日銀「YCC柔軟化」は「金融引締」とはいえない理由
会見終了後になにやらギャーギャー叫んでいる記者がいたようだが…
日銀が28日、イールドカーブ・コントロールの柔軟化を打ち出しました。これまで±0.5%に設定していた10年ゾーンの金利の変動幅を、最大で±1%にまで許容するようです。といっても、引締めとは言い難いものです。依然としてイールドカーブ・コントロール政策に加え、短期ゾーンの0.1%というマイナス金利が維持されているからです。6月のコアコアCPIが4.2%にまで上昇しているにせよ、物価上昇が持続的であるかどうかの判断には、日銀としてはまだ慎重なのでしょう。
イールドカーブ・コントロールの柔軟化
今度は、イールドカーブ・コントロールの柔軟化です。
日銀は28日の政策決定会合で、『当面の金融政策運営』【※PDFファイル】を公表。短期金利についてはマイナス0.1%、長期(10年ゾーン)金利については0%の金利適用を続けるとしつつ、長期金利については変動幅を「±0.5%」から「±0.5%程度」に変更したのです。
これについて日銀が別途公表した『イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用の柔軟化』【※PDFファイル】に、その「柔軟化」のイメージが掲載されています(図表1)。
図表1 イールドカーブ・コントロールの「柔軟化後」
(【出所】日銀資料)
すなわち、長期金利は基本「ゼロ%」としつつ、これまで±0.5%まで変動することを容認していたものを、事実上、±1%まで拡大するようなものです。
日銀は昨年12月の政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール政策について、10年物の変動幅を±0.25%から拡大していましたので、事実上の金利変動幅の拡大です。おそらく、少しずつ出口を意識し始めている、ということでしょう。
会見終了後にギャーギャー叫ぶ記者がいたが…
また、これに関して植田和男・日銀総裁は記者会見を行い、「イールドカーブ・コントロール政策を放棄したわけではない」、などと説明しています(決してレベルが高いとはいえない日本のメディア関係者の同じような質問に真面目に答えるのは大変そうですね)。
なお、この会見が16時30分に終了時間を迎えたあと、会見場でギャーギャー叫んでいる記者がいました。
会見の時間については事前に日銀と記者会の間で仕切られているはずなのですが、どうして時間が来て会見を終了するというだけで、こうやってギャーギャー叫んだりするのでしょうか?
これについてはなにか続報があれば、また紹介したいと思います。
コアコアCPIは4.2%だが…
この点、日本のインフレ率は最近、上昇しており、総務省が今月21日に発表したデータによれば、2023年6月時点でインフレ率は総合指数が3.3%、「生鮮食品を除く総合指数」(コア)が3.3%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数」(コアコア)は4.2%です。
2000年以降のインフレ率をグラフ化すると、図表2のとおりです。
図表2 インフレ率(日本)
(【出所】政府統計)
このあたり、やはりインフレ率が急激に上がり始めたのが、「コアコア」に関しては、とくに昨年秋口以降の話です。日銀としては、これを一時要因とみなすべきなのか、それとも持続的な物価上昇が始まったと見るべきなのか、その判断がまだ固まっていない、ということでしょう。
そのうえで、日銀が緩和から引締めに舵を切るといえるかどうかは、やはりイールドカーブ・コントロール政策の終了だけでなく、0.1%というマイナス金利の撤廃が実現するかどうかにかかっています。
その意味では、今回のイールドカーブ・コントロール政策の「柔軟化」は、日銀として金融政策を少し修正したものに過ぎない、と見るのが正解でしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
記者会見の一次情報源のご提供ありがとうございます。念のためこれから通しで視聴します。が、お勧め(?)の「会見場でギャーギャー叫んでいる記者」。先にピックアップしてみました。恥ずかしい。。。いつまでも何騒いでいるんだ。今までの説明を整理すれば聞きたいことは判るだろうに。軽んじられたという安っぽいプライドなんですかね?
通しで視聴しました。この世界は疎いので特に成果は無かったのですが、ブログ主さまの要約を理解するのに役立ちました。
それにしてもQ&Aに1時間も時間をかけるのは凄い!日銀、流石だと思いました。
尤もこれだけの時間があれば英FTが幹事になればもっともっと深い論議が出来たことでしょう。幹事のNHKは質問者を指名するだけ。議論の場視点では何もできませんでした。
1時間も枠があったにも関わらずこれに文句つける阿呆。
コイツは人の時間をいただける有難みを感じる感性が無い。
名乗りもしなかったが、逃げるんですか?と同じ奴だったりして。
日銀としては、持続的な物価上昇が始まったと見るべきなのか、その判断がまだ固まっていないのは、日本経済の需要と供給力の差を示す「需給ギャップ」がマイナス幅は縮小したとはいえ、プラス圏に向かい、かつ、プラス圏が定着していないからではないですか。
ここ10年ほど、日銀発表の「需給ギャップと潜在成長率」に注目しています。
名乗りもせず、規則を破り、制止を遮り、国民が苦しんでいるなどと主語をデカくし、円安円安円安ウゥゥゥゥと演説を始め、質問時間が短いと憤りながら質問より長く時間を浪費するのは「おかしいと思わないんですか!?」という、いつものジャーナリストブーメランですね。東京新聞だったら笑うしかない。未だにこんなやり方が支持されると思っているとは、独善って言葉は知らないのでしょうか。
(独)善のためならルール破りが許されるという考えは善ではなく、大抵は非難されると思います。日本の教育はもっとディスカッションを取り入れるべきだなんて言い出して何年も経ちますが、それを議論の苦手なこういった輩が大上段から騙っているのは笑い種か。敵を言い負かす技能ではなく、話し合う作法という形でやって欲しいものです。といってもこの輩と違って、周囲の若者はむしろ弁えている子が多いですが……
私のタイムラインでは「事前リーク」が話題になっています。
昨夜の午前2時に日経からリーク報道があったようで、その時間から為替相場が盛大に円高に振れていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB266VX0W3A720C2000000/
午前2時というのは為替相場的にはちょうど節目の時間で(4時間足の切り替わり)、このタイミングで何かあるとその後大きな流れになりやすいし、その日の終値(朝6時)にも直結します。
今朝の国債利回りは窓開けの急騰で、昨日のうちに仕込んでいた人は随分儲かったと思います。
日銀からの事前リークは以前から問題になっていましたが、捜査とかできないんでしょうかね。
しかし、日経とかブルンバーグの報道を見ていると、日銀が利上げをすることが嬉しくてたまらない、って空気を感じます。
「日銀のせいで市場が混乱してます!♥」
結局リーク前の水準に戻りましたね。
市場は大きな変更とは見ていないのかな。
ということは来週月曜日から145円を目指していく。
日経の空騒ぎなのだと思いました。
発表後の上下動は市場に解釈の相違があったことを示すと思いましたが、結果的に138すら割れなかったのでそういうことかと理解しました。
>ということは来週月曜日から145円を目指していく。
そうなる可能性はあると思います。ただ注目の日銀材料で138円が抜けなかったのですが、138円試しのテンポが早すぎるのと、結局週足が2週前足に孕まれたのが気になってます。いずれ目指すにしてもすぐではない可能性。
あと145は昨年の150の影響圏由来なので、目指しても到達できない可能性もあるかと見てます。
なんて感じで見てます。(笑)
迷い無しで上でした。
本当に素人目で済みません。
GDP約600兆円の巨体を蘇生させるのに、優しく肌を摩ったり、少々の点滴で体力が回復するかな?と様子見するような対策で、目覚ましい元気体になりますかね?
ここは、タンパク質やミネラル豊富な食事をドンと与えて、消化剤でしっかり補助して、健全な身体にするような対策をしなくてはならないのではないでしょうか?
つまり、財布の紐を緩めない、山神(疫病神?)が考えを変えて、ドンと財政投資をするしかないのです。
歴代の日銀の総裁は、皆それが分かっているから、中々、金融緩和を止められないのです。
これは、国民の皆んなが知っている事ですよね。
(上のコメントは、さより、でした。)
続きです。
そして、20年近くも成長しない体力弱者の国で増税をするという、恰も、体力が衰弱していて点滴を受けて漸く命脈を保っている人間から、血を抜くような事をしようとしてる。素人目には、そんなように見えます。
ここで、増税したら、又、経済の体力回復は遠退きますね。経済の首をしめるようなもので、国民に増税分を払う経済的余力がどこにあると見ているのでしょうか?
経済全体のパイが増えなければ、増税なんか出来ない事は、算数が出来れば分かる事ですね。
国家の高級官僚は、余りに高等な教育を受けたものだから、小学校で習った算数を忘れてしまうのでしょうか?
頭が良いだけで倫理観の欠如した人は、自分が所属する組織の利益を優先することに疑問を持たないと思います。
役所がその典型ですが、自らの利益のために違法行為に鈍感になっている組織は、大手企業を含めて多くの企業がそのような状態にあると思います。
今問題になっているビッグモーターも然りです。
私は細かい規制は好みませんが、天網恢恢疎にして漏らさずで、違法行為や問題行為は見つけ次第厳正に対処して頂きたいと思います。
岸田首相や木原官房副長官にその資格があるかどうか疑わしいですが。
それから、もう一つ付け加えておきたいことです。
経済回復を、日銀の金利政策だけに押し付けて、日銀総裁だけに任せっぱなしにして、政府・財務省は、財政出動でより有効な経済回復策を考えて行うこともしないです。そして、日銀の超金融緩和策に少し効果の兆しが見えたら、直ぐに、増税をして日銀の努力を無駄にしようとします。
2019年の消費税10%施行は、アベノミクスの時間を掛けた金利緩和策で、ようやく少し回復の明るい兆しが見え始めた経済に、冷や水を掛けて一瞬にして収縮させてしまいました。
それによって、日銀はゼロ金利政策に移行するしかなくなりました。その消費増税によって増えた税収分は多分4兆円程ではないかと思われますが、高が4兆円の税収の為に、長年の日銀の努力を一瞬にして無に帰してしまいました。そして今又、景気回復するかな?という兆しが見えた時に、増税を持ち出してきます。
これに抑えを聞かせられる経済に強い政治家がいないのが残念です。
>会見の時間については事前に日銀と記者会の間で仕切られているはずなのですが、どうして時間が来て会見を終了するというだけで、こうやってギャーギャー叫んだりするのでしょうか?
北海道の選挙演説会場で、表現の自由を盾に「聴衆の聞く権利」を踏み躙った馬鹿を見習ったとか?
それか、G7サミットで「逃げるんですか!」と言い放ったら相手をしてくれた無能な働き者の二番煎じを狙ったとか?
日銀「YCC柔軟化」とはいえ、その中身から全く債権株価に影響をおよぼすレベルとは程遠いと思うのですが、騒いでいる記者同様トウシカさんたちも痛く心配されたようで、多くの会社の株価が下がりました。不思議なことに、めちゃくちゃ儲かっている半導体生産会社が、その製造機械生産会社(設備投資は山を越えたしFOIPで中華人民共和国への投資抑制もあり)の株価同様に下がったことです。日経良く読むと破産するように、どうして経済新聞や大手の証券会社の主任トレーダを名乗る多くの経済関係者が市場の動向を誤って伝えるのでしょうか?
円安でも円高でも日本経済には悪い影響(笑)らしいですし、なんとなく、野球ヒョウロンカと新聞の経済担当キシャは似ている(素人の方がその結果の予想があたる)ような気がします。
この夏、パワーやAI半導体生産メーカの株価が元に戻っていく、いや、天井を超えて行くのではないか?と思っています。