産経記者、小西議員から記事訂正「圧力」受けたと証言

産経新聞の大橋記者は31日、立憲民主党の泉健太代表の記者会見で、小西洋之参議院議員の「サル・蛮族」発言を報じる記事に対し、小西氏自身からLINEで記事の修正要求を受けたと明らかにしました。これが事実なら、「報道に対する圧力」そのものです。果たして立憲民主党はこの問題で何らかの対応を講じるのでしょうか?

高市氏の総理としての資質は十分!?

最近になって、連日のように立憲民主党の小西洋之参議院議員を巡る話題を目にするようになった気がします。

例の「小西文書」事件の影響もあってか、当ウェブサイトを含め、ネットメディア、ウェブ評論サイトなどでは、小西氏についてずいぶんと議論して来たのではないかと思います。

といっても、『勝負あり:高市氏が小西文書「捏造」を説明してしまう』などでも指摘したとおり、結局この「小西文書」自体、すでに「勝負」はついています。とくに高市早苗氏について記載された4枚のうち1枚は正確性に疑義があり、残り3枚に至っては作成者すら不明だという代物だからです。

このあたり、お叱りを覚悟で敢えて申し上げるなら、この「小西文書」事件はむしろ、「高市早苗」という政治家の怪文書やスキャンダル追及に対する「打たれ強さ」を示したという意味では、日本の憲政史上、意味があったものだったという言い方もできると思います。

余談ですが、もしも「高市総理」が実現するならば、少々のスキャンダル追及でダメになることもなく、むしろ捏造には捏造として毅然と対処する姿勢が見られるかもしれないのだとすれば、これは本当に期待できるのかもしれません。

(※ただし、こうした夢をぶち壊すようで申し訳ないのですが、著者自身は現時点において、自民党内の派閥政治の現状に照らし、「高市総理」が実現する可能性はさほど高くないと見ているのですが、この点については機会があれば随時、別稿にて議論したいと思います。)

怪文書に続き小西氏に焦点があたった「サル・蛮族」発言

もっとも、この「怪文書劇場」におけるもうひとりの「主役」が小西宏之氏であることは間違いありません。結果的に高市氏を「引き立てる」役回りを演じたからです。

そして、「小西文書」騒動が事実上、今年度予算成立とともに終焉するやいなや、今度は小西氏がもう1回、騒動の主役になったようです。『小西洋之氏、衆院憲法審査会巡り「サル・蛮族」と批判』でも取り上げた、「サル・蛮族」発言がそれです。

これについては昨日の『「サル・蛮族」発言で波紋の小西氏、筆頭幹事から更迭』でも取り上げたとおり、結果的に小西氏は謝罪と発言撤回に追い込まれたうえ、立憲民主党側も小西氏を参院憲法審査会の筆頭幹事から更迭する措置を講じました。

正直、発言の重みに比べ、この立憲民主党の措置は軽すぎるのですが、それでもさすがに立憲民主党ですらかばいきれなくなったという意味では、それだけこの「小西発言」が世間の強い批判にさらされているという証拠なのでしょう。

大橋氏の発言受け、泉代表が困惑した表情見せる

こうしたなかで、非常に気になる情報も出てきました。

泉健太・立憲民主党代表の31日の会見で、産経新聞の大橋記者は一種の「爆弾発言」をしたのです。

動画の28:45~で該当するやり取りが出ているのですが、大橋記者は次のような趣旨のことを述べました。

  • 小西さんが「サルのやることだ」と発言した記事を産経ニュースに掲載したところ、小西さんからその晩、「オフレコで、しかもその場で撤回した発言をよくも書くなと呆れます」、「書くのであれば発言を追記するように伝えてください」、「修正しないなら法的措置を取ります」との趣旨のLINEが届いた
  • 「ここをこう直せ」、というところまで書いてあり、(これは)どう考えても編集権への介入だと思われるが、小西さんからは「根拠を示せ」と要求されるなど(話は)全然かみ合わなかった。この行為を(泉代表は)どのように考えるか?

これに対し泉代表は困った表情を浮かべ、言葉を選びながら、「つねに自制心や客観性を忘れてはならない」、「自分の戦いに集中しすぎるあまり周りが見えなくなってしまってはいけない」などとしたうえで、「申し訳ございません」と述べました。

ただ、これに対し大橋記者は、「(記事を)訂正しないなら法的措置だ」という小西氏の発言を「完全に(報道に対する)圧力だ」と改めて指摘したうえ、こうした小西氏の発言を立憲民主党が党として放置するようであれば、放送法の解釈などを巡り政府を追及するうえでの正当性が失われると主張しました。

まったくそのとおりでしょう。

小西氏は「小西文書」を用いた追及のなかで、当時の安倍晋三政権が放送法の解釈変更を通じ、報道の自由に圧力を加えたのではないか、という点を問題視していたはずですが、(大橋記者の発言が事実なら)小西氏自身が現在進行形で報道の自由に圧力を加えていることになります。

毎日新聞が「オンレコ」報じる

問題は、それだけではありません。小西氏は産経などが報じた自身の「サル・蛮族」発言は「オフレコであり、すぐに撤回したものだ」と主張しているのですが、興味深いことに、その小西氏の認識を否定するような情報もあります。報じたのは毎日新聞です。

立憲・小西氏が発言陳謝 「憲法審、毎週開催ってサルのやること」

―――2023/3/30 20:42付 毎日新聞デジタル日本語版より

毎日新聞によれば、問題の「サル・蛮族」発言があった29日の取材には、毎日新聞を含む複数社が参加。実名報道を前提とする「オンレコ」取材で、ICレコーダーで録音していたのだそうです。そのうえで、毎日新聞は次のように指摘します。

小西氏は『サル発言』の前後に『オフレコ発言しないほうがいいかもしれないけど』『サルって言ったら差別発言になるのかな?』などと述べたが、撤回や修正はしなかった」。

産経新聞とは報道スタンスが大きく異なることで知られる毎日新聞が報じた以上、そもそも「サル・蛮族」発言が「オフレコのものだった」とする小西氏の認識自体が正しくなかったという可能性が裏付けられた格好だ、という言い方もできるでしょう。

いずれにせよ、立憲民主党が小西氏に対し、党として何らかの懲罰を下すのかどうかは気になるところです。メディアですらかばいきれなくなっているわけですから、正直、統一地方選を前に、この問題は放っておけば放っておくほど延焼し、立憲民主党自身の支持率などにも大きな打撃を与えかねません。

その意味では、むしろ焦点は立憲民主党の対応ではないかと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

    本日の朝日新聞の読者投稿で、「高市早苗大臣が、小西文書を捏造よばわりするのはケシカラン」というものがありましたが、もし朝日新聞が(ネットでの)小西文書の事実を報道するようになったら、この投稿は、どうなるのでしょうか。

  2. まんさく より:

    小西議員は自宅に放火をする様な行為を平気でするあたり人間離れしてますね。

  3. 農民 より:

     お仲間が「オフレコ発言でも公益や正義に資するならバラしても良い」などとやったのが記憶に新しいですが、そこをスルーしてあげたとしても。小西の認識が見て取れる記事ですね。

     まず「オフレコでならこう言った」という事実は厳然とあり、オフレコであれば何を言っても事実が無かったことにできるわけではありません(そういえば小西の上司がこれを与党にたいしてのみ声高に叫んでいましたが、彼女にも喧嘩を売っているのでしょうか?)。ましてや上述のバラしは確か「(同性愛は)見るのも嫌」という取材外の発言だったと思いましたが、聞く人によっては傷つくかもしれませんが、単なる属性に対しての個人の見解・感情の発露であってそれこそどうこうできないもの。また「撤回するから無かったことにしてくれ」などとは聞き及びません。
     しかし小西のサル発言は特定の相手に対しての誹謗・攻撃です。「差別かな?」って……差別などではありません。もっと非文明的です。差別の意味を全く理解せずに、使い勝手の良い武器・錦の御旗としてして利用してきた連中だなとつくづく思います。
     「お前はサルか!」だけでどこがどう差別なのか。「お前は黄色人種だからサルみたいなもんだ。」と人種属性で括っての評価をしたり、「お前は規則を破ったわけじゃないが、サルみたいなもんだから給料を上げない。」などと一方的な認識で処遇に差を付けたならば差別です。

     小西の今回の発言は、決して差別などという高度なものではありません。もっと原始的な「幼稚な罵倒」です。本当にエリート官僚課長補佐憲法学者だったのでしょうか。

    (そもそも週定期で議論をする猿というものを私は知らないし居たとしたらかなりの高知能なので、例えや罵倒としても意味不明なのですが。) 

    1. oinko より:

      立憲に入る時点で
      自称「エリート官僚課長補佐憲法学者」の程度がわかります
      それも計算づくなら、他の党に移籍するタイミングまで静かにしています。

  4. こんとん より:

    個人的な感想ですが・・
    憲法審のサル発言や怪文書騒ぎなどはまぁ「サル」が騒いでる程度の問題と思ってましたがw
    (それでも国会を空転させた罪や損害は軽微ではない)、現役記者に報道内容の修正を求めたり法的処置を恫喝したりするのは大問題だと思いますけどね。

    自民の現役議員がコレやったら総叩きで議員辞職必至くらいの大騒動で騒ぎますよ。マスコミがw
    しかもご丁寧にLINEで証拠まで残してくれているわけですから。この問題がなぁなぁで済まされるようならマスコミも立憲民主党も主張に一貫性がないとの非難は免れないでしょう(まぁそんな信頼は等に失われているわけではありますがw)

  5. やまいぬ より:

    過去の「社民党 vs JR東海」
    最近の「Colabo vs 東京都」
    そして今回の「立民 vs 朝日毎日」

    何故こんなに共食いが発生するのか
    食べるものがなくなっちゃったのかな

    1. やまいぬ より:

      訂正
      ×JR東海
      ○JR東日本

  6. めたぼーん より:

    自浄作用という言葉からかなり遠い政党ですから、どう動くのかは見物ではありますね。

    1. オタク歴40年の会社員です、よろしくお願いいたします より:

      「諸君らの愛した小西は敗れた、なぜだ‼️」

      「坊やだからさ…」

  7. めがねのおやじ より:

    大橋記者に対するLINEなり発言は、マジ代議士のメディアに対する圧力ですね。こりゃ統一地方選前に火に油、ガソリンでしょうか(笑)。小西氏もろとも立憲民主党は火焰地獄に遭いそうだ。

    どんだけ落とすか愉しみ。高市早苗大臣は、反対派や快く思わないグループが居るのは事実ですが、守りも硬い。立憲民主党に負けなかったのもその表れ。泉さん、貴方もこの際、マッチ擦りますか?(^^)v

  8. HY より:

     高市大臣の総理の資質については今回が一つの試練であり、勝利を勝ち取ったと言えるでしょう。現時点で自民党の派閥政治においては総裁になれる可能性はありませんがそれは平時の話であり、台湾有事といった異常事態には旧態然とした政治体制は耐えられなくなると思います。そんな時こそ、異端が活躍できるチャンスなのです。

    1. より:

      私も同感です、
      高市さんには乱世の梟勇的な雰囲気を感じます、
      いずれ日本人が彼女を必要とする時が来ます、きっと、

      そして、
      賎民思想の塊の小◯氏へ、
      あなたの言うところのサルや蛮族が
      日頃あなたが使用する
      携帯や車、エアコンやウォシュレットを開発生産したのですが、
      サルや蛮族以上のあなたは何か人の役に立つことしましたか?。

  9. 元ジェネラリスト より:

    コニタン、今この時間も、たくさんのツイートを連発してます。黙っていられないみたいです。(笑)
    墓穴掘りまくりですが、彼はいつもと同じ行動を取ってるだけなんですよね。マスコミから注目されてる、いつもと違うモードになったことがわかっていない。
    殊勝な態度で悪い点を認めて謝罪すりゃいいのに。

    理屈で説明し切れれば勝てる。枝のんにも同じところがありました。
    この人達には大衆扇動なんてムリですね。

    酒の肴にコニタンをフォローしました。w

    1. より:

      ワンパターンの似非革命家のアジ演説ですね、
      使われる側(労働者)ではなく、
      使う側(元官僚)目線である限り、
      彼に同調する人は皆無でしょうね。

  10. KY より:

     さて、今まで小西議員やマスゴミの尻馬に乗って高市バッシングをしてきたパヨク、特になんJ民やヤフコメでいきってた連中は今どんな気分でしょうね。
     まあ意地でも己の非を認めない連中ですからとっくに「無かった事」にしてるのでしょうけど。

  11. クロワッサン より:

    小西「来た、言った、炎上した」(*´∇`*)

  12. ミナミ より:

    左翼政党と左翼マスゴミの攻撃ターゲットが安倍氏から高市氏になっただけなんですよね
    その理由はと言えば(彼らから見て)「右翼っぽいから」という事以外に思いつきません
    その一方で防衛費倍増化、西側諸国との安保連携強化、
    ウクライナへの支援強化(殺傷兵器の供与開始も視野に入っている)、
    露(+中)に対する外交的姿勢の明確化などを、粛々と進めていると言って良い岸田首相への攻撃は弱く、
    左翼勢力の攻撃は全く戦略的でも効果的でもなく、単なるリンチ、私怨のレベルに堕ちている様に思えます
    元々無能と言えばそうですが、モリカケサクラの様な国政の停滞すら起こす事も不発に終わる体たらく
    やはり相手が首相、そして彼らから見れば悪の権化という設定の安倍氏が相手でないと、
    無能の精一杯の力すら集中できないのでしょうかね?

  13. 朝日新聞縮小団 より:

    小西議員は立憲民主党に所属し続けるかぎり議席は安泰でしょう。
    不要の府である参議院の中でもさらに不要な議員ですが、野党第一党という地位によって千葉という巨大選挙区ではどうしても当選してしまいます。
    自分で責任を取り離党するようなタマでもないので、立民が除籍しない限りは今後も国会議員として居続けるでしょう。
    立民から離れれば、あとは元郵政省の官僚というコネでいくばくかの郵便局員組織票が得られるでしょうけども、まあ当選は無理でしょうね。
    さて、泉党首の決断や如何に。
    まあこれまで数々の問題議員を野放しにしてきたことによって落ちるところまで落ちているんで、今更誰かを処分するようなことはなく、厳重注意が関の山でしょうけど。
    なんたってサル発言どころか国民を、有権者をゴキブリと罵った議員に何の処分もしない政党ですから。

  14. 匿名 より:

    「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」とでも思ってるんでしょうね。
    某国そっくりです。

  15. 同業者 より:

    なんとも無防備な方ですね。
    取材拒否に報道機関への圧力。
    一国会議員が中国共産党のような振る舞いを公然と行ってしまうとは。
    元総務省放送政策課課長補佐には、そんな強大な権力や権威があるのでしょうか。
    自称憲法学者と仰ってますが、実は「拳」法学者で酔拳でも研究しているでは。
    統一地方選挙を控えた立憲民主党の候補者からは、「あいつを黙らせろ」との苦情が殺到しているのではないでしょうか。

    これはオフレコですが、「おまえがエテ公」と思ったのはわたくしだけでしょうか。

  16. 匿名 より:

    個人的には、サルよりも蛮族が気になる。蛮族という認識は、究極の差別発言としか思えない

  17. CRUSH より:

    高市ネタなのでこちらに貼り付けておきますね。

    https://www.asahi.com/sp/articles/ASR4103K3R3YUTFK005.html

    「高市早苗氏に自民党で広がる失望。
    「質問しないで」答弁撤回の舞台裏」
    なのだそうです。
    有料記事なので見出しだけで十分かと。

    姑息ですよねえ。

    朝日新聞さん、そういうとこだぞ、バカにされてるのは。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

オタク歴40年の会社員です、よろしくお願いいたします へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告