泉代表、なぜか「記者会見の場」で小西氏に誠意を要求

産経ニュースの金曜日の報道によれば、立憲民主党所属の小西洋之・参議院議員が「サル」「蛮族」などの暴言を吐いた問題を受け、同党の泉健太代表は14日の記者会見で、同氏に「誠意の伝わる行動をとるべきだ」と求めたそうです。これもおかしな話です。泉氏は代表なのですから、自党所属議員に対して「誠意の伝わる行動」を求めるならば、記者会見の場ではなく、小西氏を呼び出してそれを要求するのが筋でしょう。こういうところからも、泉氏のリーダーシップの欠如が読み取れます。

小西問題:小西文書と「サル・蛮族」などの暴言

立憲民主党の小西洋之・参議院議員といえば、最近、当ウェブサイトでは連日のように話題に取り上げている人物です。

といっても、「良い意味で」、とは限りません。

3月上旬ごろからは小西氏が公表した総務省の内部文書(いわゆる「小西文書」)を巡って、小西氏が高市早苗・経済安保担当相を舌鋒鋭く追及した件に関する話題が多かったのですが、予算が3月28日に政府案通りに成立して以降、急速にフェードアウト。

これに代わって浮上したのが、小西氏自身が3月29日に発言した「サル・蛮族」発言問題です。

その最新の話題といえば、なんといっても『小西氏、今度は「謝罪ツイート」を印刷して相手に渡す』などでも取り上げた、「ツイート印刷事件」でしょう。

これは、小西氏が謝罪のツイート(下記参照)をカラー印刷したものを、自身の名刺とともに各議員に配布したとされるものですが、これも本当に驚く話題です。

ツイート印刷は「相手に会わないため」だった?

しかも、その後、とある方の指摘によれば、どうも小西氏はこの「印刷ツイート」を、各議員が退室するであろう時間に、各議員の部屋に投函したのだそうです。

この「各議員がいなくなった時間帯を見計らい、各部屋に投函した」とする情報については、裏どりは出来ていませんが、日本維新の会の馬場伸幸代表などの発言から判断する限り、この情報の信憑性は高そうです。なぜなら、小西氏は相手(たとえば馬場氏など)にアポイントを取った形跡が見当たらないからです。

マトモな会社での社会人経験があるかたならば共感していただけると思いますが、通常の社会人の場合、何らかの理由で相手に謝罪しなければならないときには、よっぽどの事情がない限り、通常はアポイントを取って、相手の事務所や自宅などに出向いて直接お詫びします。

今回、小西氏は衆院憲法審査会のメンバーを念頭に侮辱する発言を行っていますので、少なくとも憲法審の森英介会長(自民党)、9人の幹事のうち立憲民主党の2人を除く7人(馬場氏含む)、さらには憲法審メンバーでもある国民民主党の玉木雄一郎代表らには、面会したうえで謝罪すべきでした。

また、同様に、自民党や公明党、日本維新の会などの国対委員長ないし幹事長などの幹部に対しても謝罪すべきでしたし、さらには「法的措置」をチラつかせて恫喝した産経新聞社の大橋記者らも、小西氏が誠心誠意謝罪しなければならない相手でしょう。

ちなみに馬場氏の場合、ツイートは在室していた秘書の方が受け取ったそうですが、これも秘書の方が退勤されていた場合、ツイートと名刺を投函して終わらせるつもりだった、という可能性が濃厚です。

立憲民主党との「共闘凍結」に泉氏は…

ただ、このエピソード、正直、立憲民主党という組織そのものの問題であって、小西氏だけの問題ではないように思えてなりません。

馬場氏はこの小西氏の謝罪の態度に激怒し、日本維新の会として、立憲民主党との「共闘」については引き続き凍結する方針を示していますが、これに関連し、産経ニュースは金曜日時点でこんな話題を報じています。

立民・泉代表、維新との共闘再開望む 小西氏のサル発言で凍結

―――2023/04/14 12:52付 産経ニュースより

産経によると立憲民主党の泉健太代表は14日の記者会見で、凍結中の日本維新の会との共闘を巡り、「再開したい」とする意向を表明したのだそうです。

ただ、もしそうであるならば、泉氏は「再開を望む」、で済ませるべきではありません。具体的なアクションを起こす必要があります。

その「具体的なアクション」は、すでに馬場氏が示しています。『維新・馬場代表、立憲民主に「小西氏追及チーム」提案』でも紹介したとおり、馬場氏は立憲民主党に対し、小西問題を巡って「チームを作り追及すること」を求めているからです。

泉健太氏は党代表なのですから、馬場氏の要望通り、まずは「小西氏追及チーム」(あるいは「追及チーム」という呼称が気に入らないならば「調査チーム」でも良いと思います)を作り、「小西問題」(総務省の内部文書を所持している問題、暴言問題、報道機関や一般人に対する威嚇問題)を究明すべきでしょう。

そのうえで、世間から批判されている、小西氏に対する処分が「遅過ぎ」、「軽過ぎ」るという問題についても、泉氏自身が精力的にイニシアティブをとり、解決を図っていかねばならないのではないでしょうか。

それは党内で内々に伝達すべき話

もっとも、同じく14日付の産経ニュースに掲載されたこんな記事を読んでいると、泉氏に代表としての自覚があるのか、そもそも疑わしくなります。

「小西氏は誠意伝わる行動を」 泉氏、苦言

―――2023/4/14 17:22付 産経ニュースより

こちらの記事では、泉氏は同じく14日の会見で、小西氏が「誠意の伝わる行動をとるべきだ」と述べ、「党として小西氏に誠意ある対応を促していく」との考えを示した、などとしています。

これも理解に苦しむ言動です。

そもそも泉氏と小西氏は、党内の役職的には「上司」「部下」の関係にあるはずであり、小西氏に対し、「誠意ある対応を取らなければならない」などと対外的な記者会見の場で述べるべき問題ではありません。あくまでも党内部で泉氏が小西氏を呼び出し、注意喚起すべき筋合いの問題です。

また、産経によると泉氏は会見で、小西氏に「反省がないということではないのではないか」と指摘し、「周囲の理解を得られる行動をしていくことが大事だ」とも強調したのだそうですが、そういうことも、基本的には記者会見の場で述べるべきではありません。

小西氏に対し、「こういう措置を講じなければ、党としてあなたにさらに厳しい処分を科す」と通告すれば済む話だからです。それができないという時点で、泉氏の党内における指導力、リーダーシップには、かなりの疑問を覚えざるを得ません。

いずれにせよ、常識的に考えるならば、問題がここまでこじれるだけこじれた以上、立憲民主党としては小西氏を党から除名し、あわせて議員辞職を勧告するくらいでなければ、有権者を納得させることは難しいのではないでしょうか。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    今も立憲民主党を支持してる層って 「小西議員を守らなかった泉は代表を辞めろ!!」 とかツイートしちゃう人達だから、厳しい処分はできないだろうな。
    マトモな人ほど生きづらいと言われるどこかの国と一緒。泉健太は精神を病む前に代表を辞任したほうがいいんじゃない?

  2. クロワッサン より:

    >泉健太氏は党代表なのですから、馬場氏の要望通り、まずは「小西氏追及チーム」(あるいは「追及チーム」という呼称が気に入らないならば「調査チーム」でも良いと思います)を作り、「小西問題」(総務省の内部文書を所持している問題、暴言問題、報道機関や一般人に対する威嚇問題)を究明すべきでしょう。

    「我が偉大なる脱糞顰蹙党が、泡沫政党の要求に何故従わなければならぬのか?!」って事なんじゃないかと。

    「維新は我が党の支持にただ従えば良いのだ!」ですね。

    1. クロワッサン より:

      「維新は我が党の指示にただ従えば良いのだ!」ですね。

    2. クロワッサン より:

      >いずれにせよ、常識的に考えるならば、問題がここまでこじれるだけこじれた以上、

      ここから更に拗らせてこそ、然る小西氏の本領発揮でしょう(*^o^*)

      世の中には既知外な存在が居るのですから。

  3. ベル より:

    泉代表と小西議員が与党のスパイである可能性はないのでしょうかw

    選挙があるのにこんな行動をとるなんて
    立憲民主党の票を減らす以外に何の効果もないと思います。

    1. 世相マンボウ_ より:

      ちょうど統一地方戦ですので
      支持訴えるビラ配りの支持者さんに
      ひとこと聞いてみたいと思います。
      「小西議員をどう思いますか?」って。(^^)/
      そして意味深ににっこり笑ってひとこと
      「ありがとうございました」
      とだけ言って去ってあげます。

      さあて、どんな返事が帰ってくるか
      楽しみです。  (^^)

  4. CRUSH より:

    常識的にやるような事は、泉代表はすでにやってるのでは?
    説教部屋に呼び出して、お小言。
    ペナルティの申し渡し。

    そこで(ここからは妄想)小西が小西らしく逆ギレ。
    「謝罪はもう済んだし」と従わない。
    むしろ党代表を脅す。
    もし党が公式にペナルティを課すなら、まだ手元にたくさん残ってる総務省内部文書で反撃するぜっ!
    反撃する相手は自民党だけとは限りませんよフッフッフ。
    俺に敵対する奴はみんな敵だ!

    ・・・もうお手上げ。
    記者のみなさん助けてっ。
    もはや制御不能。

    そういう時には菅直人に訊いてみたらよいと思うんですけどね。
    そういう修羅場の経験者は、立憲民主党には豊富みたいだし。

    1. 世相マンボウ_ より:

      >>菅直人に訊いてみたらよいと思うんですけどね。

      たしかに(^^)
      北朝鮮の日本人拉致解明につながる
      国際指名手配で捕まった主犯格シンガンスの
      日本への送致取り調べを阻止するために
      署名までして手を染めた菅直人。
      法律で禁止されているのに
      半島のドス黒い献金疑惑で
      その追及を震災のどさくさで逃げ果せた菅直人。
      そんな菅直人を今も支えるのは
      当時は騙された無党派層が去ったあとは
      コアな韓流の方でしかないようです。

      THE小西議員(以下、略称;ザコニシ)さんは
      その元大課長補佐さまのご威光とやらで
      司法での追求をご自身で公言してしまってます。
      もし仮に自称憲法学者(笑)がそうだとしても
      訴訟はご専門ではないでしょうから
      名誉顧問菅直人大先生の協力加担(笑)を
      仰がれるべきでしょう。
      なんせ菅直人大先生にあらせられては
      「ぼくは法律には詳しいんだ」(笑)
      とのうぬぼれで
      政治家として、
      理念で正義で日本国民の支持で
      まったく叶わなかったアベ元総理に対し
      司法を悪用して訴えを画策して
      見事当たり前にお笑い敗訴なさったまでの
      特筆すべきご経験をお持ちです(笑)

  5. 世相マンボウ_ より:

    たしかに、
    この泉代表の会見は意味不明です。

    やはり、善悪以前のあり方として
    まず、人も政党も正直にありのままの姿であるべきで、
    その点で泉代表の姿勢は問題です。

    「小西を守れ!」と
    党内で燻っている人たちは
    我慢してないで正直に
    ご自分たちの有りようを発露して
    立憲民主党の党風と支持者の方の
    生きザマを目に見える形で体現した
    THE小西議員(以下、略称:ザコニシ)を
    党首に推しあげて、正々堂々
    日本社会のモラルとルールと秩序への
    反攻の狼煙を上げるべきときは今です!

    ~党風と支持者にもっともふさわしい~
    #ザコニシ立憲民主党党首実現を応援します!

  6. DEEPBLUE より:

    安住代表小西幹事長で岩盤支持層に特化すればいいのではないでしょうか、政党「ごっこ」するような組織ですし。

  7. より:

    いつも人を見下すようなニヤニヤ笑いばかりを繰り返す彼が、
    泣いてわめいて無様に醜態をさらす姿が見れればとりあえず満足です。

  8. 七味 より:

    小西氏の問題って
    ➀総務省からの行政文書(=小西氏の言うところの機密情報)の不正な持ち出し
    ②記事の訂正とかを求めての報道機関への不当な圧力
    ③国会憲法審査会への侮辱
    のみっつがあると思うのです♪

    1番軽い3つめだげじゃなくて、他の2つもちゃんとしないとダメだと思うのです♪

    特に①は、総務省内部での情報管理の問題なのか、国会議員が権力を盾に総務省職員に国家公務員法違反の行為を強要してたのかは明らかにしないとダメな気がするのです♪

    1. クロワッサン より:

      七味 さん

      然る小西氏の諸々の蛮行については、読売新聞も社説で述べていました。

      憲法審査会 議論に水を差した不適切発言@読売新聞社説
      2023/04/16 05:00
      https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230415-OYT1T50308/

      朝日毎日東京辺りは、もう解決とすべき問題だって認識なのか、スルーですね。

      つくづく仲間には甘い、腐った連中です。

    2. 墺を見倣え より:

      > ➀総務省からの行政文書(=小西氏の言うところの機密情報)の不正な持ち出し

      これ、どうなんでしょ?
      根拠はありませんが、逆に、小西氏、または関係者が作文して、総務省に持ち込んだ可能性もあるのではなかろうかと、内心思ってます。だったら、行政文書流出には該当しない。

      1. 七味 より:

        墺を見倣え 様

        返信ありがとなのです♪

        おっしゃるとおり、小西文書が、小西氏または関係者が作文したものだったら、総務省からの行政文書流出って問題はないと思うのです♪

        例えば、こんなストーリーが考えられると思うのです♪
        ➀ 何者か(A氏としますね♪)が小西文書を作って、総務省に持ち込む♪
        ② 総務省は、A氏から受領した文書を内部で回覧。行政文書として保存♪
        ③ A氏は、小西文書を小西氏に渡す♪
        ➃ 小西氏は、貰った小西文書を示して、総務省に存在確認を求める♪
        ⑤ 総務省は、小西文書とおんなじものを②で行政文書として保存してるから、「小西文書は行政文書です」って応える♪
        ⑥ 小西氏は、文書の正当性を確信して、高市大臣を責める♪

        この場合、行政文書流出はないけど、もっと大きな問題じゃないかと思うのです♪

        だから、ホントのところどうだったのか?って確認しなきゃと思うのです♪
        そんで、国会議員が国会に持ち込む文書の正当性をどう確認するのか?って制度設計までしなきゃとも思うのです♪

  9. カズ より:

    泉氏には、人事ではなくて’’他人事“。

    「本人の”誠意ある行動”に」としか言えないのは、これしきを代表権限で罰すると、他の人罪も罰せざるを得なくなるから。

  10. 雪だんご より:

    記者会見でこの他人事の様なセリフ……
    やはり、泉代表にはこれくらいが限界ですか。本音ではもう代表辞めたがっていそう。

    相変わらず立憲支持者には小西議員の方が受けが良い様ですし、毎日新聞出身の記者は
    「小西はもう十分罰しただろ、高市を逃がしたのは悔しいけど」とぼやいていましたし。

    小西議員を罰したらどんな大惨事が起きてしまうか怖くて、
    泉代表は身動きが取れないんでしょうね。

  11. 元日本共産党員名無し より:

    泉代表は議員の処分権限が無い代表なのでしょう。例えば山口二郎さんとか、立民の立党時の元勲みたいなのが大勢居て、そこの合意無しには何も決まらないのかも。
    尤も、日共みたいにサクサク党員の処分が可能な党は皆さんお嫌いですよね? そうすると泉代表や党の体質をここぞとばかり責めるのはある種のダブスタでは無いか?と言う気も少しいたします。

    1. クロワッサン より:

      元日本共産党員名無し さん

      >尤も、日共みたいにサクサク党員の処分が可能な党は皆さんお嫌いですよね?

      日共の問題点はサクサク処分する事ではなく処分理由だと考えます。

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