「韓日両国が2ヵ月でお互いホワイト国復帰」、本当?
経産省は昨日、韓国に対するフッ化水素など3品目に対し、「特別一般包括許可制度」の適用が可能となる省令改正を発表。また、韓国政府の説明によると、日韓ともにお互いを「ホワイト国」に原状回復する手続が2ヵ月ほどかかる、などとしているのだそうです。ただ、この「日本の韓国に対する輸出規制解除」を巡っては、韓国メディアの報道にはかなりの問題があると言わざるを得ません。
憲法、法律、政令、省令の「上下関係」
2019年7月に経産省が発表した韓国に対する輸出管理の厳格化・適正化措置を巡り、経産省が韓国側との対話を踏まえ、その一部を緩和することにしたという話題は、『韓国向け輸出管理緩和発表も「ホワイト国除外」は維持』でも触れたとおりです。
ただし、経産省が「緩和」したのは2019年の2つの措置(①韓国をいわゆる「ホワイト国」のリストから除外、②フッ化水素など3品目の個別許可制度への移行)のうち、後者の措置、すなわち3品目の輸出許可を「特別一般包括許可」に切り替えるというものに限られています。
このあたりは整理が必要です。
日本の法体系には憲法、法律、政令、省令、告示・通達という上下関係が存在していますが、改正するためのハードルが最も高いのは憲法でしょう(なにせ衆参両院それぞれ3分の2以上の賛成に加え、国民投票で過半数の賛成が必要です)。
これに対し、法律の場合は衆参両院それぞれ過半数の賛成(あるいは衆議院議員の3分の2以上の賛成)で改正が可能であり、政令の場合はパブコメ等を募集したうえで、閣議で改正が決定されます。さらに、省令の場合は担当の主務大臣が認可すれば改正が可能で、告示等に至っては大臣などの承認すら不要です。
こうした視点で今回の輸出管理適正化措置の「緩和」(?)を眺めてみると、また違った姿が見えてくるでしょう。
今回の措置は2つに分けて整理する必要がある
今回の措置のうち、①の「ホワイト国再追加」に関しては政令改正が必要であり、かなりハードルが高いといえます。というのも、政令を改正する場合には一般にパブコメを募集することが必要であるのに加え、閣議決定を踏まえて天皇陛下の御名御璽をいただかないといけないからです。
これに対し、②の措置に関しては、経産省令で改正が可能です。つまり、事実上、経産省の省内だけで決めることができる、ということです。実際、経産省が23日付で発表した内容を見てみると、手続が経産省内で完結していることが確認できます。
「輸出貿易管理令の運用について」等の一部を改正する通達について(韓国向けの輸出管理制度の見直し)
大韓民国向けの3品目の輸出に関し、外為法に基づき運用見直しを行うこととします。<<…続きを読む>>
―――2023年3月23日付 経産省HPより
これによると、今回「改正」したのは『輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令』です。政令(輸出貿易管理令)ではありません。
そして、今回の措置が経産省内の独自の決定で行われたということは、裏を返せば、何かあったときには経産省内の独自の決定に基づき、今回の措置をすぐに撤回することができる、ということでもあります。
このあたり、韓国メディアの報道を眺めると、シンプルに「日本が輸出『規制』を緩和した」、「ホワイト国復帰も間近」などとする記事も散見されるのですが、事情はそこまで単純ではないのです。
「2ヵ月以内に日韓ともにホワイト国復帰」、本当?
こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝、こんな記事が掲載されていました。
韓国政府、WTOへの日本提訴を撤回···ホワイトリストの復元にも着手
―――2023.03.24 06:51付 中央日報日本語版より
中央日報によると、韓国政府・産業通商資源部は23日、「日本の輸出『規制』に対応した韓国政府の世界貿易機関(WTO)提訴を撤回」するとともに、「日本を『ホワイトリスト(輸出審査優遇国)』に復元させる手続にも着手した」としています。
輸出「規制」という誤った用語を堂々と使い続ける韓国メディアの神経にも驚きますが、もっと驚くのはこんな記述です。
「産業部は『日本も韓国の大統領令に当たる政令改正を通じて、韓国が日本のホワイト国(グループA)への復帰が早期に実現できるよう、韓日輸出管理政策対話などを通じて緊密に議論していく予定だ』と話した。韓国政府は、韓国と日本がいずれもホワイトリストを原状回復するのに少なくとも2カ月はかかるものと見込んでいる」
…。
本当でしょうか?
西村氏は「現段階で何か決まっているわけではない」
これについては日本側の発表で裏どりをしておくのが必要でしょう。西村康稔・経産相は「(旧)ホワイト国」への復帰を巡って、3月17日付の記者会見で、こんな趣旨のことを述べています。
- 今回の措置は「なにか輸出管理措置を解除した」というわけではなく、2019年7月以前のグループA(いわゆるホワイト国)として取り扱うことを決めたわけでもない
- ホワイト国の取扱いについては現段階で何か決まっているわけではない。日本としてこれまで韓国側に対して課題となっている点を明示してきており、今後のこの国のカテゴリーの取扱いについては韓国側のさらなる取組状況次第
- 今後の政策対話を通じて通常兵器キャッチオールの運用状況など、3品目以外の幅広い品目における韓国側の輸出管理の制度、運用状況について更にその実効性をしっかり確認していくということと同時に、韓国側の今後の姿勢を慎重に見極めていきたい
つまり、この西村氏の説明を聞く限りにおいては、「(旧)ホワイト国」のカテゴリー復帰への手続は、現在のところまだ予定されていない、ということです。
ちなみに西村氏の説明によれば、3品目の輸出管理措置の「緩和」(?)に関しては、「入念な検証」の結果決定されたものだそうです。
つまり、3品目に関しては2019年以来、個別許可のたびに使い道、行き先などを確認しており、その実績が積み上がったことに加え、韓国側の体制や運用について入念な検証を行った結果、韓国側の取組の実効性改善が認められたこと、WTO提訴手続の取り下げが発表されたことがその「緩和」の理由です。
いずれにせよ、西村氏の説明が正しいのか、それとも韓国政府の「2ヵ月以内にホワイト国復帰」とする内容が正しいのかについては、さほど遠くない未来に判明することでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
アメリカはなんて言うかね?
鈴置論考の中に;
“そもそも、「韓国の横流し」を日本に教えて輸出管理を厳格化させたのも米国だった――と見る情報関係者が多いのです。”
とある。
とある商品が「2ヶ月待ち」だったとして
・発注すれば(仮定)その2ヶ月後には入手できる
と
・今発注したから(既遂)2ヵ月後には入手できる
は違うよね。
>西村氏は「現段階で何か決まっているわけではない」
日本政府がこのような表現をする時は、実質的に決まっていて近い将来に実施するということが多いように感じます。
国民の反発を抑え、また募集工合意との関連性がバレルのを防ぐ目的から、ごまかしているのでしょう。
その意味で、今回は韓国政府が言っていることが正しいと思われます、韓国政府にとっては輸出管理措置問題と募集工問題との関連性があると思われる方が望ましいのでしょうから。
なお当然ながら、全てアメリカのおぜん立てかと思います。
「今回は韓国政府が言っていることが正しいと思われます」
上記の見立てに、賛成しません。
どれだけ、マスゴミが願望を垂れ流そうと
次回のパブコメで、“韓国は信頼できる”が、多数にならないと思います。
韓国国防部は、レーダー照射問題を、威嚇飛行問題にすり替えているので。
当然ながら、韓国は信頼できません。
おっしゃるように、レーダー照射問題を威嚇飛行問題にすり替えています。
しかし今回の募集工問題に関する一連の岸田さんの言動は、従来の安倍菅内閣の方針を全く踏襲しておらず、明らかに韓国への融和方針という大転換を感じます。
その融和方針に対して、この板の皆様や多くの国民が支持していないことは、周知の事実です。
またバックにアメリカが関わっていることも多くの国民が感じ取っていることも事実でしょう。
私としてはそういった一連の流れ、及びアメリカには逆らえない岸田首相の状況から、今回については、「韓国が日本のホワイト国(グループA)への復帰が早期に実現できるよう、韓日輸出管理政策対話などを通じて緊密に議論していく予定」という中央日報の発表が正しいのだろうと判断したものです。
いずれにせよ、新宿会計士様がおっしゃるように、「2ヵ月以内にホワイト国復帰」とする内容が正しいのかについては、さほど遠くない未来に判明することでしょう。
思ったより早く出ましたね、
【韓国WTO提訴取り下げ 優遇対象国除外措置の見直し協議へ】NHK
2023年3月24日 12時28分
韓国が、日本の輸出管理措置に対抗して行っていたWTOへの提訴を取り下げたことについて、松野官房長官は歓迎したうえで、日本が韓国を輸出の手続きを簡略化できる優遇対象国から除外している措置の見直しも、当局間で協議していく考えを示しました。
>日本政府がこのような表現をする時は、実質的に決まっていて近い将来に実施するということが多いように感じます。
書き込もうと思っていたことがまるまる既に書かれてました。
結局良くない方へ進む予感がします。
今書き込みましたが、NHKで優遇対象国除外措置の見直し協議が始まる、と報道されました。
また雑な解釈をして、自分らの都合良く話に妄想を加えてますね。日本は輸出管理厳格化の3品目について、米国承認済みだろうが、以前に戻すだけであり、また今後も裏で密貿易みたいな事をすれば、元に戻すと。
韓国がWTO提訴を撤回し、日本をホワイト国に戻しても、別に我が方は何のプラスも無いヨ。貿易減ってるんだから。韓国はホワイト国に復元して欲しいだろうな(失笑)しかし、韓国から何を買う?(爆笑)。日本がホワイト国(グループA)には当分しないだろう。様子見ます、でしょ。
原状回復するのに少なくとも2カ月はかかるものと見込んでいる」
「(必要があれば随時)管理権限者の一存で措置できる」との観点でみれば、現状こそが本当の意味での相互主義です。無法者の丸腰を真に受けるのは愚行です。
中国は高齢化社会に進み、経済成長も鈍化してしまいました。
最新の半導体はアメリカに止められて、中国に最先端の未来はありません。
どう考えても、中国の未来は衰退しかないのです。
逆に言えば 今が中国の最大絶頂期なのです。
ならば 台湾進攻は中国が衰退する前に・・・今しかない!!と習近平も思っているでしょう
台湾有事は今が一番危険です。
最近になって岸田が防衛費を上げたのも、
韓国が日韓改善に動き出したのもアメリカが背後で動いているから・・・
と仮定すれば
韓国がアメリカの思った通りに動かなければ、必要とあれば日本に譲歩の圧力をかける可能性は十分にある
と考えられます
もう既定路線なんですかね…。ため息しか出ない。
私は、官邸に外務省、経産省、すべてグルだと思っています。
16日の日韓首脳会談後すぐにホワイト国に戻すと日本国内の反発も大きいので、少し時間稼ぎして、広島G7あたりで復活させるんじゃないかと疑ってました。で、そこで日米韓・日韓が短い会談でもして、お互いにホワイト国に戻して仲良しこよしを演出するんじゃないのかな。馬鹿馬鹿しいことに。
私は日本が3品目の輸出管理厳格化を解除した時からこの流れを予想してましたが、岸田政権が韓国を広島G7に公式に招待したことと、今、韓国側が復活に2ヶ月云々と言い出したことから確信に変わりつつあります。
もちろんこの予想が外れてくれることを祈ります。もし当たれば…まあ完全に日本国民はなめられているんでしょうね。日本政府自体が、米国の犬&韓国のATMになるために奔走し国民を欺く「反日」政府だということです。
「日本をパクスアメリカーナの元慎ましやかな生活水準を享受する」くにとし「太平洋の絶対防衛線上に位置する不沈空母」として活用するアメリカ民主党政権の意思を受けて宏池会岸田政権ゼッコーチョー!?
モー日本もワレが生きてる間だけ社会生活に大異無く過ぎ行けばソレでエエんカモなァ…
興味深いニュースですね。
パブコメに多くの意見が集まるとその取り纏めに時間がかかりスケジュールが変更になることもある模様。
万が一、グループAに戻すなんて方針が出てきたら、皆さんで100万件くらいパブコメしましょうね。
【国内初“経口中絶薬”】厚労省が募集したパブリックコメントに「1万2000件」の意見 審議延期へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/a34af3c14bfba678517ff435abe5bb3ee0d02e60
経産省「韓国をグループAにしまーす。」
韓国 「うおおおお大勝利!」
経産省「同時にグループの枠組みを改正しまーす。既存のAをSとし、A以下では一括審査の優遇を受けられず、格上げには安保面での実績も必要とします。」
韓国 「」
とかナイカナー。
まあ、本当に韓国か貿易管理を高度化させて、各種ルールを遵守出来る態勢になっているならホワイト国復帰もありなのです。そういうことなしにたんに関係改善の「呼応」としてホワイト国復帰が論じられるのが問題なのです。
ホワイト国復帰させるとして、その措置が適切であることの説明は経産省がするべきです。これこれこういう不適切事案があってホワイト国解除したが、その後指導のかいあって不適切事案が激減しました(数値をつけて)。だからホワイト国復帰してもよろしいのではないか。そう国民に説明してパブコメを受け付けて国民の意見を受け付ける。ちゃんとパブコメに回答出来て初めて政令改正に進む。
実際のところ、韓国は貿易管理の責任者の職位を上げる程度のことしかやってません。職位が高かろうと韓国人は韓国人。不正を防ぐ実質的な効果は変わりません。
まあ、ホワイト国復帰に向けて協議することは構いません。ただ、ホワイト国復帰させるとして、国民を説得出来るだけの理由と実績があることを示すのは経産省の役割です。圧力に屈せず職務を全うしてほしい。
更新ありがとうございます。
輸出管理の適正化の緩和について新宿会計士様も「一般的に」と表現されています。これは「特例規定」を意識してのことだと愚考します。
実際、行政手続法などを眺めていると「公益性」や「委員会等」などの不穏な言葉がチラつきます。
パブリックコメントを「電子的」に実施した場合、その意見を元に判断すると、輸出管理の区分の変更は困難であると思われます。
その辺りは狡猾な宏池会政権なら十分承知していると推測しています。
ならば抜け道の存在も同様に認知していて、そこを利用してくる可能性も否めません。パブリックコメントのタイトルは、自分もチェックしています。他にも多くの目があると思います。
岸田政権時にやるのであれば、周知されているパブリックコメントは使わず、それに相当する「委員会等」で行う。もしくはパブリックコメントの意見を参考程度にとどめ「公益性」を盾に押し通すぐらいのことをやる不安が拭い切れません。
以下はパブリックコメントの例外の引用です。
>行政手続法に基づくパブリック・コメントの例外
行政手続法に基づくパブリック・コメントには、以下のとおりいくつかの例外があります。また、例外事項に当たる場合には、行政手続法の規定に従ったパブリック・コメントを実施しなくてもよいこととされています。ただし、以下の2に当たる場合は、パブリック・コメントを実施しなかった理由や命令等の趣旨に関する公示が行われます(行政手続法第43条新しいウィンドウで開く第5項)。
行政手続法の定める適用除外規定(行政手続法第3条新しいウィンドウで開く第2項及び第3項、及び第4条新しいウィンドウで開く)に該当する命令等
上記1に該当しないものであっても行政手続法第39条新しいウィンドウで開く第4項各号に該当する命令等
前述の例外事項に当たるものや、そもそも「命令等」に該当しないものであっても、各行政機関の任意により行政手続法の規定に準じたパブリック・コメントが実施されています。この場合の公示方法は、必ずしもe-Govを利用して実施されるとは限りませんが、e-Govを利用する場合には、「任意の意見募集」の案として掲載されます。
https://public-comment.e-gov.go.jp/contents/about-public-comment
フッ化水素についてはイスラエル、イランが関係し安部元総理が直接間接に説明を行った。
と思って居ます。
岸田総理も同様に行動するのでしょうか?
それともアメリカに言われちゃったよ。
で済ますのでしょうか?
今の韓国に輸出するのは、中国に輸出するのと同じことなので、
経済安全保障の観点からは、ありえないことですが。
さて。