日本人の年収を外貨建で議論しても無意味な理由

日本人の所得をドル建てに換算して諸外国と比較し、「日本は貧しくなった」と論じても、正直、あまり意味がありません。大部分の日本人が円建で給料を貰い、円建て生活しているわけですから、日本人が豊かか豊かでないかを論じるうえで最も重要な要素は「年収をドル換算した額」ではなく、「円建ての年収」であり、円建ての物価水準ではないかと思うのです。

円高、円安のメリットとデメリット

以前から当ウェブサイトでは、「為替変動は単純にその国の日本経済に良い影響を与えるとも悪い影響を与えるとも限らない」が、「現在の日本経済の条件に照らしたら、統合的に見れば、円高よりも円安の方が望ましい」と指摘し続けてきました。

その際に使用している図表が、これです(図表1

図表1 円高と円安のメリットとデメリット
区分円高円安
輸出競争力×輸出競争力は下がる〇輸出競争力は上がる
輸入購買力〇輸入購買力は上がる×輸入購買力は下がる
国産品需要×輸入品に押され需要減〇輸入代替効果で需要増
製造拠点×海外で作った方が有利になる〇国内で作った方が有利になる
海外旅行〇海外旅行に行きやすくなる×海外旅行に行き辛くなる
国内旅行×海外旅行に押され需要減〇海外旅行の代替で需要増
訪日観光客×外国人は来づらくなる〇外国人が来やすくなる
外貨建資産×為替評価損が生じる〇為替評価益が生じる
外貨建負債〇為替評価益が生じる×為替評価損が生じる

©『新宿会計士の政治経済評論』/出所を示したうえでの引用・転載は自由

ただ、この図表、すべて文字情報で書かれているため、やはり見やすくはありません(個人的には頑張ったつもりですが…)。

マクドに行く過程で思いついた「図表」

こうしたなかで、やはり、「もっと絵で見てわかりやすい図表」というものはできないか、などと考えていたところ、9月末で失効直前の某マクド・ナルド社の株主優待券を金券ショップに買いに行ったときに、パッと頭に浮かんだのが、こんな図表です(図表2)。

図表2 円高と円安のメリット・デメリット

©『新宿会計士の政治経済評論』/出所を示したうえでの引用・転載は自由

この図表2、出来上がってから気が付いたのですが、先ほどの図表1に含まれていた「日本人が国内観光に向かうかどうか」という項目がすっぽり抜け落ちてしまいました。これはうっかりミスですが、ただ、円高と円安のメリット、デメリットについては、それなりにわかりやすく示せたのではないかと思います。

(※ちなみにどうでも良い話ですが、某マクド社の株主優待券は600円で買えました。それを肉2倍仕様のビッグハンバーガー700円也、ポテトLサイズ420円也、メロンフロート360円也、しめて末端価格1,480円相当の商品と交換できたわけですから、笑いが止まりません。)

経済オンチ・日経の支離滅裂な記事

さて、ハンバーガー論も重要ですが、本稿の主題は円高、円安です。、このメリット、デメリットについては、先週の『経済を知らない?日経新聞「長引くデフレで円安進行」』などでも個別具体的に示しているので、その内容の細かい解説は、本稿では割愛します。

ただ、何がいちばん言いたいかといえば、こうした基本知識すら踏まえずに、現在の円安を「日本経済に悪い影響を与えている」などと決めつけることは間違いである、という点です。先週紹介した次の記事が、その典型例でしょう。

円の実力、過去最低に 円安など響き1970年を下回る

―――2023年9月21日 18:02付 日本経済新聞電子版より

現在、日本円が実効為替レートで見ても過去最低水準に落ち込んでいることは事実ですし、また、その円安をもたらしている原因のひとつが、日銀による金融緩和(日本国債などの買い占めやマイナス金利政策の継続)にあることは間違いありません。

だからこそ、「悪い円安論者」たちは、日銀に「今すぐ金融緩和をやめろ」、と要求するのだと思います。

日経新聞のように自称「経済専門紙」を騙っているメディアがこのような記事を配信することは、本当に悪質と言わざるを得ません。

「リーマン直後が日本にとっての最善の時代」、ということになるが?

なお、日経が紹介した国際決済銀行(BIS)の実効為替、グラフ化してみると、図表3のような具合です。

図表3 実効為替レート・対27ヵ国(日本)

(【出所】The Bank for International Settlements, “Download BIS statistics in a single file”, Effective exchange rate indices (daily, vertical time axis)  データをもとに著者作成。なお、データは起点は1983年10月3日であるが、グラフ製図の都合上、起点を同年9月に置いている)

「円安は悪い現象」だとでもいわんばかりの日経の論調だと、かつて円が最も強かった時期は、まさにリーマン・ショック直後(2008年9月)や民主党政権時代(2009年9月~12年12月)という、日本にとっての最悪期と見事に重なってしまうことになります。

間接的に、日経新聞はこの記事で、「デフレ・円高時代の2008年9月頃に戻れ」、とでも主張したいのではないかと疑わざるを得ません。

経済学を知らない人はこんな記事を書いてしまうのか

ただ、日経新聞がこんな支離滅裂な記事を掲載したためでしょうか、それとも別に何か理由があるのでしょうか、最近だと「悪い円安」論に関する記事を見かけない日はないほどです。ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に25日付で掲載されていたこんな記事も、もしかしたらそのひとつかもしれません。

イタリアに行くと「日本は超貧乏国」と痛感… 豊かになるために転換するしかない“政策”は

―――2023年09月25日付 デイリー新潮より

記事のタイトルだけでも何となく想像が付きますが、日本の平均年収は(ドル建てで)G7最低値となり、最近では韓国にすら抜き去られた、などと指摘。

そのうえで、日銀の緩和で円安が進んだことで「企業は濡れ手で粟の利益を得た」一方、「ゼロ金利政策のおかげで円安が維持されるので、輸出企業はあぐらをかいた」結果、「賃金も上がらない」し、「諸外国にくらべて日本人の購買力は低くなる一方」だ、というのがこの記事の概要です。

まともに経済学を勉強した人物のものとは思えない、なかなかに強烈な文章です。こうも自説にとって都合の良い部分のみにしか注目しない記事というのも珍しいからです。というよりも、日銀緩和について議論するならば、円高、円安だけでなく、「緩和の主目的に言及しない時点でアウトです。

ちなみにこの記事を執筆した人物、いったいいかなる経済・金融のバックグラウンドをお持ちなのかと調べてみると、「音楽評論家・歴史評論家」、とあります。

もちろん、経済学の素人の方が経済に関する記事を書くな、などと申し上げるつもりはありません。日本は言論が自由な国ですから、何をどう主張するのも自由です。

ただ、もし為替レートについて論じるならば、せめて当ウェブサイトに示した図表2の上の5項目くらいは頭に入れてから記事を書くようにした方が良いのではないか、などと思う次第です。

なお、いちおうマジメにいくつかツッコミを入れておきましょう。

そもそも論として、日本では有効求人倍率が軒並み1倍を突破していて、完全失業率も極めて低く、さらには物価上昇率も上昇に転じていて(図表4)、とくに「コアコア」が4%台を付けている(図表5)ことを、この記事では完全に無視しています。

図表4 有効求人倍率と完全失業率

(【出所】厚生労働省『有効求人倍率と完全失業率の推移』バックデータをもとに著者作成)

図表5 インフレ率(総合、コア、コアコア/いずれも年率)

(【出所】『政府統計の総合窓口』ウェブサイト『消費者物価指数』データをもとに著者作成。「総合」は「総合指数」、「コア」は「生鮮食品を除く総合」、「コアコア」は「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を意味する)

日銀の緩和は「デフレ脱却」を目的としたものであって、一般にインフレが進行すれば失業率が下がることが知られています(いわゆるフィリップス曲線)。つまり、日銀の緩和は日本経済を脱デフレまで「あと一歩」のところに持ってきたのであり、その意味では所期の目的を達成しようとしているのです。

もちろん、日本国内の物価上昇が国民生活に打撃を与えていることは間違いありません。

しかし、その反面、現在のように有効求人倍率が1倍を超えている状況が継続しているということは、これは日本経済において雇用が逼迫しているということを意味しますので、この状況が続けば、次に必ず来るのが賃上げです。

賃金は典型的な「遅行指数」でもあるため、経済成長が続けば、賃金水準もこれに伴い、伸びてきます。

なにより円安が日銀緩和の影響でもあることは間違いないにせよ、日銀緩和は為替相場の円安誘導を目的としたものではありませんし、もっといえば、日本経済の輸出入依存度はドイツなど諸外国と比べても低く、円建てで生活している国の給与などをドル換算して諸外国と比べても意味がありません。

ましてやこの記事では、もし日本人がイタリアに行けば「日本人だけが貧しくなっている現状に気づかされる」、などとしているのですが、くどいようですがすべての日本人がイタリア旅行をしなければならないわけではありませんし、日本国内で円建てで暮らす分には関係ない話でしょう。

輸入品価格は一時的に上昇するかもしれませんが、これも輸入代替効果が生じれば、やがて緩和されるでしょう。

🍟 🍔 🍹 🍟 🍔 🍹 🍟 🍔 🍹

なお、本文でも触れたマクド・オブ・ドナルド社の件に関しては、その「賢い買い方」を巡って『今回のマクド値上げ詳細情報と「賢い購入方法」の考察』にて細かく議論していますので、是非ともご参照ください。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    記事中、賃上げのデータが出てきません。
    私は既に退職したのですが、かつて在籍した今年の春闘の結果は、OBとして羨ましくなるほどの実績(ベースアップ&一時金)を示していました。
    もちろんこれは業種による差異はあり、特に私の会社は典型的な輸出中心の機械器具製造業でしたので、上記の結果となっていましたが、このような賃上げ状況のデータも業種別に集計してみてはいかがでしょうか。現時点での円安の影響の一つとして読み取れるのではないでしょうか。

  2. カズ より:

    >賃金は典型的な「遅行指数」でもあるため、経済成長が続けば、賃金水準もこれに伴い、伸びてきます。

    確かに。実質的に経済成長に伴う賃金上昇であれば、企業の体力は疲弊しないんですよね。
    (因みに連合の活動目的は「雇用確保と賃金上昇」であり、”立民の支持”ではありません。)

    岸田首相は、韓国での「所得主導成長の失敗」を他山の石として、
    自身の「”あった”らしい資本主義」は撤回するのがいいですね。

    個人的には、税率を上げずに税収を上げるのが名君の手腕なんだと思っています。

  3. 七味 より:

    豊かであるかは賃金の額面じゃなくて購買力でみなきゃダメだってことですね♪

    それはそうと
    >「為替変動は単純にその国の日本経済に良い影響を与えるとも悪い影響を与えるとも限らない」
    その国の日本経済→その国の経産
    ですね♪

  4. sqsq より:

    前にも書いたけど加藤出という経済評論家、ニューヨークの大戸屋でチップ15%つけて35.65ドル(現在のレートで5,200円)のしまホッケ定食と日本の大戸屋の980円を比べて「日本が貧しくなっている証拠だ」と言って嘆いてみせる。
    そもそも1ドル120円時代でも35.65ドルは4280円。円安になる前から“ありえない”値段。しかもニューヨークの大戸屋は日本と違い「高級路線」だそうだ
    比べても意味のないことを比べる記事を書く人の頭の中を分析すると

    ① 一般読者は無知、教えてやらなきゃ(俺はお前らより頭がいいんだ)
    ② 俺は国際派だ(ニューヨークのことをこんなに知ってるんだ)
    ③ こんな(くだらない)ことまで注視していてすごいだろう

    何のことはない優越感に浸っているだけ。

    この男が出している例は円高のころからあり珍しくない。
    20年以上前ハワイの大通りの日本食レストランでカツ丼35ドル(当時のレートで3500円くらい)を見て驚いた経験がある。
    これは日本の強さ弱さの問題ではなく、現地の値付けが異常なんだよ。

    https://www.moneypost.jp/933909

    1. より:

      そもそも、海外でそこそこまともな日本食を食べようとすると相当割高になります。
      デュッセルドルフは多くの日本企業が拠点を構え、市内にも多くの日本食材店や日本食を供する店がありますが、値段はかなり割高です。例えば、ニッコー・デュッセルドルフの向かいにあるラーメン屋は、かなりまともなラーメンを供しますが、一番シンプルな醤油ラーメンでも11ユーロ、ちょっとトッピングを乗せると15ユーロを超えてました。現在レートだと2000円前後になりますね。
      ラーメン自体はいたってマトモで、日本国内でも「まあまあ」と評されるであろうレベルでしたが、日本であんな値付けをしたらぶん殴られるでしょう。だから、海外で日本食を食べて値段に驚き、「日本人はビンボーだ」などと評するのは、よほど海外経験のない人なんでしょうね。あ、ちなみに上記のデュッセルドルフのラーメン屋は、10年前には確かに営業していましたが、現在でも営業しているかどうか、値段はどうなっているかはわかりません。某社を離れて以来、デュッセルドルフに行く機会はなかったので。

      > 20年以上前ハワイの大通りの日本食レストランでカツ丼35ドル

      さすがにそれは凄いな。やはり20年ほど前、物価が高いことで有名なシリコンバレーでカツ丼を頼んだ時でも、10ドルそこそこだったと記憶してますが。

    2. KN より:

      いくら給料がよくても、くそマズいファーストフードが数千円とか、ワンベッドルーム(日本の1DK/1LDK)の家賃が30万円とか勘弁してほしいです。日本でよかった。

  5. 元雑用係 より:

    >9月末で失効直前の某マクド・ナルド社の株主優待券を金券ショップに買いに行ったときに、

    そんな狙い目があるなんて、思いつきもしませんでした。さすがです。

    >香原斗志(かはら・とし)
    >音楽評論家・歴史評論家。神奈川県出身。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。

    こないだのイタリア出羽守フードライターと同じ匂いがしますね。
    どこからこういう人を見つけてくるのか、どうやったらこの人にこの記事を書いてもらう話が成立するのか、そのプロセスに興味があります。(笑)
    筆者自身があちこちの出版社に原稿投げ込んでるのかな。

    1. 雪だんご より:

      今回の様に全く違う分野の人が専門外の事を堂々と語るのは、
      もっと関連性の高い専門家が「いくら何でもそんなガバガバな大嘘はつけない」と
      金を積まれても断る様になったからでは?と邪推しています。
      別の分野の人にとっては「いつでも撤退していい副業」扱いなのかも。

      最近の例だと原発や放射能の専門家でも何でもない畑違いの人達が
      「汚染水放出やめろー」と叫び続けているのは「私は恥も外聞もなく
      どんな戯言だって叫んでみせますよ!だからお金下さい!」と言う
      アピールなのかも?と思わずには居られません。

  6. Masuo より:

    人手不足。これは間違いなく、経済界が困っているのは間違いない。

    2000年代初め頃に労働力が不足した時、小泉・竹中改革で雇用改革をして、非正規を増やすことにより賃金アップを阻止した。
    2010年代に労働力が不足したときに、円高も後押ししたことろはあるけれど、海外に製造拠点を移すことにより、賃金アップを阻止した。
    そして2020年代、外国人移民政策により、賃金アップを阻止しようとしている ← 今ここ

    今まさに、デフレ脱却&賃上げの好循環が生まれようとしているときに、経団連は移民政策で、安く労働者を使い倒そうとしている。これに乗っかる岸田政権(と公明党)。ここは何としてもこの流れを断ち切りたいように思う。

  7. 人工知能の中の人 より:

    マスメディアは肯定するより不安を煽る記事の方がおいしい商売なんでしょう。
    リンク先では「イタリアも賃金はあまり上がっていないのだが、通貨は堅実なので、すべてが割高になるような事態にはいたっていない。」と書きながら日本は~という主張は理解しがたい。消費者物価指数などもちいた比較やイタリア人のインフレ体感はあえて書かないといつものやり口です。

  8. naga より:

    経済のことは素人ですが、海外の物価が高いのは現行の為替レートの問題だけでなく、そもそも少しずつ経済成長を持続して物価や賃金が上がって来たからだと思います。遅ればせながら、今やっと日本もその端緒に付いた(家財成長に復帰した)ように思います。
    この流れを壊したら元の木阿弥でしょう。金融引き締めなど急にしないように、増税などもってのほか、他の方も書いてるように外国人労働者は業種や人数を厳格に規制しないと肝心の賃金アップなど望めないでしょう。
    政治家は役人が勝手な飯の種を仕込まないように良く注視する人を選びたいものです。そのために政治家を選ぶシステムになっているのですから。かつて言われた政財官癒着などふざけるなということです。今も官僚に操られている政治家は沢山いるでしょうから目覚めてもらいたい。

  9. 農民 より:

     ハンバーガー愛が強すぎて記事内容があまり頭に入ってきません。

     さてまぁイタリアって、オシャレだしご飯はオイシイし車のイメージは高級だしサッカー強いし、と良いイメージが多いかとは思いますが。私が学生の頃に習った「南北問題」の格差って、未だ解決していないと思うのですが。
     イタリアの何と比して日本が貧しいと感じたのか、読みに行くのがメンドいので端折りますが。逆に日本を基準にして◯◯国との経済感覚を比べるのに、沖縄を見て語るのと東京都心を見て語るのとで、まず同じ感想にはならないと思いますけどね。記事タイトルが「個人の感想」っぽいだけマシか。
     この方は、北部の富裕層に囲まれてきたのでしょうか。シチリアで農作業体験でもしてきたら如何かな。

  10. 農家の三男坊 より:

    この記事と
    https://gendai.media/articles/-/116414?imp=0
    を読みながら「国家100年の計」を想い浮辺ていました。

    円安・円高共に長短あるが、究極は安定的(格差の少なく将来に希望をもって安心安全な生活が送れる)な円高(どの位?国民の80%が物価高の欧米旅行に1回/年行けるレベル)。

    そこに向かって、教育・技術・産業・金融競争力・軍事力等を向上させる戦略を政治は国民に提示し、国民はこれに向かって不断に努力する様にならないものか。

    その道筋の途中で円安・円高に対する短期対策はあってよいが、それは上記の目的に沿うものに限られる。

    アベノミクス(先ず競争力の回復とその後の安定的な円高)はそれを感じさせてくれたが、岸田さんは迷走中。

    ”安易なグローバリゼーション・安い労働力としての外国人移入はその道に外れる亡国策”そのもの。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

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