総務省は安倍総理と高市大臣の通話を盗聴していたのか
放送法第4条では放送局の「政治的公平性」について定めていますが、「左に偏向している番組もあるが、右に偏向している番組もあるので、局全体としてバランスしているから問題ない」、という言い分は認められるのでしょうか。ちなみに企業会計の世界では、「接待交際費で経費の過大計上があったが、減価償却費で経費の過少計上があったため、全体として見たら経費の過大計上はなかった」、といった理屈は認められません。
先日の『高市氏が怪文書を捏造と批判:本質は業界の放送法違反』でも取り上げた、小西洋之参議院議員が公表した「総務省の文書」については、総務省自身が7日、「これは行政文書であることが確認できた」としたうえで、その全文を公開しました。
政治的公平に関する文書の公開について
3月2日、小西洋之議員が、放送法第4条第1項に定める「政治的公平」の解釈について、当時の総理補佐官と総務省との間のやりとりに関する一連の文書を公開しました。
これを受けて総務省では、公開された文書について、総務省に文書として保存されているものと同一かといった点についてこれまで慎重に精査を行った結果、小西議員が公開した文書については、すべて総務省の「行政文書」であることが確認できましたのでお知らせします。
なお、既に同じ内容の文書が、一般に公開されていることに鑑みて、全て公表PDFすることとしました。また、その記載内容の正確性が確認できないもの、作成の経緯が判明しないものがある点にはご留意いただければと思います。
―――2023/03/07付 総務省HPより
資料はPDFファイルで全78ページという長文です。
このうち高市氏は自身を巡る4枚の文書に関し、7日の会見で「私に辞職を迫られるのであれば、完全に正確なものであるということを相手も立証しなければならないのではないか」と述べたばかりです(『論点は文書が捏造かどうかでなく「記載内容の信憑性」』参照)。
そうした視点で改めてこの文書を眺めると、やはり不自然な箇所がいくつかあります。
その最たるものは、資料の70ページ目にある、こんな記述でしょう。
高市大臣と総理の電話会談の結果(平成27年3月9日(月)夕刻)
大臣室・平川参事官から安藤局長に対して以下の連絡。
政治的公平に関する件で高市大臣から総理に電話(日時不明)。
総理からは、「今までの放送法の解釈がおかしい」旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示?(サンデーモーニング他)
国会答弁の時期については、総理から、「一連のものが終わってから」とのご発言があったとのこと。
(以上)
「日時は不明だが、高市大臣が(安倍晋三)総理に対し『政治的公平』に関する件で電話し、総理から『今までの放送法の解釈がおかしい』などの発言があった」。
いったい何なんでしょうか、これは。
もし安倍総理と高市氏の間で本当にこんな会話が交わされていたのだとしても、この会話の内容自体に問題はありません。役所内で法令の解釈が変わることはよくある話だからです。
ただ、それ以上に問題があるとしたら、それを役所内で文書にした者がいるという事実であり、ということは、「安倍総理と高市氏の通話内容」が「盗聴されている」、ということを意味します。むしろこちらの方が「大問題」でしょう。
いずれにせよ、『高市氏が怪文書を捏造と批判:本質は業界の放送法違反』で指摘したとおり、放送業界を巡る本当の問題点は「放送局が放送法を一切守っていないこと」にあります。
かりに明らかに放送法に違反した番組があったとしても、その放送局に放送法違反があったかどうかは「全体として見る」、「総合的に見る」などとする総務省の姿勢自体も、明らかに問題です。「左に偏向している番組」と「右に偏向している番組」で「局全体としてバランスしている」、とでもいうのでしょうか。
ちなみに企業会計の世界では、「接待交際費で経費の過大計上があったが、減価償却費で経費の過少計上があったため、全体として見たら経費の過大計上はなかった」、といった理屈は認められません。
いずれにせよ、総務省という組織も相当に闇が深いことは間違いなさそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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いつも楽しく拝見しています
よく分かってないのですが、正式の行政文章であれば作成者が明確で情報元も明確になると思うのですがちがうのでしょうか?
大臣室に盗聴器が発見なんてなったら凄いことになりそうですが
穿った見方、陰謀論めいて恐縮ですが、これは総務省と野党が組んで高市さんの揚げ足をとって辞職に追い込むつもりでは…?
岸田総理にとっても発言に忌憚のない高市さんは目障りでしょうし、損するのは国民なので利権のお話から考えると岸田総理がことを納めるために高市さんへ辞職を強制しそうで嫌な気分になります。
妄想で済めば幸いです。
旧自治省と旧郵政省の争いなんだろうか?未だに過去の組織で派閥争いしているのなら、一回解体した方がいい。
> 「左に偏向している番組」と「右に偏向している番組」で「局全体としてバランスしている」
まぁ、明らかにおかしいですね。
普通の感覚だと、左に偏向している番組も、右に偏向している番組も、放送法違反で処罰されるべきです。こういうのを放置するからおかしなことになる。
私も、総務省内の文書である、と言うならば、書いた人がいて、その人を国会に呼んで聞き取り調査をすれば、はっきりするのではないかと思います。
もちろん、ただの官僚の「感想文」だった場合は、小西には辞任していただきたいですけどね。
うーん、なんで高市さんは「捏造でなければ辞任する」なんて言ったんですかね。「仮定の質問には答えられない」というお決まりの台詞で良かったのに。野党が元気づく材料を与えただけですよね。
サンデーモーニングは関口宏の意向なのか、徴用工問題でも頻繁に青木理なんぞを登場させて、伝統的というか贖罪志向の意見ばかりで辟易しております。とはいえ、張本さんなき後も高視聴率を維持しているようで、それなりに支持する人もいるんだろうと、あきらめております。
高市さんは、先の総裁選で、安倍元首相が、岸田担ぎ・河野潰し狙いで神輿に乗せた方ですが、その後はぱっとしませんね。茂木幹事長と権限争いしたり、公明党からも不快感持たれているようです。安倍派への復帰も全く応援する幹部はいなさそうです。県連会長である地元奈良でも、総務省のかっての部下を後押ししたものの、現職の知事も降りず、維新が漁夫の利を得るのでは、と言われております。主義主張は悪くはないと思いますが、政治家はそれだけでは結果を残せません。
とはいえ辞任する必要はないでしょう。
官僚も人間です。
内心で支持する政党もあれば嫌いな政治家もいることでしょう。
しかし滅私奉公するのが日本の法律で定められております。
真偽不明の内容を行政文書にしたため残し、後に発掘させて議員を貶める。
こんなことは出来たとしてもしてはいけない立場でしょう。
選挙でなく官僚の気分で政治家を排除することが出来てしまう。
なぜこんな文書を残したのか、誰がどういう意図で小西に渡したのか。
そういったことがちゃんとつまびらかになるのか、それとも高市叩きにメディアスクラムで終始するのか。
以前にこちらで記事にされたことがあったように思いますが、官僚にとって見れば
・政権支持率が盤石=首相以下与党が官僚の言うことを聞かない、聞きづらい
よって政権に都合の悪いネタを野党やマスゴミに流し、政権を揺らがせ、常にコントロールしやすい状態を狙いたがる、というような考え方でしたか。
安倍首相の時のように、もはや都合の悪いネタでも何でも無いものですら、野党やマスゴミは政権叩きに使いますから、国民からの監視やコントロールが必要なんじゃないでしょうかね。
私の近隣の地方自治体であった盗聴の事例です。
(1)同じ職場の人が同僚がよく使う内線電話機に盗聴マイクを仕掛けた。
自分が気のある同僚(異性)の話を知りたがっていたらしい。政治的な意図は全くないが情けない。
(2)盗聴防止業を名乗るものが私の職場にやってきた。職場の電話が盗聴されていると称して怪しげな機械を売りに来ました。
昔の親子電話でアナログ方式のものがありましたが、その電波を受信し盗聴だと騒ぎ立てたもの。ばかばかしくてお引き取り願った。こんな子供だましにひっかかる役人などいるのだろうか…….いるんですよね。役人は技術に弱いんです。
(3)電話交換手が聞いていた。
これは電話交換機自体の機能として電話交換手が自分のつないだ電話の会話を聞けるようです。
従って電話交換手と仲良くなると面白い情報を教えてもらいますw。人事関係など秘匿すべき話は交換手を通さず直通電話や携帯電話を使うのが基本です。
行政文書であるなら決裁区分までハンコがついた状態で起案文書がありますよね、勿論起案者氏名と年月日、作成目的や経緯等が記載してあるはずです。
サンデーモーニングのような番組でも
画面の隅に「フィクションです」や
「CMです」など注釈を入れてくれて
くれれば良いのにね。
そのうち国会中継もそうなるのかな。
「右に偏向している番組」ってどれですかね。あまりTV視ないので左寄りの番組のタイトルしか知らないです。
残念ながら改めて判ったことは、日本の中央省庁にはまとまな役所は無さそうと言う事ですね。全てがダメとは言いませんが、多分、大方はダメなんでしょうね。このあたりで省庁再再編と言うか作り直さないとあきませんね。手始めに歳入庁新設から始めましょうか?
もうさ、外務省のコリアスクールってわざと日韓で揉め事長引かせてんじゃないの?って思うね。日韓で疎遠になったら自分達の存在感無くなっちゃうもんね。日韓揉めると外交メインストリームのアメリカ外交にも絡むことが出来て得点稼ぎや天下り利権にサイコーとか。
「すべて総務省の内部文書と整合性がある」という事は、誰か職員が横でメモを取ったか、安倍総理と高市氏の電話ハナシを盗聴してたんでしょうね。怖いな〜。役人は皆、保守派を倒したいのか?他に重要な仕事は無いのか?
日本にはスパイ罪無いからセーフみたいな事を左翼が連呼してますが、普通に盗聴は犯罪です。
それを元に公式文書起こしていたなら職員は懲戒免職に該当します。
起案した文書責任の無い公式文書は存在しません。
書いた人は最低解雇だから名乗り上げてね。
この文書が厳重取扱注意なら漏洩した犯人は分からないのかな。
普通に考えて懲戒免職だろうに。
また、これを行政文書と認めるのもどうかと思う。
これこそノーコメントで押し通す案件。
これでは、”日本の官庁・政府自民党は秘密保持が出来ない”と白状しているようなもの。
やっぱり岸田政権は〇カの集まりではないか?(〇はバです。)
止める役人・政治家はいなかったのか。
国会議員というかお笑いで扱って上げるのが
妥当な域の小西と韓流政党立憲民主党の
主張を聞くと、なんか与党の大問題
のような口ぶりです。(笑)
ただ、むしろ問題は
真面目に働く日本の公務員の方が多い中で
怠けるだけでなく機密文書も漏洩する
どぶサヨ労組専従公務員が潜り込んでいることと
その糸を引く韓流政党など特定野党の
腐敗に正しくフォーカスが当てられるべき
問題と感じます。
まあ、平和とされる江戸時代にも
山賊追い剥ぎはいたもので
その割合はそれを想起していただく
今の特定野党さんの支持率と
同じ程度との研究もあります。
富に自由な言論の寛容は日本国民の誇りですが
それを維持するためには、そうした
山賊追い剥ぎレベルととても相似している
そんなこんなの人たちの言い分を
それ相応の正しい位置づけとして
扱って上げることが必要なのでは
と改めて感じます。
明治中期、政府はメディア(当時は新聞と少数の雑誌)による政府批判、これは主として政権中枢と財閥の関係のことだが、これを取り締まった。
次には、財閥からの資金援助と陸海軍・警察の共同で、御用メディアをつくってきた。毎日、朝日、読売のことだ。
で、戦後、権力の主体は在日米軍になったこともあって、アメリカ政府は我が国最大のメディアに資金をともなう影響力を行使してきた。いまもやっている。
と、考えていけば、放送法をめぐる論戦のようなものは、いかにメディアを政府御用に仕立てていこうか、そのせめぎあいにすぎない。
つまらないメディアは淘汰されるだろうし、NHKのように利権にあぐらをかいたメディアだけが生き残っていくのだろう(ちなみに、NHKは霞会関係者の有力就職先でもある)。
高市氏は、去る防衛費増額云々の際にも考察したが、たいした識見もないのに影響力を行使して大物ぶることがあるから、ときに足をすくわれる。迷惑をこうむった役人も少なからずいるのだろう。
このような人物を国会に送り込んだ奈良県の有権者は、不明を恥じるのがよいと思うが、そのような動きもなさそうだ。であれば、事案と人を替えながら、こういった不毛な(時間と経費の無駄)ことは今後も続くのだろう。