岸田さん、「減税メガネ」で衆院選圧勝を目指しては?
岸田首相のことを「増税メガネ」と批判したとしても、日本では逮捕・投獄されることはありませんが、もしも増税に踏み切るつもりなら、政権公約に増税を掲げたうえで有権者の信を問うのが筋でしょう。もっとも、自民党の森山裕・総務会長が1日、北海道で講演し、経済対策として減税を行うなら「国民の審判が必要」と述べたそうです。岸田首相が減税を公約に掲げて解散総選挙に踏み切ればどうなるでしょうか。
罪刑法定主義と租税立法主義
個人的に「法治国家」の重要な要件は、租税立法主義と罪刑法定主義にあると考えています。
租税立法主義は「法律で定めなければ国家は個人に税を課すことができない」とする考え方であり、また、罪刑法定主義は「法律で定めなければ国家は個人を犯罪で罰することができない」とする考え方です。これはどちらも大変重要な考え方です。
- 租税立法主義…法律で定めなければ国家は個人から税を徴収することができない
- 罪刑法定主義…法律で定めなければ国家は個人を犯罪者として罰することができない
このうち罪刑法定主義については、北朝鮮を考えてみれば、すぐにわかります。
北朝鮮では独裁者である金正恩(きん・しょうおん)を侮辱しただけで逮捕されるそうです。これについては数年前のこんな記事を読むと明らかでしょう。
北朝鮮メディア、金氏を侮辱したトランプ氏に反撃「死刑に値する」
―――2017年11月15日 15:53付 AFPBBニュースより
AFPBBニュースによると、ドナルド・J・トランプ米大統領(当時)は金正恩について、ツイッター(現・X)に「私は彼のことを『チビでデブ』だなんて絶対に言わないのに、どうして金正恩は私のことを『老いぼれ』と呼んで侮辱するのだろうか?」と投稿。韓国議会でも北朝鮮を「無慈悲な独裁政治」と批判したそうです。
これに対し北朝鮮の国営メディア『労働新聞』が社説で、トランプ氏の金正恩に対する侮辱を「死刑に値する」と批判したそうですが、事実を述べただけで「死刑に値する」などという表現が簡単に出てくるあたり、北朝鮮では金正恩に対する悪口が社会的タブーとなっている証拠でしょう。
岸田首相を「増税メガネ」と批判したらどうなる?
しかし、日本を含めた法治国家の場合だと、「これをやれば犯罪になりますよ」、「この場合はこんな刑罰が科せられますよ」、という行為が事前に列挙されており、当たり前ですが、法律に定められていない罪状で、いきなり死刑を宣告されることはありません。
たとえば岸田文雄首相のことを「増税メガネ」などと批判したとしても、首相官邸から出頭命令が来ることはありませんし、秘密警察に捕まることもありません。日本では、政治権力者に対する批判は、犯罪ではないのです(殺害予告などの反社会的行為は別として)。
さて、その一方でもうひとつの重要な原則である租税法定主義も、やはり同様に、非常に重要な原則です。
税金とは、いわば、「本人の意思に反して国家がその人から金員を徴収する制度」のことですが、当然のことながら、公平性は重要ですし、予見可能性も大切です。企業経営者にとっては、ある期にいきなり法人税率が変動すれば、利益計画やタックス・プランニングも狂ってきます。
なにより、国が新たな税を課すならば(または税率を引き上げるならば)、それは国民のコンセンサスを得ることが望ましいといえます。
民主党は政権公約違反をした
こうした観点から、2014年4月と19年10月の、2度に及ぶ消費税等の増税について振り返っておくと、やはりいろいろおかしいといわざるを得ません。
そもそもこの増税が決定されたのは、2012年の話です。当時の野田佳彦首相が率いる民主党政権が、野党だった自民、公明両党とともに増税法案を通したのですが、その民主党は2009年の政権公約で、増税を織り込んでいませんでした。
以前の『先祖返りする立憲民主党、今度の標語は「変えよう。」』でも指摘したとおり、自民党総裁の麻生太郎総理は条件が整えば増税すると明言していましたが、むしろ2009年の公約では、民主党は増税を謳っていませんでした。
民主党は立派な公約違反をしたのです。
この点、普段から当ウェブサイトにて指摘しているとおり、いかに法律に従ったものであるとはいえ、消費税等の増税を断行したのは、野田元首相ではなく、安倍晋三総理大臣です。
いちおう、自民党側に公約違反はありませんでしたが、それでも安倍総理は2014年4月に関しては法律通り粛々と増税しましたし、15年10月の増税については19年10月まで4年遅らせたものの、最後は増税に踏み切っています。
自民党にとっては、「公約に反して増税をしやがって」、という国民からの批判は民主党(現在の立憲民主党)に向けられるなか、粛々と増税を達成した格好です。
ただ、今後の増税は、やはり難しいかもしれません。これはもちろん、社会のネット化が進んだことで、じつは日本の財政状況は増税を必要としていないという実態が徐々に露呈し始めているからです。
もちろん、自民党が今後、政権公約で増税をしないと謳っておきながら、「だまし討ち」的に増税をする、という可能性はゼロではありませんが、さすがにそれをやってしまうと、かつての民主党政権と同様、国民からは不信の目を向けられることになりかねません。
もちろん、自民党が公約にない法案を通してしまった事例としては、2022年の参院選の公約に含まれていなかった「LGBT法」を今年強行採決したという事例がありますが、さすがに「公約違反」を税法の分野でやってしまうまでには自民党は落ちぶれていないと信じたいところです。
森山氏は減税に言及したが…?
もっとも、それと「真逆」の話題がひとつ出て来ているようです。
減税なら国民の審判必要 森山氏、経済対策巡り
―――2023/10/01 18:59付 Yahoo!ニュースより【共同通信配信】
共同通信の報道によると、自民党の森山裕総務会長は1日、北海道で講演し、政府が10月中に取りまとめる方針の新たな経済対策で減税が検討されている点に関し、「税に関することは国民の審判を仰がなければならない」と述べたのだそうです。
この発言を巡り、共同通信はこう述べています。
「衆院解散の大義になり得るとの考えを示した発言とみられる」。
もちろん、森山氏が「衆院解散」に言及したわけではありませんし、だいいち解散するかどうかを決めるのは自民党の四役ではなく岸田首相本人ですので、この発言をもって「減税を掲げて衆院解散」、というストーリーが成り立つ、と決めつけるには早計です。
ただ、あくまでも一般論ですが、経済成長に伴い社会全体の賃金水準が上昇していけば、たとえば名目所得で決定されている所得税の累進課税制度のもとで、少なくない国民が意図せざる増税に直面してしまうような事態も考えられます。
したがって、所得水準が上昇してきた場合の「意図せざる増税」を回避するためには、基礎控除、所得税額控除をそれぞれ引き上げる必要があります。
同じことは、事業者にもいえる話です。
たとえば、中小企業の要件を満たすなどした場合、法人税等の低い税率が適用される所得額を年間800万円から2000万円程度に引き上げる、消費税の簡易課税制度の適用要件を「年間売上高5000万円まで」ではなく、「年間1億円まで」に引き上げる、といった手当も必要となるかもしれません。
これに加えて生活者に対する支援という観点からは、消費税等の軽減税率を現行の「8%(=6.24%+1.76%)」ではなく、たとえば「0%」に設定したうえ、この軽減税率を食品全般や生活雑貨などに広く適用すれば、事実上の消費税の大幅な減税効果が生じます。
もしそれをやれば、自民党が衆院選で圧勝する可能性は高まるでしょう。
岸田首相がこうした大胆な減税を掲げて選挙解散総選挙に踏み切るかどうかは知りませんが、もしもそれをやったならば、岸田首相は「増税メガネ」ではなく「減税メガネ」に暮らすチェンジする…のかもしれませんね。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
増税発言は政府をわが意のままに操ろうとする官僚機構向けの甘言でした。
世論のちからで減税と言い換えさせることができれば、岸田文雄首相の無謀運転を止める絶大な効果を発揮するに違いありません。
最近、岸田氏自身も減税を口に上らせるようになったようですね。毎日の扱いでこれです。
岸田首相、唐突の“減税”強調 解散念頭? 幹部「企業減税では…」
https://mainichi.jp/articles/20230929/k00/00m/010/368000c
「政権を維持したい」という邪な欲求が「減税解散」につながるなら、今の経済状況なら国民にとってもwin-winでいいと思います。勝てる解散を模索してるんでしょうなぁ。
逆に公約以上の減税はできない、ということになるので減税策が小粒だと「やっぱり岸○田」になる気もします。
まあ、会見で述べた減税策程度では「減税には解散が必要」の前例は作って欲しくないですね。
岸田氏は過去に増税を言っては叩かれて引っ込めるを繰り返していますが、財務省のイヌのフリをしながら財務省を納得させるための茶番説を、可能性は低いながらも一応頭の隅に置いてます。(笑)
今回の動きも評価の補助線の一つにはなるかと思っています。
減税に国民の審判が必要?そんな審判は要らない。ただ宗教団体への課税、企業の留保金への課税そして、庶民への減税は必要ではあるが消費税の廃止が一番平等でしっくり来る。岸田のバカはもしかして経済を知らないのではないか?だからザイム真理教の信者に成り下がる。外交の岸田?カネをばらまいて騙されるのが外交ならおれの方がマシだ。野党がだらしがないのだ。野党にましな存在があればちったぁましな総理がでてくるはずだ。しかし、鳩山由紀夫、菅直人、岸田文雄、、録な人物がいないなぁ。亡国の危機だ!あ、橋本竜太郎なんてのもいたな。ハニートラップに引っ掛かった奴。最低だ!
岸田氏には目指す国家ビジョンが無いので、右往左往しているだけです。明日には財源が必要だー、何て言ってますね。
仮に減税を公約に掲げて選挙で勝ったとして、岸田氏がそれを実行する保証はありません。これまでの岸田氏の姿勢で判断するしかない。私には岸田氏の言葉に信頼感は無いです。
来年の総裁選で岸田氏にはすんなりと再選なんかして欲しくない。施策的な実績は一つ二つあるかもしれませんが、首相としての実績は無い。外交、経済、行政改革、少子化など。むしろ新たに移民問題やLGBTという問題を発生させる始末。
果たしてこんな首相で良いのか、自民党の議員の良識と勇気を信じたい。安倍派は人数が減ってもいいので、新しいリーダーを決め、自民党を右寄りに修正して欲しい。そのために冷や飯食っても良いじゃないですか。
岸田は減税するかな?
1.検討しただけで、実際は減税選挙しない
2.減税選挙で圧勝したけど、実際に減税しない「やるやる」詐欺
3.減税選挙でほどほど勝ったので、「民意が得られたとは言い難い」詐欺
4.選挙に負けて減税しない
私は、どう転んでも岸田は減税しないと思うなぁ。。。
(やったとしても法人税減税まで)
(労働者に還元は無し)
消費税増税は社会保障財源が名目だったと思いますが、社会保険料増も着々と進み今年の国民負担率は46.8%に達し消費税を乗せれば50%を超えます。
22歳就職、65歳退職の場合の税と社会保険の平均負担率は以下です。
1970年就職-2012年退職 33.8%
1990年就職-2032年退職 40.7%
2010年就職-2052年退職 45.6%
※2023年以降は負担率が同じとして計算
住宅借入金の税の減免や育児関係の充実は有り難いとは思っていますが、高負担自体が結婚や出産を躊躇わせるなら、税の再分配などないほうがマシですし、財源にSDGsやらLGBTだのといったゴミが群がるのはおぞましいの一言に尽きます。
既に重すぎる人口構成を背負ってしまった日本の再成長は減税程度で解決しないというのが私の意見ですが、減税するなら痛みと引き換えに社会保険料もセットで削り、肥大化した社会保障に喝を入れるべきだと思っています。
財務省:
令和5年度の国民負担率を公表します
https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/futanritsu/20230221.html
岸田氏が「減税」で選挙に勝つ方法は1つしかありません。
それは、「選挙前に大幅減税を実行する」です。
国民が、選挙前に岸田政権の恩恵を実感することができれば、安倍総理の時代を上回る、地滑り的な圧勝も夢ではないでしょう。
まあ、今の政権幹部の発言を見る限り、実施される見込みはほぼ皆無ですが…
「増税メガネ」の汚名返上のため
コンタクトにしてみては? 違うか。
しかし、それくらいに何がダメなの
か理解できていないようにおもえる。
レーシックは?
そっちでもない。