科学博物館「クラウドファンディング成功」の裏の問題
昨今のコロナ禍や物価高騰により財源不足の危機にさらされている国立科学博物館(科博)がクラウドファンディングを始めたところ、たった数日で目標額を大きく上回る5億円近い金額が集まったそうです。ただ、これを「美談」として称賛するのは正しいのでしょうか。そもそも官僚機構による予算の使い方自体、正しいのでしょうか?
2023/08/09 12:03追記
書式を修正しております。
科博のクラファン、あっという間に目標額達成!
クラウドファンディングのサイト『レディフォー』に7日付で、国立科学博物館(科博)がクラウドファンディングを開始しました。
地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ
―――2023/08/07付 ReadyForより
科博によると、そのミッションの根幹である「標本・資料の収集・保管」が、「昨今のコロナ禍や光熱費、原材料費の高騰」により、「資金的に大きな危機に晒されている」として、「地球の宝を守れ」を合言葉に、目標額を1億円とするクラウドファンディングを11月5日まで続けるそうです。
ただ、これについてはすでにいくつかの報道にもあるとおり、目標額の1億円をあっという間に達成しており、8月9日午前9時時点で5億円近い金額が集まっています。科博の展示物の価値の高さ、その社会的意義を理解する人がそれだけ多い、ということでしょう。
まずは「良かった」と言ってよいのではないでしょうか。
ちなみに科博は寄付金に対する返礼品として、「かはくオリジナル図鑑」やトートバッグ、「昆虫標本作製セット(解説付き)」などのグッズも用意しているのですが、クラウドファンディングに応じる人が多かったためか、これらについては在庫切れになっているものもあるそうです。
これについて科博は「追加の可否について検討し、追加が可能なコースについては追って在庫を反映する予定」である、などとしていますが、これも科博にとってはうれしい誤算でしょう。
問題だらけの文教予算:Fラン大学は必要なのか?
ただ、これを単純な「美談」とみて良いのかどうかは、ちょっと微妙でしょう。
そもそもなぜ、科博がクラウドファンディングをやらなければならないのか。
科博は独立行政法人であり、2023年3月期決算にかかる財務諸表によれば、科博には運営費交付金収益が22億円ほど計上されていますが、その出どころは国の一般会計です。所管は文部科学省(文化庁・企画調整課)ですが、文教予算の配分は、果たして適切なのでしょうか?
じつは、つい先日の『私学利権?一部私学が外国人留学生獲得にご執心の理由』でも指摘したとおり、文部科学省が管轄している予算には、俗に「Fラン」などと呼ばれる、教育レベルが決して高いとはいえない私立大学などに対する教育経費の補助金も含まれています。
正直、同じ文教予算のなかでも、予算配分にほかにも問題があるのではないかと疑わざるを得ません。
外国人留学生を入学させるなどして、無理やり定員を満たそうとしているような大学こそ、税金の無駄遣いですし、そんな大学を許認可権で支配している文部科学省という組織自体も、相当に問題がありそうです。
予算分配で国を支配する財務省や総務省
ただ、それを言い出せば、さらに大きな問題が財務省による予算配分にあります。
財務省という組織は国のサイフの入口(国税庁)と出口(主計局)を通じ、予算を一手に支配することで絶大な権限を握っています。なぜ財務省が予算への支配を手放さないのかといえば、それによって国会議員をも上回る巨大な政治権力を手にすることができるからでしょう。
ちなみに同じ構造は、総務官僚が「ふるさと納税」を目の敵にしている(『菅総理の置き土産「ふるさと納税」総務省が敵視の理由』等参照)こととも相通じるものがあります。総務官僚にとって「ふるさと納税」は、自分たちの権力を侵食する、「省益」を害する存在だからです。
もっとも、『剰余金21兆円!税を「取り過ぎている」亡者・財務省』でも指摘したとおり、現在、国の税収は過去最多であり、かつ、巨額の剰余金まで生じているような状況です。
このような状況で、科博がクラウドファンディングを余儀なくされる状況に追い込まれていることは「謎」と言わざるを得ません。
寄付金控除、そして選挙で官僚の力を削げ!
なお、科博のウェブサイトの説明によると、科博自体は「税法上の優遇措置の対象となる特定公益増進法人」だそうであり、一定限度までの寄付金控除が可能です。
財務官僚や総務官僚など、「国民が選んだわけでもない者たち」に権力が集中している状態を打破するためには、まずは私たち一般国民が寄付金控除などの仕組みを学び、これを積極的に活用していく姿勢が必要かもしれません。
たとえば「ふるさと納税」の仕組みも大変優れており、各自治体が返礼品などの創意工夫を通じて寄付金を集めることで「自主財源」を獲得するという余地が生じますし、私たち一般国民の側としても、年間の税額は2,000円増えてしまいますが、ふるさと納税を徹底活用すれば、生活費を浮かすことができるかもしれません。
たとえば、「ふるさと納税」の控除限度額が10万円であるという人にとっては、何もしなければその10万円を含めた額が地元自治体に住民税として徴収されますが、もしも「ふるさと納税」を利用して10万円を他自治体に寄付すれば、自身が支払う税額(所得税+住民税)が98,000円減ります。
ただ、10万円も寄付すれば、(うまく自治体を選べば)たとえば年間160㎏程度のコメをもらうことができます。著者自身が暮らす地域の近所のスーパーだと、コメ5㎏はだいたい1,500円前後ですので、これだけで年間48,000円、生活費を浮かすことができるのです。
さらに、クレジットカードのポイントサイトなどを使い、うまくポイント還元キャンペーンとあわせれば、寄付額の5%程度が還元されることもあるようです。ということは、10万円の寄付金で5,000円分のポイントが戻ってくるということであり、「ふるさと納税」の2,000円分の自己負担金すら回収できてしまいます。
なるほど、総務省や財務省が「ふるさと納税」を敵視するわけです。
もちろん、一部自治体のように、「ふるさと納税」で「やりすぎ」が指摘されているような事例もありますが(たとえば返礼品にアマゾンギフトなどを採用しているようなものなど)、返礼品が地元の特産物などであれば、そのことは地場経済の活性化にもつながるため、門に問題視すべきものではありません。
いずれにせよ、財務官僚、総務官僚、外務官僚、文部科学官僚らについては、私たち一般国民からの投票で選ばれた者たちではありませんので、彼らの権力を削ぐための仕組みはどんどんと活用すべきです。
「選挙で必ず投票する」というのもそのひとつですし、「寄付金控除」を活用するというのも有益です。
もちろん、著者自身にとっての「最後の敵」は、「国の借金」、「国債は国民が返さなければならない」などとするインチキ理論ですが、そこに至る前の段階で、私たち日本国民が賢くならなければならないことは間違いありません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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クラウドファンディングって金額目標以上にお金寄付貰ったら、どうなるのだろうか?
愛子さまのティアラもクラファン募って作ってあげて下さい。
つまらない事言うな
F乱大学への資金流出なら、未だ可愛いものです。
現在、F乱大学からG乱大学に変貌しつつある事を
ご存じでしょうか?
G乱大学とは、日本人が殆どおらず
外国人だけの大学です。
裏の実質的な移民政策ですね。
科学博物館 目標額:1億円 達成率>500%
朝日新聞 目標額:1億円 達成率:14%
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09050558/?all=1
https://president.jp/articles/-/49352?page=1
支援すべきものを国民はよく知っています。
赤い羽根募金等、どの様に使われたのか分からないと言う事がこの頃分かり始めています。
同様に税金も使われ方に同意できないことが多く正直嫌になっています。
そこにこのクラファン。
自分が納得できる税金と思う事は出来ないでしょうか。
所得控除出来ます。
完全置き換えではありませんが国会議員に任せるより満足度は上がりそうです。
役人の公金私物化を放置したままで、公的施設がクラウドファンディング頼らざるを得ない現状は世も末ではないでしょうか?
私としては憂慮すべき事態に立ち至っていると思います。
法隆寺のクラファンも大成功のようです。
●法隆寺のクラウドファンディング、目標額の約7倍集まる 総額1億5700万円…コロナ影響で昨年6月から開始
https://news.nifty.com/article/item/neta/12265-2490638/
良く知らないで書きますが、アメリカの大学は、寄付が大きな収入源ではないのでしょうか?
日本の大学も、私立大学は、大学助成金制度が出来る前のように、寄付を収入源にする方式に戻した方がよいでしょう。私立は、フラファンのように、大学独自の優秀さや独自性をアピールして運営費を集める方式にした方が良いのでは?そうすれば、何を研究しているかもわからない教授は排除できるかもしれない、研究成果の無い教員など雇っている大学に学生は集まらないでしょうから。
それから、公立大学も、ある一定金額は、クラファンなどの寄付で予算を集めるようにしたらいいのではないか?何しろ、寄付を集めるとなれば、何かをアピールしなければならないのだから、それなりの研究成果をアピールしなければならなくなり、学術会議活動に熱心で本業で碌な成果も出していない学者は、大学側が馘首する口実にできるかもしれないです。
ふるさと納税にしても、各自治体の職員のやる気を出す良い手段にするように活用すればいいのではないか?何しろ、公務員というのは、規則と前例に従うことが第一鉄則の仕事であり、仕事にやりがいを見つけるのが、なかなか難しそうではないかと思う。それを、民間企業とまではいかなくても、目標に向かってやる仕事とはどんなものかを実体験できるはずで、それが、つまり、自治体職員のやる気の発掘が、地方の活性化の導火線になるのではないか?
寄付は良いです。誰も黙ってお金はくれないのだから、お金を頂くには、何かの価値をアピールしなければならないので、俄然、頭も組織も活性化するはずです。
これからは、寄付を募ることこそ、公的組織の活性化の起爆剤になるのかもしれません。