ロシアによる違法な軍事侵略から1年が経過するなかで、ウクライナ中銀は23日、記念紙幣として「忘れるな、許さない!」などと印刷された20フリブニャ紙幣(約75円相当)を発行すると発表しました。発行枚数は30万枚で、おそらくは紙幣収集家などに向けた希少価値を高める狙いもありそうです。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年が経過するなか、ウクライナの中央銀行は23日、興味深い報道発表を行いました。記念紙幣として、「忘れるな、許さない!」、などと印字された20フリブニャ紙幣を発行したのだそうです。
Пам’ятна банкнота “ПАМ’ЯТАЄМО! НЕ ПРОБАЧИМО!” увічнила силу духу та героїзм українців
―――2023/02/23 13:16付 ウクライナ中央銀行ウェブサイトより
【参考】ウクライナの新紙幣
(【出所】ウクライナ中銀報道発表)
ちなみに国際決済銀行(BIS)のデータによると、ウクライナの通貨・フリブニャの対米ドル相場(USDUAH)は2月21日時点で1ドル=36.5686フリブニャだったそうですので、これを同日の相場で円換算すれば1フリブニャ=3.787円、といったところでしょうか(20フリブニャは75円程度という計算です)。
同ウェブサイトの発表によれば、紙幣には片面の上部にウクライナ語と英語でメッセージが掲載され、その下には硫黄島の戦いを彷彿させる「兵士らがウクライナ国旗を立てる様子」があしらわれ、あわせて英国、米国、カナダ、欧州連合(EU)などの旗も確認できます(※日の丸は見当たりません)。
【参考】硫黄島の戦い
(※パブリックドメイン)
一方、その反対面には中央部に “ПАМ’ЯТАЄМО! НЕ ПРОБАЧИМО!” という文字が印刷されています。翻訳エンジンなどを参考にウクライナ中銀の発表を読み解くと、この紙幣文言は「忘れるな!我々は許さない」という意味だそうです。
また、ウクライナ中銀によれば、同銀のアンドリー・ピシュニ総裁は「この戦争は私たちにとって、1年や10年ではなく100年続くものである」として、新しい記念紙幣が「ロシアの侵略者に対するウクライナの闘争と精神、回復力、不屈の精神、そして永遠のヒロイズムに捧げる」ために発行されると述べたそうです。
なお、ウクライナ中銀は今回の紙幣について、24日以降、購入可能になるとしつつも、発行枚数は30万枚に限定されるため、世界の紙幣収集家などに向けた希少価値を高める狙いもあるのかもしれません。想像するに、これから紙幣を購入しようとしても難しそうな気がします。
もっとも、紙幣収集家にとっては、同中銀が将来的に発行するであろう「戦勝記念紙幣」について、今のうちに情報収集をしておいても良いのかもしれません。
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※日の丸は見当たりません、だなんて、サイト主どのも人が悪いw。硫黄島じゃな ... と
特例でゼロユーロ札発行させてあげればいいのにね。
ゼロだから経済には影響なし。ウクライナには資金が入る、観光客、収集家は喜ぶ。
ちなみにEU諸国はゼロユーロ発行しています。値段は2ユーロ。
縛られた手の方の紙面には、ウクライナの国旗の中央にグレー地の帯状のものを置き、その上部に赤い丸を描いている。
一見すると縦長に掲げた日章旗に見えるが、赤い丸の部分は三つほどの赤い丸を重ねて中央部には濃い青を配色している。
いったい、これは何を意味しているのだろう? とても気になる。(ナチの党旗が赤い丸の中に鉤十字だったのを思い出した)
経済学的に言えば、記念硬貨は
「緩い寄付」
ですよね。
貨幣代金を支払うけど兌換されないのであれば納税したのと実質的に同じこと。
(ただし、いざとなれば額面の製品との交換を要求できる権利を保留中。)
僕も長野五輪記念500円硬貨や、スコットランド沖のマン島政府発行の1ポンド紙幣なんかは、いまでも引出し奥に思い出と共に休眠中です。
が、IOCに愛想が尽きてきたので雷鳥の硬貨はそのうちに使っちゃうかも。
額面ゼロの紙幣は、そういうロマンの部分を冷静に削ぎ落とした
「効率的にお布施するマシーン」
みたいな気がしますねえ。
頭のよい人たちは考えることが違うわ。
スクルージみたい。(笑)