日本政府がウクライナに地雷除去車両提供を検討=産経
大変良い話題があります。産経ニュースによると、日本政府はウクライナに対し、発電機のほかに地雷除去車両などを提供する方向で検討に入ったのだそうです。日本にとっては、ロシアをやっつけるための武器を直接供与することは難しいものの、差し当たって復興支援を行うための機器を提供することは非常に良い行動です。そして、こうした行動の積み重ねが、ウクライナ戦争をウクライナの勝利、ロシアに敗北に導く原動力となることは間違いありません。
なぜウクライナ戦争が許されないものなのか
ロシアが仕掛けたウクライナ戦争は、もちろん、国際法に反する違法な行為です。ウクライナの側に落ち度はまったくなく、純粋にロシアの側に100%の責任があるからです。
しかも、ロシア側はこの戦争について、「ウクライナの非ナチ化」などの名目を掲げていますが、これもメチャクチャです。ウクライナの政権はナチスとは無関係だからです。
さらには、「NATOを東進させないという約束を西側諸国が破ったから西側にも落ち度がある」、などとするわけのわからない言い分を持ち出す人もいますが、正直、ここまでくると支離滅裂というほかありません。そもそもそんな約束など、少なくとも文書では存在していないからです。
いずれにせよ、今回のウクライナ戦争、ウクライナ(あるいは西側諸国)に落ち度はまったくなく、ロシアにのみ100%の落ち度が存在しているという意味では、異例というほかない戦争ですし、こうした不法行為を許せば、たとえば中国が台湾に侵攻するなど、各地で無法な戦争を引き起こすきっかけともなりかねません。
したがって、この戦争は100%の落ち度があるロシアの側を全面的に敗北させ、ロシアに対し国際法違反の責任を取らせる以外に落としどころがあってはなりませんし、「国際法を守る諸国」はそうした落としどころに向けて、一致団結せねばならないのです。
FOIPを掲げる日本こそロシアの敗北を主導しなければならない
こうしたなか、この「国際法を守る国」の代表格に躍り出ようと考えている国のひとつこそ、私たち日本です。
日本は「自由、民主主義、法の支配、人権」といった普遍的価値を掲げ、この価値観に基づく「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を実現させるべく、米国や豪州、インドを含めた諸国との連携を強化しているわけですが、その根底にあるのは「ルールを守ること」にあります。
そして、FOIPを提唱したのは、この7月8日にテロリストによって暗殺された故・安倍晋三総理大臣その人であり、安倍総理の遺志を継ぐためにも、私たちの国・日本は、国を挙げてこのFOIPを尊重し、推進していかねばならないのです。
その意味で、ウクライナの勝利、ロシアの敗北のために、日本は世界のどこの国よりも努力しなければならないはずなのですが、ただ、非常に残念なことに、現在の日本はウクライナに対し、直接の武器供与をすることが難しいのも実情でしょう。
憲法第9条の存在を含め、日本が外国に武器供与し辛い理由はいくつかあるのですが、正常な国であれば、ロシアという無法国家をやっつけるために、日本ももっと海外貢献ができるよう、国内の体制を整えなければならないことはいうまでもありません。
余談ですが、ウクライナ戦争の影響で、日本国内でも「ケンポーキュージョー教」の欺瞞に気づく人が着実に増えていることは不幸中の幸いでしょう。
新聞、テレビを中心とするオールドメディア、立憲民主党や日本共産党などの野党勢力が、今日も旧統一教会問題などで国会を空転させている目的も、結局のところ、憲法改正を妨害することにあると考えれば、非常に筋が通っています。
日本政府が地雷除去車両を提供へ=産経
さて、こうしたなか、少し良い話題があるとしたら、それはこんなものではないでしょうか。
<独自>ウクライナに発電機や地雷除去車両提供へ 政府検討
―――2022/10/26 20:36付 産経ニュースより
産経ニュースは昨日、政府がウクライナに対し、年内をめどに発電機や地雷除去車両を提供する方向で検討に入ったと報じました。あわせてウクライナの喫緊の課題とされる越冬対策への支援も行う方針で、11月にも国会に提出する第2次補正予算案に必要経費を盛り込むそうです。
とくに「地雷除去専用車両」とは、ずいぶんと踏み込んだ支援でもあります。
産経によると、政府は暖房などの電力確保に必要な発電機、道路の補修に欠かせない地雷除去専用車両を「早期に実施できる支援策」と位置付けており、これらについては国際協力機構(JICA)を通じて提供する方向で準備を進めるのだそうです。
つまり、ロシアをやっつけるための直接の武器ではありませんが、まずは破壊されたウクライナのインフラを普及するための支援を急ぐという考えであり、現在の日本にもできる国際貢献のひとつであることは間違いありません。
とくに産経ニュースによれば、ロシア軍は現在、ウクライナ全土への攻撃を強めており、ウクライナ政府は30%以上の発電所が被害を受けたと発表しているそうです。また、交通インフラ(道路、橋など)も各地で被害を受けて寸断されているなか、「インフラ復旧に向けて地雷やがれきの除去作業は急務」です。
ちなみにこの産経ニュースが報じた内容のうち、発電機については、『ネクスタ(Nexta)』というウェブメディアがすでに10月17日時点で報じています。
Japan to help Ukraine restore energy infrastructure damaged by Russian shelling#Japan is ready to provide #Ukraine with necessary equipment for the restoration.
📰 Ministry of Energy of Ukraine following the meeting of the head of the department with the Ambassador of Japan pic.twitter.com/HGguG9lt9H
— NEXTA (@nexta_tv) October 17, 2022
ツイートには現地の人によるものと思しき謝意が示されていますが、こうした民間インフラへの支援は日本が得意とする分野のひとつであり、ぜひともウクライナの人々が暖かい冬を迎えられるように、支援を急いでもらいたいと思います。
地雷除去車両と国際貢献
ところで、この地雷除去車両について調べていくと、興味深い動画がありました。株式会社小松製作所(コマツ)によれば、対人地雷を除去するための車両を開発し、現在、カンボジアに投入しているのだそうです。
動画によると、対人地雷の除去は大変危険な作業ですが、地雷除去車両を使用することで、安全かつ効率的に地雷除去を行うことが可能となります。
しかも、地雷除去が完了した土地は、そのまま農地に転用されるケースのほか、広くて平らで使いやすい道路に転用されるなどして、現地の人々の生活向上に寄与しているのだそうです。
こうした地雷除去車両を投入するというのも、いかにも日本らしい貢献です。
そして、ロシアによる卑劣な攻撃をものともせず、ウクライナが力強く復興することで、ロシアの戦意を挫くとともに、ロシアの攻撃の戦略的意味を無効にすることもまた、ロシアを敗北に導くうえで重要な要素ではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
【連合ニュース】25分前
『政府、来月日観艦式に海軍艦艇送る…。7年ぶりに参加』
韓国政府は来月6日、日本の神奈川県相模湾で開かれる観艦式に韓国海軍を参加させることに27日決定した。
https://n.news.naver.com/mnews/article/001/0013535657?sid=100
私が危惧するのは、カンボジア・アフリカのゲリラ戦と違ってウクライナ戦争は戦車、その他大型車両が走り回る戦場であるため、はるかに強力な対戦車地雷に対処しなければならないことです。この国際協力機構(JICA)が提供する機材は、カンボジアなどでの対人地雷(精々人の足を吹き飛ばす程度の爆発力)に対応するものです。(ビデオの)コマツの地雷除去車両は、あくまでもこの対人用だと思います。これでは、対戦車地雷に触れたら車両ごと吹き飛びます。
ウクライナのような戦場では、例えば、自衛隊の92式地雷原処理車などが必要です。政府は、分かっているのだろうか。本気で自衛隊装備を送るつもりなのだろうか。ちゃちな機材を送って笑いものにされるのを危惧します。
92式地雷原処理ローラーとのセットを考えて居るのではないでしょうか?
92式地雷原処理ローラーをT72に取り付けるアタッチメントを緊急開発中だったりして。
ただ、1両や2両では役に立たず、数10両は必要なのでそんな台数有るのかな?
でもJICAを通してという事は、対人地雷用に限定されているかもしれませんね。
対戦車地雷は数も限られているでしょうし、使い方さえ誤らなければ、
対人地雷に限定されていても無いより良いし、十分効果を発揮すると思います。
ロウ戦争を理解するにはプーチンの精神世界を理解しなければならない。
・ソ連崩壊は20世紀の地政学上最大の悲劇
・ソ連領土は正当なロシアの領土であり取り戻すべきもの
・ロベウのスラブ3国は歴史的、精神的に一心同体
まずこの前提を理解する必要がある。
よって
・ウクライナの民主化はロシアへの侵略行為そのもの
・それを推進するゼレンスキーはソ連の不倶戴天であるナチスと同等
・現在の戦争はNATOの侵略に対するロシアの自衛戦争
となる。
この先は停戦と侵略を繰り返してウ国全土を征服(反ロシアを追い出し親ロシアでまとめる)
バルト3国やその他の旧ソ連領土を完全に取り戻す、となる。
これがプーチンやロシアエリートの精神世界。
正しいかどうかはともかく彼らのアタマの中はこうなっている。
彼らの中でプーチンは穏健派のハトである点も特筆すべきだ。
ロシア、中国、北朝鮮、イランで悪の枢軸が形成された。
今後もこれに加わる国が出てくるだろう。
これから世界は大乱の時代を迎えると言える。
朗報です。ウクライナではなく中国関連ですが、大変良い話題があります。出典:朝日新聞デジタル2022年10月27日 (直接朝日新聞を見ると目が腐るので、門田さんSNSで発見)。
>>キヤノン御手洗氏、工場の「国内回帰」鮮明に。 地政学リスクを憂慮「工場の存在を根本的に見直そう、時代に合った体制に見直そうというのが大きな課題だ」と述べた。そのうえで「メインの工場を日本に持って帰る」とし、国内回帰を進める考えを明らかにした。>>
どこの地雷処理機だろー
ブログにはコマツが表示していありますが
実績があるとすれば、日建のショベル型も
ありますよね。(カンボジアで実証済)