前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から、百十八万円を控除するものとする。
ちなみにくだんの主張をした人物は、「そんな単純なものではない」としたうえで、「基礎控除を変えたらそれにともない社会保険料の計算にも影響が生じるし源泉徴収票のフォーマットも変えなきゃいけないし人材教育も必要」などとメチャクチャなことを主張したようです。
社保の料率はそもそも基礎控除と無関係ですし、べつに基礎控除をいじるくらいで源泉徴収票のフォーマットを変える必要もありませんし、基礎控除を引き上げる「だけ」でなにか特別な人材教育が必要なわけでもありません。
(※ちなみに山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士、Xで上記の主張をした人物からは、「専門知識で殴るな!」と怒られたうえでブロックされてしまったようです。)
いずれにせよ、「財源ガー」も、「法改正ガー」も、減税を否定するだけの理由になっていなかった、というわけですね。
公開の場に引きずり出された宮沢氏
こうした文脈を確認しておくと、国民民主党が主張している「年収の壁引上げ」は、着々と外堀が埋められているわけですが、宮沢洋一・自民党税調会長の「123万円発言」は、まさにこの「外堀が着々と埋められた状態」での値切り交渉とよく似ています。
自民党税調や財務省は、これまでであれば、あくまでも非公開ベースでの権謀術数うごめく泥臭い調整を繰り返してきたのかもしれませんが、時代はもう変わったのです。国民民主党の最大の功績は、こうした非公開ベースの協議を公開の場に引きずり出してきたことにあるからです。
そして、これまで非公開での交渉に慣れている人たちは、公開の場に引きずり出された瞬間、困惑します。
彼らは議論に極端に弱いからです。
それが、昨日の国民民主党の「交渉打ち切り」に表れているのではないでしょうか?
しかも、交渉決裂(?)後の宮沢氏の発言のズレっぷりがまた印象的です。これには日テレnewsが配信した次の記事が参考になるかもしれません。
【速報】6度目の「103万円の壁」引き上げ協議 “打ち切り”に
―――2024年12月17日 11:48付 Yahoo!ニュースより【日テレnews配信】
日テレによると宮沢氏の発言は次のようなものです。
- 新たな提案がないんであれば、これ以上協議はできませんということでお帰りになった
- 国民民主の考え方が聞きたかったが、残念ながら今日は聞けなかった
- お互い妥協する点があるかご相談したい。なんとか協議を続けたい
この短い発言だけで、宮沢氏のズレっぷりがよくわかります。
すでに前日の時点で、国民民主党側からは「(宮沢氏の主張する)123万円では話にならない」、「3党の幹事長会談での合意にそぐわない」とする反発が出ていたわけですから、これに対する答えを準備すべきは宮沢氏の側でしょう。
それに、「国民民主党の考え方」は、すでに公に明らかにされている通り、「178万円」です。それ以外に答えがあるとも思えませんし、最後の「お互い妥協」に至ってはまったくもって意味不明です。なぜ178万円で合意しているのに、国民民主党側がこれ以上妥協する必要があるのでしょうか?
国民民主党の怒りは深い
ちなみに幹事長合意では、「178万円に向けて来年から(年収の壁引上げを)実施する」とされ、「来年から178万円にする」と明示されているわけではないため、宮沢氏の提案が完全に合意違反であるとは言い切れません。
実際、国民民主党が席を蹴って立ったことについて、おもに自民党支持層、保守層などからは苦言を呈する意見もありますが(Xなどではそのような意見をよく見かけます)、こうした意見にもいちおう、「一理ある」とはいえるでしょう。
ただ、国民民主党側がかなり怒っていることは間違いありません。
たとえば国民民主党の榛葉賀津也幹事長は本件を巡り、宮沢氏について、「あれだけ温厚な古川さんが怒るというのは(宮沢氏は)火に油を注ぐ天才だ」としたうえで、「国民が一番怒っている」と述べたとも伝えられています。産経ニュースの次の記事が、それです。
7年度予算への賛成「とても無理」 国民民主・榛葉幹事長、103万協議打ち切り巡り
―――2024/12/17 18:39付 産経ニュースより
ちなみに榛葉氏は国会内で記者の取材に対し、年明けの通常国会で審議する令和7年度予算への賛成は「とても無理だ」とも述べたのだそうです。
こうなってくると、自民党がもし、国民民主党に再度協議を呼び掛けるならば、少なくとも次のような「手土産」は必要かもしれません。
- ①宮沢洋一氏の税調会長更迭
- ②178万円を来年から即実施
- ③消費税減税も議論に乗せる
- ④年少扶養控除の復活を検討
あるいは、自民党は国民民主党との協議を取り止め、立憲民主党や日本維新の会などを取り込んで予算を通す、という選択肢が残っていますので、これについての動向も引き続き気になるところではあります。
いずれにせよ、政治がこんなに白熱するのは珍しいと思うのですが、いかがでしょうか?
試算の前提
なお、本稿の付録です。
先ほどの図表で示した年収と月給、月手取りの対応表を作成するうえでの試算の前提は、以下の通りです。
試算の前提
- 被用者は40歳以上で東京都内に居住し、東京都内の企業に勤務しているものとし、給与所得以外に課税される所得はなく、また、ボーナスはないものとし、月給は年収を単純に12で割った値とし、配偶者控除、扶養控除、ふるさと納税、生命保険料控除、配当控除、住宅ローン控除などは一切勘案しない
- 年収を12で割った額が88,000円以上の場合、厚年、健保、介護保険に加入するものとし、その場合は東京都内の政管健保の令和6年3月分以降の料率を使用するものとする(ただし計算の都合上、端数処理などで現実の数値と合致しない可能性がある)
- 雇用保険の料率は1000分の6とし、「社保」とは厚年、健保、介護保険、雇用保険の従業員負担分合計、税金とは所得税、復興税、住民税の合計とし、住民税の均等割は5,000円、所得割は10%とする
- 本来、住民税の所得割は前年の確定所得に基づき翌年6月以降に課税されるが、本稿では当年の所得に連動するものと仮定する
- 基礎控除は合計所得金額が2400万円までの場合、所得税が48万円、住民税が43万円とし、以降2450万円まで、2500万円まででそれぞれ基礎控除が逓減し、2500万円超の場合はゼロとする
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
目的の経済的効果を出す為に178万円が必要・妥当だとする提案に対して「もうちょっと政策の効果下げられませんかねぇ~」は、ええと、大変恐縮ながら申し上げますと「バカじゃねぇの」と言わざるを得ません。
宮沢氏は大蔵官僚出身議員で”税に関して右に出る者は居ない”とかいうなんだかよくわからない評を得ているそうですが……大蔵(財務)省的感覚で”税の専門家”って、今やもうマイナス評になるのではないですかね。”どうやって取るか”ばかりで、経済への効果とか考えていない(最悪は逆効果を狙って利用してすらいる)のが露呈したわけですから。
税の知識がどうとか関係ありません。期待する効果を挙げるのに178万円までは不要、妥協した方がより良いとする根拠を示せば良いだけです。間をとった妥協など無意味どころか害悪。
多くの方が財務省は減税で景気が良くなると今までの増税論の嘘がバレるのを恐れている
というのが、ますます真実味がでてきたように思います。
123万円は財務省が計算したギリギリ景気が浮上しない金額ではないでしょうか?
こんな姑息な手段しか使わない財務省ははやり解体しかありませんね。
宮沢洋一氏の発言は、自民党税調や財務省向けの発言ではないでしょうか。
蛇足ですが、宮沢洋一氏は、全国的有名人(?)になったのではないでしょうか。
幹事長合意の後に、値切り交渉をするのもいかがなもんかと思いますが、互いの主張はこんな感じです。
自公の主張がおかしい点があれば、遠慮なく斬ってあげてください。
現在の所得税控除額:
基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円
国民民主党案:
1995年から現在まで、最低賃金が611円から1,055円へと約1.73倍に上昇したので103万円×1.73≒178万円
(基礎控除123万円+給与所得控除55万円=178万円)
https://edenred.jp/article/workstyle-reform/185/#
自公の税調:
1995年からの食料や光熱費など生活に欠かせない品目の物価上昇をもとに、控除額を20%引き上げる
(基礎控除58万円+給与所得控除65万円=123万円)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241213/k10014667251000.html
>財務省が真に恐れているのが、おそらくはこれです
財務省の主張を無批判に受け入れていた、税調とオールドメディアもそうかもしれない。
税制の議論なんて、安全保障上の機密でも営業上の秘密でもないのだから、有権者に本来隠す理由がない。
国民民主の言う通り、税は名目収入(名目賃金)を基に計算され、かつ、累進課税となっている。30年間の名目賃金(最低賃金)の上昇により、税負担率は上昇(実質増税)してしまっている(ブランケットクリープ)。
交渉術としては、単純で分かりやすい論点で行けるところまで押す(常に主導権を取りに行く)。
守る方の交渉術としては、なるべくたくさんの論点(財源、物価上昇等等)を上げて混乱させ、主導権を奪取して、なるべく低いところで合意させる。
自民党税調会長は、123万円で物価上昇を論点(土俵)にのせて交渉の主導権を取ろうとしたんだけど、国民民主は土俵に乗らず、ひっくり返してしまった。
(財源の論点もけっぽって乗り切ったのだから当然予想できたこと、これにより引き続き主導権は国民民主が取っていると周囲にアピールできた。)
せっかく用意した土俵に乗らないのは不誠実だとかの昭和の寝言は、「おととい言え」と言うようなものでしょう。
国民民主と交渉したいなら、主導権をはっきり引き渡すポーズを取らない(主様の「お土産」を渡す)と先に進みませんよね。
交渉としては前哨戦で、相手の癖とか交渉力とかを探っている段階ですかね。
これから、お互いにかけひきしながら、少しずつ本気を出してバチバチやってくれると面白いのですが。
プレーヤーに実力者がいるかどうかですよね。
国民の立場からすれば、駆け引きとかいう政治ゲームで自分の生活をチップとして遊ばれちゃたまったものではないでしょう。駆け引きでなく根拠を明確にして理論立てて議論をしろ、最初から本気で行け、ダメならダメでも異論を出せなくなるまで納得のいく形で示せ、という怒りが国民民主党の姿勢と合致したからあれほどの支持が集まっていると思います。
国民民主の狙い(目的)は、「政策実現」でも何でもなく、「党勢拡大」。
103万の壁がどうなろうと、次の党勢拡大につながれば良いので、交渉打ち切りや維新や立民の参入は、次につながる落としどころであれば大歓迎でしょう。
政治トーシロの私でもここまで来た以上、この問題に目覚めた日本国民の目には今や178万円から下がれば下がった分、宮沢(財務省)の得点、国民民主党の失点と映ります。
この交渉を蹴って終わっても失点はなく、178万円を勝ち取っても国民民主党の党勢拡大につながることは明白。キャスティングボートを握った今こそ、財務省応援団の立憲民主党を追い落とす時です。
138万円から148万円で決まりそうな気がするが協議は来年まで続くのではないか。
早く決めないと計画が(個人も雇用者も)が立てられないという声が出てくるだろう。
国民民主は「本意ではないが新年度も始まっているし、まずはそれでやってみようという結論になった」といって手打ちをするとみている。
適当なところで手打ちにする理由はないと思います
適当なところで手打ちにしてしまったら、国民の怒りの矛先が国民民主に向かうので
議論や状況をオープンにし続けて、来年度予算案も反対し
与党や財務省が抵抗勢力という印象を与え続けたまま
夏の参院選に突入するかどうかじゃないでしょうか?
(今の空気感なら、立憲や維新も減税の抵抗勢力とみなされる恐れがあるので、予算案も国民民主の代わりにと安易に賛成しにくい気がします)
普通に考えたら国民の怒りを買った状態で参院選突入とはいかないので
どこかで折れざるを得ないですが
延々引き伸ばし続けて参院選で大敗というのもありそうです
ようやく財務省悪玉論から脱して、自民党税調に焦点があたってきたようで、歓迎します。
本件の核心は、主権者たる国民が何を望んでいるか、を自民党が掴み損ねていることだ、と考えています。財政をめぐる考え方はいろいろある、むやみな財政支出は避けねばならない、場合によっては国民民主党の顔も立てないといけない、いろいろ制約条件はありますが、一番の要は「国民が何を望んでいるか」です。国民は明らかに減税を望んでいます。
税調協議が決裂しそうな以上、次は幹事長協議、それでも決着がつかなければ党首協議で、決着を図るしかない。併せて、いろいろ批判はありますが、前原維新とも水面下での接触を密にするしかないでしょう。
私は、自民党支持者ではありますが、このままでは来夏の参院選挙も大敗するでしょう。「財政規律に拘るあまり国民の希望を見誤る」のは、まさしく「木を見て森を見ず」であり、政権を担う能力を失ったと、いうべきと考えます。
それにしても、配偶者控除の実質的拡大につながる点だけは、いただけない。いかにも時代に逆行しているように思えるのですが(3号被保険者の廃止も議論されているというのに…)。限りある原資なのだから、もっと現役世代、子育て世代にターゲットを絞って欲しい。
現自民党税調かつ元大蔵官僚なのが宮沢洋一氏なので、宮沢氏に対する批判は財務省悪玉論も含意なんやで。
> ようやく財務省悪玉論から脱して、自民党税調に焦点があたってきたようで、歓迎します。
逆ですよ。
もっと財務省の悪事を国民に認識させるべきで、焦点が自民党に向いたのならば、それこそ財務省の思うつぼです。
なぜならば、政権が変わっても(たとえ立憲民主党やどの政党が政権を取っても)今の財務省がある限り減税できないからです。
財務省は陰に隠れて御用メディアに情報流して世論を誘導します。自身が生き残るためなら自民党でも時の総理でも切り捨てるでしょう。真の国民の勝利は財務省解体以外にあり得ません。
本丸の財務省じゃなくて自民税調にばっかりフォーカスするのも木を見て森を見ずじゃないんですかねぇ。
消費税増税を決断したのは、財務省からの薫陶を受け入れた野田元首相ですよ。
財政政策や増税に関して政党批判だけしても意味がないと分かりそうなものですけど。
財務省は不当に非難されてる被害者と思っている可能性。
色々な記事でこの人財務省用語みたいな事してますもんね。
正直、自分からすると全く分かりませんが、発言自体は自由ですからね。
まぁ、政治的な意味での寿命がある政治家と半永久的に存続する組織とが両方とも問題を抱えてる場合、前者についてのみ手当てしても個人的には意味がないとしか思えませんが。
団塊世代の元官僚が現役時代家庭を顧みず配偶者を専業主婦にして丸投げ、熟年離婚されて今に至る、などとゲスパー
元・大蔵官僚で現・財務省の代弁者。一昔前ならメディアが 「族議員だ!!」 と叩きまくっていたはずの人なのに、民主党政権の頃からメディアは官僚批判・族議員批判を全くしなくなった。
“所得税法改正案”、議員何人で国会に掛けられるンでしたっけ?
カネ咬むけど“予算措置が必要な法案”扱いになるンかしらん??
国民民主党単独で出せるならソレで、50人要るなら国民民主党主導で「このゆびとまれ!」でもして法案出してしまえば、乗っからなかった野党各党も黙殺は出来ないでしょうから対案なり代案なりで『手取りを増やす』法案出さざるを得ンかナ???
そーすっと与党側も何らか対応せんならんやろから自公にまた楔カチ込めるやろか????
学会サンも都議選と参院選に更に選挙の上乗せは嫌やろし、ナンかinterestな展開には成らんかしらん?????
知らんけど
少なくとも、与党側が提示した案によって、『減税反対論者のロジック②「制度変更に時間がかかる」』は、嘘であることが分かりましたよね。123万円であれば、すぐに出来るのですから。これまでの交渉の成果でしょう。
あとは、『減税反対論者のロジック①「7~8兆円の減収の財源は?」』ですが、今年度は、定額減税を行い、かつ、補正予算がなんと約14兆なのですから、与党側の主張が破綻しているのは、馬鹿でも分かります。既に多くの国民が、取ってから配るのを止めろ、と言っているのが分からないのかなぁ。
議論の経緯詳細がわからないんでなんともですけど、古川氏のぶら下がりによると、
・幹事長レベルの合意を受けて新たな提案があるかと「思って」協議に臨んだが新たな提案はなかった
・税制改正大綱の年末とりまとめ日程を考えれば今週中に話がまとまらなければ合意は成立しない
・税調会長のレベルでは議論や合意はムリと判断せざるを得ず、協議対応を一任されていた立場として協議中止を判断・通告した
(意訳補完あり)
https://youtu.be/L3qCV1IPBcs
党間の交渉ごとの一環ですんで個別にどうのと評価してもしょうがないでしょうが、国民民主は当初から税制改正大綱への反映に言及していたので、この時期での自民税調の対応は合意を成立させようという意思がないとの解釈も可能ですわね。要は行為に正当性がある。
自民は税調なり執行部なり、知らん顔せずに早い内になにかメッセージを出した方がいいと思いますけどね。自民の言い分もあるでしょうよ。世論対応で負けちゃいます。
マスコミ抑えてりゃOKの世界は終わったと認識しなきゃ。
まー、「インナー」って自称しちゃう感性の人々にはムリかな。(笑)
ちょっとオールドメディアの報道で気になっているところがあるんですが、上の古川氏ぶら下がりで言及していた「税制改正大綱のとりまとめスケジュール」に触れていないんですよね。
なぜ決裂が「今」なのかといえば、年内とりまとめ予定の税制改正大綱への反映の意思が見えなかったことは明らかに大きなポイントです。
テレ朝:「火に油を注ぐ天才」注いだ先は…国民民主党10分で退席 「103万円の壁」協議決裂か【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】
https://youtu.be/zhDRKdLA6jM
このニュースも税制改正大綱のとりまとめ期限と交渉決裂の関係に触れていません。
その上、「交渉のテクニックとして協議前から決裂させることを決めていた」という誰が言ったかもわからない憶測伝聞で満たしています。
そして〆は後藤議員の「財源がない」発言。
「責任感の強い自民税調に対して、国民民主がくだらない策を弄して交渉を決裂させた」
そんな印象を持ってしまう、悪意ある報道と言わざるを得ないですね。
宮沢氏は玉木、古川氏が同じ財務出身者で有る事で安易に対応したのかな、それとも今までの様な対応しか出来ない能力の持ち主なのかね、宮沢氏の発言に拠って自公の評価を下げた事は間違いないね、政治家なのに呆れるほどに鈍感すぎる。
「試算の前提」には、「月給は年収を単純に12で割った値とし」とありますが、
「図表 年収と月給、月手取りの対応表」では、年収を16で割った値を月給としているように見えます。たとえば、250万円/16 = 156,250円 です。
つまり、「ボーナスはないものとし」ではなく、夏冬ボーナス2か月分ずつ、という場合の計算ではないでしょうか。
私が何か見落としているのでしょうか。
宮沢先生が国民民主を引き戻す方法は、簡単です。
宮沢先生が税調会長辞任するのではなく
控除を178万円から、もっと上に引き上げれば
良いだけの事です。
キレイサッパリと、切りがいい200万円で交渉すれば、無問題。
新宿会計士さんへ、
わたし、見る表を間違っているのでしょうか?
■ 図表 年収と月給、月手取りの対応表 では「次の図表は、ボーナスが年2回・合計で月給の4ヵ月分出ているという勤労者の場合(つまり月収は年収の16分の1という場合)の、著者自身の試算に基づく毎月の手取り額です。」
と、書かれています。一方、最後の
■ 試算の前提 では「被用者は40歳以上で東京都内に居住し、東京都内の企業に勤務しているものとし、給与所得以外に課税される所得はなく、また、ボーナスはないものとし、月給は年収を単純に12で割った値とし、」
と記されています。
んっ??
本件、維新の怪しい動きが確認されたことで、国民民主党は一気に窮地に追い込まれた印象を受けました。ここからは正論で殴るだけでなく、自民の土俵で永田町政治を戦わないといけない局面に引きずり込まれてしまっているのではないでしょうか。
自公 vs 国民民主という一対一の対決が担保されている場面では、正論で殴ればそれに世論も反応しますが、維新が自民の予算に賛成するようなことがあれば、国民民主は一気にキャスティングボートを失い、国民民主が正論を唱えても、交渉カードがないので相手にされません。
もちろん、これらは自公の支持率から見れば自らの首を絞めているようなものですが、一方で世間一般から見ると国民民主も、公約を実現する実力が伴っているない、というふうに見えてしまい、自公の一人負けから国民民主・維新を巻き込んだ痛み分けに持ち込むことができます。(何なら、前原・維新は自ら支持率を落としに行っている自爆行為。)
せっかく公開で・正論で議論するセッティングを国民民主が作り上げたのに、自民はそれをいとも簡単にぶち壊してうまく自らの土俵である寝技に持ち込まれたように感じます。
その意味で、次の戦いは自民と国民民主の間での維新の引っ張り合いだと思います。維新とうまく、改革政党同士での連携を作り、キャスティングボートを握り返さないとこの議論はこれ以上進まないのではないでしょうか。
>一方で世間一般から見ると国民民主も、公約を実現する実力が伴っているない、というふうに見えてしまい、自公の一人負けから国民民主・維新を巻き込んだ痛み分けに持ち込むことができます。(何なら、前原・維新は自ら支持率を落としに行っている自爆行為。)
この見方は違うと思う。国民民主党支持者からしたら維新が国民民主党の交渉の足を引っ張って減税の機会を潰した反減税派のように見える。
なので国民民主党は今まで通り愚直に政策を訴えていれば来年夏の参院選で負けることはなく、自公の負け、維新は変わらずか衆院選と同等の結果となる。
尤も、維新が国民民主党以上の立ち回りで国民の手取りを増やすことがあれば維新の一人勝ちもあり得るでしょうが。
「一気に窮地に」
とは、はて何を今さら。
そんなことは最初からわかってるじゃないですか?(笑)
自民党にはいろいろな選択肢があります。
①国民民主党と交渉する
②維新と交渉する
③立憲民主党と大政翼賛する
④やけくそで戒厳令を発する
口約束だけで①が同意してくれたらチョロいもんですが、引きずり込むもなにも、引きずり込もうとして肘鉄くらったから今は②なのですよね。
有権者としては、推移を観察して、次回の選挙で投票にフィードバックするだけ。
最初から、それだけの話ですよ。
維新や立憲民主党が、選挙前には反対!反対!と騒いでたのに、この展開で賛成に回るようならば、チョロい嘘つきの尻軽女だとあらためて知れ渡るので、とりまそこまでですわな。
新宿さんところの雑談では、自民党は国民民主党と握手して、それこそ
「178万円といわずに200万円にしよう」
と逆提案できれば石破が見直されるチャンスなのにね、とみんな批評しとる訳でして。
自民党がマヌケな選択を続けるなら、それは自民党がマヌケなことを意味するだけで、国民民主党がマヌケなことに短絡しませんてば。
そもそも、国民民主党にあまり議席を与えなかった有権者の自業自得。
国民民主党が無力だなあと有権者が思ったら、次回は2倍の議席を与えてみよう!という流れになるかもしれませんし。
なんでそうも、独りよがりな悲観でディスるのかしらん。
新宿会計士様
いきなりの大変不躾なお願い、申し訳ございませんでした。