訪日外国人は189万人:「インバウンド大国」の日本
日本政府観光局によると、2023年5月の訪日外国人は189万8900人で、前月と比べ少し減ったにせよ、コロナ明け以降の最大値水準で引き続き推移していることが判明しました。出国日本人が低迷しているため、現在の日本はインバウンド大国となりつつあるようです。もっとも、これが良いことかどうかはわかりません。入国者が特定国に極端に偏っているからです。
5月の訪日外国人は189万8900人
日本政府観光局(JNTO)は21日、最新の『訪日外客統計』を公表しました。
これによると2023年5月における訪日外国人は189万8900人で、内訳は韓国人が515,700人で全体の27.16%を占めてトップとなり、これに台湾の303,300人(全体の15.97%)、米国の183,400人(全体の9.66%)が続く格好です(図表1)。
図表1 訪日外国人(2023年5月、速報値)
国 | 人数 | 割合 |
1位:韓国 | 515,700 | 27.16% |
2位:台湾 | 303,300 | 15.97% |
3位:米国 | 183,400 | 9.66% |
4位:香港 | 154,400 | 8.13% |
5位:中国 | 134,400 | 7.08% |
6位:タイ | 80,700 | 4.25% |
7位:フィリピン | 49,900 | 2.63% |
8位:シンガポール | 49,700 | 2.62% |
9位:ベトナム | 45,800 | 2.41% |
10位:カナダ | 42,300 | 2.23% |
その他 | 339,300 | 17.87% |
総数 | 1,898,900 | 100.00% |
(【出所】JNTOデータ)
特定国に偏るも…日本旅行需要は強い
訪日外国人総数は前月の194万9100人と比べて少し減ったにせよ、引き続き外国人にとって、旺盛な日本旅行需要が続いていることが裏付けられた格好です。参考までに、主要国籍別にグラフ化したものも紹介しておきます(図表2)。
図表2 訪日外国人データ(月次)
(【出所】JNTOデータ)
相変わらず韓国人の割合が多いのは気になりますが、台湾、香港に加えて米国人なども多くが日本に旅行先として訪れていることがわかります。ただし、中国人の入国者数については、コロナ前と比べてまだ回復していません。
日本は「インバウンド大国」に?
一方、訪日外国人の多さに比べ、出国する日本人の人数は、なかなか本調子というわけにはいかないようです。
法務省が15日に公表した『出入国管理統計』によると、日本から海外に出国した日本人(日本人出国者数)は675,661人(速報値)で、過去最大だった2019年8月の2,109,568人と比べて3分の1以下という状況です。
参考までに、日本を訪れた外国人(インバウンド)と外国に出国した日本人(アウトバウンド)を1枚の図で比較しておくと、図表3のとおり、非常に興味深い姿が浮かんできます。
図表3 インバウンドvsアウトバウンド
(【出所】インバウンドはJNTOデータ、アウトバウンドは法務省データ)
現在の日本は、入国者が出国者を大きく上回る「インバウンド大国」となっているのです。
日本では長らく、出国日本人の人数が入国外国人の人数を大きく上回っていましたが、これは「海外旅行に出かける日本人」の方が、「日本にやって来る外国人」よりも多かった、という意味です。
ところが、安倍政権のインバウンド振興政策のおかげでしょうか、2014年4月に初めてインバウンドがアウトバウンドを上回り、その後は再度逆転することはあったものの、2015年4月以降、コロナ禍に突入する直前の2020年1月に至るまで、常にインバウンドがアウトバウンドを上回っていました。
入国者は出国者の2~3倍
また、日本政府が昨年10月に条件付きで外国人観光客の受入を再開したところ、毎月のように「入超」が続いており、訪日外国人と出国日本人の倍率を求めてみると、次の通り、昨年11月以降はほぼ毎月、前者が後者の2~3倍水準で推移していることが判明します。
訪日外国人vs出国日本人(2022年10月以降)
- 10月…訪日外国人**498,646人vs出国日本人349,557人(1.43倍)
- 11月…訪日外国人**934,599人vs出国日本人379,196人(2.46倍)
- 12月…訪日外国人1,370,114人vs出国日本人432,193人(3.17倍)
- 01月…訪日外国人1,497,472人vs出国日本人443,105人(3.38倍)
- 02月…訪日外国人1,475,455人vs出国日本人537,705人(2.74倍)
- 03月…訪日外国人1,817,500人vs出国日本人694,292人(2.62倍)
- 04月…訪日外国人1,949,100人vs出国日本人560,178人(3.48倍)
- 05月…訪日外国人1,898,900人vs出国日本人675,661人(2.81倍)
(【出所】インバウンドはJNTOデータ、アウトバウンドは法務省データ)
これが日本の観光産業にとって良いことかどうかは微妙です。コロナ前と比べ、多少、入国者が特定国に極端に偏っているなどの課題を抱えているためです。
いずれにせよ、インバウンド需要自体がここ数ヵ月で急速に戻りつつあることだけは間違いないでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
反日で有名なニューズウィーク日本語版が、2月と過去記事になりますがズバリわかりやすい記事を書いていましたね。
●訪日韓国人急増、「いくら安くても日本に行かない」との回答も一変……その理由は?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/02/post-100951.php
「訪韓日本人が増加しても日本観光業界の好況につながる可能性は大きくない。日本製品不買運動が吹き荒れた2019年下期、韓国の旅行会社と航空会社が甚大な被害を受けたが、多大な被害を受けた日本企業はほとんどない。」
「日韓往来が1000万人に達した2018年、訪日外国人のなかで最も支出が少ないのが韓国人だった。
訪日韓国人の増加で韓国の航空会社と旅行会社が好調な再スタートを切る一方、日本が享受する恩恵は限定的だろう。」
昔北海道のスキー場でマレーシア人の家族連れと話したことがある。
クアラルンプールから成田、成田から羽田に移動、羽田から札幌に飛び列車でスキー場最寄り駅へ。そこからバスでやってきたとのこと。雪を見るのが初めてでスキーは楽しいが移動がなんとかならないかと言っていた。
インバウンドも大変だね。
>移動がなんとかならないかと言っていた。
いろんな意味で「成田」がまず要らないですよね。
政治的な判断に左右されてできた「成田」が有名なところですが、やっぱし日本は交通手段が複雑で非効率でわかりにくいものなんでしょうな。
アメリカは航空機を「エアバス」と呼ぶように、バスのように使いやすいように工夫して作られています。例えば空港の場所も、空港のある街のダウンタウンから車でだいたい20分以内のという近いところに作られています。
これは、成田-札幌便が、殆ど無いのが問題なのではないか?と。成田-福岡便は、結構あるのでは?
何れにせよ、成田と国内主要都市間の便は増やした方がいい。
千歳からスキー場へのアクセスは、そのアクセスそのものを楽しんだ方が良いでしょうね。
スキー場とは、そういうものなんだから。
関空から高雄行き便が復活していることに気が付きました。
躍進著しい高雄中心街へ高雄メトロで空港から直行、そのまま乗って行けば半導体新工場建設で話題の楠梓加工区駅へ連れて行ってくれます。週末は台東へ移動して風そよぐヤシの木を眺めながらカクテルなど飲めば、うーみゅ、すばらしき軟件科技人生。次の取り組みはこれや。
TSMC の半導体工場は旧帝國海軍油廠跡地に築造されることになっています。
それが Fab22 なんだそうです。熊本県菊陽町で絶賛建築中なのが Fab23 なのだそうです。
よろず軟體科技引き受けますということで進出したいなあなどと幻覚に浸っています。今流行りの智慧軟件や思考軟件もご相談に乗ります。
これも円安の恩恵です。
ぜひ、新宿会計士様には悪い円安ガーの輩を論破していただきたい。
ここの人達はまさか、円高デフレ派ではないですよね?
>入国者が特定国に極端に偏っている
これがあるんで、この種のニュース聞いても今一つ喜べないんですよね・・・。
まあ、フランスなど日本を凌ぐ観光大国でも最も多い外国人観光客は近隣諸国の国民なわけですが、それにしても韓・台・中・香・米で過半数、大部分ってなんやねん・・ですし。
観光立国というと、ネット、特に保守界隈では外国人観光客のかなりの部分が中韓で締められているせいか、否定的な意見を吐く向きが少なくありませんが、やはり、外国人に現実の日本、偏見や先入観のない日本を知る人間が増えることは外交や国際世論対策としては重要で単なる銭金損得の問題じゃない、と思います。もちろん、現実の日本を知った結果「反日」になる人もいるかもしれませんが、変な偏見や先入観、プロパガンダで「反日」されるよりはマシじゃないかと・・・。
そう思う理由は、ウン十年前の海外在住時代、ネットもなく「日本に観光客を」なんて発想など露ほどもなかった時代、日本のイメージはそれはそれは酷いというか現実離れ(どこの宇宙の日本?てなもの)していて、「なんて理解されない国なんだ・・」と子供心に嘆かわしく思ったもので。わかりやすい例でいえば、昔(80年代以前)のハリウッド映画に出てくる日本とか日本人なんて無茶苦茶、デタラメだったでしょう?
そういう意味からもこの極端な偏りの解消は喫緊の課題です。このあまりに酷い偏りを正すきっかけに‥と言う意味で中国の割合が減っているのは、別に中国が嫌いとかどうこうとかじゃなく悪い傾向ではない・・と思います。
個人的にはいかに距離の問題があるとはいえ、先進国、海外旅行大好きで高所得の欧州からの客、特にドイツ人が少ないのは大問題かと。
あと、この外国人観光客の問題って国際関係の濃淡にも直結してるって点でも重要ですね。
日本側の受け入れ態勢とは関係なく、ブログ主さんも過去エントリーで分析されていましたが、外国人観光客の大半を占める韓・台・中・香・米という国々にとって好き嫌いや是非はあっても、日本という国の存在感が大きいわけで、だからこそ「行ってみよう、見てみよう」という気になるんでしょう。
それに対して、高所得・海外旅行好き欧州、特にドイツ人の来日客が少ないというのは
彼らの大部分からすれば、まだまだ日本?どこ?何しにいくん?な認識なんでしょう。
名前を失念してしまいましたが、ドイツ公共放送職員でたまに日本のマスコミに顔を出す
女性の方の話でも「その人の教育レベルにもよるけど、中国と区別がつかないドイツ人が
多い、日本についてそれなりに知っているドイツ人って日本文化好きの「趣味人」くらいなもの」だそうですし。
30〜40年前に初めて米国へ行った時は、先ず、中か韓か、と言われたものです。
これは、チャイナタウンやコリアタウンなどがあり、中韓人が多く住んでいたからでしょうね。日本人は、余り海外に移り住むという事を考えないから。
ドイツ人は、基本的にアジアに関心が無いし、ドイツ人も言うようにドイツ人自身が文化的関心も薄い人たちが多いのでは?
それは兎も角、観光立国を言うなら、海外からの航空アクセスについて総体的に考えないと、いつまでも、欧州からの観光客は増えないように思います。
そのドイツ、に限らず欧州人全般に人気があるアジアの
観光国がタイなんですよね。もちろん、タイのビーチや食事、文化に魅力があるのはわかりますし、タイは昔から観光客誘致に力を注いできた国でもあります。
とはいえ欧州からの距離が遠いのは日本同様だし、国際関係的に日本以上に疎遠な国なわけで、この人気の秘密はなんだろう?とかねてから疑問でしたね。
ビーチでバカンスですよ。1年の半分が陽が差さない暗い空の西・北欧人が太陽を求めて大挙してアジアのビーチで1年分の日光浴です。格安でそれができるのがタイ、マレーシア、インドネシア。リゾートという点で沖縄のビーチはかないません。
円安ですから日本人はおいそれと国外に行けません。その代わり外貨建ての投資をして居ると時価総額がえらいことに。
また上手いタイミングで財務省がドカンとドル買いして戻すのか、それとも当分このまま行くのか?
この統計について、
対馬や石垣島への担ぎ屋のオバチャンは数に入れないで欲しい。
「観光」の内容が「歯科治療」だったり「売春」だったり「万引き」だったり「3Kバイト」だったりする人の数も省いて欲しい。
初来日に限った統計も知りたい。