遊園地で日本のキャラグッズを持つ中国人の子どもたち
千葉県にある著名な遊園地で中国人の数が増えているとするネット上の情報を見かけることが増えています。これについて、残念ながら中国人「だけ」が増えているのかどうかに関する統計データはありませんが、ただ、「すみっコぐらし」のポシェット、「戦隊モノ」の水筒を下げてアトラクションをワクワク待っている子どもたちの姿は、日本の子どもとまったくあまり変わりません。
明日公表される観光統計にも注目!
『【速報】訪日外国人数「3ヵ月連続で」3百万人を突破』などを含め、これまでしばしば取り上げて来ましたが、最近、日本を訪れる外国人が急増しており、とりわけ今年3~5月の3ヵ月間に関しては、いずれも訪日外国人が各月ともに単月で300万人を超えています。
日本政府観光局(JNTO)によれば、2024年6月分の訪日外国人数のデータは明日・17日(水)の午後4時15分に公表されるそうですが、個人的には、訪日客が4ヵ月連続で300万人を超えるかどうかには注目したいと考えている次第です。
もちろん、当ウェブサイトとしては、「たくさんの外国人観光客が日本にやってくれば良い」、などと単純には考えていません。
誤解を恐れずに申し上げるならば、「外国人観光客がたくさん日本を訪れてくれる」ことが、日本にとって純粋に「良いこと」かどうかに関しては、議論があるところですし、著者自身も以前から、観光客の人数目標撤回を呼び掛けて来た立場です(『【宣伝】正論2020年5月号に論考が掲載されました』等参照)。
ソフトパワー:某遊園地の状況
ただ、それと同時に、そもそも外国人観光客が日本に大挙してやってくれば、経済的な効果に加え、日本という国の「ファン」を世界に増やすという効果も期待できます。とりわけ見逃せない効果があるとすれば、それは、日本の「ソフトパワー」の影響力だと思います。
訪日客のだいたい6~7割は、中国、韓国、台湾、香港などの近隣国・地域出身者で占められていますが(※その割合は中・長期的に低落傾向にあります)、とりわけ中国人にとっては、言論の自由が貫徹し、秘密警察が人々を監視したりしない日本社会の自由さは大きな魅力ではないでしょうか。
こうしたなかで、ちょっとした気づきがあるとすれば、日本国内の某テーマパーク―――日本人にも大変に人気がある観光スポットのひとつである、千葉県にある「とある遊園地」―――に関する動向です。
このテーマパークを以前から訪れている人たちが最近、「園内に外国人観光客、とりわけ中国人が激増した」、などと口にすることが増えていて、ネット上でもブログ、SNSなどでも、そのような情報を、多く目にします(なかには「見渡す限り中国仁だらけ」、といった主張もあります)。
これについて、遊園地ごと・国籍ごとに外国人の訪問客数を調べた公的な月次統計などは現在のところみ、見当たりません。
しかし、この点、株式会社オリエンタルランドの『ゲストプロフィール』のページによれば、2016年に8.5%だった外国人の割合は、2023年には12.7%にまで増えたそうです(想像するに、現時点ではさらに増えている気がしますが、体感的には15~20%程度でしょうか?)。
ちなみに同じく株式会社オリエンタルランドの『入園者数』によると2023年の入園者数は22,507,000人だったそうですが、外国人はこのうちの約286万人を占めていた計算です。
また、国土交通省・観光庁『インバウンド消費動向調査(旧訪日外国人消費動向調査)』のページに掲載されているレポート(たとえば『2023年年次報告書』P25)などでも、外国人観光客の25.6%(つまり4分の1)がテーマパークを訪れた、などと記載されています。
JNTOデータによると2023年を通じた入国者は25,066,350人でした。この4分の1が何らかのテーマパークを訪れていたとしたら、2023年にテーマパークを訪れた外国人は627万人と計算できます。
もちろん、これらのすべてが観光客というわけではなく、ビジネス客なども含まれているとは考えられますし、また、テーマパークは千葉県にある「あそこ」だけではありませんが、いずれにせよ、「見渡す限り中国人ばかり」は誇張にせよ、事実無根というわけではないでしょう。
(※ちなみに日本人にとって「中国人が目に付く」理由はおそらく、単純に、日本と中国では文化や人々の所作、振る舞いなどが異なるためであると考えられ、したがって、どちらが良い、悪いという議論ではありませんのでご注意ください。)
すみっコぐらしのポシェットを下げた女の子
こうしたなかで、ふと気づいたのが、その訪日中国人の行動です。
少なくとも著者自身が目にする限り、中国人観光客と思しき人たちが、一部サイトで指摘されているような、「列を割り込む」、「所構わずゴミを捨てる」などの行動を取っているのを見たことがなく、むしろ日本にいる間は日本に馴染もうと努力している人もいるように見受けられます。
ただ、個人的に目撃した事例の中で、最も驚いたのは、中国人を含めた外国人が、日本のキャラクター・グッズを好み、日本滞在を全力で楽しんでいるという姿です。
たとえば、ローラーコースター(※著者自身は大っ嫌いです)を待っている間に目撃した中国人親子のケースでは、女の子が日本で買ったと思しき「すみっコぐらし」のポシェットを、男の子が日本の戦隊モノの水筒を、それぞれぶら下げていたことです。
ネットなどで調べると、戦隊モノは中華圏にもそれっぽいものがあるようですが、サンリオ系の製品は基本的に日本のものが受け入れられているようです(といっても、肝心の製品などは多くの場合、メイド・イン・チャイナではないかと思いますが…)。
とくに、すみっコぐらしのポシェットや戦隊モノの水筒などをぶら下げ、ローラーコースター(念のためもう1度言いますが、著者自身は大っ嫌いです)の順番が来るのをワクワク待っている子どもたちの姿は、日本のそれとまったく変わりません。
中国人は日本に住むことに憧れている?
かなり以前、とある中国駐在経験者の方の書籍を読んでいたら、中国ではとくに2000年代、日本に対する敵愾心(てきがいしん)を煽るかのような反日ドラマが毎日のようにテレビで流されていたそうですが、そのわりに、経済発展して豊かになった人たちは日本に憧れるというのは興味深い現象です。
こうしたなかで思い出すのが、著者自身の仲の良い不動産業者の説明です。
この業者によると、コロナ禍の時期に低調だった中国人の不動産取得需要が再び高まっているそうであり、とりわけ最近だと、東京都内などの中古不動産物件を、市場相場を度外視してまで買い漁るような動きもみられる、などとしています。
それも、少し前までであれば、それらは単純に「投資用物件」だったそうですが、最近だとこれを自己居住用として購入するケースもあるのだとか。
『最高値目指す株式・中古マンションと「資産防衛手段」』などでも取り上げましたが、とりわけ都内では不動産価格の高騰が続いており、2024年5月時点で成約物件の平米単価が100万円を突破している状況にあります(なお、6月分データも出ていましたので、図表はアップデートしておきます)。
図表 中古マンション成約状況(東京都)
(【出所】公益財団法人東日本 不動産流通機構データをもとに作成)
こうした状況がいつまで続くのかはわかりませんが、いずれにせよ、「敵愾心」を抱いているはずの日本で遊びたがる、あるいは日本に住みたがる中国人が、潜在的にはかなりの割合で存在するのではないでしょうか。
日中関係はますます一方通行に!?
この点、『人的往来で見る日中関係の「実態」:中国こそ努力せよ』でも指摘したとおり、最近、日本にやってくる中国人が戻りつつあるのに対し、どうやら中国に渡航する日本人が急減しているフシがあります(といっても、統計的にはデータは不十分ですが…)。
これは単純にビザの問題もあるのですが、もっと深く、「文化への憧れ」という視点も無視できないように思えてなりません。「日本に憧れる中国人」は増えている一方、「中国に憧れる日本人」がどうなっているのかについては、気になるところです。
いずれにせよ、先日から指摘している通り、統計で見ても、日中関係は日中で平等な往来が見られるという状況にはありません。ますます一方通行化しているように思えてならないのです。
こうした状況が今後、どう変化するかについては、注目点のひとつといえるのではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
中国では、「すみっコぐらし」も戦隊モノシリーズも、将来の中国領で作られていることになっているのでは、ないでしょうか。(もしかしたら、中国では千葉にある有名遊園地は、中国にあることになっているのでは)
日本の漫画やアニメのコンテンツ力は強いとの認識です。
昔のアニメが海外資本でリメイクされています
グレンダイザー(サウジアラビア)
ボルテスV(フィリピン)
ポケモンやドラゴンボールやワンピースといった漫画も人気があります。
詰まる所お金を稼げるのです。
資源もなしにお金を生み出す、日本にとって理想的な商売です。
これからは投資して翻訳の加速
販路の拡大などしていくのはどうでしょうか?
かつて国立メディア芸術総合センターの問題がありました。
国営漫画喫茶など誹謗中傷され廃案となりました。
現代の目線から言うと明らかな失策です。
コンテンツを保全することにより金を生み出すのですから。
こうした事を旧民主党が主張していた事を忘れてはいけません。
・世界のキャラクター総収益ランキング【2024年最新】
ポケモンがぶっちぎりの1位(1,470億ドル)。トップ50のうち日本のコンテンツが21作品ランクインしています。
どう見ても日本の一大産業ですね。これからも新たな人気キャラが生み出されていくでしょう。
https://nobuchom.com/worlds-media-franchises-revenue/
https://ipmag.skettt.com/detail/ip-sales-ranking
リメイクだったらよいのですが、無許可の劣化コピーもあります。
https://ameblo.jp/peachsoda5/entry-12168483065.html
紅蓮ザイザー?北斗の拳のスピンオフかな?
内臓も秘孔も左右逆になってたキャラ
「ザイザー遺伝子」という学名もあるらしい
出銭園は大陸にも無かったでしたっけ…?
てのはとりまおいといて、
「日本のパスポートが便利だから!」とマスメディアで“公言”する帰化人も居られるやうですから、大陸の方々が“自身の居住用に”不動産を買い漁っておるならば…先々暗澹たる気分になってマイマンナ…
コロナ前に上海のディズニーランドに行きましたが
相変わらず何処でもトイレは健在でしたね。
今年の秋ごろに久しぶりに友人を訪ねて上海に行くつもりですが
時間があれば、その後の様子見でもしてきますかね。
日本が将来の円高に備えるには、付加価値が高いもの即ち原価が低いもので稼げる国にならなければいけません。
文化芸術や観光に加えて、研究開発に力を入れて付加価値が高く競争力のある産業の育成により一層力を入れないといけませんね。これは製造業だけでなく、農業、林業、水産業なども同じです。
日経などマスコミは現在の円安を「安いニッポン」などと散々茶化していますが、産業に携わっている方々は、この円安を千載一遇の好機と考えて新商品や新サービスの開発と普及に邁進して頂きたいと思います。
くれぐれも、政治や行政が民間の足を引っ張ることが無いよう願いたいものです。
会計士さん自身が仰っているように、「観光業は日本経済を引っ張らない」ものですし、外国人が日本のルールを守ってくれないというのも、この板に来ているビジターさんならみんな知っていることだと思うので、何度も観光業ネタを出しても時間の無駄と思うのですが 。
中国人がなんちゃらという話題も、色々なところで議論し尽くされておりますし。ここならではの話題を振った方が生産的かと思います。
本国アメリカでは家族ずればかりで、カップルなど皆無です。確かに入場者はいるものの、日本のような「ブランド臭」はしません。
東京ディズニーランドの成功例は、日本だけの特殊例だったりします。
個人的には、魅力を全く感じませんが。日本だけですからね、「ブランド化」に成功したのは。
>「中国に憧れる日本人」がどうなっているのかについては、気になるところです。
ここ数年、「日中友好」や「日韓友好」をオールドメディアが取り上げる際は
「中国人/韓国人が日本に来たがっている、だから友好は可能なはず」と言った
(あまり説得力を感じない)論調ばっかりになっている気がします。
一方で日本人の中国・韓国に対する感情は言及を避けている傾向があると思う。
10年くらい前だと「反日なんて嘘、嫌中韓してる日本人がダサイだけ」と言った
スタンスだった記憶があるのですが、もうオールドメディアは
”日本人の感情”は報道しない自由に頼るしかない、と言う事でしょうか。
日本に帰国したら周りが日本人だらけでびっくりしたのを思い出したけど、あんな感覚なんだろうか?w