改造するほど弱くなる…岸田「9月内閣改造」説が浮上
岸田文雄・現首相が内閣改造と党役員人事に踏み切る、とする報道が、くしくも10日、読売新聞と時事通信から同時に出てきました。ただ、両メディアの報道では、その「時期」に違いがあります。読売だと「9月11~13日」、時事だと「9月下旬」であり、どちらの報道が正しいのか(あるいはどちらも間違っているのか)については、現時点では判断が付きません。
解散するほど強く、改造するほど弱くなる
俗に、「内閣は改造するほど弱くなる」、「内閣は解散するほど強くなる」、と指摘されます。
もちろん、内閣改造すれば、瞬間的に支持率が上昇するケースはありますし、また、解散してもその方法やタイミングによっては自党が惨敗してしまい、逆に政権を失う、といった事態が生じることもありました。
後者の具体例としては、任期満了直前の2009年7月21日に衆院を解散した麻生太郎総理、あるいは内閣不信任案可決を受けて1993年6月18日に衆院を解散した宮澤喜一という事例があります。
ただ、あくまでも「事実に基づく議論」をするならば、長期政権を率いた総理大臣は、たいていは在任中に解散を行っています。連続在任日数2822日を記録した故・安倍晋三総理大臣は第二次政権発足以降だけでも2回、衆院を解散していますし、1980日の小泉純一郎元首相もやはり2回、衆院を解散しています。
これに対し、解散すべきタイミングを逸した事例が、菅義偉総理大臣ではないでしょうか。
菅総理が就任したのはコロナ禍の最中の2020年9月16日のことであり、この時点で前回、衆院の解散総選挙が実施されてからすでに983日が経過し、任期満了まで1年1ヵ月ほどしかありませんでした。
こうしたなかで、内閣発足直後の支持率が高かったこの時期に、もしも菅総理が解散総選挙を決断していたならば、自民党は結果的に当時の勢力をほぼ維持していた可能性も高く、菅内閣は現在でも存続していたかもしれません。
しかし、コロナ禍が深刻化している時期でもあったという事情もあったにせよ、結果的に菅総理は衆議院を解散しませんでした。結果的に菅総理は求心力を失い、菅内閣は在任期間384日で終焉しています。
その意味では、先ほど挙げた麻生総理のケースも、事情は似ているかもしれません。
麻生総理が就任した2008年9月24日といえば、リーマン・ブラザーズの経営破綻の直後のことであり、金融危機に伴う大混乱が全世界に波及していたため、その対応に忙殺され、結果的に「最適な時期」に衆院解散を打つことができなかったのです。
その意味では、安倍総理の在任期間が長かったのは、安倍総理が解散をうまく使ったためであり、麻生総理や菅総理の在任期間が短かったのは、(そのときの経済・社会情勢のせいであるとはいえ)解散をうまく使うことができなかったため、という仮説を立てることはできるかもしれません。
いずれにせよ、あくまでも一般論ではありますが、内閣の求心力は衆院解散すればするほど強まり、内閣改造すればするほどに弱くなる、という傾向にあることは間違いありません。
今年6月という解散の好機を逸した岸田首相
これを現在に当てはめると、どうか。
当ウェブサイトでは以前から何度となく申し上げてきたとおり、「数字に基づいて判断する限りは」、岸田文雄・現首相が仮に6月に衆院解散に踏み切っていれば、自民党は現在の262議席を維持するか、場合によってはそれを超えるほどの勝利を収めていた可能性が高いと考えています。
その理由は、各種世論調査で判断する限り、最大野党である立憲民主党に対する支持が急落していて、日本維新の会に逆転されているからです。
そして、維新が支持を伸ばしているとはいえ、衆院の場合は289の小選挙区での勝敗が全体の帰趨を大きく決定づけるため、維新の選挙準備が整わない状況で岸田首相が解散総選挙を仕掛けたら、自民党が圧勝するであろうことは容易に想像がつきます。
しかし、現実に岸田首相は解散をしませんでした。
正直、著者自身は岸田首相と個人的な知り合いではないため、解散が見送られた理由について、岸田首相から直接、本心を聴くということはできません(というか、べつに知り合いになりたいとも思いませんが…)。
ただ、政治アナリストらの記事などによれば、岸田首相(あるいは自民党執行部)は、「独自の情勢分析」を行った結果、その結果が非常に厳しいものであったことに怖気づき、解散を見送った、などと記述されています。
タテ計が合っていない「議席予想」
たとえば、ウェブ評論サイト『現代ビジネス』が6月14日に報じた「議席予想」によれば、自民党が42議席、公明党が9議席、それぞれ減らし、立憲民主党が17議席、日本維新の会が34議席増やす、といったものでした。
現代ビジネスが報じた「議席予想」
- 自民…220議席(▲42)
- 公明…*23議席(▲*9)
- 立民…114議席(+17)
- 維新…*75議席(+34)
- 共産…*13議席(+*3)
- 国民…**9議席(▲*1)
- れ新…**6議席(+*3)
- 参政…**1議席(+*1)
- その他…9議席
- 合計…470議席
(【出所】2023年6月14日付・現代ビジネス配信の『Yahoo!ニュース』記事。リンク切れ)
ただし、これについては計算すればわかるとおり、タテの合計は470議席となり、衆院の定数(465議席)を5議席もオーバーしてしまうというずさんな代物であり、また、2021年選挙結果をもとにした各選挙区の得票データなどと比べても、ちょっとあり得ないほど、信憑性が低い数値です。
本当に岸田首相がこんな数値を見て解散延期を決断したのならば、違う意味で心配になってしまいます。
いずれにせよ、岸田首相は解散を見送りましたが、それが岸田内閣、そして自民党にとって、どういうことを意味するのかについては気になるところです。
読売は「9月11~13日」と報じる
さて、解散が見送られたならば、次の焦点は内閣改造と党役員人事です。政治日程的に見て、人事をやるならばお盆の時期が多いのですが、その具体的な時期はいつでしょうか。
これまでにいくつかのメディアがその時期について、「8月上旬」、「8月中旬」、などと報じてきましたし、なかには断定的なものもありましたが(敢えてその新聞名については挙げません)、現時点までに内閣改造も党役員人事も行われていません。
想像するに、岸田首相自身も少数派閥である宏池会の出身者であり、最大派閥である安倍派(清和政策研究会)などにも相応の配慮をしつつ、「宏池会系」の麻生派や茂木派などと連携するなどしなければならないため、そのコンセンサスづくりに手間取っているのかもしれません。
こうしたなかで、読売新聞は10日、「複数の政府・与党関係者」の話として、内閣改造と党役員人事の時期を「9月11~13日」、と報じました。
9月11~13日に内閣改造・党役員人事、メンバー入れ替え刷新感…岸田首相が調整
―――2023/08/10 5:02付 Yahoo!ニュースより【読売新聞配信】
なぜこの時期なのかといえば、「外交を含む政治日程を考慮」した結果だそうであり、具体的にはインドネシアで9月4~7日に行われるASEAN関連首脳会議、インドで9~10日に行われるG20サミットに首相が参加するため、などとしています。
時事「9月下旬」
ところが、同じ10日付で時事通信は、この時期が「9月下旬」になる、などとする記事を出しています。
内閣改造、9月下旬論が浮上 日程窮屈で岸田首相熟慮
―――2023/08/10 7:20付 時事通信より
こちらの記事によると、岸田首相自身は内閣改造・党役員人事について、9月中旬を軸に検討しているものの、政府・自民党内では「外国訪問などがたてこむ中旬」を避け、9月下旬に時期を遅らせるべきだとの声が浮上しているのだそうです。
時事通信はまた、岸田首相が「人事を通じて政権浮揚を図」ったうえで、「衆院解散・総選挙の時期を探る構え」だ、などとしています。
読売新聞、時事通信の記事のどちらが正しいのか(あるいはどちらも正しくないのか)については、現時点ではよくわかりません。
ただ、あくまでも一般論でいえば、仕事というものは、時期を逸したら次第に動きが取れなくなっていきます。首相の仕事のひとつは解散や改造ですが、いずれも「タイミング」というものが大切であり、追い込まれてからやるのと、あらかじめそれに備えておくのとでは、結果が大きく異なります。
結局のところ、指導者・リーダーには、普段から大局観を持ち、諸外国の首脳などと緊密に意見を取り交わしつつ、党内のバランスにも配慮しながら適材適所を図るという、非常に難しい役割が求められます。
とくに岸田首相には、解散の好機を逸し、求心力が低下しているなかで、最大派閥などにも配慮しながら内閣改造・党役員人事を行うという難しい仕事が待っていますが、その結果次第では、却って解散総選挙のタイミングを逸し、解散できないまま来年9月の自民党総裁選を迎えることにもなるかもしれません。
ただでさえLGBTや対韓譲歩、対財務省譲歩などが目立つ岸田内閣ですが、これに最近の「松川問題」なども加われば、自民党にはそれなりの逆風が予想されるからです。
あるいは、現在の岸田首相が、かつての福田康夫・元首相のような「政権投げ出し」をする可能性もあるのかもしれません。
とりあえず8月末から9月にかけての国内政治には、(決して良い意味で、とは限りませんが)注目する価値はあるでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
まだわかりませんが、電気代やガソリン代の補助が9月で終わると岸田さんが思っているより支持率が落ちることになると思います
例えば支持率が15%から20%まで今の半分ぐらいまで落ちたときに自民党に岸田政権を引きずり下ろす事が出来るのでしょうか
支持率を取り戻すためズルズル補助金を生かさず殺さずで出し続けるのでしょう
コメンテーターが言うように、この経済状況で来年以降も賃金の上昇が続くのでしょうか
実質賃金が15ヵ月下がっていてインフレは本当続けることができるのでしょう
仕方なしに買わないとダメなものが上がっているのでどうしようもないのですが
先行き不安で貯蓄率が増えてさらに消費不況になっていく気がするのですが
多くの中小企業が潰れたほうが人出不足を解消できると思っているのでしょうか
「改造するほど弱くなる」は正の相関関係がありそうですが、因果関係としては正しいのでしょうか?
つまり、「内閣を改造する」(原因)から「求心力が弱くなる」(結果)という因果関係があるのでしょうか?
原因と結果が逆で、「求心力が弱くなった」からやむをえず「内閣改造を行う」という可能性はないでしょうか?
2つの測定値が正の相関関係にあるからといって、その2つが因果関係にあるとは限らないということはご存じの通りかと思います。
「改造するほど弱くなる」の因果関係は私にはわかりませんが、「改造するほど強くなる」は因果関係が逆で「内閣が強くなければ解散ができない」のではないかと思います。菅義偉前首相が解散しなかったというより、菅義偉前首相の党内基盤が弱すぎて解散できなかったのではないかと思います。証拠はありませんけど。
因果関係が成り立ちようのない事象に、因果関係を当て嵌めて考えようとすることが元から間違いです。これは、しかも、相関関係だって常に成り立つか分からない分野の話です。
>改造するほど弱くなる
これは、過去の例から見て、こんな「傾向」があるということです。
これを、因果関係や相関関係という概念を持ち出して来て考えようとする人がいるのも、意外感あり、です。
「一寸先は闇」と言われる政界には、因果関係・相関関係はあり得ないです。
そもそも、世の中のことに、因果関係・相関関係、を常に持ち出して来て考えようとすることは、間違いではなく、無理なことです。
「1万時間勉強したら、東大に入れる」という因果関係や相関関係がありますか?
偏差値が70以上あれば、必ず東大に入れるという因果関係はありますか?
ただ、この場合は、相関関係はあるかもしれません。
しかし、ある個人に関して言えば、因果関係も相関関係もありません。
試験当日に具合が悪くなるかもしれません。人生は、予期せぬことが起こり得ますから。
尚、「政界は一寸先は闇」も、何かの法則ではありませんよ、念のため。
これも、こんな傾向があるということです。
実際、世の中は、一寸先は闇です。思わぬ事故にあうこともあります。
また、一寸先は光、ということもあります。思わぬ「光明が差す」ことがあるのも人生です。
済みません、訂正します。
>「1万時間勉強したら、東大に入れる」という因果関係や相関関係がありますか?
普通、勉強時間と試験の合格には、(結構強い)相関関係がありますね。
そうでなければ、誰も勉強しないですから。
終わりの始まりですね。後は誰が内閣を「出る」かですね。何でも茂木は自らが総裁選に出る事も考えているとか。
さあ、自民にお灸を据える時だ!
ちょっと待て、と止める理由もあるまい!
今の自民が弱くなった方が官僚も国民いじめがしにくいだろ!
最大派閥に留意しながら、解散の時期を探る、、、ってどういうことだ?政党助成金は、派閥の解消と企業献金の禁止が理由で成立したのでは、なかったか?その額国民一人当たり250円だったと記憶している。松川議員の件、中山県議の件、今井絵理子議員の度重なる不祥事。賄賂を受け取った議員もいる。妻に殺人容疑がかかったにもかかわらず、揉み消しに走った議員もいる。パパ活と批判された吉川某というのもあったな。野党の議員センセイを入れれば推挙に暇がない。昔は議員に、況してや大臣ともなると、尊敬されたものだ。今はどうか?時代劇に出てくる悪代官そのものだ。なかには真面目に活動しているセンセイもいるんだろうが、議員特権に胡座を掻いている者が多いイメージだ。自らを律し、厳しい法律を施行することを望む。
ドリル優子やハニー林、エッフェル松川にセクシー小泉ナドなど等、小西級の人材は自民党にも豊富でなにより?台湾での太郎ちゃんは立派でしたが、デジタル太郎はどうなることやら。再生可能エネルギー、エコロジーよりエコノミー、議員になる目的がとてもわかり易く実証されつつありますね。あ~あ、なんだかな自民党。起死回生の秘策は、やはりまずは一番の元凶、岸田総理がとっとと辞めることだと思いますね。ところで、新しい資本主義って具体的に何をいつまでにどうするんだっけか?時期と数値目標をA4、1枚で示せないことに実現性は無いな。まあ今更どうでもいいかな。
>解散するほど強く、改造するほど弱くなる
一次内閣は、開幕一軍(最強布陣)
改造内閣は、欠員補充(控え昇格)
・・だと考えれば納得できそうです。
プロ野球と違い、大型補強なんてないですしね・・。
・・・・・
>かつての福田康夫・元首相のような「政権投げ出し」をする可能性
「監督の辞任」だって、一つのけじめのつけ方です。
G7で故郷に錦を飾ったいまが引き際なのかもです。
メジャーリーガーを引き抜くように、ある日突然「期待のアメリカ人総理大臣と契約!」とか想像して笑ってしまいました。
いや、これ、民間企業では結構ありますね。
一番は、日産のカルロス・ゴーン。
しかし、カルロスも用が済んだら(再建が終わったら)、さっさと、ゴーンすれば良かったのに、長居し過ぎましたね。
ということで、人間、引き際が大事です。岸ちゃんも、ここで辞めたら男を上げるのに。ついでに、菅さんを後継使命すれば、更に、男を上げるに違いない、です。
内閣改造で人心一新と行きたい所ですが、岸田内閣支持率低下の原因が、岸田首相によるバイデンと財務省の言いなり、加えて議員のフランス観光や競走馬購入のための賄賂要求などであり、大臣を替えたところで支持率が上がるとも思えません。
衆議院の解散も難しそうなので、このままズルズルと追い込まれていくのでしょうね。
次の衆議院選挙では、自民の過半数割れもありそうです。
流石に現状で過半数割れは無いでしょう。何度か記事であるように維新がまだ全ての地方で票を受けきれるほどではなく、立憲から維新も相当数存在しますから。
まあ、どうやっても次の選挙は勝てないの確定な上でどうやるか自民党という組織の対応が見えて来ないですね。
別に岸田派だけが我が世の春で党内統制してる訳でも無いはずですが、他派も寝ぼけてたら予想外の惨敗もあるのかな?
維新は鈴木宗男が在籍している。国会議員ではないが国民民主党には中山県議や静岡県知事の川勝平太がいる。共産党は志位~小池ラインの長期執行部の問題がある。発言の自由がないのは問題だ。公明党は親中路線が目立つし、山口那津男代表の海水浴発言は記憶に新しい。立憲民主党はもう批判さえ出ないくらい人材が枯渇している。毎朝駅で辻立しているという野田元総理がいつまでも在籍しているのが不思議な位だ。自民党は総理大臣の岸田文雄からして、国民の信頼は無きに等しい。松川や今井絵理子が輪を掛けた。しかも賄賂受領議員もいた。困ったな。どうしよう。投票する所がない。棄権はしたくない。もう少し熟慮しよう。
ちょいちょい、川勝平太は国民民主ではないよ
中山県議はそのなかでも大した罪ではないですし、国民民主で良くないですか?
どこにいれるかは、自分で判断します。川勝平太知事の経歴は正にエリート中のエリート。所属は無所属でした。(失礼しました)ただ選挙は立憲民主党と国民民主党が分裂する前に支援はうけているようで、さきの静岡県議会による不信議案では中山議員の一票も否決の要因になっています。無免許運転は法令違反です。彼女は公人であって一般人ではありません。それを「大した罪じゃない」では済まないのです。問われているのは罪の軽重ではなく順法精神があるか、ないかです。
やるやる言っててもいざとなったら怖気付き、尻尾巻いて逃げるのが岸田文雄。
内閣改造時期、岸田首相「決まっていない」
8/10(木) 16:05配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3951821294784b2387029ca5fad0732f0edab4e
>首相は「内閣として先送りできない課題に取り組み、答えを出すことを基本姿勢としている。そのために適材適所はどうあるべきかで考えていきたい」と強調した。
最も不適当なのは岸田文雄が総理な事だから、さっさと辞任して政界引退しろよなーと。