日テレだけが募金活動見送り…その背景を東スポが取材
能登半島地震から1ヵ月が経過するなか、民放各局は募金活動を実施したのだそうですが、昨年発覚した『24時間テレビ』の募金着服事件の影響で、日本テレビだけが募金活動を見送っていたことが、東スポの取材で明らかになったのだそうです。ただ、東スポの報道が事実なのだとしたら、日テレは視聴者から見えないところで、この問題に対応していることになります。日テレに、たとえば自民党の「政治とカネ」問題を追及する資格があるとも思えません。
目次
例の『24時間テレビ募金着服事件』のその後
当ウェブサイトではこれまで、『24時間テレビ募金着服事件』をしばしば取り上げて来ましたが、これにいくつかの「進展」(?)があった模様です。
24時間テレビ募金着服事件とは?
『24時間テレビ 愛は地球を救う』(以下「24時間テレビ」)を巡り、日本テレビの系列局・日本海テレビは2023年11月28日、同社の幹部職員が長年、同番組を通じて集まった募金を着服し、飲みやスロットなどの遊興に充てていたと見られると発表したもの。
この募金着服事件は、日テレの系列局・日本海テレビで発生したもので、あろうことかテレビ局の幹部が募金という人々の善意を踏みにじったという意味においても深刻な問題ですが、それだけではありません。
本件に関する当事者である、①日本海テレビ、②日本テレビ本体、③番組(公式ホームページ)、そして④公益財団法人24時間テレビチャリティ委員会の対応が、なかなかに印象的なのです。
日本海テレビは謝罪を掲載しているだけまだマシ
まず、①事件を起こした当事者である日本海テレビについては当面、当該プレスリリースへのリンクをウェブサイトのトップページに掲載していたが、遅くとも1月31日までにはこのリンクをトップページの目立つ場所からは削除してしまったようなのです(※ただし、リンク自体は「お知らせ」欄に移されています)。
自社にとっての都合の悪い話だからという理由で、シレッとリンクを目立たない場所に移すというのは、決して褒められた態度とはいえません。
マスメディア各社は「報道」という事実上の「権力」を使い、一般企業が不祥事を起こした際に、舌鋒鋭くその企業を批判してきたわけですから、自分たちが起こした不祥事に関しても同様に、本来、社会からの忌憚なき批判を受け入れる義務があるからです。
ただ、日本海テレビは(目立たない場所に移したとはいえ、また、謝罪文のフォーマットも画像ファイルというふざけた形式であるとはいえ)謝罪を掲載しているだけまだマシなほうです。
通常、この手の不祥事が一般企業で発覚した場合は、まずは番組を放送したすべての系列局において、視聴者にお詫びをしたうえで、速やかに第三者委員会などを組織して似たような事例がないかを調査し、調査結果を迅速に報告するのが筋でだからです。
日本テレビチャリティー委員会、『お詫び』リンクを抹消していた!
それなのに、たとえば②日本テレビ、③24時間テレビ番組公式ホームページなどを見ると、現時点までに本件について公式に何らかのコメントが出されている形跡はありません。現時点に至るまで、完全に黙殺を貫いているかにも見えます。
そのうえで理解に苦しむのが、④『公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会』の対応でしょう。
同委員会は事件発覚以来、少なくとも1月末ごろまでは、『お詫び』と題する本件に関する釈明を、目立たないように小さく掲載していました。
ところが、これについて先ほど確認したところ、この『お詫び』のページ自体が、同委員会ウェブサイトから削除されているようなのです。
トップページを見てもリンクが消えていますし、リンクのURLの文字列 “https://www.24hourtv.or.jp/activities/articles/24htccem03v16vtdnt95zq.html” をウェブブラウザのURL欄に直接貼り付けると「404 Not Found」が表示されてしまいます。
あれでしょうか?
24時間テレビ、日本テレビグループとしては、募金着服事件は「完全になかったこと」にしたいのでしょうか?
少なくとも現時点までの同社グループの対応はとうてい誠意のあるものとはいえませんし、通常の企業だと、消費者への釈明や謝罪が遅れれば遅れるほど、加速的に信頼が傷つきます。
実際、検索エンジンではすでに、『24時間テレビ』といえば「募金着服」などのサジェスト機能が働いている模様です(図表)。
図表 検索エンジンで「24じかんて」と入力した結果の例
(【出所】https://www.google.co.jp/の検索ボックスで2024/01/04 11:30頃に実施した結果のスクリーン・ショット)
東スポ「日テレだけが地震で募金活動を見送り」
こうしたなか、能登半島地震が発生してからちょうど1ヵ月となる1日、『東スポWEB』がちょっと気になる記事を配信していました。
【独自】日本テレビだけが能登半島地震で募金活動を見送っていた 取材に同局認める
―――2024/02/01 05:16付 Yahoo!ニュースより【東スポWEB配信】
東スポによると、能登半島地震の被災者支援で民放各局が棒金活動を展開するなか、「日本テレビだけがこれを見送った」ことが取材で明らかになったのだそうです。
これについて、東スポはこう述べます。
「見送った理由は昨年、『24時間テレビ』のチャリティー募金で発覚した着服問題だ。地震発生から1日で1か月。着服問題は尾を引いている」。
これは、いったいどういうことでしょうか。
東スポによると、たとえばテレビ朝日は『ドラえもん募金』と題し、1月4日から18日にかけて募金活動を実施し、集まった2億1000万円を石川県に寄付したそうであり、また、TBSは系列テレビ・ラジオ局と現在も実施中で、先月29日までに集まった3億8020万4509円を被災地に寄付。
フジテレビは系列局とともに『サザエさん募金』と題し、2月15日まで募金を受け付けているほか、テレビ東京も自社グループで募金を呼び掛けている、などとしています。
ところが、日テレは24時間テレビチャリティー委員会が地元自治体への義援金拠出を決定したものの、肝心の募金については呼びかけないままだ、というのです。
いわれてみれば、そのとおりです。
改めて24時間テレビチャリティー委員会のウェブサイトを確認してみると、たしかに1月5日付で『石川県、福井県、富山県、新潟県に義援金拠出を決定』という発表を出しているものの、募金を呼び掛けるウェブサイトの記述は見当たりません。
これは、たしかに不思議ですね。
視聴者から見えないところで「再発防止策を策定」
東スポによると、民放キー局のなかで「日テレだけが募金活動をしていない」背景には、この着服問題がある、などとしたうえで、「テレビ局関係者」のこんな発言を取り上げます。
「チャリティー募金の着服問題で募金管理のあり方を問われ、募金活動を断念したといわれました」。
そのうえ、東スポが日テレ総務局広報部に①募金活動をしていないのは事実か、②着服問題を受けて募金活動をしなかったのか――と取材したところ、こんな回答が来たのだそうです。
「チャリティー委員会では昨年の日本海テレビジョンの寄付金着服の事案を受け、外部識者を交えた検討チームと共同で再発防止策を策定中です。再発防止策などを公表できるまで、募金活動は見送らせていただいております」。
これは、なかなかに興味深い情報です。
東スポの記事が事実なのだとしたら、やはり日テレの内部では、募金横領事件を受けた対応が協議されている、ということなのでしょう。そして、そのことを視聴者に伝えず、秘密裏に進めている、というわけです。
自社の不祥事については視聴者に見えないところで対応を検討中、というのも驚きです。たとえば自民党の「政治とカネ」の問題などを巡っても、舌鋒鋭く批判する資格が、少なくとも日本テレビにはないことはあきらかでしょう。
このあたり、先日の『今度はドラマで原作改変…不祥事は日テレの体質問題か』でも取り上げた、「マンガの原作クラッシャー問題」もそうですが、どうもさまざまな不祥事は、突き詰めていけば日本テレビ、あるいはテレビ業界全体の体質の問題であるように思えてならないのですが、いかがでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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素朴な疑問ですけど、募金着服問題で日テレ系以外の地方局は大丈夫でしょうか。地方局は、なかなか経営が厳しいと聞きますし。(もっとも、他局も視聴者の見えないところで、再発防止策(?)を検討しているかもしれませんが)
蛇足ですが、日テレは社員対象で、能登地震への募金活動をしていないのでしょうか。もっとも、制作会社に一定額以上の募金を強要する危険性もありますが。
もしかして、今の日テレは、募金着服の再発防止策より、原作のあるドラマの制作問題で忙しいのではないでしょうか。
日テレさん、募金しないのは別にかまわんけどさ、
NHKさん、被災地域で受信料3年免除とかしないんすかね(笑)
「地震でテレビが壊れて、なくなった」と言えば、NHK受信料の支払いはなくなるのでしょうか。(それでも、自動的に口座から引き落とされたりして)
日テレさんにおかれましては、不祥事の影響で募金活動はまだしづらいでしょうが、かといってメディアがもつ企業理念に照らして災害支援が出来ないのもさぞ心苦しかろうと推察します。
ならばご自慢の募金よりも少額になってしまうとはいえ、単純に企業として寄付をなさってはいかがでしょうか。何せ日テレさんは知らぬものは居ない程の日本有数の超有名企業です。自動車各社や製造業なども相次いで寄付をしています。石川にゆかりのある企業、特にコマツなどは被災2県に計6億もの寄付をしているようですし、その他製造大手、化学メーカーなども1000万円前後の寄付が表明され、製造メーカーなどは物資そのものである製品を寄付しています。
というのも今のところちょっと探してもTV局が”自社から寄付”をしたというのは、探しても見つかりませんでしたので。きっと唸るような額の寄付をご準備頂いている最中なのだろうと期待をしております。
日テレが能登地震の募金活動をやりたければ、日本赤十字の銀行口座を案内すればできると思う。
それによって24時間テレビをやめる替わりのものを企画していかないと今年の8月は来ない。
1.今、日テレが募金活動すれば、着服問題が再燃して忘れられるのが遅れる
2.今、日テレが募金活動しても、募金が集まらずに恥をかく
再発対策などと、偉そうなことを言ってても、心情としてはこんなところだろうと思います。
再発防止策を検討中であるとも公表されていないので、それすら疑わしい。
日テレがこの件で黙り込んでるのは、
「自民党が疑惑に答えていない!」
というのと、なにが違うのでしょうかね?
日テレだけじゃなくて他のメディアも
「日テレは疑惑に答えてない!」
と自民党に言ってるのなら同じように質問すべき。
(理屈の上では)
なおかつ、能登半島へのチャリティ募金では
「うちはネコババしていません!」
「なぜならばこういう監視と監査をしてるから」
と率先して公開すればイイのにね。
(なぜしない?)
同じように野党は、
「うちは政治資金のキックバックしていません!」
「なぜならばこういう監視と監査をしてるから」
と率先して公開すればイイのにね。
(なぜしない?)
山本太郎や杉尾もそうですが、
「やったこと」
よりも
「やたなかった/やれてないこと」
が、呆れますね。